カンバンファのレビュー一覧

  • この世界からは出ていくけれど

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    1作読み終えたら「次の作品を読もう」ではなく、余韻に浸りたくなる短編集だった。
    社会が複雑すぎて、相手の気持ちを理解するのが難しくなっている。何かのきっかけで心が通うように、ちょっとしたことですれ違ってしまう。
    相手を大切に想っているのに、だからこそもどかしくて切なくて、いつまでも心に引っかかって残る作品ばかりだった。

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    2025年09月25日
  • この世界からは出ていくけれど

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    やっぱりキムチョヨプさんの創り上げるSFの世界観が個人的にすごく好きだなと感じました。
    前作の光の速さよりもSF感が強くなっていて、のめり込んで読んでしまうほどでした。

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    2025年09月18日
  • 惑星語書店

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    キム・チョヨプさんの作品は、こうも心のうまく説明できないような切ない感情を掬い取ってくれるのだろうか。
    ますます好きになりました。

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    2025年09月17日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    ネタバレ

    初めてSF小説を読んだが、未来技術が多く登場し一見すると私たちとは別世界を描いているように思えた。しかし読み進めるうちに、それらは決して遠い世界の話ではなく、現代の人々が抱える問題について深く考えさせられる内容だと感じた。

    「共生仮説」というテーマでは、人間性は他の惑星から来た存在が脳に共生し、働きかけた結果生まれたというアイデアや、7歳を境に幼少期の記憶を失うのは“彼ら”が脳を去るからだという発想に、科学を超えたSF的ロマンを強く感じた。

    また、「物性」というテーマも印象に残った。電子書籍やデジタルデータが普及しても紙の本を欲しがる人、コンサートのチケットを捨てずに取っておく人。そうした

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    2025年08月24日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    韓国SFが熱いらしいということで手に取った本。
    別れや喪失のお話であっても、ストーリーが引っ張る力のおかげなのか、希望が残されているような印象で、読後感はとてもよかった。
    またいつか読み直そう。

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    2025年08月20日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    宇垣美里さんのオススメで出会えた作品。
    短編7つから成るけれども、どこか切なくて、愛しい作品。
    今だけでもそう思えるが、読み返すたびに様々なことを感じられたり、気付けたりするのだろうなと思う。

    表題作の『わたしたちが光の速さで進めないなら』は、特に切なく愛しい物語。
    素敵な作品でした。

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    2025年08月18日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    何冊か韓国作品を読んでいるうちに韓国SFが気になり始め手に取ってみたら面白すぎました。
    心にす〜っと優しさのような癒しのようなものが入って来ては拡がる感覚に陥り、キムチョヨプさんの作品を全部読みたくなりました。映画化にもなっているようなので観てみたいです。

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    2025年08月01日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    タイトル買いしたくなるエモさ!でも好きなのは共生仮説!赤ちゃんと深海には、宇宙と比べられるくらい不思議があふれてると思う。

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    2025年07月27日
  • 長い長い夜

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    こども時代を象の群れの中で過ごしたシロサイ。みんなと違うけど、足りないところは助け合うから大丈夫。
    その後、他のシロサイと過ごす幸せも味わったけど、やがて地球上最後の一頭のシロサイとなり、たまごを大切に孵そうとするペンギンと一緒に旅をする。
    種類も性別も関係なく、大切な誰かを思う気持ちを大切にしたくなる。
    一頭と一羽の足跡や振り向くペンギンのイラストもたまらなく愛おしい。

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    2025年07月21日
  • 派遣者たち

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    互いの不完全さを知り、違いを認め、生き方を尊重することの大切さ、そして自分にとっての幸せのあり方について考えさせられた一冊。「大事なのはね、自分が自分だけで成り立ってるって幻想を捨てること。そしたら、可能性は無限だよ」という言葉に連れた。

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    2025年06月14日
  • 実は、内向的な人間です

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    私も内向型人間なので、思いっきり共感できたし、わかるわかる!!私だけじゃないんだ〜(笑)と思えておもしろかった!

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    2025年06月08日
  • 罰と罪 下

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    ついに犯人らしき容疑者に近づき、確保に至るまでの1分ごとの状況説明は緊迫感があり、ドキドキしながら読んだ。
    まるでドラマか映画のように映像が目に浮かんだ。
    最後まで気の抜けない展開で、一気に読み終えた。
    韓国の警察内部の人間関係や、若い新人刑事の気の使い方、ソウルの繁華街や田舎町の名称などを知ることができた。
    地名が出てくるとそれがソウルからどれくらいのところにあるのか、どんな場所なのかなど、必要に応じて入る説明もよかった。
    ドフトエフスキーの小説を読んでいればもっと楽しめたかもしれない。

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    2025年04月04日
  • 罰と罪 上

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    韓国の警察小説。
    22年前の事件を追う3人の刑事の動向と、犯人の独白が交互に続く。
    この巻の後半、被害者が所属していたドフトエフスキー小説を読む読書会のメンバーへの刑事のインタビューが始まるあたりから、犯人に近づいているような雰囲気が出始めるが、まだわからない。
    下巻を読むのが待ちきれない。

