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Posted by ブクログ 2023年12月07日
久しぶりに泣きながら読みました。
この館の方々は皆、心優しく、それが原因でもある…
切なく胸が痛くなる、最後に感動の涙。
これはもうオススメ過ぎる。
――説明抜粋――
2001年、長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された二つの白骨死体。
紫峰家は、すみれの花で彩られた美しい館に...続きを読む暮らす一族だった。
当主の太一郎と、葵・桜・茜の美しい三人の姉妹たち。四人は終戦間近、東京大空襲によって亡くなったはずだったが……。
白骨死体は、いったい誰の死体なのか?
その身元について、かつての関係者に話を聞いて回る謎の男が現れる。
かつての女中や使用人たちの語る、館の主人と三姉妹たちの華やかな生活と日常、そして忍び寄る軍靴の響き。
突然起きた、不穏な事件。彼らの証言は二転三転し、やがて戦時下に埋もれた意外な真実が明らかになり――。
Posted by ブクログ 2023年05月07日
面白かった!
久々に熱中できた読書だった。
すみれ屋敷の当時の使用人たちの証言で掘り下げられていく事件の真相にワクワクした。
使用人の視点によって事件の印象が変わっていく様が読んでいて楽しかったし、真相を知りたい!という探究心をくすぐられた。
そして、登場人物の人物像が明らかになるにつれて魅力や愛...続きを読む着が湧き、真相のやるせなさにより胸が痛んだ。
また、すみれ屋敷の外観の描写などもとても良く、こんな感じかなと想像できる丁寧な描写がありつつ使用人の目線によっても捉え方が異なる屋敷の雰囲気に想像が膨らんだ。
時代も戦前から戦中で、かなり昔のため幻想的な雰囲気を感じながら読めました。
Posted by ブクログ 2023年02月18日
最初は異様な雰囲気の不気味な館という印象だったが、運命のいたずらのようにすれ違ってしまった優しく不器用な人たちの話だった。
紫峰家の主人と、3人の美しい娘の葵、桜、茜。
すみれが咲き誇る洋館でいずれも主人に拾ってもらった後ろめたい過去を持つ使用人たち。
その館から数十年後に見つかった3つの遺体の真相...続きを読むを突き止めようとする青年。
自分を捨てて、ケダモノとまで呼んでいた父親のために顔を焼いたヒナと、その事実を知りながら最後まで失明したふりを続け、殺人まで犯してしまった父親。
嘘を付き続けることも、それに騙されているふりをすることもとても辛く難しいことだと思うけど、最後までお互いを騙しきれていたのかな。
死ぬ直前には、打ち明けていたと信じたい気持ち。不器用な愛情と使用人たちの忠誠心がとても素敵だった。
唯一一人目にインタビューしたあのおばあさんがまじで普通にやなやつだったわけだけど、ミスリード役として素晴らしい働きをしてくれた。
Posted by ブクログ 2023年01月21日
戦前の名家から発掘された白骨死体。死体は誰なのか探るため、青年はかつての女中や使用人に話を聞いていく。
二転三転する証言から真実が明らかになっていく。
たまにはこういうミステリもいいなぁ、なんて思わせてくれる小説だった。
面白かった!
Posted by ブクログ 2022年09月15日
個人的にはすごく好きな作品だった!あるお屋敷から白骨遺体が見つかり、その謎について1人の男性が依頼を受けて調査を始める。調査対象が過去の出来事を語るのを読んでいく形なのだけど、少しずつそれぞれの語り手に隠し事があることが分かってきて不審に思ったりして、最後には全貌が分かるってストーリー。真相が分かる...続きを読むと、登場人物に真の悪人はいなくて、各々の正義や守りたいものがあってそれがぶつかってしまった結果なんだと思ったり。無闇に過去を暴くことは意味のあることなのかと思ったり。でもこの話の終わり方はとても良かった。現代ではあまりない、主人への忠誠心に感動したな。
Posted by ブクログ 2022年08月23日
どうしよう...めっちゃ面白くて
私の歴代(読書)の2位や‼️と思ったのに
他の人のレビューはそこまでじゃなかった。
この話は2001年頃なんだけど、
最近出版されたのになんで?と思ったら
やはり戦時中に年頃の人の話だと
現代では無理なんだろうな。
登場人物に102歳とかいたから
今だと120歳だ...続きを読むもんね。
そこがある意味衝撃だった。
戦争経験者が少なくなってきてる。
私はオバサンだけど、両親でさえ戦後生まれ。
戦争を実体験した人の話を生で聞けなくなってきてるのは大きな損失だ。
ちょっと脱線した。
こういう感想ばかり書くから
あとでこのお話ってどんなんだっけと自分の感想見てもよくわからないんだよね。
なんしか面白かった!
