山口雅也のレビュー一覧
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並行世界のロンドン。パンク刑事が……ちゃんと推理して活躍する。カバは忘れない、のノリが好きだったなあ!ミステリーで馬鹿笑いすることってないんだけど。曲がった犯罪はまさかまさかの。はじめのアレにもちゃんと意味があったとは。マザーグースは全く詳しくないのだけど、そこにいる人たちに共通して染み付いた「何か」に見立てられるように行われる殺人というのは、推理する側も読む側もまるで導かれるようにそうなっていくことを受け入れてしまうんだねえ。その見立ても意味があったりなかったり、偶然そうなっていたり(偶然となるとちょっとしたオカルトだよね)。ちょうどダブル・ダブルを読んだあとだったので、巻末のなぜ駒鳥を殺し
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改訂決定文庫版で再読。クリスティーのマザーグース物について論じられた巻末特典も、マザーグースミステリ好きとしてはたまりません。読んでいないものが多くて楽しみです。
お気に入りは「執事の血」。この真相は見抜けた! と思ったのですが。その裏にさらに隠された犯罪があったかもしれないだなんて……ぞくりとさせられました。
「ピンク・ベラドンナの改心」も、ピンクが好きなので嬉しい一編。SM殺人ってのでかなりイロモノ感がある気がしたけれど、ミステリとしてはしっかり本格。いつもはお荷物感(笑)のあるピンクがしっかり活躍してるのが良いし、そしてキッドとピンクが警察に入ったいきさつがまさかそういうことだったとは。 -
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20190702
キッドに中古の霊柩車を買わせ、趣味の悪いピンク色に塗らせた発案者はピンクだった。彼女のアメリカ時代のボーイ・フレンドがそういうシロモノを乗り回していたのだそうだ。
(p.188)
棕櫚の葉のように屹立したモヒカン刈りの頭に、鋲打ちの皮ジャンパー姿の男は、キッド・ピストルズ、いっぽう、赤いメッシュ入りの染め黒髪に蜘蛛の巣のようなアイシャドーという、やはり悪趣味なパンク族風体の女はピンク・ベラドンナ。
(p.26 誰が鉤鳥を殺そうが)
隣の助手席に座って三本目のチョコレートバーをしゃぶっている女の名は、ピンク・ベラドンナ。今は黒く染めた髪(本来の色など本人も忘れている)にメ -
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以前に読んだ同シリーズの「慢心」の方はイマイチ興が乗らなかったので、かなり迷いましたが、『改訂新版』の言葉に恐る恐る購入を決意。
結論:買って正解でした(嬉しい誤算)。
マザーグースに題を取った四編の中短編集を収めた本作。
動機ありまくりな容疑者ならもっとうまい殺し方があったハズ、という着眼点から推理がスタートする【「むしゃむしゃ、ごくごく」事件】と【カバは忘れない】。
「衆人環視が作り出した密室もの」の【パンキー・レゲエ殺人】。
上記三編ともに面白かったんですが、特に気に入ったのはは三編目に収録された【曲がった犯罪】です。パラノイアな登場人物、パラノイアなまでにマザーグースの一編を再現 -
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くうわぁ~~やっぱいいっすね~。
山口氏のパラレルワールド本格推理!
おまけにいろいろな名探偵たちも大集合&殺されていくんですね~。これまた私の大好きな設定!
本書でもキッド・ピストルズとピンクがいい味を出しています。
で、ドンデン返しがさらに面白くしていることは言うまでもありません。
本書はゲームブックになっていたんですね~。
私もハマって何冊かやった覚えがありますが、本書のことは覚えていませんでした。
ということで、今回、文庫化するために加筆訂正された模様。
むかしの本を知っている方も読み直されてはいかがでしょうか。
舞台はパラレルワールドですが、山口氏ですもん。
本格推理の定義は忠実に守