山口雅也のレビュー一覧

  • マニアックス

    よい塩梅

    私はコテコテの推理小説が好きで、最初は驚いたけれど、
    この作者さんのトンデモ展開は面白く読めた。
    話の持っていき方や、語り方や、トンデモ部分の割合…よいバランスだから成り立つのだと思う!
  • フランケンシュタインの工場
    ホックの未訳というだけでも嬉しい。訳者が違うけど、ホックの不器用な文体だ。特殊な時間設定が、目新しいゴシック感をもたらしている。終盤近くのサスペンスもあったし、意外な結末もあった。
  • 誰?
    なぜ今バドリス?という意表をつく国書刊行会というより山口雅也氏のチョイス。
    舞台はソビエト連邦ありし日の冷戦時代、国境付近の研究所での事故で重傷をおった研究員がソ連に収容されサイボーグ化され解放。顔はロボコップなみに仮面で覆われ体も多くが機械となって解放された。果たして本物の研究員なのかスパイなのか...続きを読む
  • 誰?
    はじめの方は退屈だったが、だんだん面白くなった。最後は少し判じ物。スパイスリラーに見せかけた、天才的科学者の成長と喪失の物語。
  • 生ける屍の死(下)
    死者が甦るという現象がアメリカの各地で発生したことが主軸の舞台となる特殊設定ミステリ。最初は設定が突飛すぎて読もうかどうしようか悩んでいたのだが、いざ読み進めてみるとこれが滅茶苦茶面白い!死んだ人間が甦るわけだが、死者には死者なりの悩みや葛藤がありそこには勿論生者の思惑も絡んでくる。途中まではしっち...続きを読む
  • 7人の名探偵
    ミステリーアンソロジー7作品短編集。あとがき解説無。
    新本格30周年記念に寄せて7人の名探偵を一気に味わえる心にくい演出です。
    順に読み進め7作目の『仮題・ぬえの密室』に全てが集約され、ずっしりとした本格の歴史を感じました。これから読まれる方にも入りやすい作品を探すのにお勧めです。
  • 7人の名探偵
    新本格30周年の記念アンソロジー。
    新本格に夢中になってたのが20年前くらいなので、思えば自分も年をとったものだなあと。あと、出産~育児で読書から離れていたのもあり、これで久しぶりに読んだ作者も結構いたりして懐かしくなった。
    全体を通して、ストレートな本格の割合が低くて、結構意外だった。全員の個性が...続きを読む
  • 7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー
    ネットやスマホの普及で本格ミステリ界隈にも色々な変化が訪れてるというのは耳にするけど、新本格30周年記念である本作には奇しくもAIの探偵を扱った作品が2本収録されていて、なんだか感慨深い。
    この先新本格40周年、50周年と迎えたとき、どんなミステリが書かれているのか、この30周年はどんな気持ちで読...続きを読む
  • 7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー

    有栖川有栖先生の

    掲載作品は「カナダ金貨の謎」という本に再録されています。
    情報共有まで。

    作家アリスシリーズです。
    兵庫県警のお馴染みの方々が出てきます。
    火村&アリスの掛け合いが好きな人なら、物語の初め数ページだけで笑ってしまうと思います。

