【感想・ネタバレ】長い長い夜のレビュー

あらすじ

【ご注意】※この電子書籍は紙の本のイメージで作成されており、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。

子どもに伝えたい、命の尊さと愛。

韓国で第21回(2021年)文学トンネ子ども文学賞大賞を受賞。
地球で最後の一頭となったシロサイが、その懐で生まれたペンギンの子に、その最後の力をふりしぼって伝えたかったこととは・・・・・・。
自分は何者なのか、どうして生きぬかねばならないのか。つらくて眠れないような長い長い夜があったとしても、この命を精一杯生きようという勇気がわいてくるような物語。

著者ルリは、美しいイラストとユーモラスなストーリーが人気の作家で、本作でもオールカラーの挿絵がたっぷり入っている。韓国で「子どもに読んでほしい児童書NO.1」として、ベストセラーとなった作品。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

こども時代を象の群れの中で過ごしたシロサイ。みんなと違うけど、足りないところは助け合うから大丈夫。
その後、他のシロサイと過ごす幸せも味わったけど、やがて地球上最後の一頭のシロサイとなり、たまごを大切に孵そうとするペンギンと一緒に旅をする。
種類も性別も関係なく、大切な誰かを思う気持ちを大切にしたくなる。
一頭と一羽の足跡や振り向くペンギンのイラストもたまらなく愛おしい。

0
2025年07月21日

Posted by ブクログ

児童小説ですが泣きながら読みました。
著者のルリ氏は2018年に地上最後のキタシロサイのオスが死亡したニュースを知り、本作を描いたそうです。

この物語にもオスのシロサイが登場します。
一人称を主人公とするなら、それはこのシロサイ・ノードンに育てられたペンギンとなるわけですが私にとっての主人公はノードンでした。

ノードンの最も古い記憶は、自分を囲むゾウ達の長い鼻。ゾウの保護施設にシロサイのノードンはいた。
ゾウ達に助けられ愛されて育ったノードンは、保護施設の人間たちによって外の世界に戻されることとなる。やがて妻となるサイと出会い最愛の娘を授かり幸せな日々を送るも、密猟者達により突然家族を失ってしまう。
生き延びたノードンは動物園に運ばれ、サイのアンガブーと出会うがー。

ここからなぜ、このノードンがペンギンを育てることになるのかは伏せておくとして。

読んでいる途中から涙をこらえるのに苦労しました。
怒り、憎しみ、諦め、慈しみ、愛、希望など我々が持ち得る様々な感情の全てがこの作品には詰め込まれており、その表現(翻訳)が秀逸。
時に鋭く、時に柔らかく読み手の心を刺激し続け心が震えるとはまさにこういうことかという思いです。

「いいか、わたしを信じろ。名前をもっていいことなど一つもない。わたしだって、名前のないころのほうがずっと幸せだった。第一、サイが育てたペンギンなんだぞ。名前なんかなぬても、おまえのにおい、話し方、歩き方だけでも、じゅうぶんに見分けられる。心配いらないよ。」
これは名前を欲しがったペンギンにノードンが向けた言葉です。
名前や所属、そんなもの(レッテル)ではなくノードンがペンギンそのものを見ていることがしっかりと伝わるこの言葉。現代を生きる私たちが胸に刻むべきものだと感じました。
 
本作はルリ氏が生み出したストーリーのみならず、美しいイラストも魅力の1つです。
作品の長さ、漢字の難易度からして我が子が読めるようになるのは暫く先になりそうですが、その時がきたら是非読んでほしいです。
また広く大人の方にも手に取ってほしいと思いました。


0
2024年12月18日

Posted by ブクログ

 これまで苦手なKポップや韓流ドラマのイメージが強くて、どうしても手が出なかった韓国の作家さんの本。初めて読んでみました。

 翻訳ものでもびっくりするほど読みやすかったです。翻訳物によくある、壮大な視野からの長い長い情景描写もなく、それぞれの動物の主観的視野で、感情を丁寧に描いていて、日本文学に近いけれど、言葉には上手く表せないけれどまた違った感覚もあって…
すごく、すごく良かったです。

