カンバンファのレビュー一覧
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キム・チョヨプさんの読書エッセイ。
気軽に読み始めたら難解で哲学的。
キム・チョヨプさんの創作のルーツや、試行錯誤にも触れられていてSF世界の拡がりになるほどなるほどと思いながら読んでみたい本がどんどん増える。
ある分野で科学的で論理的な立場にある人も別分野においては差別的だったり非科学的な主張をしている、という指摘に、何故この人はこの分野ではこうなんだろうと疑問に思っていたことが腑に落ちた
キム・チョヨプさんのSF小説には切なさやノスタルジーを感じるけれど、彼女自身がテクノロジーの中での存在や普遍的な人間性を見続けていたい人なのかなと感じた -
Posted by ブクログ
ネタバレ『サボテンを抱く』『惑星語書店』『外から来た居住者たち』が特に好き。
『サボテンを抱く』
胸が痛んだ。パピラの「もういない」という言葉がとても苦しいし寂しい。
『惑星語書店』惑星語って文字は、音韻はどんなのだろう。異国の地にて母国語で話しかけられたために心を開く人というのを動画でよく見かけるが、その時のまるで友人に再会した時のような嬉しそうな顔が頭をよぎった。
『外から来た居住者たち』おいしいと感じられない、という感覚の理由が地球外星人だからという設定が面白い。ダヒョンと店長が美味しさを分かち合えた瞬間をこうやって見せてもらえて嬉しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ韓国SFの新星、というよりも代表格と言って差し支えないぐらいの貫禄が出てきたキム・チョヨプ氏の本邦第二短編集。
一読しての印象は、第一短編集「わたしたちが光の速さで歩めないなら」と同様の、淡々としながらもしっかりとそこにある切なさ、それを乗り越えようとするほんの少しの勇気です。本短編集は、タイトルでも端的に表現されている通り、”この世界”に対するちょっとした疎外感と、そこから抜け出そうとする女性たちの姿を描いている作品が収められています。
この、「女性性と社会との関係性」というテーマに触れて、鴨がふと想起したのは、ジェイムズ・ティプトリー・Jr。本名アリス・シェルドンという、聡明で社会的にも -
Posted by ブクログ
ネタバレSFの中では読みやすく、フェミニズムな要素もあり、韓国文学って感じだった。けどやっぱりSFは得意じゃないなぁ。完全なる好みの問題。
巡礼者たちはなぜ帰らない
成年の儀式にまつわる謎について。
話は分かったけど、別にわざわざ周りに迷惑かけて一人で先に旅立つ必要なくない…?みんなと一緒に行ったらダメなの…?と思ってしまった。情緒のなさ。
スペクトラム
言葉の通じない見えている世界も違う地球外知的生命体との交流の話。生命体に情が芽生えていく過程がすてきだった。
共生仮説
ニューロンパターンの解析により被験者が考えていることを解析する研究が進んでいる世界。大人やペットなどでは解析の精度が上がって -
Posted by ブクログ
2026 03/06
掌編小説。初めての韓国文学。『沼地の少年』『汚染区域』『最果ての向こうに』が好み。地球外植物に汚染されていく地球。人類なんて儚くて頼りない存在だな、としみじみ思う。植物の逞しさにはとうてい敵わない。なすすべもなく滅んでしまうのだろうか。
『みんなのココ』は一見無害そうに見える地球外植物ココに人類が魅了される。全人類が愛してやまない伴侶種ココ。静かな侵略って感じで恐い。
物悲しさと切なさに彩られた世界観に入り込みました。ノスタルジックな気持ちが湧き上がってくる話もあり、軽やかな文章とSFがとても相性が良いと思いました。
この著者の他の作品も読んでみたくなりました。