降田天のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
当時の関係者の証言から過去を紐解く構成が好きな人には絶対刺さる一冊だと思う。白骨死体は誰のものだろうというところから始まった物語は、進むにつれて別の疑問が生じ、語り手が変わることで新たな視点と謎が生まれる。こういうの大好き。
物的証拠や客観的事実ではなくあくまで関係者の記憶を頼りに過去が紐解かれていくので、視点が変われば見え方は変わる矛盾も生まれる大切な秘密は隠して語るという人間らしさが詰まっているのもすごく好き。登場人物は多いけれど一人一人に生身の感情や人生が感じられて、誰もが単なる物語の進行上の舞台装置としてそこにいるのではなかった。
あの頃、すみれ屋敷で暮らした人たちは身分の違いがあってもみんな大切な家族だったんだと思う。時代に翻弄されて多くの大切なものを失って、それでも誰かを守るために嘘を吐き、罪を背負おうとする姿が悲しくて美しかった。第二部の誠の章からは最後までずっと泣きながら読んだ。誠があの時に見た彼女は最後の記憶の中の姿ではなく年を重ねた姿だったから、幻なんかじゃなくてすみれの鉢植えを置いていったのは彼女だと私は思ってる。きっと生きているうちに三人で秘密を弔えたはず、と。 -
Posted by ブクログ
ブログへのコメント等、ネット投稿を通して悪意がエスカレートし、やがて悲劇へとつながっていく様を描いた作品。
3部からなる。
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主人公は2人。出版大手で編集者を務める綾野楓と経産省の職員・棚島。この2人の視点での物語が交互に展開されていきます。
互いにストレスフルな職場です。
ささくれ立った気持ちの捌け口を求めるかのように、攻撃的なコメントをネット上で闘わせる2人。
顔も知らない相手への口撃に、読んでいる方ももやもやハラハラが募って疲れるばかりでした。
プロローグでの衝撃的な描写からも、殺人事件が起きるまでの軌跡を辿るだけのイヤミスかと思っていましたが、そんな単純なストーリーではありませんでした。
第3部は思わず唸ってしまう展開で、そのタイトル「真実」に相応しい見事な終章だったと思います。