    内容は有栖川先生の本格推理小説なので安心して読めました...続きを読む
  • キッド・ピストルズの妄想~パンク=マザーグースの事件簿~
    パラレル英国を舞台にしたマザーグースミステリ短編集。さまざまな形での狂気や妄想に囚われた奇妙な人たちが引き起こす奇妙な事件。だけれども、狂気や妄想なりにもそこには一貫した論理があって、きちんと論理的に解かれる爽快なミステリです。イロモノ感はとても強いシリーズだけれど、本格度も高いなあ。本当に読んでい...続きを読む
  • 垂里冴子のお見合いと推理 vol.3
    やーおもしろかった。 読み進めると、結構グロいシーンもあったけど、どうやら、クロスオーバー作品らしく、そちらの作品(トーキョーサム)も購入してしまいました(。・m・)クス 解説を読んでさらに、ふむふむほーほー。 なんとドラマ化されていたそうで、冴子さんは若村麻由美!ん〜いいんだけど、わたしはやっぱり...続きを読む
  • 続・垂里冴子のお見合いと推理
    あーおもしろかった!それが第一声☆相変わらずの冴子さんだったし、続編もやっぱり楽しめました。 あともう一冊、冴子さんシリーズがありますが、読むのが惜しい!空美や京一のキャラもイキイキしてていい☆ひそかに合子おばさんが好きだな。もっとシリーズ化して、ドラマ化とかしてほしい!
  • 垂里冴子のお見合いと推理
    初めての作家さんだったが、お見合いと探偵というギャップに惹かれて購入。買ってはじめて、短編集だと気づく。サクサク読めて、ほんとにライトミステリって感じ。嫌いじゃないけど、あとには残らない感じ。冴子さんのイメージは絶対壇蜜☆意外とドラマ化したらおもしろいかも☆
  • キッド・ピストルズの最低の帰還~パンク=マザーグースの事件簿~
    シリーズ4冊目。初文庫化ってことで初読作品ありだわ~♬
    読んでる時にラジオからアニメでパタリロ演じた声優さんの訃報と共に『クックロビン音頭』が流れて感慨深いものがあったぞ
  • キッド・ピストルズの冒涜~パンク=マザーグースの事件簿~
    改訂決定版で再読。マザーグース&見立て殺人が大好物なので、もうこのシリーズは大好きとしか言いようがありません。でも読んだのが昔なので、かなり忘れてました(苦笑)。
    パラレル英国を舞台に繰り広げられる、イカレたとしかいいようのない事件の数々。フィクションだからこそ楽しめるこういう事件が楽しくって仕方あ...続きを読む
  • 古城駅の奥の奥
    本書がジュブナイルの「ミステリーランド」で書かれたことの目論見、『ステーションの奥の奥』から改題された意図、舞台に東京駅が選ばれた理由、登場人物の名前や言動に隠された意味。
    すべての描写がプロットに貢献し、伏線が回収される快感を味わえる。
    無駄がないことの気持ちよさ。
    ラストの余韻も心地よい。
  • 13人目の探偵士
    「寝ている猫はそこにいる。だが、厳密に言えば、寝ている猫はそこにはいない。

    なぜなら、“寝ている”も“そこにいる”も運動であって、位置をもたないからだ。

    この世界とは、そうしたことで成り立っている。そいつがわかれば、これが現実のことか、幻想か、なんて下らねえ疑問は湧いてこねえはずだぜ。」

    謎は...続きを読む
  • ミステリーズ《完全版》
    趣向を凝らした短編集としてはどの作品も読み応えがあり、特に「不在のお茶会」は哲学的に『私』を論考するにあたって最良のメタミステリーかもしれない。謎、わからないものとしての「ミステリー」を解き明かしていく過程で、ページをめくる指はなかなか止まらない。
  • ミステリーズ《完全版》
    5 

    CDを模した構成に強烈な共感を覚える。と言うのも、私も自分の創作物を並べる際に、同様のことをするからだ。

    オープニングトラックはコレ、2番目はヘヴィなヤツ、3番目はキャッチーなコイツ、インストゥルメンタルはこの位置、これはバラードだから後ろから2番目、いや3番目かな、終わりにアウトロも付け...続きを読む
  • ミステリーズ《完全版》
    「このミステリーがすごい」95年度版国内ミステリ一位を獲得した作品。


    「DISC-1」 「DISC-2」 の二部に分けられたアルバムに似た作りがなんともいえず洒落ている。


    それぞれの作品群はというとこれまた素晴しい音を奏でる物ばかり。

    クラシックからロック、パンクに至るまで古今東西の音を楽...続きを読む