降田天のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
さすがこのミス大賞!
しかもデビュー作らしい。
降田天は二人組のユニットらしく・・・、
『女王はかえらない』
タイトルの意味が最後で
やっとわかる、素晴らしいミステリでした。
読まなきゃ損損!
3部構成で『子どもたち』、『教師』、『真相』。
後半、一気読みしちゃう展開にやばい作品だわと。
第一部
小学生のわかりやすいスクールカーストが、転校生エリカの登場で逆転する!
そこが面白い作品よね、って読んでいたら、あれまあれま、そんなことになりますか!そこまで
第一部でいきますの?
第二部
担任の教師目線で、生徒って意外と教師には良い面ばかりみえちゃうのよね、ずるがしこいわ!
いじめっ子ってさ -
Posted by ブクログ
ネタバレ一気読みできたのと叙述トリックが面白かったので高評価。名前と名字、アカウントのみのやり取りなどを駆使して実行者をミスリードさせる構造が素晴らしい。ただ、楓に降りかかった住所特定、誹謗中傷、実際のストーカーが全員違う人物で、それぞれの動機が必ずしも楓を恨むものでなく、夫の浮気調査やら直接会って謝罪したいなど自己都合なものであることが残酷。楓からしたら全部丸めて「精神を蝕むもの」だったのに「実は楓がそう思ってしまっただけ」というのはあまりにも彼女が可哀想すぎる。また、真犯人が利一なのは理解できたが棚島がうざい。どんな理由があれ娘に向き合ってこなかった(或いは愛し方を間違えた)り、浮気したのは彼自身
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Posted by ブクログ
ネタバレ何十年も前の事件を当事者達の証言で解き明かすという構造が新鮮だった。当事者といっても第一印象は屋敷にお使えしていた使用人達の証言なので、信憑性も無く、皆がいろんな「説」を述べているだけだと感じてしまう。しかし事件は複雑で、使用人の中でも主人や三姉妹との関係性の近さによって聞かされている事件の内容が異なり、それぞれが本当に体験した事実として話しているので、「(各々が)体験したことには嘘が無いが真実は部分的には異なる」状態となる。証言者が移り変わるために事件の概要が塗り替えられていき最期に真実に辿り着くという類稀なるストーリーセンス。読み終えたあとに最初の信子の証言に戻ると、彼女の捉える主要人物の
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Posted by ブクログ
丘の上にそびえる洋館を舞台とした殺人ミステリー。
といっても、館モノのクローズドミステリーでもなければ、現在進行形で犯人とかけ引きしていくスリリングな連続殺人でもない、独特の味付けの作品です。
廃墟と化した洋館の庭から古い白骨死体が発見された。かつては栄華を誇った名家の衰退と一体どのような関係が?
当時の使用人や出入り業者などからの証言を拾う形式で、淡々とストーリーが進行していきます。
証言が追加される度に驚きの新事実が一つ一つ明らかとなり、最後にはまったく予想しなかった結末が待っていました。
もの悲しくもどこか温かい展開に心が揺さぶられます。
タイトルの「すみれ」も上手くストーリーに組 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んで一番最初に感じた感想は、これはミステリーというよりも純愛。
戦前・戦中にとあるお金持ち一家に起きた出来事について、現代になってから追う、というお話です。
話の中心になるのがその一家の美人三姉妹。盛大なネタバレですが、その三姉妹の子孫が、当時何が起きたかを知らないまま(何なら自分が子孫だと知らないまま)、当時の出来事を調査するという流れで進みます。インタビュー形式で話が進むので、要所要所でまとめのようなものが挟まれていて、一気読みできず細切れにしか読めないという人にも読みやすいです。
そしてお話の鍵を握るのが、一家に雇われていた少年(後に老人になってから取材される側として登場)。
再 -
Posted by ブクログ
戦前の名家である紫峰邸の敷地内から、白骨死体が発見された。西ノ森がかつての使用人や女中から、当時の様子を聞き取っていくと、戦火に埋もれた一族の秘密が明らかになっていく。慈悲深い主人と、美しい三姉妹。主人に救われた使用人や女中たち。すみれの丘にある、すみれの館で起こった出来事の真実が、脆く鮮やかに顕になる──。
「窓の外では、音もなく振りだした雨が庭の紫陽花を濡らしていた。こんな日はヒナを思い出す。周囲と交わろうとせず、感情を表に出さず、常に霧雨のベールに包まれているようだったひとつ年上の娘」
「私の人生に過ちは数えきれないけれど、後悔はなかったわ」
三姉妹に関わりある使用人・女中の話がそ