あらすじ
真珠湾攻撃、ミッドウェイ海戦、レイテ沖海戦、天一号作戦……太平洋戦争を「戦略・作戦・戦術」の視点から再検証。「太平洋戦争の諸戦役を、主として戦略・作戦次元に注目しつつ検討してきた。そこでの彼我の成功と失敗、明断と誤断をみれば、ありふれてはいるが、今日なお深刻な問題である結論がみちびかれるように思う」(本書「結びにかえて」より) 成功と失敗を分けたものとは? 日本陸海軍の明断と誤断とは? ベストセラー『独ソ戦』の著者による決定版! 【目次】●第一章 海原と密林の戦場へ――陸海軍の攻勢戦略 ・昭和陸軍の栄光と悲劇――南方攻略の絶頂からインパールの奈落へ ・連合艦隊司令長官山本五十六――その戦略 ・「戦略戦闘機」――零戦の真価はどこにあったか ●第二章 南溟に疾風走る――南方攻略の戦略と作戦 ・「戦略」の要求に応えるために――シンガポールへの突進 ・点で面を制す――三次元からの蘭印攻略 ・歯車に入り込んだ砂――フィリピン作戦の「重点」誤認 ●第三章 過信と暗転の太平洋――勝機を逸した攻勢 ・ポート・モレスビー遥かなり――なぜニューギニア戦線は地獄と化したか ・昭和海軍の宿痾――二兎を追ったミッドウェイ作戦 ・ソロモン海の転回点――ガダルカナルで露呈した昭和陸海軍の欠陥 ・敗勢に抗する――山本五十六最後の戦略 ●第四章 勝者と敗者を分かつもの――日米両軍の戦略と戦術 ・一九四三年の知られざる敗戦――戦略次元で王手をかけたアメリカ ・戦術的努力で戦略的劣勢を覆すことはできない――マリアナ沖海戦の致命的誤断 ・より錯誤の少ない側が勝つ――レイテ沖海戦の逆説 ・ターゲット東京――アメリカの日本本土空襲における戦略と戦術 ・「天一号作戦」――沖縄「決戦」の蹉跌を招いた政戦略の不一致
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Posted by ブクログ
歴史雑誌「歴史街道」に掲載されていたのもをまとめた書。戦略、作戦、戦術いずれも欲張ったために戦果を逃した戦いも多い。そして戦争を始めたはいいが、やめるタイミングをまったく考えていなかった政治家と軍人たち。アメリカとの国力差を考えても勝てないとわかっていたはず。レイテ沖海戦後のタイミング、東京大空襲の直後、沖縄戦の直後といくらでも終戦工作してもいい時期はあったのではと思う。もっと国民の犠牲を少なくできなかったものか?
Posted by ブクログ
本書は、あの戦争を「戦略・作戦」面から再検証!という内容になっております
再検証はいいんだけど…再検証してどうするの?って視点がどうも見えなかった気もするんよな〜
次やったら勝ったるで!おりゃあ!ってことじゃないよね
うん、ぜんぜん違うよね
それならいいけど
まぁ、そもそもがね必敗の戦争だったわけだけど、当時の日米の国力は1:10だってんだからね
いくら日本が神の国言うたってね
あっちはあっちでまた神様もいる訳だし
なのに、最初から最後まで統一された「戦略」はなかったという検証結果
「作戦」に於いても、開戦当初の華々しい戦績に目が眩んだのか、二兎、三兎を追うという誤りを繰り返していたんだから、それはもうねこうなりますよ
そして筆者の大木さんが意図しているのかいないのか、よく分からんけど、こう言う戦略論みたいな話しではやっぱり「人の死」ってのが軽く扱われているように思えてならない
戦時中の大本営での議論もきっとそうだったんだろうなと震えさせるのも目的のひとつなのかもという、だいぶ大木さんに寄り添った意見を加えてみるが、この戦略論みたいなやつにもやっぱりワクワクしちゃうんだよな〜
なんか申し訳ない