時代も環境も容姿も才能も
なにもかも自分と違ったから
全てが未知の世界で1ページ1ページ退屈せずに読めた。面白かった。
ありがとうです。
Posted by ブクログ 2022年05月14日
【隠された真実に、涙、涙、涙 心に染み入る傑作ミステリー】
屋敷後から発見された複数の白骨死体。二転三転する元使用人達の証言と嘘。隠された真実とは…
各証言者はそれぞれ何かを隠しており、真実が徐々に明らかになっていく構成でとても読みやすい。
証言の終わりにはレポートが挟まれ、現在わかっている部...続きを読む分と新たな謎がわかりやすく、一緒に謎解きをしているように楽しめる。
オチは予想できたものの、救いもあり後味もいい。
各章の締めの文章が気になる終わり方で締まっており、どんどん読み進めてしまう。
“このミス”大賞シリーズであり、実写化になりそう。
戦前から戦後にかけての時代背景と、今ではなかなかないであろう主人と使用人の関係性に現代の私たちはピンとこないかもしれないが、昔は他人と深い絆で結ばれていた。コロナで他人と距離を置くことが当たり前となった今だからこそ読みたい一冊である。
こんなひとにおすすめ.ᐟ.ᐟ
・登場人物の証言で進んでいく物語が好きなひと
・湊かなえ「Nのために」が好きなひと
・救いのある話が好きなひと
・ミステリーを普段読まないひと
・読みやすい文章が好きなひと
・感動ミステリーが好きなひと
人からおすすめされて読みました。
ミステリーはそこまで得意ではなく普段あまり読まないため、この本も読めるかな、と思っていましたが、読み始めると続きが気になり、一息に読んでしまいました。
ミステリーですが、それだけではない、あたたかなお話しだと思います。
Posted by ブクログ 2024年04月21日
屋敷跡から見つかった白骨をきっかけに、関係者の証言から50年以上前に何が起こったのかを解き明かすミステリー。
華やかな描写から始まる紫峰家が、どんどんドス黒く染まっていく様が美しく悲しい。
タイトルが「殺人」でなく「罪人」なのは、最後まで読むと納得。
Posted by ブクログ 2024年02月02日
いつ買ったのか全然覚えてないけど、タイトルが罪人なのが気になって買ったか装丁が綺麗だったからかなんかで買ったような気がする
お屋敷の使用人たちの証言ですすんでいくから伏線があったり記憶違いがあったりして読んでて混乱したけど最後はすごくいい終わり方で別の作品も読みたくなった。
Posted by ブクログ 2024年01月09日
旧紫峰邸で発見された白骨死体。かつての女中や使用人達の証言により徐々にその真相が明らかになっていく。
証言により、そこでの出来事はガラリと印象が変わって伝わってくる。
Posted by ブクログ 2023年10月24日
面白かった!戦前の名家、紫峰家の屋敷跡から見つかった白骨死体の謎を探る物語。関係者の証言から徐々に浮かび上がっていく真相は哀しくて切ない。巧みな構成と美しい描写で読み応え抜群。長さも中編なので読みやすい。こういうミステリは大好物!
Posted by ブクログ 2023年10月22日
長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地から発見された、2体の白骨死体。そこで暮らしていた主人と3人の娘たちは、終戦前に東京大空襲で亡くなったはずだった。
死体はいったい誰のものなのか。
かつての女中や使用人たちが語る、一族の生活と真実とは?
