カンバンファのレビュー一覧

  • カクテル、ラブ、ゾンビ

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    ネタバレ

    韓国の新鋭作家、チョ・イェウンのデビュー作で本邦初訳作品。

    ホラーというより、ホラー的な要素が含まれる四つの短編。
    幻想味の強い「インビテーション」。ホラー的な怖さは一番かも。
    幽霊からの視点「湿地の愛」。友情もの。
    表題作でゾンビもの「カクテル、ラブ、ゾンビ」。コメディ要素マシマシ。父、腐る。
    デビュー短編かつドラマ化されている「オーバーラップナイフ、ナイフ」。SF。

    特に最後の「オーバーラップナイフ、ナイフ」は本当に傑作。この短さに、あるジャンルの全てが入っている。
    他の作品も読みやすく、ホラーといって嫌厭せず読んでもらいたい作品集。

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    2024年09月15日
  • 実は、内向的な人間です

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     自身を内向的な性格であるとする著者。著者が感じてきたことをもとに、「内向的」を掘り下げて言語化してくれます。読後、我ながら取り扱いが難しいと思っていた自分自身の輪郭が、少しだけ、見えた気がしました。
     
     タイトルの「実は」もポイントです。外向的だと思っていたあの人も、実は内向的な人間なのかもしれません。外向性には、相手を思う気持ちが隠されているのかもしれません。外向的な方に羨ましさを感じていたものの、元々の性格が異なるのだと結論づけていた私には、目から鱗の発見でした。

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    2024年08月31日
  • 長い長い夜

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    これは、長い長い夜のお話。
    シロサイが、ペンギンたちが過ごしたいくつもの長い長い夜。
    彼らには名前があった。
    ノードン、チク、ウィンボ。
    一頭と二羽の「お父さん」が繋いだ、いのち。
    そう、その、いのち。「ぼく」と「お父さん」たちのお話。
    「ぼく」は動物園のペンギン舎で見捨てられた卵だった。
    ペンギンたちも飼育員たちも遠巻きに見ていた。
    そこに、ふたりの「お父さん」チクとウィンボがやってきて、代わる代わる「ぼく
    」を温めはじめた。
    「ぼく」はチクとウィンボの愛情を受け止めて卵の中ですくすくと育った。
    そこに「戦争」がやってくる───そして、「ぼく」は、シロサイのノードンと出会う───。

    *

    これはもう、泣いてしまう。
    今、レビューを書いていてもあのシーン、このシーンと思い出し、胸と目頭が熱くなってくる。
    こういう話に弱いんだよ。
    作者のメッセージ性が強く、それが、弱点にも、強みにもなる気がするが、圧倒的なものがたりの力で一気に読ませる。
    作者自身が描いたうつくしいイラストも、ものがたりには欠かせない魅力となっている。
    イラストが構図といい、色使いといい、素敵なんよ。

    最後に守りたいものを守れたら、その生き方は、幸福なのかもしれない。

    そんなことを思った。

    字の多い絵本のような、映画のような、そんな本だった。


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    2024年08月27日
  • 地球の果ての温室で

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    めちゃくちゃ面白い小説だった……!!!
    翻訳小説は独特の文体があると思うのだけど、韓国語は文法が似ているからかこの作品ではその感じもおぼえず、本当に読みやすい文体でするする読めた。

    するする読み進めたのはもちろん内容がめちゃくちゃよかったのもあって、SFって謎が解けたり時空を超えて何かが繋がったときに自分の脳内で小爆発が起きて面白さが加速する瞬間が好きなんだけど、そういう瞬間を1回だけでなく味わえた作品だった。

    植物がキーとなるディストピアの舞台も魅力的だったけど、個人的に魅力的だったのはキャラクターの描き方で、アヨンの周りの人間関係もよかったし、後半核心に迫って描かれたジスとレイチェルが本当に……切なくて切なくて……胸がずっとギュッと掴まれてた……。
    時系列や視点が入れ替わりながら進むのであとからじわじわあの人は……あの二人は……と想わされることも多かった気がする。

    大人と子供の描き方も魅力的でよかった、ナオミ視点は児童書を読んでるみたいなワクワク感があったなあ。
    ナオミとジス、アヨンとヒス(ジス)の交流の場面好きでした。
    あとアマラとナオミがいっとき緩い連帯を持っていた女性たちもよかった。

