降田天のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
★3.9
盲信は破滅への道しるべ。
才能と傲慢、崇拝と孤立が交錯し、覚醒と堕落の群像劇。
シェイクスピア「マクベス」を巧みに翻案した、現代学園ミステリー。
物語の舞台は演劇学校。
この舞台の「王」である設楽了という“カリスマ”は、その周囲の生徒たちの欲望と嫉妬を掻き立てる。
絡み合う野心は、「王」の死を引き金に、疑心暗鬼と混乱を加速させていく。
この“マクベス構造”を現代の心理劇として巧みに再構成した点が、本書の最大の魅力だ。
劇中劇「百獣のマクベス」は、内容が語られぬまま象徴的な外枠として機能する。
このメタ構造が、原典「マクベス」の気配を忍ばせながら本作に独自の深みを与えている。
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Posted by ブクログ
ネタバレ結城さやかが通う百花演劇学校は、演劇のプロを育てる名門校。それだけに生徒のレベルも高く、なかでも設楽了は神と崇められるほどの天才劇作家だった。そのおかげで、おなじく劇作家を目指すさやかは万年2位に甘んじていた。
さやかが2年生のとき、公演中に了が奈落へ転落するという死亡事故が起きてしまう。そのときは事故として処理されたが、翌年、了の死の真相を調べに来たという新入生が現れたことで、事件は再び動きだす。
果たしてそれは事故だったのか、自殺だったのか、それとも……。
という話。もうね、めちゃくちゃおもしろかった!
読みやすい文章と、真相がわかるまでのプロセスがきれいで、展開が滞りなく進むから中ダレ