降田天のレビュー一覧
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女王はかえらないよ、というお話(?)。
小学生女子のカースト制度、転校生がやってきたことで関係性が崩壊し、対立構造へ。
様々な事件がおこるなか、やがて最大の事件が起こってしまう。
生徒視点の第一部、教師視点の第二部、真相の第三部、という三部構成。
第一部の事件ののちの第二部、大事件が明るみになるかならないかのドキドキ展開ながら謎の決着。
おかしいなおかしいなぁと思ったらまさかの真相。
つながっているようでつながっていないようでつながっている。
第一部の語り手は誰なのか?、あだ名での記述に何かしらのあるのだろうなぁ、と思ったらやっぱりだった。
今作もきれいに騙されたわぁ、となりました。 -
Posted by ブクログ
ネットトラブル・炎上により彼女はもう元にはもどらない、というお話(?)。
仕事の失敗で担当を外された女性編集者はそのイライラを人気ブロガーへとぶつける。
一方、人気ブロガーのほうは奥さんが意識不明の状態にあり、仕事と子育てに追われながら、批判に対応していく。
両者の視点を交互に描きながら、お話が進んでいく。
最初に裁判描写があり、事件の顛末が明らかになっている。
どうやってそこに辿り着くのかを考えながら読み進めていくと、どうにもそういう結果にはならなそうだぞ、となる。
そして後半怒涛の真相が次々と明らかになっていく。
そことそこがつながって、あそことあそこもつながって、あれとこれもつながるんかーい!となる。
裁判描写があることで見事にミスリードさせられた感がありましたなぁ。
批判や誹謗中傷、それぞれに抱える事情があったとしても、他人にぶつけていいものなんて何もないんだな、ということがわかりました(?)。 -
Posted by ブクログ
久しぶりに、ラストでじんわり涙が出ました。ああよかった、救いがあった、と。
数十年前の秘密を、関係者への聞き取りから少しずつ明らかにしていくミステリです。それぞれに話せない事情や嘘、記憶の齟齬があり、証言を重ねるたびに真相が二転三転します。主題は一貫しているのに、見えていたものが次々と覆されていく構成と、伏線の回収が見事でした。
もちろん行為としての悪はあり、許されない行いは多々ありましたが、明確な悪人も善人もいないところも印象的です。誰もが自分なりの事情や思いを抱えていて、それぞれの選択が思いがけない形でつながっていく様子には、塞翁が馬という言葉が浮かびました。
最初の信子の聞き取りから最後の全容の解明となる告白まで、一人ひとりの切実な語り、そして何よりも市川含めて誰もが守りたいものを守ろうとした思いが心に残ります。
ミステリとしての面白さだけでなく、人間の不完全さや愛情が胸に迫る作品でした。巻末の古山裕樹さんの再読を勧める解説まで含めて、とてもよい読書体験でした。 -
Posted by ブクログ
倒叙ミステリーとしては、もっともっと犯人をいじめてほしかったので星4だけど、狩野に惹かれてしまったので、星5にします。
以下ネタバレです
短編の中で、狩野の実力が最も現れていたのは、やはり第一章である。
自分の罪がバレないためについ余計な言い訳を言ってしまう犯人たち。
何気ない会話から、ちょっとした違和感を無視せず、遠慮なく問い詰めていく狩野でした。過度な聴取から、被疑者を自殺に追い込んだせいで、おまわりさんになった狩野という設定です。作中からは、狩野が善良な人間なのかはわからない。でも、犯人逮捕するためには、いい人ではいられない。犯人にはそれなりに事情があるにせよ、職業的意識が優先されれば、時に意地悪なほど、問い詰める必要があるだろう。
狩野の活躍を楽しみたいので、続編も読みます。ヘラヘラしてるように見えて、鋭い狩野を楽しみたいです。