降田天のレビュー一覧
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購入済み
あたたかなミステリー
人からおすすめされて読みました。
ミステリーはそこまで得意ではなく普段あまり読まないため、この本も読めるかな、と思っていましたが、読み始めると続きが気になり、一息に読んでしまいました。
ミステリーですが、それだけではない、あたたかなお話しだと思います。 -
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Posted by ブクログ
人は嘘をつく。よく目にするセリフだ。
嘘が罪だとすれば、書名のとおり、本作品にはさまざまな「罪人」が登場する。善良に話をしているようにみえて、次第に嘘が暴かれていく。
では、一体誰が真の「罪人」だったのだろう。
読み終えても、わたしには答えは出せなかった。
「もし、あの時こうしていれば」
「あの時ああしなければ」
誰でも一度は思う「もし」。それが、ゆくゆくはその人を嘘に導いていくように思った。
誰が悪いわけではない。でも確かに「罪人」はいたのだ。
少しずつ暴かれていく嘘。
少しずつ明かされていく「罪人」の思い。
誰の立場で読み、考えるか。
こうした楽しみのある作品だった。 -
Posted by ブクログ
名家・旧紫峰邸から発見された白骨死体を巡り、戦前・戦後の動乱期に隠された一族の秘密が明かされる。かつての使用人たちの証言によって過去が何度も掘り返され、証言者が変わるたびに人々の見え方がガラリと変わる多重解決の展開に、私は一気に引き込まれた。
何より胸を衝かれたのは、女中・ヒナの壮絶な覚悟だ。彼女はすべての嘘を自分で被り、自ら顔に火傷を負うという過酷な道を選んだ。そこまでして彼女が守りたかったのは何か。
紫峰家の当主や三姉妹、使用人たち。彼らは決して私利私欲のために罪を犯したわけではない。誰もが「誰かを守るため」に、自ら進んで嘘をつき、秘密を抱え、罪人になる道を選んでいたのだ。
タイトルに -
Posted by ブクログ
足もとで、おまわりさん、と小さな声がした。幼い女の子が今にも泣きだしそうな顔でこちらを見上げている。
狩野はその場でしゃがみ込み、にっこりと笑いかけた。
──神倉駅前交番は今日も忙しい。
『女王はかえらない』ぶりに読んだ降田天氏の作品。本作は全5篇の連作短編集であり、表題作『偽りの春』は、第71回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。
この連作短編集は全ての作品が『犯人の視点』で描かれているミステリーという、一風変わった設定で描かれていることで、犯人側の心情の変化や追い込まれていく描写が、かなり斬新で楽しめました。
個人的には1話目の『鎖された赤』と、5話目『サロメの遺言 -
Posted by ブクログ
★★★★ 何度も読みたい
演劇の名門・百花演劇学校で最大の公演・定期公演の最中、脚本の天才・設楽了が事故死した。そんな天才の下、万年2位だったさやかと、百花には了の死の真相を探りに来たと豪語する貴水が、了の最後の作品・『百獣のマクベス』の関係者を調べていく話。
物語が進む中で明らかになっていく様々な少女の苦悩に読む手が止まらなかった。いじめられていた過去を抱える少女も登場し、その過去や現在とのつながりに胸が締め付けられることもあったが、そこまで生々しい演出ではない。
「舞台のためにすべてをー限りなく全てに近いものを犠牲にできる人はいるのだろう。舞台に立つために生まれてきたとか、舞台を作れ -
Posted by ブクログ
原作『小説の神様』の世界を8人の作家が描く、豪華なアンソロジー。作家、編集者、読者など、様々な視点から紡がれる「小説の神様」の物語は、どれも個性的で一気に引き込まれた。
特に心に響いたのは、相沢沙呼さんの『神様の探索』だ。帆舞こまにの誕生秘話、シリーズでは語られなかった余白の部分をスピンオフならではの面白さがある。
一也と詩凪を見守る編集者・河埜が、若い才能の居場所を守るために戦う姿が最高に格好いい。神崎部長を熱い思いで説き伏せる場面や、「帆舞こまに」の傑作が誕生した瞬間の喜びは、読んでいるこちらまで胸が熱くなった。
一方、紅玉いづきさんの作品は、まるで私小説のような『小説の神様』誕生秘