    内容とは別に、韓国語を勉強しているので、登場人物の名前や、ところどころに出てくる韓国語もとても興味深かった。
    ・アイゴ---女刑事ヨン・ジヘの口癖 「ああ、まあ、はあ」という意味の感嘆詞
    ・ノ・ナ・シロ---被害者の口癖 「あなた、わたしのこと、嫌いでしょ」の意

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    2025年04月04日
  • カクテル、ラブ、ゾンビ

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    韓国文学にハマり、色々読み漁っていますが、短編集でこんなに好みだったのは久しぶりです。
    ホラー作品とありますが、ホラーが苦手な私でも読める、ホラー要素控えめな作品です。
    どの作品も登場人物の心理描写が切なく、それぞれの回想エピソードがエモさを引き立てています。
    表題作の『カクテル、ラブ、ゾンビ』は、父親が飲んで帰って来た次の日にゾンビになったというお話。主人公のジュヨンは、しばらくゾンビになった父親を家で匿いますが、今後どうしていくべきか、色々な思いと葛藤する様子に、面白みと切なさを感じました。
    『オーバーラップナイフ、ナイフ』はネタバレなしで読んでもらいたい作品です。

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    2025年03月27日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

    購入済み

    自分と他者の絶対に分かり合えない違いと、それでも分かりたいともがく人間の切なさと渇望がSFという形をとって見事に描かれていて圧巻でした。

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    2025年03月26日
  • 派遣者たち

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    今時点で今年一だなと思う「わたしたちが光の速さで進めないなら」の著者の二つ目の長編。これもサイコウだった。

    今回は人と人じゃないものの共生がテーマ。

    氾濫体ってなに!?振動はなんなの!?テリンとイゼフ、ソノの関係は!?
    世界の状況はすぐわかるのだけど、主人公のテリンを取り巻く状況がなかなか理解できず、読みがノってくるまでに少し時間がかかった。

    ソールが覚醒したところあたりから、段々とページを捲る手が止まらなくなる。
    テリンの生い立ちの謎。初ミッションで出会った沼人の正体。地下にもいる仲間たち。そして何よりイゼフの計画に自問自答する。

    果たして自分だったら、イゼフのように考えるのではない

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    2025年03月15日
  • カクテル、ラブ、ゾンビ

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    純文学っぽい文体で綴られたホラーは初めてかも。すごく新鮮だった。ストーリーの展開やいかに怖がらせるかのエンタメ要素の強い日本のホラーと違って、心情描写多め。面白かった。

    『韓国で10万部突破の話題作、ついに日本上陸』との触れ込みで、2年連続年間ベストセラーに選ばれているらしい。デビュー作で海外に翻訳されるとか羨ましい限りである。

    特に好きだったのは『湿地の愛』と『カクテル、ラブ、ゾンビ』

    「湿地の愛」は、地縛霊である水辺の幽霊「ムル」が主人公。川で退屈な日々を送っていたとき、林のなかを歩いていた「スプ」に出会う。その後、二人はしばしば会いながら静かに心を通わせる。

    「カクテル、ラブ、ゾ

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    2025年01月20日
  • カクテル、ラブ、ゾンビ

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     タイトルを含む4編。どれも、インパクト大。特に水辺のほとりに佇む幽霊の女の子の話が印象に残った。幽霊目線で、その心情が描かれており、地縛霊のように同じところで残される孤独感や寂しさ、霊の友達ができたときの喜びに共感的な気持ちになった。

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    2025年01月15日
  • 派遣者たち

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    キム・チョヨプさんの長編です。
    この作品の舞台は、宇宙から飛来した外来種である「氾濫体」に覆われた地球。人類は氾濫体に触れると錯乱症を発現するため、これを恐れて地下へ潜って生活をしています。いつか地球を自分たちの手に奪還するため、地上の探査をしており、その危険な任務を担うのが派遣者と呼ばれる選び抜かれた人たちです。物語は、派遣者になることを夢見る主人公のテリンを中心に描かれています。
    この設定に惹かれて手に取りましたが、めちゃくちゃ面白くて一気読みでした。
    キム・チョヨプさんの作品は、一貫して他者理解と共生がテーマにあります。今作も、人間と氾濫体がいかにして共存していくか、テリンが葛藤を抱えな

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    2025年01月11日
  • 誤解されても放っておく

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    2024年年末、夫と喧嘩?(信頼できなくなった)時に居てもたってもいられなくなって、手に取った本。

    私が私らしくあるために、必要な本だった。「これは私の性格の問題かもしれない」「こういうことを考えてしまうのは私だけだろう」そういう孤独感や自分を責める気持ちから、解放してくれた本。

    本の中にたくさんの私がいた。
    誰かにいつかわかってほしい、可哀想な怯えてる私がいた。
    でも、読んでいると1人では無いんだと理解できた。

    そして、私はありたい私で生きるべきだし、それを邪魔してくる人が居ようもんなら、逃げていいし、関わらなくていいんだと納得できた。

    少しマイペースを取り戻せたような気分。
    辛くな

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    2025年01月02日