すみれの咲き乱れるお屋敷でかつて起こった、事件...続きを読むと一族の運命を関係者たちの証言から紐解いていくミステリ小説です。
白骨死体はいったい誰のものなのか? 使用人たちからも慕われていた館の主人と姉妹たちの身にいったい何が起こったのか? そこに忍び寄る軍靴の足音……。
万華鏡のように、読み進めるにつれ表情を変えるミステリでとても楽しいです。
証言が集まるたび、証言者が変わるたびに説は二転三転していき、隠された真実は悲しくも美しい。
悲しい事件が起きた屋敷の過去を語るのに、思い出される話は誰のものを聞いてもどこかキラキラしていて、お屋敷で過ごした幸福で綺麗な思い出であふれており、読後感は優しいです。
悪人らしい悪人がいないのがまた悲しい。
一体誰が「すみれ屋敷の罪人」だったのか。きっと、誰もが誰かを心から想った罪人だ。
Posted by ブクログ 2023年08月26日
少し前にネットの広告などで見て気になっていた作品。
同時にまとめて4冊を購入していて、その中では正直一番期待しておらず、一番短そうだったので、サラッと読んでしまえそうだなという理由から読み始めたけど…。
いや、なにこれ、すごく良かった…。
古い洋館で発見された白骨化した遺体。その謎を探るべく、...続きを読む当時の関係者に話しを聞きに行く。
そこで暮らしていたのは古くからの名家の主人と美しい姉妹だが、彼らは東京の空襲で亡くなったはず…そうなるとその白骨死体は誰なのか…?
関係者に昔の話しを聞きに行き、その人の語りで話が進行するのだが、まさに今事件が起きているわけではないので、割と淡々と進んでいくのに、何故か強烈に引きつけられて止まらない。
途中まで、何も疑うことすらせずに淡々と読んでいたら、終盤意外な事実が次々と畳み掛けられ…。
戦争で狂わされ引き裂かれたけど、旦那さまは最後まで優しい旦那さまだったし、姉妹も仕えていた人たちも、思いや背景は違えど、この家や家族のことが好きで、絶対的な“悪人”は存在しない。
ヒナさんは、両親や生まれた経緯などを考えるとツラい幼少期だったろうし、顔の傷や火傷のことを考えると切なくて…。誠くんの描いた自身の絵を見て、出ないはずの涙が零れ落ちるシーンは、本当に美しくて、引き込まれた。
幸せになってほしかった…。
Posted by ブクログ 2023年04月19日
古いお屋敷から白骨遺体が見つかり、その真相を紐解く内に色んな真実が見つかっていく、というお話。最初はゆったりとした始まりですが、当時の関係者たちに話を聞いていく内に、二転三転していく展開はとても面白かったです。出てくる人たち全員が、それぞれ何かを隠していて、それがあとの伏線になっていくのも面白かった...続きを読むです。
時代が戦時中なので、屋敷に住む一家と使用人という関係性から生まれてくる様々な感情やしがらみも、どこか耽美で何ともいえない感情になりつつ、あっという間に読み終わりました…!
降田先生作品は、いつも感情描写の引き出しと人間関係の描き方が絶妙だなと思います。繋がっていなさそうで繋がっていて、それは単純に血だけでのものではなくて、というのが髄所で分かるので、作品に奥行きがあっていつも読み応えがあるなと感じています。透明感がある文体とミステリーが読みたい方にはおススメです。
Posted by ブクログ 2023年04月09日
真相が徐々にわかっていくタイプのミステリで、謎はともかく物語自体をとても楽しめた。最初は何の話をしていきたいのがよくわからないし、登場人物もなかなか把握し難かったりするが、何人かの話によって少しずつ全体像が組み立てられていくその過程がとても良く、複雑ながらとても上手い。終始静かめに進んでいく中、序盤...続きを読むからは考えられなかった真相は情緒的で最後の告白部分は涙ぐんだ箇所もあった。良い小説でした。
Posted by ブクログ 2023年02月14日
面白かった。
すみれ屋敷神経衰弱みたいな感じで、1人一人の証言から一枚一枚カードがひっくり返るんだけど。
これだ!って思ったカードが違ってたり。
ここだ!って思ったカードが次の証言者によって回収されてり、、、、、
ラストのラストまでわたしにはカードを取らせてくれません。これは絶対!ってカード...続きを読むすらもひっくりかえる。
三人目の証言でクルリと場面が入れ替わったりして。あーーーーなかなか上がれない。
そんな一冊です。ラストが思った以上にほっこりとさせられる、、、、そんなミステリーです。
Posted by ブクログ 2022年10月16日
著者の作品は初読みですが、読んでいて苦しくなるミステリー作品でした。
(褒め言葉です)
戦前の名家「紫峰邸」の敷地内で発見された白骨死体の謎を解くのが本作の大筋で、ある人物から依頼を受け、その身許を探ることになった西ノ森。
戦前、当主と三人の娘が暮らした紫峰邸には使用人と書生が暮らしていた。
...続きを読む当主と三人の娘は終戦前に東京大空襲で亡くなっており、西ノ森はかつての使用人を訪ね、かつての暮らしを聞いてまわります。
数十年の時が経ち、使用人達の証言も少しずつ異なる中、西ノ森がたどり着いた仮説。
第一部(証言)はこんな感じで進み、そこには新たな展開が待ち受けていました。
(告白)と題された第二部では、亡くなったはずの長女・葵に隠された秘密が明かされます。
二転三転しながらも、徐々に明らかとなる真実。
回想される過去と現在との距離。
過去の事件がその後の人生にもたらした影響。
変わってしまった運命。
長い年月の間、秘密を抱えてきた者の心情。
やり直すことのできない苦しみ。
読み終え今、全ての謎が解き明かされ、驚愕と共にスッキリした感よりも、苦しさを覚える作品。
日本推理作家協会賞(短編部門)受賞後第一作!
