大木毅のレビュー一覧
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大木毅氏は、1961年東京都生まれの軍事史研究者・著述家。立教大学文学部史学科卒、同大学院博士課程を単位取得退学。専攻はドイツ近代史。ドイツ学術交流会奨学生としてボン大学に留学。帰国後、千葉大学、横浜市立大学などで非常勤講師を務め、防衛省防衛研究所や陸上自衛隊幹部学校でも講師を歴任。現在は著述業に専念し、第二次世界大戦や軍事史に関する著作を多数発表。「赤城毅」名義でフィクションも執筆している。
本書は、第二次世界大戦最大の戦域といわれるヨーロッパ東部戦線「独ソ戦」について、近年の研究の結果を踏まえて考察したもので、2020年の新書大賞を受賞した。
大半の日本人にとって、第二次世界大戦とは太平洋 -
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太平洋戦争を俯瞰する目的で読むのであればあまり役に立たないであろうが、個々の将兵達の活躍に目を向けている点では、戦史好きにうってつけの1冊である。「決断の」とタイトルにつけるほどに日米双方の戦闘における重要局面を拾い上げられているわけではないので、正直タイトル負けしているなとは感じたが、各章の配置、情報の提供、論の展開において興味深いところが見られたので、なかなか侮れない一冊だなと感じた。
本書は日米双方の将校をランダムに取り上げているようで、実は意図して規則的に各人物を配置している。まずガダルカナル島に関連した人物として、三川軍一・神重徳とサボ島沖開戦の中心となった二人を取り上げた後、この -
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本書は、あの戦争を「戦略・作戦」面から再検証!という内容になっております
再検証はいいんだけど…再検証してどうするの?って視点がどうも見えなかった気もするんよな〜
次やったら勝ったるで!おりゃあ!ってことじゃないよね
うん、ぜんぜん違うよね
それならいいけど
まぁ、そもそもがね必敗の戦争だったわけだけど、当時の日米の国力は1:10だってんだからね
いくら日本が神の国言うたってね
あっちはあっちでまた神様もいる訳だし
なのに、最初から最後まで統一された「戦略」はなかったという検証結果
「作戦」に於いても、開戦当初の華々しい戦績に目が眩んだのか、二兎、三兎を追うという誤りを繰り返していた -
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序章
鈴木敏夫 スタジオジプリプロデューサー
鈴木敏夫は「風の谷のナウシカ」の制作背景やそのテーマについて語っている。彼は、作品が発表された当時の社会的・環境的状況がどのように影響を与えたのかを考察し、ナウシカというキャラクターが持つ強い意志や優しさが、現代においても重要なメッセージを持っていることを強調している。
風の谷のナウシカの題材は『新諸国物語』(NHK ドラマ1952年)。
ナウシカが旅をして、見聞きしたものによって、読者が世界の秘密を知っていく。宮崎駿は「勧善懲悪」が好きで、それが「自然を守る人がいいひとで、自然を破壊するのは悪人」と言う物語にした。
赤坂憲雄の『ナウシカ -
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太平洋戦争に関わった、日英米の将官から、やや知名度は低いながらも、転機となる局面で実際に重要な役割を果たした(と考えられる)人物を選び、生い立ち、性格分析、戦時の行動を評論する。
各国が考えていた将器とはどういうものかを、それぞれに浮かび上がらせる狙いがあるものと思われる。
終章で著者は、昭和の日本陸海軍は、修業時代に拳拳服膺したドグマに支配された秀才型が中枢を占めたがために、骨太な戦略家を持ち得ず、過去の延長から逸脱してでも機先を制することが重要となる戦争のような営みでは、個人の性格のダイバーシティを許容する度量が大きい欧米に劣後することになった、としている。
とはいえ、「戦略」が有効に機能 -
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ネタバレこれまでの著者の著作物をエッセイ風にまとめたもの、という印象です。
まえがきにも書かれていますが、これまでの著者の綴ったものを集めて改めて俯瞰してみると「筆者の感心は一つところをぐるぐると回っているのだな、と思い知らされたものだ。すなわち、本書のタイトルとした『歴史・戦史・現代史』である。」とのことなので、様々な書き物を集めたものですが、テーマを据えています。
ただし著者は上記のようにテーマを述べていますが、読んでみるとより具体的なメッセージが込められています。それは例えば、
●日本において戦術というより戦場に近い分野の研究は市井の間ではほとんど行われておらず、もっぱら自衛官や元自衛官の専 -
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独ソ戦の発端 イギリスとの戦いの行き詰まりを感じ、ソ連を先に下せばイギリスも諦めるだろうとの考えがドイツ側にあった。ヒトラーの思想にはきたる「千年帝国」のためにソ連の国土を植民地にするというのもあった。
戦争と地形 フランスは道路が舗装されており、侵攻が容易であったが、ソ連の土地は荒れており、鉄道の軌間も異なっていたこともあり計画通りに戦争を進められなかった
不完全な計画 ソ連の戦力をあまりにも軽く見た計画(首都の陥落とソ連側の重要な燃料拠点の同時攻略等)を立て、兵站が不足する自体に陥った。その影響でドイツ軍による村落の収奪が始まり、多くのパルチザンを生むことになった。(同志少女の最初のシ