    絶望だらけで、人間がいかに脆いかを描きながらも希望の欠片を積み重ねて前向きな終わり方をしているのが素晴らしかった。勇気とか努力とか忍耐をもって希望の欠片を積み重ねているのが素晴らしかった……。

    でもやっぱり一番はジスとレイチェルのことがしばらく心に残りそうだ〜。。。

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    2024年06月10日
  • 地球の果ての温室で

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    SF特有のマッチョな感じがなく、その時代、その環境にサラリと飛び込めるような文章や登場人物の設定が好き。SFらしくなく、しかしSFじゃないと書き得ない物語。描かれているものは普遍の苦さや焦がれる想い。

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    2024年05月27日
  • 地球の果ての温室で

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    ダストフォールという地球規模での災害が発生した後の世界。ドームに逃げ込むことができた人と、耐性を持っていた人が生き残って、世界を再建した。ダストの時期に、地球を覆っていた植物、モスバナが、今頃になって再発生したことから始まった調査だが、主人公アヨンの思い出につながる点があり詳しく調べていく中で、ダスト時代の人々の行動が明らかになっていく。
    序文で作者本人が書いているのだが、この本の執筆時期がCOVID-19が最も深刻だった時期に重なっていたとのこと。小説の中のダストフォールが、現実のパンデミックと重なる部分もある。
    とても面白かった。おすすめです。

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    2023年06月14日
  • 実は、内向的な人間です

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    自分は内向的な人間だと思っていたけど、やっぱりそうだった。
    本の最初にある内向的チェックで10個以上チェックがはいった。
    家にいる事が好きだし、パーティー等ざわざわする場所も苦手。
    大勢でいるよりも一人の方が楽しい。
    等々、完全なる内向的人間のようだ。

    本に登場する旅行が苦手問題、、、。これは私も一緒で。
    (他人は喜ばしいことがストレスだったりする)
    精神的負荷が結構かかる。
    毎日をルーティンで過ごすことが心地いいので、イレギュラーな事(それが例え旅行等、他人が羨ましがるような事でも)がものすごくストレスになるのです。
    「旅行が好きじゃない」とか、外ではあまり言えないよなぁ。
    他人に言いずらいエピソードが赤裸々に書かれているので、同類がいたことに感動した!

    この本からの一番の学びは、「無理して外交的にならなくてもいい」という事。
    外交的の方が他人から何考えてるか分かりやすいせいか、得するように見えるけど、内向的でもそれなりに得することがある。長い目で見ると、内向的でも外交的でも同じ分だけ得も損もしているように思える。
    内向的には内向的の戦い方がある。
    その戦い方のヒント(考え方)が非常に参考になった。
    自分は内向的と思える方は是非(^_-)-☆

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    2023年05月30日
  • 実は、内向的な人間です

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    感想
    人といると疲れる。やっぱり家が一番安心できる。それでも外の世界を拒絶するわけではない。自分の中に新しい風を入れるために。爽やかにいたい。

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    2023年01月01日
  • 実は、内向的な人間です

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    MBTI検査で10年以上I(内向的)なのに、周りからはE(外交的)と言われている為、90%程度共感できた。残りの10%は、行動力とか旅行の部分、、、あまり共感出来なかった。内向性のベクトルがあって、人それぞれ内向性のレベルが違うからだろうな。

    2時間程度でサクッと読める本。

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    2022年02月28日
  • +1cmLOVE たった1cmの差があなたの愛をがらりと変える

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    ネタバレ

    【オススメな人】
    失恋してどうすれば良いかわかんない人

    騙されたと思ってこのタイトルの場所を試し読みしてみて下さい。

    ・もうやめよう
    ・終わる理由は終わったから
    ・別れに対する二つの態度

    特に3番目の『別れに〜』

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    2022年02月02日
  • +1cmLOVE たった1cmの差があなたの愛をがらりと変える

    な

    購入済み

    めちゃくちゃ良い本

    +1cmシリーズを2冊も読みましたが、どちらも心動かされました。私の中の固定概念が崩され、そういう考え方もあるんだという新しい発見に繋がる本だと思います。後1冊読んでないのでまた読もうと思います。