2001年、長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された二つの白骨死体。
紫峰家は、すみれの花で彩られた美しい館に暮らす一族だった。
当主の太一郎と、葵・桜・茜の美しい三人の姉妹たち。四人は終戦間近、東京大空襲によって亡くなったはずだったが……。
白骨死体は、いったい誰の死体なのか?
その身元について、かつての関係者に話を聞いて回る謎の男が現れる。
かつての女中や使用人たちの語る、館の主人と三姉妹たちの華やかな生活と日常、そして忍び寄る軍靴の響き。
突然起きた、不穏な事件。彼らの証言は二転三転し、やがて戦時下に埋もれた意外な真実が明らかになり――。
『このミステリーがすごい! 』大賞を受賞しデビュー、
いまもっとも注目される女性コンビ作家、渾身のゴシック・ミステリー。
内容(「BOOK」データベースより)
長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された白骨死体。そこで暮らしていた屋敷の主人と三人の姉妹たちは、終戦前に東京大空襲で亡くなったはずだったが…。死体は一体誰のものなのか。かつての女中や使用人たちが語る、一族の華やかな生活、忍び寄る軍靴の響き、突然起きた不穏な事件。二転三転する証言から、やがて戦下に埋もれた真実が明らかになっていく―。
Posted by ブクログ 2022年08月18日
戦前の名家・紫峰家。
主人と三姉妹が優雅に暮らす紫峰邸。
しかし、使用人達が戦後に語る紫峰家は…
優雅な生活、戦争…不可解な事故。
二転三転する証言から紫峰家の真相を明らかにすることは可能なのか、とハラハラ感が止まりませんでした。
やはり、普通の生活が一番だな。
Posted by ブクログ 2023年06月19日
再読2回目。
はじめ、嘘つきばっかり出てくる話だと思って読んでいた。だんだん、これはそうではないな、と思い始め、何人ものやさしい人の話だと気が付いた。結局、幸せな結末ではなかったけれど、なぜか泣けた。
Posted by ブクログ 2024年04月26日
人は誰でも学ぶべきだ。それが仕事や生活に直接には結びつかなかったとしても、必ずきみの人生を豊かにしてくれるから。
知識を得るのは楽しいし、知識を得られればいろんなことがもっと楽しくなる。
大切な人には自分から手を伸ばさなくてはいけないと。そして全力で守らなくてはいけないと。
Posted by ブクログ 2024年03月04日
2001年、長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された二つの白骨死体。
紫峰家は、すみれの花で彩られた美しい館に暮らす一族だった。当主の太一郎と、葵・桜・茜の美しい三人の姉妹たち。四人は終戦間近、東京大空襲によって亡くなったはずだったが……。白骨死体は、いったい誰の死体なのか? ...続きを読むその身元について、かつての関係者に話を聞いて回る謎の男が現れる。
かつての女中や使用人たちの語る、館の主人と三姉妹たちの華やかな生活と日常、そして忍び寄る軍靴の響き。突然起きた、不穏な事件。彼らの証言は二転三転し、やがて戦時下に埋もれた意外な真実が明らかになり――。
可愛らしく、キレイな花を咲かせるすみれの根には毒がある。一見華やかでもその中には屋敷を一瞬で瓦解をさせられてしまうほどの「罪」がある。
当主の太一郎は、葵が言うように「身ぎれい」ではなかったかもしれない。妻が亡くなったあとに別の愛人を作り、子供まで作った。その一方で、葵たち娘のことを愛していたことも事実で、無碍にしてしまった娘に対する切なく哀しい嘘はその最たるものだった。愛を行動に移すもの、その心に留めるもの、守り守られるもの。愛するもののために、守りたいもののために、ここまで私は自分の人生を犠牲にできるだろうか?結論は出ない。
