カンバンファのレビュー一覧

  • この世界からは出ていくけれど

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    色んな意味での旅立ちや別れがそれぞれの短編で起きるので、どうしてもものさみしい気持ちになる。
    同じ場所で、あなたと変わらずこのままで、が叶わない世界。
    だけどそれは決して絶望的な別れではなく、互いのことを想いあった上でのままならない別れであったりもするから、読み終わったあとに残る感情は決してネガティブなものではない。

    不思議。
    別れの中でも死別が最も大きなものと私は捉えてしまうけれど、今なら「またね」と言える気がする。もう会えない、交わらない時間のことだけを想って絶望する私ではなくなったような感じがする。

    地球が舞台の短編の方が少ないくらい、あくまでもしっかりSFなんだけど、舞台がどこかな

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    2025年09月22日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    韓国の作家さんのSF短編集。

    SFならではの高度な技術進歩が、人間の不完全さをかえって愛すべきものにしているような矛盾を感じた。

    人間って本当によく分からんところがいいよねっとなる一つ一つが優しく素敵な話。

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    2025年09月20日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    1つひとつの短編に余韻があって、しばらくひたっていたくなる。

    SFだから、未知で私たちの知らない世界のはずなのに、どこか懐かしい郷愁のような感覚がずっとあって、そこにひきつけられたのかもしれない。

    読んでいて優しさと哀しみという絵の具をパレットで混ぜ合わせて、新しい名もない感情を胸に抱いた気持ちになった。
    色があるとしたら、きっと、すごく澄んだ人を育んでくれるような色だ。

    「スペクタル」「わたしたちが光の速さで進めないなら」が好き。

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    2025年09月18日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    「巡礼者たちはなぜ帰らない」の感想。
     なぜ巡礼者たちは帰ってこないのか?その疑問を追うSFストーリー。物語の構成とSF設定、心理描写が面白い。
     序盤から中盤にかけて謎と情報が点のように散らばり、終盤でその点が繋がっていき線になる。語り手の視点を追うような構成。これにミステリーで謎を解いていくような面白さがある。話の中で、資料を見るという形で視点が切り替わる多重構造も面白い。
     SF設定と心理描写については、「科学技術」と「人の思い、葛藤」が関係付けて描かれておりリアリティがある。若者の見えない未来への不安、好奇心、希望がリアルに描かれている。


    追記:
    短編「わたしたちが光の速さで進めな

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    2025年09月07日
  • カクテル、ラブ、ゾンビ

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    ネタバレ

    4作の短編集。

    当然のことですが、韓国が舞台なため登場人物の名前だけでは男性なのか女性なのかわからず、読み進めてはじめてわかる、という箇所がありましたが…。

    まず設定が興味深いし、そのなかで親子関係や夫婦関係のわだかまり、諦念が描かれていることが面白かった。

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    2025年08月17日
  • 派遣者たち

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    ネタバレ

    他者との共生とそこで発生する問題についてしっかりと描かれていた。氾濫体に対する嫌悪感の描写が昨今の移民問題や過去の迫害の問題に繋がっていることがすごい。
    確かに個人という意識、国のアイデンティティ、そういうものにずっと囚われていては争いはいつまでたっても終わることがないよな
    人間という生き物をイゼフが象徴していると思う。自分や自分の守りたいものを守るため正義の名の下に他者を傷付ける。

    相変わらず翻訳がとても読みやすい

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    2025年08月05日
  • カクテル、ラブ、ゾンビ

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    明るすぎず暗すぎず絶妙なトーン。
    特に最後の短編はまるで映画を見ているようで、その時間軸の使い方と世界観にかなり引き込まれた。色んな要素がうまく絡み合っていながらも複雑すぎずに読みやすい。
    韓国の小説ってゾンビ物が多い気がする。

