山口雅也のレビュー一覧

  • 7人の名探偵
    新本格ミステリの端緒を開いた『十角館の殺人』刊行から三十周年を記念したアンソロジー。新本格第一世代のレジェンド作家七名の夢の競演。


    「名探偵」をテーマに書かれたレジェンド作家のアンソロジー。
    「名探偵」をテーマに、とはいえ、実はストレートに探偵ものミステリを書いてる方は少ない印象。ちょっとメタフ...続きを読む
  • 九人の偽聖者の密室
    <奇想天外の本棚>第一回配本。
    カルト教団を弾劾しようとしていた研究者が教団の集会で死を予言され、密室で殺された。目撃者は黄色い僧衣をまとった教祖らしき姿を目撃するが、その姿は消え失せてしまう…
    トリックはそれほど驚くものではないが、登場人物がディクスン・カーの《密室講義》を参照しながら推理するとこ...続きを読む
  • 生ける屍の死(下)
    名作と聞きつつ、中々機会がなく読めていなかった作品。自分には合わなかった。アメリカが舞台で登場人物の名前が覚えきれず、読むのに疲れてしまった。
    謎解き解決からラストシーンに向けてはかなり疾走感があるが、そこまでが長い。また、生者の世界で死者の考えに想いを馳せないと、それぞれの考えが理解できず、真相に...続きを読む
  • PLAY プレイ
    「遊び」をモチーフにした四編が収録されているミステリ・ホラー短編集。と、書かれてはいるが全体的に世にも奇妙な物語風の話が多い。しかしその中でも、隠れ鬼をモチーフとした「黄昏時に鬼たちは」に関しては一番真っ当にミステリしており、この小説の中で一番面白いと思えた。
  • 落語魅捨理全集 坊主の愉しみ
    短編集。タイトルからもわかるだろうが落語とミステリを融合させて生まれた本作。確かに落語にもミステリにもオチが大事な部分はあるので、そういう意味では近いものがあるのかもしれないと思わされた。肝心の中身は良い意味でのバカミスに近い。メタネタも乱舞するわ探偵役であるにせ坊主・無門道絡は最初の話から破天荒な...続きを読む
  • モンスターズ
    「ミステリーズ」「マニアックス」に続く「Mシリーズ」の三冊目。中・短編集。個人的には「ミステリーズ」より好きかな。「マニアックス」は未読なのでわからないのだが、今作ではミステリの枠から逸脱しつつもミステリの残り香を漂わせている作品が多い。その残り香が濃厚なミステリの匂いを発散させているため好きになれ...続きを読む
  • キッド・ピストルズの醜態~パンク=マザーグースの事件簿~
    キッド・ピストルズシリーズ。中編が三編収録されている。相も変わらずなキッドの推理が冴えわたる本作。一番ミステリしてたのは「だらしない男の密室」かな。「革服の男が多過ぎる」での「羊たちの沈黙」パロや犯行の必然性の点も良かったが、「だらしない男の密室」でのオチの部分が特に良かったように思う。「三人の災厄...続きを読む
  • キッド・ピストルズの慢心~パンク=マザーグースの事件簿~
    キッド・ピストルズシリーズ短編集。今作ではキッドとピンクの生い立ちについてもそれぞれの口上で語られている。謎解き要素はミステリなので勿論あるのだが全体的に濃くはなく、キッドとピンクというキャラクターの魅力の幅をひろげるという要素の方が強い感じはした。特にキッド最初の事件と銘打たれた、表題作でもある「...続きを読む
  • PLAY プレイ
    まぁそこそこといった感じかな。

    「ぬいのファミリー」は真相自体はシンプルだが、なかなかに後味が不気味な作品。
    ホラー×ミステリー短編としては上出来。

    「黄昏時に鬼たちは」は4作品の中ではミステリーとしては一番面白い。
    ハンドルネームを使うことによる人物誤認や、「引きこもり」と言われたら勝手に若者...続きを読む
  • 日本殺人事件
    なんというか...思ってたのと違う。
    いやまぁ面白いは面白いんだけど、問題は「詫の密室」。密室だと思ってワクワクしてたら結局解決してねぇじゃん。