Posted by ブクログ 2024年01月05日
土地造成時に見つかった3遺体。かつてあった華族屋敷の関係者から当時の状況を聴取することで何があったのか、そもそも被害者は誰なのかを刑事が追うが…
証言が変わるごとに少しずつ話の景色が変わる辺りは面白いし、意外な展開もある。
しかし、真相が分かった後のモノローグなどはもはや不要では?最後まで楽しく読め...続きを読むた分、蛇足に感じた。
Posted by ブクログ 2023年03月08日
朽ち果てたお屋敷から白骨死体が見つかり、お屋敷の元関係者からの証言でこれは誰で何があったのか、真相を解き明かしていく話。
読んでる最中は様々な陰謀が渦巻いていて暗い嫌な感じが続いたり、最初から登場人物が多くてこの人だれやっけ?があったりでなかなか読む手が進まなかった。
でもラストで渦巻いていた霧...続きを読むが晴れて凄く明るく、それでいて切ない気持ちになった。
☆3.3
Posted by ブクログ 2023年02月26日
華やかなるすみれ屋敷の住人達と、それに付き従う使用人達。調査を進めるごとに、彼らの背景が浮かんでくる。
屋敷の栄光も後の没落のときも、ありありと思い描かせる筆致が見事。
Posted by ブクログ 2023年01月19日
かつて栄えていたすみれ屋敷跡から見つかった白骨化した複数の遺体。一体誰の遺体なのか。
かつてそこのお屋敷で働いていたものたちに話しを聞いていくうちに、知らなかった真実が明かされていく。
嘘に嘘を重ねると悲劇になるなと読んでて思いました。とりあえずお父さん、それはダメよ〜
Posted by ブクログ 2023年01月06日
すみれ屋敷で見つかった二体(後にもう一体)の死体が現在になって出てきたことより、その犯罪が戦時中のすみれ屋敷の一家および使用人や書生の関係からどう引き起こされたかを描いた作品。
展開は前半はその当時の使用人たち他の「証言」で、後半は意外な人の「告白」で構成されている。
作者は女性二人が一人の「降田天...続きを読む」として著しているらしい。
Posted by ブクログ 2023年01月04日
評価がしにくい作品。終盤の面白いところまでに、至るまでが長すぎる。第二部の途中までの評価は最低。時間を無駄にしたと思ったほど。
最後のラストスパートで盛り返した感じ、全体的にレトロな感じもあり雰囲気は好き。
もっと登場人物を減らしてシンプルにしても良かったと思った。良いところは、他の方が書いている感...続きを読む想の通り。
Posted by ブクログ 2022年06月14日
戦中、戦後の話で少しレトロな感じが苦手でしたが、ページ数は少なく読みやすかったです。段々と真相が明らかになるにつれて切ない気持ちになりました。ちょっぴり切なく、でも非常に読後感の良い作品でした。
Posted by ブクログ 2022年08月27日
戦前の名家の敷地内から出た三つの白骨死体の正体に迫るミステリー。
関係者たちの証言から語られる“すみれ屋敷”の歴史は、雲の上のような優雅さと不穏な時代の足音、美しさに秘めた激しい感情に彩られ何となく落ち着かない。三姉妹の葵と桜が主軸かと思いきや途中でいきなり爆ぜる三女の茜の存在が鮮烈。
明かされる真...続きを読む実に驚かされながら、秘密を抱えたまま逝った人たち、秘密を抱えたまま生きてきた人たち、互いを想い想われる愛情がひしひし胸に迫る。
終盤短く登場したあの人は幻?いや、どこかでひっそりすみれと共に生きていたと祈りたい。