大木毅のレビュー一覧

  • 「砂漠の狐」ロンメル ヒトラーの将軍の栄光と悲惨

    Posted by ブクログ

    過去から何度も読んできたロンメル将軍の物語だが、こうした評伝は初めて。
    こうした歴史上の人物は、近世の人と言えども様々な文献により評価が異なるのか。評価者の想いで意図的に曲げられもするのか。
    そういう意味では読んでよかった。こうした軍人の再評価は中々行われない、と書かれてあったが、なるほど敗戦国ならなおさらだ。
    ロンメルに関しては特に戦いのロマンチシズムの中で作り上げられたイメージが強くあったわけで、私のイメージもそうだった。
    元帥まで昇進しながら「よく出来た師団長」程度との評価は正しかったのかも知れないが、それでも「戦いにフェアネスを重んじた」ところは、彼の面目躍如であろう。ちょっと嬉しかっ

    0
    2019年09月29日
  • 「砂漠の狐」ロンメル ヒトラーの将軍の栄光と悲惨

    Posted by ブクログ

    「砂漠の狐」とあだ名されたドイツの名将ロンメルの生涯を追った本。物語ではなくて、歴史を紐解き、そしてロンメルの評価が時代によってどのように変わっていったのか、本当に名将だったのかを検討している。おそらくは、優れた戦術家ではあったのだろうが、もっと大局から見るような作戦級の人物ではなかったようだ。ただその割には自己宣伝欲が強かったことの理由(ドイツにおいては王道の家柄に生まれたわけではなかったので出世してゆくにはアピールが必要であったこと)や、なぜ作戦級の能力を身に着けることがなかったのか(きちんとした軍事教育を受けていなかった)などが説明される。戦闘の解説が多いので、もうすこし地図や図表が多い

    0
    2019年06月09日
  • 「砂漠の狐」ロンメル ヒトラーの将軍の栄光と悲惨

    Posted by ブクログ

    連合国からも評価が高いロンメルを、ゲッベルスの宣伝による過大評価された前線型の指揮官だったと教えくれる。
    多数のロンメルの著作を翻訳している著者だからこそ書ける評伝。
    闘争の相手を尊重する騎士道精神はあったが、前方指揮の乱用、補給軽視という欠点もあったというのは初見の知識であった。
    本作の欠点は、作戦の動向を示す地図が読みづらく、戦場の変化が理解しづらかった。

    0
    2019年04月13日