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    2025年07月23日
  • 惑星語書店

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    掌編集でどれも読みやすいし著者自身が序文で語っている通り、掌編だから思い切って細かい設定や背景の描写はすっ飛ばしてる潔さもあって読みやすい。
    過去作同様マイノリティへの優しい視線や普遍的な人生観を扱っているけれど掌編故にメッセージがむき出しで迫ってくるのも良い。
    デイジーとおかしな機械、惑星語書店、とらえられない風景、外から来た居住者たち、が特に好きだった。

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    2025年07月21日
  • 派遣者たち

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    面白かった。SFは苦手だと思ってたけど、恐い描写があるわけではなく、綺麗であたたかい世界の中でストーリーが流れていって、読んでて心地よかった。

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    2025年07月13日
  • 惑星語書店

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    掌篇集ということで、キム・チョヨプさん特有の抒情性は少し薄れるものの、あいかわらずのやわらかな筆致。ワンアイデアで広がる豊かなイマジネーションがすばらしい。
    絵画から着想を得たもの、特殊な五感を持つ人、20年ごとにバラードが流行る謎の調査、アナログへと回帰することで捉えられるもの。
    表題作の『惑星語書店』はふたりのこの先も見てみたくなるようなわくわく感があった。

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    2025年07月07日
  • 惑星語書店

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    『サボテンを抱く』
    皮膚が過敏になり、物質と接触するだけで激しい痛みを伴う障害を患った元建築家のパヒラと、お手伝いロボットの話。

    『#cyborg_positive』
    機械の眼を持つインフルエンサーリジーが、企業のプロモーションを受けるか迷う話。

    『メロン売りとバイオリン弾き』
    万引き常習犯の子供ふたりが出会ったメロン売りとバイオリン弾きの話。

    『デイジーとおかしな機械』
    同じ空間にいるふたりと音声を文字として表示する機械の話。

    『惑星語書店』
    脳内インプラントの言語変換機能を妨害することで、読む能力がなければ読めないようになっている本を売る書店の店員と、努力して惑星語を習得しようとし

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    2025年07月05日
  • 惑星語書店

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    読んだ。薄かったのでサクッと。全体的には「切ない」という言葉なのだが、「切ない」と言い切ってしまうまで「切ない」わけでもない。ふと胸に宿る寂寞のカケラに気が付かされるような。そのカケラに向き合って過ごすにはあまりに小さすぎるような。でもその存在に気がついたなら明日からの私達は同じではいられない。ケン・リュウの時のようなひりつく苦味と切なさでもなくて、地に足をつけた優しさを感じる。
    また、この著者は自らの世界観を広げて小説書くタイプだ。他の本も繋がっている。「派遣者たち」は読みたいし、他も手を広げたい。
    直接内容の感想ではない所だと、翻訳が日本人では無いということが新鮮。勿論相互の言語に堪能なの

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    2025年06月28日
  • 惑星語書店

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    短編なのでさくさく読める上に、どのお話もしっかりと心にあたたかいおみやげを残してくれる。収録作の『サボテンを抱く』と『惑星語書店』が特に良かった。「痛みを与えないことが愛なのか、はたまた痛みに耐えることが愛なのか」という言葉が印象的。

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    2025年06月20日
  • 惑星語書店

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    「サボテンを抱く」と、表題作「惑星語書店」がとてもよかった。

    特にサボテンを抱くは最初に収録されているお話なのもあって一気に心を掴まれてしまった。

    SFなのでそれぞれに世界観設定のようなものがちゃんとあるわけなのですが、説明的な文章が全然ないのにしっかりその世界に入っていけて、本当にすごい。頭の中がサボテンやらキノコやら謎の菌糸生物やら宇宙の黄色い絶景やらでいっぱいです。

    どうしてこんなに景色が浮かぶんだろう。掌編だけあって色んな世界を見れるので、惑星間旅行から帰ってきましたみたいな顔で本を閉じました。
    ひとつひとつのお話は短いのに、ひとつ終わるごとに色んな景色を頭の中で想像してなかな