    設定は面白いし、それ以外の2作はそこそこ面白いだけに勿体ない。ただやはり期待外れ感は否めない。
  • 生ける屍の死(上)
    真面目なのかふざけてるのか、ハードボイルド なのか?英語から翻訳されたような文体で混乱。それでも冒頭のシーンが面白いからつい先へ先へと読んできたが、なんなんだ、この荒唐無稽さは?そう、荒唐無稽に思えるけれども、ミステリーになってるのが不思議。

    死者が甦ると聞けばゾンビになると思うところが、この作品...続きを読む
  • 7人の名探偵
    全編書き下ろしアンソロジー作品で、それぞれの作品に名探偵が登場します。

    中には、シリーズ物の人物が出てくる作品もあって、キャラや世界観が分かりづらい話も少し…

    30周年記念作品と言う事で、豪華な顔ぶれが揃っているので、ミステリー好きの人には嬉しい作品です。
  • 7人の名探偵
    新本格ミステリ30周年記念のアンソロジー

    それぞれのシリーズを知らない読者にとっては、背景が判らない名探偵の出現は唐突だろうが、
    アンソロジーのための書下ろし故か、多分、
    甘めになっている感じがしたので、読み易かった。

    ラストを締めくくる綾辻氏の作品は名探偵モノといっていいか判別し難いが、
    実名...続きを読む
  • 7人の名探偵
    97作品目( * ॑꒳ ॑* )♪アンソロジー作品を読むのは、初めてです。読み始めて、(。-_-。)ウーン失敗だったかな…と思ったけど、有栖川有栖さんの船長が死んだ夜を読み始めてから、ページ捲るスピード早くなりました(*´艸`*)ァハ♪この7人の作家さん達で、歌野晶午さんと綾辻行人さんしか読んだこと...続きを読む
  • 7人の名探偵
    綾辻行人/歌野晶午/法月綸太郎/有栖川有栖/我孫子武丸/山口雅也/麻耶雄嵩の7人の新本格ミステリの旗手による、豪華な豪華なミステリ・アンソロジー。
    有栖川有栖の火村英生とかも出てきますが・・・名探偵?の定義って、何でしょう?
    (んなモンあるのか??)
    本格ですが、私的には・・・??? な、感じでした...続きを読む
  • 7人の名探偵
    千差万別。『船長が死んだ夜』『あべこべの遺書』は従来っぽい。『仮題・ぬえの密室』はミステリと呼べるのかな。
  • 生ける屍の死(下)
    この作品を余すことなく楽しむには私の知識量が少ないんだろうな、という小ネタ?的なのは感じた。
    本質は多分あと何回か読まないとちゃんとした感想に至るほど理解出来ていないと思う。それでもグリンは好きだし、キリスト教系の学校に行っていたので聖書はとりあえず読んだことはあったし(章節を表しているのに気付かな...続きを読む
  • 生ける屍の死(上)
    翻訳小説の様な文体は敢えてなのか作風なのかはわからないけれど、話が動き出すまではとりあえず読むという感じで下巻に突入するところ。
    死体が動き出す、という文言に「屍者の帝国」が頭に浮かんだけれど、この世界観と翻訳小説みたいな文体は合ってると思う。
  • 7人の名探偵
    我孫子さんと綾辻さんのが好き。
    本格ミステリかと言われると違うかもしれないが
    グイグイ読めた。

    麻耶さん、気になっていたので
    どんな作風か知れて良かった。
  • 生ける屍の死(上)
    超名作なので、文庫改訂版を機に初読。
    や~、入り込むのに時間がかかった❗正直、上巻は何度も挫折した。
    死者が甦って動き始めたアメリカの片田舎の話。翻訳ものっぽい雰囲気は好み。
    上巻のかなり手前で、主人公が殺され、翌朝甦ってしまう。毒殺だったので、誰に殺されたのか、何に毒が盛られていたのか、本人にさえ...続きを読む