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「これは絶滅戦争なのだ」。ヒトラーがそう断言したとき、ドイツとソ連との血で血を洗う皆殺しの闘争が始まった。日本人の想像を絶する独ソ戦の惨禍。軍事作戦の進行を追うだけでは、この戦いが顕現させた生き地獄を見過ごすことになるだろう。歴史修正主義の歪曲を正し、現代の野蛮とも呼ぶべき戦争の本質をえぐり出す。
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Posted by ブクログ
最新研究に基づく独ソ戦の概要が、分析的かつ迫力ある筆致で記述されており一気に読める。歴史を知ることの重要さを再確認できる書。
面白いのでスラスラ読めた。 独ソ戦に関しては、映像ドキュメンタリーや映画で知ってるぐらいだったが、細かい戦況の変化が地図付きで説明されていて理解しやすい。 両陣営の内情や作戦企図も最新(2019年時点)の研究成果を反映して説明されているので、古い文献を読んだことのある人にもオススメ。
独ソ戦である 要するにヒトラーVSスターリンということである まずは2人の共通項をあげてみたい どちらもひげのおっさんである ヒトラーの有名なちょび髭に対しスターリンはいわゆるカイゼル髭である カイゼルとはドイツ語で皇帝を意味し、ドイツ皇帝ウィルヘルム2世の口髭が始まりとされていいわ!髭の話はい...続きを読むいわ! ふざけちゃいけないやつだわ! はい、話戻します 2人の共通するのは極悪独裁者ってことです そんな2人の全面対決ですから、それはもう悲惨です残酷です そして本書ではそんなところにも目を向けつつ、戦史、軍事史面から独ソ戦を紐解いている 注目したいのは戦略戦術についても多くページが割かれていることで、これがかなり面白かった 独ソともに捕虜や民間人の虐殺に手を染めており、このような惨禍は二度と繰り返してはならないんだが、やはり冷静に独ソ両軍の作戦概要なんかを振り返るのは普通に面白いのだ いかんな〜と思う 「バルバロッサ作戦」とか「土星(サトゥールン)作戦」とか言われちゃうと普通にかっこいいのだ 「第4装甲集団」とか「第6機械化軍団」とか激突しちゃうと普通にワクワクしちゃうのだ いかんいかん そういうのはフィクションの中だけにしよう これ約束な!
第二次世界大戦をドイツと旧ソ連の戦いに絞って軍事史だけでなく政治外交史や戦時経済のことも含め様々な視点で説明された「独ソ戦通史」 かなり歴史に疎い私でも読み切れたので、歴史初心者にもおすすめしたい一冊。 岩波新書の中ではかなり読みやすく、新書の中ではデータを元に俯瞰的に描かれており、良書ではない...続きを読むかと(歴史に詳しくないから違うかもだけど) 独ソ戦、私の中ではヒトラーやべぇ、スターリンコワッ、ぐらいやったんやけど、この本を読むと、慢心はいかんし、失敗から学ぶことは多いし、数の暴力は→ 怖い、という感想。あと、戦争はやはり嫌だな。人がチェスのコマみたいに使われているの、ほんとキツい。 ものすごい数の人間が、紙屑みたいに散っていく。ほんとに嫌。辛い。戦争はあかん。どんな正義があろうと、これははじめたらあかんやつやわ。
本編225頁という短さながらやられたらやり返す、相手に地獄を見せられたら見せて返す、敵は最期の一人まで地獄を見せつける──そんな戦争が見えてくるようだった。 『炎628』ではロシア領内におけるドイツの蛮行がこれでもかと描かれていたが、本書ではロシアも負けておらず「君たち人の領内で酷いことしたもんね?...続きを読む」と言わんばかりに蛮行の限りを尽くしている。どっちが被害者でどっちが加害者なのか、そんな単純な問題など地中深くに埋めて勝利をモノにしろ。今日、世界のあちこちで行われている戦争は決して終わらない。
