カンバンファのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「ダストフォール」という世界的災害以後の荒廃した世界を生き抜いているナオミと、その数十年後に文明が復活した社会で植物学者をしているアヨンの視点で描かれる物語。謎を調査するといく建付けの話ではあるが、メインは人々の心の交流を描いた話。
ナオミは姉のアマラと共にブリムビレッジと呼ばれる村にたどり着く。そこは人々が僅かな食料を巡って争い続けるの他の集落とは違い、人々が穏やかに、作物を育てながら生きていた。
一方、アヨンはモスバナという植物の異常増殖という件を調査することになる。そこで青い光の話を聞き、幼い頃に見たことがある事に気付く。それはヒスと呼ばれる変わり者の女性の庭でのことだった。
フリムビレ -
Posted by ブクログ
すごく心地良い小説でした。
こんなに静かで温かくて穏やかで、純文学チックなSFがあるんだなあ。
今まであまりSF作品に惹かれてこなかったけど、このテイストならこれからも積極的に読みたくなりそう。
「確かにそれって不思議だよな…」という、現実からそう遠くない事象を起点にSFの世界が膨らんでいったり、宇宙規模だろうと変わらないかけがえのないものが描かれていたりのおかげで、すっとはいってきた。
フェミニズムとかマイノリティに関わる要素を含んではいるけど、作品の世界観を超えて作者の声で主張するような、ノイズ的メッセージがなくて上品なのも好み。
あくまで自然に、作品の世界を楽しめた。
現実世界を通す -
Posted by ブクログ
読みたい読みたいと思っていたキム・チョヨプさんを初めて読んだ
面白い!好き!!
地球外生命体として植物に侵食されつつある地球が主な舞台
共生か侵略か寄生か、そもそも地球の人類がそれを選べるような状況なのかも分からない
絶滅って劇的じゃ無くてこんなふうに緩慢にすすんでいくものなのかもとゾワゾワしながらも、ちょっと違うように思える隣人を受け止めたり理解してみようと思う視線の暖かさが絶妙
表題作の惑星語書店も、設定はSFなのに出てくる人達の気持ちは私たちと同じでノスタルジーに悶えた
『サボテンを抱く』には泣かされて、最初からこんな完成度でこの後どうなっちゃうのと思ったけど、総じて大満足読書で -
Posted by ブクログ
ネタバレSFでありながら、読み終えた後に胸に残ったのは不思議な「ノスタルジー」だった。
技術が光の速さで発展しても、誰かを思う人間心理や、ままならない人間関係そのものは変わらない。著者のその丁寧な眼差しが、未来の物語に温かさを与えているのだと感じた。
特に印象に残ったのは、表題作『わたしたちが光の速さで進めないなら』。
新しい技術の発見によって、家族との関係が引き裂かれてしまう理不尽さ。それが宇宙レベルにまで広がる「怖さ」と、それでもそこで待ち続ける「静けさ」に胸を打たれた。
また『スペクトラム』では、色彩言語や個体の入れ替わりといった、自分の想像の範疇にはない異星人の生態に最初は不気味さすら感じ