降田天のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
原作『小説の神様』の世界を8人の作家が描く、豪華なアンソロジー。作家、編集者、読者など、様々な視点から紡がれる「小説の神様」の物語は、どれも個性的で一気に引き込まれた。
特に心に響いたのは、相沢沙呼さんの『神様の探索』だ。帆舞こまにの誕生秘話、シリーズでは語られなかった余白の部分をスピンオフならではの面白さがある。
一也と詩凪を見守る編集者・河埜が、若い才能の居場所を守るために戦う姿が最高に格好いい。神崎部長を熱い思いで説き伏せる場面や、「帆舞こまに」の傑作が誕生した瞬間の喜びは、読んでいるこちらまで胸が熱くなった。
一方、紅玉いづきさんの作品は、まるで私小説のような『小説の神様』誕生秘話として楽しめた。「神様って何?」「自分で考えなよ、小説家でしょ」という作家二人の淡々としたやり取りが面白い。特に「売れなければ心細いし、売れたら売れたで嫉妬に狂う」という言葉には、作家同士の本音が詰まっている。良き友であり、同時に負けたくないライバルでもある——そんな二人の関係性がとてもリアルで、深く心に残った。
一冊を通して、物語の裏側にある作り手たちの情熱を存分に味わえる、贅沢な作品集だった。
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Posted by ブクログ
「偽りの春」では、狩野の出番が多かったのに比べ、こちらは少なかった。
せっかくなのでもっともっと犯人に突っ込んで欲しかった。
借りたままのドン・キホーテ。当初「これ絶対あぶないだろ」と思っていたが
確信に迫る材料ではなかったようだ。
今回は、供述から違和感を感じ取るのではなく、行動、言動から「どうしてそうなる?」という違和感から落としていったように思う。
アサヒとユウヒ、美織は、それぞれ「大切な人」を守るためにウソをついた。
ウソをつく理由がどうであれ、狩野はスルーしない。
「幻想は幻想のままでいい」という大人たちに対して、「本当のことを知っても立ち直れる人にすることこそが優しさ」と狩野は言ったが、夕夜に関しては、うーん・・・知らないほうがいいと思う。夕夜の父はユウヒでいいじゃないか!
常識から逸脱した大人たちに人生を台無しにされた可哀想な子どものエピソードは辛かった。美織はもう少ししっかりして欲しかったというのが本音。でも若い母親だったから仕方ないかー。事件はとても悲しく凄まじく、内容もハラハラして面白かったけど、狩野の働きがちょっと物足りなかった。伏線があるはずだが、自分自身うっかりスルーして読んでいた部分もあるだろう。記憶を消して最初から丁寧に読みたい。 -
Posted by ブクログ
演劇に特化した全寮制の女子校で起きた公演中の転落事故。1人の少女が亡くなり、その一年後、一人の生徒が入学する。その死の真相が知りたいー。
私は、この始まりだけでドキドキしてしまう。「幕が上がる」そんな言葉が浮かび上が上がって物語は始まる。
登場人物は多くない、ほぼ学園内での話。コンパクトで読みやすい。それでいて、人間関係や青春、夢にかける必死さが多面的に示される。登場人物の出身地が北海道や大阪など地方でのエピソードがあったり、作中の時間の流れが空間的・時間的広がりを与えている様に感じた。
読みやすい、面白い。作中、「マクベス」が出てくるけど、知らなくても大丈夫。知っていたらきっと、尚更面白い。
真相はフェアで示されているけど、私は気が付かなかった。全体的にモヤモヤしなくて良いミステリー。学園もの、青春もの ミステリーが好きな方におすすめです。 -
Posted by ブクログ
演劇専門学校で発生した、"神"と崇められた生徒の事故死。
最初はただの事故として処理されたが、何故緞帳の降りた舞台で下がった迫りに落ちたのか?何故上がる必要の無い舞台に上がり事故にあったのか?等の
謎が残る事件となっていた。
そこへ、新入生の『貴水』が事件に隠された真相を調べに学校へ入学してくる事により物語は進んでいく。
個人的にこの作品は世界観へ引き込む文体をしてると感じました!
読めば読む程この世界への没入が深くなりました。
気付けば一気読みでした。
特に、登場人物の心理描写はとても好きでした!
『人の心の奥の奥までは見えない』
この台詞に濃縮されてる意味が濃くて好きでした!
物語展開と謎解きへの伏線としての台詞等は「アレ?」と違和感を抱いたり、「これは!」と解る台詞が多かったのに、全てが推理仕切れない所もミステリーとしてとても良かったです!
読みやすく楽しめるミステリーで、人の心と秘め事の大切さを痛感する物語でした! -
Posted by ブクログ
さすがこのミス大賞!
しかもデビュー作らしい。
降田天は二人組のユニットらしく・・・、
『女王はかえらない』
タイトルの意味が最後で
やっとわかる、素晴らしいミステリでした。
読まなきゃ損損!
3部構成で『子どもたち』、『教師』、『真相』。
後半、一気読みしちゃう展開にやばい作品だわと。
第一部
小学生のわかりやすいスクールカーストが、転校生エリカの登場で逆転する!
そこが面白い作品よね、って読んでいたら、あれまあれま、そんなことになりますか!そこまで
第一部でいきますの?
第二部
担任の教師目線で、生徒って意外と教師には良い面ばかりみえちゃうのよね、ずるがしこいわ!
いじめっ子ってさ、いやよねぇ、全く!
って読んでしまって、でも違和感がちらほら。
第三部
あーあ騙されてたわ!
かなり意図的に仕掛けられた。
読めば読むほど騙されていたことが明らかに。
違和感の謎が徐々に明らかに。
よく練られた登場人物設定。きちんと読まんと
理解せずに読み進めちゃう危険性120%。
決していいお話ではないけれども
エンタメとしては大変良い作品でした。