降田天のレビュー一覧

  • 偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理
    評判を聞いて読んでみた。
    五つの連作短編集で、全てが犯人視点で進んでいく。
    へらへらしてるのに洞察力が半端ではない狩野が魅力的過ぎた
    会話しているだけで、常に首元にナイフを突きつけられているかのような感覚(作中にも出てきた表現)が、下手なこと言ったら全て暴かれてしまいそうな感じが痺れた。
    そのような...続きを読む
  • すみれ屋敷の罪人
    久しぶりに泣きながら読みました。
    この館の方々は皆、心優しく、それが原因でもある…
    切なく胸が痛くなる、最後に感動の涙。
    これはもうオススメ過ぎる。
    ――説明抜粋――
    2001年、長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された二つの白骨死体。
    紫峰家は、すみれの花で彩られた美しい館に...続きを読む
  • 偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理
    全5篇のミステリ短編集
    後半3編が書き下ろしになっており,特にそこが面白いと感じた。
    殺人や犯罪について,読者は先に誰が何をしたかがある程度わかった状態からスタート。ストーリーが進むに連れて犯人である登場人物に感情移入できるようになり,そこから後半にかけて隠されていた心情や事実が解き明かされていくの...続きを読む
  • 偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理
    「扉は閉ざされたまま」を読んで倒叙ミステリ面白!と思いこの本を読みました。
    やっぱ倒叙ミステリ面白い。

    犯人視点で物語が進むので狩野との会話が進むうちに「あぁどうしよう...バレちゃう」とハラハラしながら読みました笑

    短編だったこともあり読みやすく一気読みしてしまいました。
    特に「サロメの遺言」...続きを読む
  • さんず
    さんずという会社でつながってる短編5話
    1話目で「自殺幇助なんてのは悪趣味な金持ちのやることだ」って断言しててよかった。
    金あるなら他の方法で助けられるよね。

    「死ねば解放される」

    「死ねば解放されるなんて、生きてる限り証明できないし、死人にも証明できない。(以下略)」
    がこの作家の答えなんだ...続きを読む
  • 事件は終わった
    面白い、というと不謹慎と言われるかもしれないが、
    事件に至るまで、ではなく
    事件が終わった後の関わった人々のオムニバスを見れるのが興味深かった。

    降田天さんの作品はどこかウルっときてしまう。言葉の選び方や間が原因か??

    最後の話は何か読み取れなかった『裏』があるようなないような?ないのかな?
    ...続きを読む
  • 本格王2022
    2023.06.30
    こういう読み比べはとても楽しいです。
    やはり、1番は道尾秀介。次は大山誠一郎。3番手に浅倉秋成を推す。
    私は特殊設定ものが苦手ということもわかったのも収穫。
  • 偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理
    一気読みするつもりなかったのに、してしまった。
    5作品中3作品が少し繋がっていて、4作品目で人との関係って難しいなぁって思った。
  • 女王はかえらない
    自分の小学生時代は楽しかった部類に入るかもしれない。
    もちろん、当時も嫌なことや辛いこともあっただろうが、今となっては、あまりそういうことは思い出されない。
    まあ、自分はバカな男子小学生だったので、余計にそんな感じだったのかもしれないが。
    しかし、それはたまたまそうだっただけで、本作のようなギスギス...続きを読む
  • すみれ屋敷の罪人
    面白かった!
    久々に熱中できた読書だった。

    すみれ屋敷の当時の使用人たちの証言で掘り下げられていく事件の真相にワクワクした。
    使用人の視点によって事件の印象が変わっていく様が読んでいて楽しかったし、真相を知りたい!という探究心をくすぐられた。
    そして、登場人物の人物像が明らかになるにつれて魅力や愛...続きを読む
  • 本格王2021
    方丈さんが好きで方丈さん目当てで買った。
    アミュレットホテル、とても楽しく読めて好き。

    他にも初読みの作家さんが多く、楽しく読め気になる作家さんが増えた。
  • 事件は終わった
    年の瀬に起きた痛ましい〈地下鉄S線内無差別殺傷事件〉。
    突然男は刃物を振り回し、妊婦を切りつけ、助けに入った老人を刺殺した。
    時は過ぎ、事件に偶然居合わせてしまった人々には、日常が戻ってくるはずだった――。

    会社員の和宏は、一目散にその場から逃げ出したことをSNSで非難されて以来、日々正体不明の音...続きを読む
  • 朝と夕の犯罪
    シリーズ二作目。
    どんな作品でもそうだが
    子供が自身の心情を吐露する描写は
    やっぱり心が痛くなる。
    虐待の連鎖。それが根幹にある本作品。

    それにしてもこの結末はビックリした。

    本当悲しくて辛くて。

    あの親子3人が故郷に帰ってきた時に
    そっと誰かの助ける手が届けば
    こんな事にはならなかったのでは...続きを読む
  • 朝と夕の犯罪
    狩野雷太シリーズ2作目。今回は長編で、シリーズと言いながら狩野雷太は重要な脇役に回っている。狩野雷太でなくても物語は成立する役どころながら、前作を読んでいるとキャラクターに厚みが出る。独立した長編ながらシリーズとして成立しているところが上手い。

    狩野雷太の扱いだけでなく、長編ミステリーとしても秀逸...続きを読む
  • 偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理
    交番勤務の警察官が活躍する…って思ったから、てっきり人情市井モノの現代版(さすがにこち亀ではないと思ったが)かと思いきや、なんとガッツリ倒叙系の本格ミステリーだったという。

    交番勤務の警官狩野雷太に追い詰められる犯人の、ヒリつくような心理的切迫感がすごい。どの短編も犯人目線で語られているから自分が...続きを読む
  • すみれ屋敷の罪人
    最初は異様な雰囲気の不気味な館という印象だったが、運命のいたずらのようにすれ違ってしまった優しく不器用な人たちの話だった。
    紫峰家の主人と、3人の美しい娘の葵、桜、茜。
    すみれが咲き誇る洋館でいずれも主人に拾ってもらった後ろめたい過去を持つ使用人たち。
    その館から数十年後に見つかった3つの遺体の真相...続きを読む
  • 偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理
    倒述ミステリー。非常にチャラいというか軽い性格の主人公が犯人を追い詰めていく短編集。非常に読みやすくて、でも、各編、しっかりとした伏線や驚きの結末でほぼ一気読みしました。もっと読みたいと思った素晴らしい作品です。
  • 事件は終わった
     年の瀬に地下鉄内で起きた無差別殺傷事件。ほどなく犯人は取り押さえられ事件はひとまず終息した。だが、その事件に遭遇した人たちにとっては、未だ事件は終わってはいなかった。6話からなる連作短編集。

         * * * * *

     まずテーマがよかった。

     何らかの事故や事件に巻き込まれ、その PT...続きを読む
  • すみれ屋敷の罪人
    戦前の名家から発掘された白骨死体。死体は誰なのか探るため、青年はかつての女中や使用人に話を聞いていく。
    二転三転する証言から真実が明らかになっていく。
    たまにはこういうミステリもいいなぁ、なんて思わせてくれる小説だった。
    面白かった!
  • 女王はかえらない
    マキとエリカの抗争。「ぼく」からの視点で物語が進んでいき、小学生女子でよくあるグループでのやり取りをリアルに表現されている。内容が徐々にエスカレートしていき…夏祭りの夜の惨劇…いや、最初は小学生のかわいい言い争いだったじゃん?なんでこうなるの?!って正直思った。
    中盤の「先生」の視点は正直ダレたかな...続きを読む