大木毅のレビュー一覧
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山本五十六は指導者として反対派を味方に引き込む力があったものの無口という欠点があった。
太平洋戦争の敗因の一つは軍令部と総司令部の2つの頭の元、二兎を追う、あるいはコミュニケーションミスにより現場まで意図が伝わらない、現場の考えも上層部に伝わらない体制、組織の問題であった。
作戦開始後、環境の変化により戦法を変えることは重要だが、戦略を変更する際は(第二次大戦では物資調達の不利から短期決戦で講和に持ち込むことを日本側は目的としていたが、真珠湾攻撃からの日本軍の善戦により政府が中々講和に向けた交渉を開始せず、ミッドウェー、ソロモン沖の海戦、ガダルカナル島の陥落により避けるべき総力的消耗戦に陥って -
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以下、引用
●ここまでみてきたように、長岡に生まれ育ち、青年期にさしかからんとしていた五十六がすでに、その生涯の特性となった「沈黙」を身にまとっていたことは間違いない。彼が、言葉をつくすのを億劫がる人物だったことは、後年、連合艦隊司令長官として戦争を遂行する際に、指揮上の問題を来すことになる。その無口は、話が通じぬと思った相手には、言わねばならないことまでも言わぬと評されるほどになっていたのだ。
●十月十九日、軍令部第一課を訪れた黒島は、再び真珠湾攻撃の実行と空母六隻の使用を訴えたうえで、それが認められない場合、山本は連合艦隊司令長官の職を辞すると宣言した。
●つまり、徹底的な撃滅を狙う山本 -
Posted by ブクログ
過去から何度も読んできたロンメル将軍の物語だが、こうした評伝は初めて。
こうした歴史上の人物は、近世の人と言えども様々な文献により評価が異なるのか。評価者の想いで意図的に曲げられもするのか。
そういう意味では読んでよかった。こうした軍人の再評価は中々行われない、と書かれてあったが、なるほど敗戦国ならなおさらだ。
ロンメルに関しては特に戦いのロマンチシズムの中で作り上げられたイメージが強くあったわけで、私のイメージもそうだった。
元帥まで昇進しながら「よく出来た師団長」程度との評価は正しかったのかも知れないが、それでも「戦いにフェアネスを重んじた」ところは、彼の面目躍如であろう。ちょっと嬉しかっ -
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「砂漠の狐」とあだ名されたドイツの名将ロンメルの生涯を追った本。物語ではなくて、歴史を紐解き、そしてロンメルの評価が時代によってどのように変わっていったのか、本当に名将だったのかを検討している。おそらくは、優れた戦術家ではあったのだろうが、もっと大局から見るような作戦級の人物ではなかったようだ。ただその割には自己宣伝欲が強かったことの理由(ドイツにおいては王道の家柄に生まれたわけではなかったので出世してゆくにはアピールが必要であったこと)や、なぜ作戦級の能力を身に着けることがなかったのか(きちんとした軍事教育を受けていなかった)などが説明される。戦闘の解説が多いので、もうすこし地図や図表が多い