岩波新書 新赤版1785 独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 著:大木 毅 1941年6月22日のナチス・ドイツのミンスク、レニングラード、ウクライナへの、ソビエト連邦同時侵攻から、1945年5月11日プラハの闘いまでを、独ソ戦と呼ぶ その戦場は、フィンランドから、コーカサスまでの数千キロに及ぶ長大な戦線...続きを読むと、独ソ両国民に甚大な被害をもたらした。 独ソ戦における、ソ連の被害は、死者行方不明者 1129万、一方、ドイツは、最大、832万である。 戦闘のみなら、ジェノサイド、収奪、捕虜虐殺が繰り返し行われ、人類史上最大の惨劇と言っても過言ではない ナチスドイツ 世界観戦争 劣等人種スラヴ人を奴隷化するための戦争、絶滅戦争 ソ連 ロシアを守るための大祖国戦争 ソ連の捕虜はその場で殺害し、一方、ドイツの捕虜も、その95%が生きて祖国に戻ることはできなかった 互いに、捕虜になれば殺される闘いであり、そのために各戦線で、熾烈な戦いが繰り広げられることとなる 気になったのは、以下です。 ■緒戦 ・粛清によって弱体化していた軍に、ドイツ侵攻の情報が届いていたにもかかわらず、スターリンは、対抗しなかったため、奇襲をうけた形で独ソ戦はスタートした。 ・ヒットラーというよりも、参謀本部は、独ソ不可侵条約をソ連が継続的に守るとは思っていなかった ・西部戦線で、イギリス軍と膠着状態になっていたドイツ軍は、同盟国ルーマニア油田の保護と、ソ連領内のマイコープ、クズヌイの油田の簒奪をもとめて、東進する計画を進めていた ・ソ連は、フィンランド戦争を仕掛け、レニングラードに隣接したカレリア地方の割譲を要求した。ドイツはこれをみて、ソ連が、国境を西に動かそうとしていることを認識した。 ・ドイツは、北方軍、中央軍、南方軍を同時にソ連に侵攻させる、「バルバロッサ」作戦を立案し、1941年6月22日に実行に移した 北方軍 リガ⇒プスコフ⇒レニングラードへ(フィンランド軍と連携作戦) 中央軍 ミンスク⇒スモレンスク⇒モスクワ⇒ゴーリキへ(ソ連首都制圧、政治拠点制圧) 南方軍 オデッサ⇒キエフ⇒ハリコフー>スターリングラードへ(石油資源確保) ・ドイツ軍を待っていたのは、劣悪極まりない、ロシアの環境であった。フランスでは、舗装道路、給油できるガソリンスタンドも、乗り入れ自由な鉄道も、なかったため、ドイツ得意の電撃戦も発動することができなかった ・前線と補給との乖離、燃料などの物資は、まばらにしか届かない ・バルバロッサの失敗とは、ドイツ軍の惨敗でも、ロシア軍の善戦でもなく、兵站の不足が原因であった ■ドイツ軍VSソ連軍 ドイツの戦法は、電撃戦である、短期決戦指向、戦車と航空機を集中して、戦線を突破、敵を包囲して殲滅する ソ連軍の戦法は、接近戦、指揮命令系統が混乱しても、降伏せず、徹底抗戦 ドイツ軍は、戦車、燃料不足に陥り、兵站の失敗が明らかになる。加えて、バルバロッサの短期決戦の構想が崩れ、独ソ戦が長期化することとなる。これは、ソ連軍が優位になることを意味していた。 ソ連軍は、予備役を呼集し、前線に段階的に投入した 赤いナポレオン、トゥハチェフスキー元帥の用兵思想 現代戦は、激烈な消耗戦であり、それに勝利するためには、無停止の連続攻撃を行い、戦略的な広域レベルで突破を実現することが必要不可欠である 空軍、砲兵、前線部隊の攻撃により、敵の最前線から中間陣地、さらに後方陣地までも、一気に制圧する 砲兵や、前線部隊の手が届かない後方は、迅速に突破した戦車・機械化部隊、空挺部隊が抑え、敵の再編成や予備兵力招致の阻止にあたる この作戦術は、ベトナムで敗れた米軍の目にもとまり、米軍のドクトリンとして大きな影響力と発展を遂げていく ■ソ連の反攻 3つの反攻策 天王星作戦 スターリングラードのドイツ軍殲滅計画 土星作戦 東部戦線南翼のドイツ軍殲滅計画 火星作成 