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    2025年06月13日
  • 惑星語書店

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    表題作は電脳インプラントの普及した宇宙で、消滅寸前の弱小言語を媒介に心を通わせる話。ほのぼの。かと思えば植物に侵襲された地球でキノコを生やす人たちのブキミな話も。

    自分は宇宙人で、地球人の振りをして暮らしているものの味覚だけは真似ようがなく、食べ物がどうにも美味しくなかったから、研究を重ねて地球の素材で自分も美味しいと思えるものを作れるようになったというダイナーの店主が語る「外から来た居住者たち」が好きだったかな。もうちょっと読ませてくれーという絶妙なところで終わってしまうのが惜しいけど。

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    2025年06月11日
  • +1cmLOVE たった1cmの差があなたの愛をがらりと変える

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    ネタバレ

    私の周りに溢れている愛と幸せを改めて実感。
    色んな人から沢山の愛をもらってる。私もちゃんと伝えたい。言葉でも、行動でも。



    いつも読むのは小説、ビジネス本、自己啓発本が多いけれど、時にはエッセイもいいな。心が軽く優しくなる。

    ---以下、引用
    >幸せが逃げていく3つの言葉
    「今」ではなく「いつか」
    「ここ」ではなく「どこか」
    「あなた」ではなく「だれか」

    >強く押しても、引き戸は開かない。
    相手への充分な理解と関心なくして心の扉は開かない。今、このドキドキが本当に恋なのか
    それとも単にドアを開けてみたいだけなのかじっくり見極めて。

    >いつかだれかの部屋に長居すること

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    2025年06月08日
  • 長い長い夜

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    私たちは繋がっていて支えられて生きているってことが感じられる温かい本です。いろんな家族の形fがあって、家族という形じゃなくても支え合って生きているって改めていいなぁと思います。

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    2025年06月06日
  • 誤解されても放っておく

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    自分を大切にしながら生きていきたいのに、どうすればいいのかわからない。少しでも嫌なことが起きると、何もかもうまくいかないような気になってしまう。
    そんな気持ちに寄り添いながら、優しくも力強く背中を押して、気づきを与えてくれる本。

    ビジネス本のようにわかりやすく答えが書いてある本ではないので、それを求めている人は注意。
    とにかく誰かにわかってほしい、暗闇から抜け出すための手がかりが欲しいという人は、どうか焦らずにゆっくり読んでみてほしい。

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    2025年05月25日
  • 地球の果ての温室で

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    ダストという毒物の蔓延時代を生き抜いた人々と、アマラとナオミの姉妹、レイチェルとジスの物語、そしてダストと謎の蔓草モスバナがたどる道。

    滅亡寸前の悲惨な時代から、ようやく復興した地球。あのとき世界を救った、二人と二人の真実とは…。

    コロナを彷彿させる描写ですが、私は最初なかなか読み進められなかった。第一章(100ページ)が終わってから段々と物語は加速しだすんだけどゆっくり語られていくような感じ。第二章のアマラとナオミの話が面白かった。第三章のレイチェルとジスの関係性には興味深かった。

    ダスト終息はテクノロジーと全人類的な協力による勝利と受け止められてきたけど、本当はそれだけではなかった。

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    2025年05月16日
  • カクテル、ラブ、ゾンビ

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    サイケデリックな装丁の表紙が示すように、表現されている物語には少し血の色が濃くて、ゾンビだったり殺人だったり、強烈な展開が含められています。けれど物語はそのけばけばしいエグさばかりでなく、登場する人物のなまなましい感情が描かれていて、表面的なインパクトばかりを狙った作品たちではない、と思います。

    表題作では、突然ゾンビになった父親を前にした、母と娘の葛藤が描かれています。それまでの家族関係の複雑さ、母娘の間の互いへの親愛、ゾンビ化が進む父親に対する最後の決断をしかねる、親子というしがらみ。さばさばとしたようで、絡まる親子の縁に悩まされる娘を、えいやと救ったのは他でもない母親で、その行動と台詞

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    2025年05月11日