降田天のレビュー一覧

  • 事件は終わった
    地下鉄で若い男性がナイフを振り回して乗客を殺傷した事件が起きた。たまたまそこに乗り合わせていた妊婦は傷を負い、助けに入った老人は刺されて殺された。そんな凄惨な事件のその後を描いた本作は、亡くなった被害者、事件を起こした加害者にスポットを当てるのではなく、その他周りにいた人達に焦点を当てている。事件に...続きを読む
  • 事件は終わった
    事件は終わったけれども、その事件によって心に痛手を負った人達のお話。
    まあ、ずっと引きずるよね。いいか、悪いかは別として…。
  • すみれ屋敷の罪人
    人は誰でも学ぶべきだ。それが仕事や生活に直接には結びつかなかったとしても、必ずきみの人生を豊かにしてくれるから。
    知識を得るのは楽しいし、知識を得られればいろんなことがもっと楽しくなる。
    大切な人には自分から手を伸ばさなくてはいけないと。そして全力で守らなくてはいけないと。
  • 事件は終わった
    ある電車内で発生した無差別殺傷事件。その事件の後に焦点を当てているが、これがよかった。
    降田作品だから人間の厭な部分がこれでもかと描かれているのかと思いきや、本作はどうにか未来を、事件の後の日常に戻ろうとする人々への祈りの物語である。
    長編でなく、連作短編集にしたところも一人一人に焦点が当たっていて...続きを読む
  • 事件は終わった
    地下鉄で起こった殺傷事件
    その事件によって日常が人生が少しズレてしまった人たちのアナザーストリート

    犯人についてはほとんど書かれてません。
    明確にこの本の書きたいところはそこではないんだなと。むしろそこが良かったのかもしれません。許されざる犯罪者に焦点を当ててしまうと、思わず犯人に肩入れしてしまい...続きを読む
  • ネメシス5
    ネメシスを訪ねてきたのは、暴力系動画配信者のたじみん。彼はフェイク動画により麻薬使用の疑いをかけられており、同じ動画に映っていた女優の光莉は失踪中。事件の鍵は二年前のニュース番組の虚偽報道にあったのだった。小説オリジナル「正義の餞」の方が面白かった…。
  • ネメシス7
    風間たちから出生の秘密を聞かされたアンナはショックを受けてネメシスを飛び出してしまう。過去の秘密が解き明かされ、アンナを救うため風間や他のメンバーが集結するー。シリーズ完結!
  • ネメシス6
    失踪したアンナの父の手がかりを探すネメシス。フェイクニュースを操った組織がすべての事件の黒幕か…。シリーズも残すところあと1作です。
  • すみれ屋敷の罪人
    2001年、長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された二つの白骨死体。
    紫峰家は、すみれの花で彩られた美しい館に暮らす一族だった。当主の太一郎と、葵・桜・茜の美しい三人の姉妹たち。四人は終戦間近、東京大空襲によって亡くなったはずだったが……。白骨死体は、いったい誰の死体なのか? ...続きを読む
  • 偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理
    連作短編集。
    1話めはめちゃ良かった。倒錯された世界で江戸川乱歩を彷彿とさせる(かな?)。
    2話めから徐々に飽きてきた。事件がショボくなってきたからか、計画性が薄れてきたからか。
    徐々に明かされていく主人公の過去が気になる。
    最後の話は良かった。

    こういう系って緻密な計画にちょっとしたことから破綻...続きを読む
  • 偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理
    倒叙形式で描かれるため、犯人も何をやったかもわかっている状態で話が進んでいく。
    狩野が鋭すぎるのもあるが、犯人たちがボロボロにボロを出していくため笑ってしまうが(これも狩野のスキルの賜物なんだろうが)読者側も共に緊張できて楽しかった。

    短編集なこともあり、文章はとても読みやかった。
    だが短編と油断...続きを読む
  • 女王はかえらない
    「このミステリーがすごい!」大賞を受賞したデビュー作。

    小学生女子のスクールカーストによるいじめをきっかけにして、起こる事件の顛末を描いた物語です。

    ミステリを読み慣れた方なら、ある程度はトリックの見当がつけられるかもしれませんが、最後に明らかになる真相は、残酷で衝撃的なものでした。

    幼稚さと...続きを読む
  • さんず
    社長ムカつくぜ…と思いながら読んでいたが黒幕は別だった。スガくんが結構詰めが甘いのでハラハラする。しかしいくら色んなところにパイプを持っていても、いつかバレて制裁喰らいそうだなこの会社…と思った。
  • 事件は終わった
    「すみれ屋敷の罪人」が面白かったので、こちらも読んでみました。
    たまたま同じ車両に乗り合わせ、事件に巻き込まれた事で、それぞれの人生が狂わされていく。事件後のそれぞれの人物に焦点を当て、少しずつつながっていく感覚が、面白かった。
  • すみれ屋敷の罪人
    土地造成時に見つかった3遺体。かつてあった華族屋敷の関係者から当時の状況を聴取することで何があったのか、そもそも被害者は誰なのかを刑事が追うが…
    証言が変わるごとに少しずつ話の景色が変わる辺りは面白いし、意外な展開もある。
    しかし、真相が分かった後のモノローグなどはもはや不要では?最後まで楽しく読め...続きを読む
  • 彼女はもどらない
    意識の戻らない寝たきりの妻と幼い娘を抱える官僚の棚島
    雑誌編集者の楓

    それぞれが生活に問題や憤りを抱え、匿名の掲示板でも不満を抱き…

    完全に盲点だったと言うか、想像できない展開に言葉を失うと共に、登場人物たちの「些細な悪意」が引き起こした最悪の未来に少しリアルさを感じて怖かったです

    タイトルの...続きを読む
  • さんず
    11月-11。3.0点。
    自殺幇助業を営む「さんず」という会社の従業員が主人公。「死にたい」と思う人を見つけ、事前調査し、絶妙なタイミングで会社の名刺を渡す。。。

    連作短編。ラストに向け、従業員の秘密が少しずつ明らかに。
  • 朝と夕の犯罪
    狩野雷太はある意味主役

    一応「偽りの春」警察官狩野雷太シリーズの続編。

    今回はアサヒとユウヒという兄弟が主役で、
    過去の誘拐と現在のつながりをうまく描いていますね。
    ※アサヒとユウヒの名前が似てて混乱しました。

    狂言誘拐の真相が、残酷で悲しいんですが、
    事件の前振りが長いわりに、真相のインパク...続きを読む
  • 朝と夕の犯罪
    相変わらず降田天氏達の物語は綺麗なんだけど、これに関してはもっとドロドロした所を描いて欲しかった。
    関係性は解るんだけど、個人的なそれぞれの思考っていうか動機っていうか。

    システム的には二部構成で良かったんだけど、様式美に行ってるのが何とも勿体無いな。
  • ネメシス3
    シリーズ3作目は周木律さん。堂シリーズの作者さんなので期待して読みました。「愛という事件のもとに」はお嬢様女子校で発生した自殺事件の調査をすることになったネメシスの面々のお話。「名探偵初めての敗北」は天才棋士のカンニング疑惑を調査するため、対局場にやってきたネメシスの面々が、密室殺人の現場に遭遇して...続きを読む