カンバンファのレビュー一覧
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〜あらすじ〜
正体不明の菌類『氾濫体』に地上は汚染され、地下都市に追いやられ、『氾濫体』による『錯乱症』怯えながら暮らす人類。
地上奪還のため氾濫体の調査・研究を行うため、地上へ出ることを唯一許されている『派遣者』になることを夢見る地下都市ラブバワに住む少女テリンは、師匠である派遣者のイゼフに憧れながら、派遣者の資格試験に挑み続ける。
美しい地上を夢見るテリンを中心に展開するSF。
〜感想〜
あらすじから住処を奪われた人類と氾濫体との戦いを巡るディストピアかと思い読み始めると、冒頭から三分の一くらいまでは地下都市ラブバワでのテリンの日々を淡々と描いていたのに、中盤から突然、個について、意識や -
Posted by ブクログ
前の短編集が面白かったので、今作も購入。しばらく積んだのちようやく読み終えた。
どの作品でも、作中の人物は自分が属していた環境を離れる経験をする。
その時旅立つ彼らが振り返った、今まで属していた世界、また旅立つ彼らを見守る人、そんなものを描いているようだ。
彼らは自分と周囲の社会にどうしようもないミスマッチを抱える。
ある人は幻肢を持っているが、それは精神の病気だから治療すべきだと言われ、自分の気持ちを否定され続ける。
ある人は数百年のコールドスリープからすっかり変わってしまった世界に目覚めさせられ、言葉も通じず、何年経っても馴染むことができない。
彼らはたった一人で多数の人が作る良識や常識 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めてSF小説を読んだが、未来技術が多く登場するため想像するのが難しかった。別世界を描いているように思えた。しかし読み進めるうちに、それらは決して遠い世界の話ではなく、現代の人々が抱える問題について深く考えさせられた。
「共生仮説」というテーマでは、人間性は他の惑星から来た存在が脳に共生し、働きかけた結果生まれ、7歳を境に幼少期の記憶を失うのは“彼ら”が脳を去るからだという発想には驚き、本当にそうなのかもしれないと思った。
また、「物性」というテーマも印象に残った。電子書籍やデジタルデータが普及しても紙の本を欲しがる人、コンサートのチケットを捨てずに取っておく人、そうした行動は物が持つ存在 -
Posted by ブクログ
韓国の警察小説。
22年前の事件を追う3人の刑事の動向と、犯人の独白が交互に続く。
この巻の後半、被害者が所属していたドフトエフスキー小説を読む読書会のメンバーへの刑事のインタビューが始まるあたりから、犯人に近づいているような雰囲気が出始めるが、まだわからない。
下巻を読むのが待ちきれない。
内容とは別に、韓国語を勉強しているので、登場人物の名前や、ところどころに出てくる韓国語もとても興味深かった。
・アイゴ---女刑事ヨン・ジヘの口癖 「ああ、まあ、はあ」という意味の感嘆詞
・ノ・ナ・シロ---被害者の口癖 「あなた、わたしのこと、嫌いでしょ」の意 -
Posted by ブクログ
韓国文学にハマり、色々読み漁っていますが、短編集でこんなに好みだったのは久しぶりです。
ホラー作品とありますが、ホラーが苦手な私でも読める、ホラー要素控えめな作品です。
どの作品も登場人物の心理描写が切なく、それぞれの回想エピソードがエモさを引き立てています。
表題作の『カクテル、ラブ、ゾンビ』は、父親が飲んで帰って来た次の日にゾンビになったというお話。主人公のジュヨンは、しばらくゾンビになった父親を家で匿いますが、今後どうしていくべきか、色々な思いと葛藤する様子に、面白みと切なさを感じました。
『オーバーラップナイフ、ナイフ』はネタバレなしで読んでもらいたい作品です。 -
Posted by ブクログ
今時点で今年一だなと思う「わたしたちが光の速さで進めないなら」の著者の二つ目の長編。これもサイコウだった。
今回は人と人じゃないものの共生がテーマ。
氾濫体ってなに!?振動はなんなの!?テリンとイゼフ、ソノの関係は!?
世界の状況はすぐわかるのだけど、主人公のテリンを取り巻く状況がなかなか理解できず、読みがノってくるまでに少し時間がかかった。
ソールが覚醒したところあたりから、段々とページを捲る手が止まらなくなる。
テリンの生い立ちの謎。初ミッションで出会った沼人の正体。地下にもいる仲間たち。そして何よりイゼフの計画に自問自答する。
果たして自分だったら、イゼフのように考えるのではない -
Posted by ブクログ
純文学っぽい文体で綴られたホラーは初めてかも。すごく新鮮だった。ストーリーの展開やいかに怖がらせるかのエンタメ要素の強い日本のホラーと違って、心情描写多め。面白かった。
『韓国で10万部突破の話題作、ついに日本上陸』との触れ込みで、2年連続年間ベストセラーに選ばれているらしい。デビュー作で海外に翻訳されるとか羨ましい限りである。
特に好きだったのは『湿地の愛』と『カクテル、ラブ、ゾンビ』
「湿地の愛」は、地縛霊である水辺の幽霊「ムル」が主人公。川で退屈な日々を送っていたとき、林のなかを歩いていた「スプ」に出会う。その後、二人はしばしば会いながら静かに心を通わせる。
「カクテル、ラブ、ゾ