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    2021年06月29日
  • +1cmLOVE たった1cmの差があなたの愛をがらりと変える

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    久しぶりに韓国ドラマを観始め…
    たまたま立ち寄った本屋さんで見つけた一冊。イラスト&言葉に惹かれて購入。まさか…著者あるイラストが韓国人とは! 運命の出会いに感動です。

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    2021年02月13日
  • 種の起源

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    ハン・ユミンは血の匂いで目が覚めた。ベッド・カバーからなにからなにまで、べっとりと血痕がついていた。床にはドアからベッドまで足跡がついている。そして電話が鳴りだすr。ヘジンからの電話だ。お母さんはどこだという。なんでも夜中に着信があったという。家で何かあったわけじゃないよな?と問う。ユミンは状況が分からずに、ヘジンからの電話を切った。何が起きたのか?自分で探りながら、記憶を取り戻す過程で自分がサイコパスだったということを思い出す。悪人とはなんであるかを問う。

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    2020年12月24日
  • 種の起源

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    ネタバレ

    一人の人間の中に芽生える悪。それが育ったあとの狂気。人を殺しながらもどこか現実感の薄いこと。淡々と実行しているような感情の動き。静けさの中にある意識と無意識を行ったり来たりするような心。誰にでも悪の種はあるのか。記憶の奥深くに沈んでいた本当のこと。日常の中に存在して身近にあるような怖さを感じた。韓国ミステリーがこれからもどんどん読めるようになると嬉しい。

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    2019年03月13日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    特に表題作とスペクトラムが好きだった。繊細で優しく宙にきらめいているような文章とストーリーで、少し切なくなるとともに現代の鬱屈した社会のことから少し離れて人の感情とは何なのか想いを馳せることができた。SFジャンルにあまり触れてこなかったけどこれは素敵だなあ。

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    2026年10月18日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    2冊続けてSF小説

    スペクトラムも良かったがベストは表題作

    解説でも丸ごと引用されていたが、わたしたちが光の速さで進めないなら…

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    2026年10月13日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    とてもよかった。痺れるタイプじゃなくて、じんわりって感じの良さ。寂しさもあり、温かさもあり、孤独感もあり、愛おしさもあり、、って感じで色んな感情の要素があった。『スペクトラム』『共生伝説』が特に好きで、『感情の物性』『わたしたちが光の速さで進めないなら』もよかった。
    苦手なタイプのSFだったけどすらすらと読めた。

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    2026年10月06日
  • この世界からは出ていくけれど

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    「わたしたちが光の速さで進めないなら」が好きで
    「地球の果ての温室で」に続き読んでみた。

    7つの短編

    以前より結構、科学的な文章が多く、理解が追いつかなかったけど、宇宙だったり異世界だったりする中で、寂しさと優しさを同時に持ち合わせている雰囲気。

    自分とは別のものをもった側とのわかりあえない孤独と悲しみ
    それらを感じて切なくなってしまうけど、どこか希望を感じて、余韻に浸れる物語集だった。

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    2026年09月27日
  • この世界からは出ていくけれど

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    キムチョヨプさんの本は2冊目。1冊目も良かったけど、美しさ、無垢、純心という言葉が当てはまる短編集。

    この世界観が本当に好きで、一話目から涙しながら読む。悲しいとか嬉しいとかではなく、美しい世界観に泣けるという初めての体験。

    本屋さんでどうしても手にしたくて、探しに探してやっと出会えた。読むのが遅くなったけど、やっぱりキムチョヨプさんの本にハズレなしと確信できた。

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    2026年09月18日
  • ことばの波間で

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    “翻訳の作業には訳文を読む読者の理解を助けるための工夫も含まれる。そしてこの工夫は、まずどの部分が読者にとって異文化にあたるのかをとらえることにはじまる。次にその部分を言語的、歴史的視点から探っていき、その場に必要な注釈をいかに理路整然とまとめるかという総合的な取り組みから成り立っている。
    時間もかかれば体力も頭も使う。けれど、なにかにつけて「おや?」と疑問をもち、そこから湧き上がる好奇心に引っ張られて前進するしかないのが、翻訳家の仕事であり性分なのかもしれない。”(p.113)

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    2026年09月11日