ドイツ中央軍先端突出部の殲滅計画+木星作戦+海王星作戦 ウクライナ奪回作戦 ドイツ軍のクルスク、城塞作戦 プロホロフカでは、ソ連235両を撃滅、ドイツ3両の損害なるも 連合軍のシシリア上陸への対応のため、ドイツ軍の抵抗はここまでで終わる バグラチオン作戦 1944年6月~8月のソ連のドイツ反攻作戦、レニングラードから、オデッサにいたる長大な戦線で ソ連の反攻が始まる 連合国のノルマンディ上陸に先立つこと、ソ連軍は、すでにベルリンにその進路をすすめていた ドイツを制し、第二次世界大戦を終了させたのは、ソ連軍の功績によるところが大きい 目次 はじめに 現代の野蛮 第一章 偽りの握手から激突へ 第一節 スターリンの逃避 第二節 対ソ戦決定 第三節 作戦計画 第二章 敗北に向かう勝利 第一節 大敗したソ連軍 第二節 スモレンスクの転回点 第三節 最初の敗走 第三章 絶滅戦争 第一節 対ソ戦のイデオロギー 第二節 帝国主義的収奪 第三節 絶滅政策の実行 第四節 「大祖国戦争」の内実 第四章 潮流の逆転 第一節 スターリングラードへの道 第二節 機能しはじめた「作戦術」 第三節 「城塞」の挫折とソ連軍連続攻勢の開始 第五章 理性なき絶対戦争 第一節 軍事的合理性の消失 第二節 「バグラチオン」作戦 第三節 ベルリンへの道 終章 「絶滅戦争」の長い影 文献解題 略称,および軍事用語について 独ソ戦関連年表 おわりに ISBN:9784004317852 出版社:岩波書店 判型:新書 ページ数:256ページ 定価:860円(本体) 2019年07月19日第1刷発行 2019年09月13日第6刷発行
この本は今とても売れているそうで、2020年新書大賞の1位を獲得しました。 この本では独ソ戦がなぜ始まったのか、そしてどのように進んで行ったかがわかりやすく解説されています。 そしてこの戦争における巨大な戦闘、モスクワ攻防戦、レニングラード包囲戦、スターリングラード攻囲戦についても解説していきます。...続きを読む独ソ戦の勝敗を決定づけるこれらの巨大な戦いとは一体どんなものだったのか。信じられないほどの犠牲者を出した圧倒的な戦いを私たちは知ることになります。
お恥ずかしながら、少なくともここ10年くらいは第二次世界大戦の主戦は太平洋戦争だったという感覚でいた。 この大戦による日本の犠牲者は戦闘員、非戦闘員合計でおおよそ3百万人と推計されている。気が遠くなるような悲惨な数字だ。 一方、旧ソ連はジェノサイトも含めると犠牲者は28百万人と推計されている。想像...続きを読むを絶する数字。 ドイツの犠牲者はおおよそ8百万人と推計されている。 また、まさに現在進行中のウクライナ情勢におけるロシアの文字通り「地政学」上の立ち位置が分かるような気がした。
こんな表現は適切ではないかもしれないが、面白かった 久しぶりに本の内容について議論したくなってしまって友人に勧めまくった どちらも戦略なくただ人が死んでいく こんな人が国を動かした時代があったなんて…
ソ連もドイツも指導者が戦略でなく作戦レベルで口を出すし、口を出すときの判断基準がイデオロギーだし、妙に過信して墓穴を掘るし……。似た者同士が正反対のイデオロギーを振りかざして被害を拡大させたのが良く判ります。 あと軍人の作戦判断は妥当なものが多いと思いましたが、優勢な時は楽観視をしてしまいがちで、劣...続きを読む勢になると無理をして墓穴を掘るのは洋の東西を問いませんね(と、同じ時期の東の方を見ながら思う次第)
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独ソ戦 絶滅戦争の惨禍
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大木毅
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