【感想・ネタバレ】すみれ屋敷の罪人のレビュー

あらすじ

戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された白骨死体。かつての女中や使用人たちが語る、屋敷の主人と三姉妹たちの華やかな生活と、忍び寄る軍靴の響き、突然起きた不穏な事件。二転三転する証言と嘘、やがて戦時下に埋もれた真実が明らかになっていく――。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

今まで読んだ小説の中で1番よかった。
どんでん返しも複数あり、切なさや感動、罪を犯す動機の思いもあり、涙流しそうになりました。
2回目読み直すと違った視点も発見できる。

0
2025年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から二つの白骨死体が発見される…
その白骨化死体は誰のものなのか?
誰によって埋められたものなのか?
というお話。
とある人物から依頼を受けて調査をする謎の男により、戦前や戦時中にその家で何があったのかが、少しずつ明らかになっていきました。
当時の話を聞いていくにつれて、三姉妹は殺されて使用人たちが太一郎から金銭を奪っているのか?!とゾッとしていましたが…
真実が凄く沢山の層に覆われていて、真相に辿り着くまでに何度どんでん返されたことか!
↓驚きポイントネタバレ
•亭主の太一郎•娘の葵•桜•茜の三人の姉妹が東京で大空襲に巻き込まれて死亡したとされていた→実際はその前の紫峰邸火事の際に茜と桜が心中?して亡くなっていた…葵はその直前に御園と駆け落ちしてアメリカに亡命していた…
•ヒナは実は太一郎の娘だった!
•ヒナが声帯模写にて三姉妹を父の前で一人で演じていた…(使用人たちは協力者)
•戦争から戻ってきた太一郎の失明は嘘(国から疑いの目を向けられていて、嘘をつき続ける必要があったため)
•娘たちの名前はみんなスミレの名前(アオイスミレ、サクラスミレ、アカネスミレ、ヒナスミレ)

…とにかく真実が切ない…
ヒナは父太一郎がショックを受けないよう顔を焼いてまで三姉妹を演じ、失明していないので気づいている父太一郎も娘の行動を無下にしないために使用人たち全員でヒナのために騙されているフリをし…
嘘に嘘が重なり悲劇が続きますが、出てくる登場人物は1人として悪人ではなく大切な人のために嘘をついているので、各々の嘘の真相が明らかになった時には切なさと共に美しさすら感じました。

0
2024年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人によって見えている世界が違う、当たり前のことだが、読みながら想像した一家や御屋敷のイメージが書き換わっていく感覚が楽しい読書体験でした

0
2025年12月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何十年も前の事件を当事者達の証言で解き明かすという構造が新鮮だった。当事者といっても第一印象は屋敷にお使えしていた使用人達の証言なので、信憑性も無く、皆がいろんな「説」を述べているだけだと感じてしまう。しかし事件は複雑で、使用人の中でも主人や三姉妹との関係性の近さによって聞かされている事件の内容が異なり、それぞれが本当に体験した事実として話しているので、「(各々が)体験したことには嘘が無いが真実は部分的には異なる」状態となる。証言者が移り変わるために事件の概要が塗り替えられていき最期に真実に辿り着くという類稀なるストーリーセンス。読み終えたあとに最初の信子の証言に戻ると、彼女の捉える主要人物の解釈と真実との乖離具合が分かり驚かされる。

0
2025年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主な登場人物に悪人はいない。しかし、運命に翻弄され、ボタンの掛け違いから悲劇が。皆自分の愛している大切なものを守ろうとしているだけなのに…。ミステリーですが切ない愛の物語。

なんとなくジブリ映画のようなイメージで読んでいました。アニメで映画化したらどうでしょうか?

0
2025年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んで一番最初に感じた感想は、これはミステリーというよりも純愛。

戦前・戦中にとあるお金持ち一家に起きた出来事について、現代になってから追う、というお話です。

話の中心になるのがその一家の美人三姉妹。盛大なネタバレですが、その三姉妹の子孫が、当時何が起きたかを知らないまま(何なら自分が子孫だと知らないまま)、当時の出来事を調査するという流れで進みます。インタビュー形式で話が進むので、要所要所でまとめのようなものが挟まれていて、一気読みできず細切れにしか読めないという人にも読みやすいです。

そしてお話の鍵を握るのが、一家に雇われていた少年(後に老人になってから取材される側として登場)。
再び盛大なネタバレになりますが、この少年、話す分には全く問題ないのに生まれつき読み書きができないんです。

ちょっと本筋からは逸れますが、今年に入ってから映画・ドラマ・小説(本作)と、読み書きが困難な人のストーリーに触れる機会が多くて。
日本語話者の約8%がこの障害を抱えているそうなので、これまで人生で出会ってきた人の中にもきっといたんだろうなと思います、私が気づかなかっただけで。気づけなくてごめん。
そして今でこそ「発達性ディスクレシア」という障害の名称があって、名称を知らなかったとしても、きっと何某かの障害なんだろうと周りの人は認識する環境がある。でも本作の少年が生きた時代では障害なんて思われることもなく、ただ出来損ない・愚か者として生きていくしかない。そんな少年の置かれた境遇を思うと、涙なしには読み切れず。。。

⭐︎ひとつマイナスなのは、三姉妹の長女の行動にどうも共感できなかったから。私が他の姉妹や屋敷の関係者に感情移入しすぎたせいであって、お話自体が面白く無いという訳では全く無いので悪しからず。。。

0
2025年09月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『再読必至!』とか『大どんでん返し!』みたいな帯がついてるものよりも、よっぽど読み返したくなる作品でした。

個人的には共感も納得もできない行動ではあるけれど、その時代その瞬間の彼らにとっては、最悪の中の最善だったんだろうな…と理解はできる。
あんなに温かいラストとは思いませんでした。

0
2024年11月06日

「小説」ランキング