〜 一つの小さなたまごに すべてをかけた 
生きものたちの命の物語〜

と書かれています。

◯僕には名前がない。
でも、ぼくは自分が誰なのか知っている。
名前を持つってことよりも、ずっと大切なことを教えてくれたのは、3人の父さんたちだ。

 ページ毎に色々な感情が溢れてきて、上手く感想を書くことができません。大切なもののために懸命に生きた、生きものたちの想いに、ひどく心を揺さぶられました。何度も読み返したくなる、大切な場面がたくさんある、素敵な一冊でした。

0
2024年09月17日

Posted by ブクログ

これは、長い長い夜のお話。
シロサイが、ペンギンたちが過ごしたいくつもの長い長い夜。
彼らには名前があった。
ノードン、チク、ウィンボ。
一頭と二羽の「お父さん」が繋いだ、いのち。
そう、その、いのち。「ぼく」と「お父さん」たちのお話。
「ぼく」は動物園のペンギン舎で見捨てられた卵だった。
ペンギンたちも飼育員たちも遠巻きに見ていた。
そこに、ふたりの「お父さん」チクとウィンボがやってきて、代わる代わる「ぼく
」を温めはじめた。
「ぼく」はチクとウィンボの愛情を受け止めて卵の中ですくすくと育った。
そこに「戦争」がやってくる───そして、「ぼく」は、シロサイのノードンと出会う───。



これはもう、泣いてしまう。
今、レビューを書いていてもあのシーン、このシーンと思い出し、胸と目頭が熱くなってくる。
こういう話に弱いんだよ。
作者のメッセージ性が強く、それが、弱点にも、強みにもなる気がするが、圧倒的なものがたりの力で一気に読ませる。
作者自身が描いたうつくしいイラストも、ものがたりには欠かせない魅力となっている。
イラストが構図といい、色使いといい、素敵なんよ。

最後に守りたいものを守れたら、その生き方は、幸福なのかもしれない。

そんなことを思った。

字の多い絵本のような、映画のような、そんな本だった。


0
2024年08月27日

Posted by ブクログ

地球で最後のシロサイと、2羽の雄ペンギンに育てられた一つのたまご。彼らがともに歩いた長い旅と、置いてきたものたちと、その間を縫うようにつながれたいのち「ぼく」の物語。

美しい絵に彩られた美しいお話。素直に読んで、ページいっぱいの絵と色を楽しんで、彼らに心を馳せて、夜を過ごして、一緒に旅をしましょう。それで十分。

ストーリーが終わったあとの、絵だけが連なる無言のページが好きです。
彼らの歩んだ足跡が刻まれた一対、そして、最後のページへ。

…ここまで読んでよかった、と思わせてくれる、よき旅をありがとう、と言いたくなる本です。

0
2025年10月03日

Posted by ブクログ

私たちは繋がっていて支えられて生きているってことが感じられる温かい本です。いろんな家族の形fがあって、家族という形じゃなくても支え合って生きているって改めていいなぁと思います。

0
2025年06月06日

Posted by ブクログ

4.5年から。最後のシロサイとなったノードン。彼の生きてきた道は、このタイトルに相応しい長い夜を過ごしてきた。あるペンギンとノードンの生き抜いてきたことの全てが、切切と人間である私たちに訴えてくる。サイの絶滅、オスのつがいなど、関連して伝えたい一冊。

0
2024年04月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

動物園にいる動物はもしかしたらこう思ってるかもしれないと思うとなんだか胸が締め付けられそうな感覚になった。
人間さえいなければ、と人間の私が思ってしまった。
弱肉強食の世界の中で人間は異色を放っている。
保護ならまだしも、飼い慣らすのは間違いなのだろうかとすら思えてくる。

だけど、私は動物が好き、動物園も水族館も大好き
共存とは?これからも考え続けるべきなんだろう

0
2024年01月13日

Posted by ブクログ

地球最後のシロサイと託されたたまごから生まれたペンギンを中心とした児童文学。挿絵がカラフルできれいだけど、内容は結構大人向けかも。

0
2025年01月22日

「児童書」ランキング