カンバンファのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
キム・チョヨプさんの本を何冊か読んだことがあり、その訳をされているのがカン・バンファさん。
どんな人なんだろう、と思ってエッセイが出たので興味がわいて手に取った。
岡山生まれの在日韓国人三世の著者
子どもの頃はアボジ、オモニ、キムチ、トック、ソクリ(竹製のざる)くらいの韓国語しか知らなかった著者が大学卒業後、韓国語学留学し、学びに学び、翻訳家になる。
ミスや失態、顔を覆いたくなるほどの不出来さも、知らないなら学べばいい。
昨日の自分を、堂々と恥じればいい。
そうすれば明日の自分はパワーアップしているはず。
という爽快で向上心の溢れるお人柄。
とてもわかりやすい文章で読みやすい。
韓国語を学び、翻訳家になるまで、そしてなってから、起こった出来事や、出会った人々、ご自身の思いを綴ったエッセイ集。
翻訳家としてばかりでなく、著者の人間性も垣間見れて楽しく読めた。
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Posted by ブクログ
未知の菌類、「氾濫体」に汚染された地上から、地下に逃げてきた人類。
主人公のテリンは氾濫体から地上を奪還する派遣隊を志願する少女だが、幻聴を聞くようになり…
「自然との共生」を考えさせられる今の時代に一石を投じる小説。地球を支配しているように思える人類も、昨今のパンデミックや環境問題を経験してからは見え方が変わってきた気がする。この物語では人類と人類以外の共生とはどうあるべきなのか、どういうことなのか、暗い部分も光を当ててリアルに描かれている。
そんな興味深いテーマに加えて、人間同士の結びつき、他人を想う気持ちが大きな柱となっていてさらに面白い。登場人物たちのそれぞれの結末が気になりすぎて、どんどん読んでしまう(でも丁寧に読みたい)。
著者はこの若さでなんでここまで完成度の高い小説を何冊も出せるのだろう?間違いなく、今一番好きな作家!
翻訳も丁寧で読みやすく、SF初心者にとてもおすすめ。ここから沼にハマってほしい。 -
Posted by ブクログ
キム・チョヨプの長編。めちゃくちゃ面白かった。
氾濫体と呼ばれる未知の菌類から地上を取り戻さんとする派遣者たちの話。
前半はどうやって派遣者になるかで、後半は世界の秘密を紐解いていく感じ。間に主人公のテリンの秘密と彼女を育てたイゼフの視点が挟まっている。
個としての自分を捨てれば、死ぬことはない。
溶け合い混じり合い永遠になっていく。
けれど、それは本当に自分だと言えるだろうか。
そもそも自分とは一体なんなのだろう。
世界の認識の仕方は様々で一元的には決められない。
テリンの葛藤が非常にSF的で好き。イゼフとの関係は母娘関係にも似て濃い。
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Posted by ブクログ
ネタバレ「ダストフォール」という世界的災害以後の荒廃した世界を生き抜いているナオミと、その数十年後に文明が復活した社会で植物学者をしているアヨンの視点で描かれる物語。謎を調査するといく建付けの話ではあるが、メインは人々の心の交流を描いた話。
ナオミは姉のアマラと共にブリムビレッジと呼ばれる村にたどり着く。そこは人々が僅かな食料を巡って争い続けるの他の集落とは違い、人々が穏やかに、作物を育てながら生きていた。
一方、アヨンはモスバナという植物の異常増殖という件を調査することになる。そこで青い光の話を聞き、幼い頃に見たことがある事に気付く。それはヒスと呼ばれる変わり者の女性の庭でのことだった。
フリムビレッジの来歴、ヒスの生涯、モスバナは一体何なのか、ということが一気にわかる最後が圧巻。過酷な環境で必死に生き抜いた女性たちのシスターフッド的な関係も心地よい。ジスとレイチェルの出会いと再会、徐々に心惹かれて行く様子、レイチェルの感情を操作する(してしまった)ジスと、それを知ったレイチェルの激怒、モスバナを巡る駆け引き。それがナオミの視点では語られなかったフリムビレッジの終焉とその後のナオミの生活にも影響を及ぼしていく。ひたむきに調査するアヨンが辿り着いた真実が優しくて悲しくて、でも読後感は爽やかだった。極限状態だからこその友情という側面はあるが、不器用ながら互いを思う気持ちは胸打たれるものがあった。 -
Posted by ブクログ
読みたい読みたいと思っていたキム・チョヨプさんを初めて読んだ
面白い!好き!!
地球外生命体として植物に侵食されつつある地球が主な舞台
共生か侵略か寄生か、そもそも地球の人類がそれを選べるような状況なのかも分からない
絶滅って劇的じゃ無くてこんなふうに緩慢にすすんでいくものなのかもとゾワゾワしながらも、ちょっと違うように思える隣人を受け止めたり理解してみようと思う視線の暖かさが絶妙
表題作の惑星語書店も、設定はSFなのに出てくる人達の気持ちは私たちと同じでノスタルジーに悶えた
『サボテンを抱く』には泣かされて、最初からこんな完成度でこの後どうなっちゃうのと思ったけど、総じて大満足読書でした -
Posted by ブクログ
原題を直訳すると『再捜査』らしい。
が、このドストエフスキーを食った様な不遜なタイトルは素晴らしい命名だと思います。
犯人の純文学っぽい独白と警察小説が交互に語られます。
エンタメと純文学を交互に読んでる様な気分で読みました。
とはいえ、世界文学みたいなものかと言われるとそうではなくちゃんとエンターテイメント小説です。
とにかく面白かった。
犯人の言い草に頷けないあたりが読む速度を落としますが、最後まで興味深く、追う方、追われる方から出てくる描写を楽しみました。
韓国の作家が書いて、日本語の分かる韓国の人が日本訳をした作品。
読む前にドストエフスキーの五大長編は読んだほうがいいかも?
『白痴』は結構内容に触れるので気になるなら先に読んだほうがいいですね。
面白かったです。 -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白い。4作品とも趣向が異なり全部良かった。"オーバーラップナイフ、ナイフ"はとてもよく出来たタイムリープもので、結末が近づくにつれ悲しく痛々しいけど構成が本当に面白い。"湿地の愛"も好き。幽霊のムルとスプのやり取りが微笑ましく可愛らしい。壮大なラストで終わりのその先が気になるという感覚を久しぶりに感じた。訳者あとがきにある「ホラーの先にある爽快感と充足感」という言葉がぴったり。しっかり怖いですが、それも含めて良いなあ〜面白いなあという満足感の方が大きく読後が非常に良い。ただのホラーでなく、家族愛や友愛が描かれているので感情移入しやすく読みやすいです。チョ・イェウンさんの他の作品も読んでみたいです!