カンバンファのレビュー一覧

  • この世界からは出ていくけれど

    Posted by ブクログ

    「切ない」がベースのSF。作者の言う”感覚バブル”の閉じた世界を生きる私たちが、互いに触れ合おう、想いを伝えようする時に、生まれる感情や裏腹な行動を描いた作品。均一性が求められる息苦しい世界(社会)で、外部の存在と関わることで、異質な存在として生きていい、生きていくしかない姿に共感を覚えた。

    0
    2026年09月09日
  • 氷の木の森

    Posted by ブクログ

    圧倒的な才能が求めるただ一人の聴衆になりたいと願う純粋さ。これほど熱望するのは自分だけだというエゴ。才能への憧れと執着。一方で熱望される側がその純粋さを恐れる歪み。
    唯一の理解者に出会うまでの、いや「理解者」の定義との邂逅が圧巻の音楽ファンタジー。

    0
    2026年08月09日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

    Posted by ブクログ

    「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を読んでSF熱が高まっているので、気になっていたこちらを読んでみました。SF短編集、設定がどれも面白いし、繊細な感情描写が好み。宇宙や星、ロマンを感じる壮大なものと、人間の心の対比が美しい作品でした。
    著者さん同い年!可愛くて知的で素敵な方だなと思いました。

    0
    2026年08月05日
  • 惑星語書店

    Posted by ブクログ

    自動翻訳機の普及により多くの銀河の異なる言語の障壁が消失し、他言語の習得が必要なくなった宇宙。辺境宇宙の言語で書かれた(自動翻訳が排除される仕掛けになっている)「読むことのできない」本だけを売る書店を描いた表題作ほか13作をおさめた短編集。
    -----------------------
    「わたしたちが光の速さで進めないなら」がとても良かったキムチョヨプさんの短編集です。掌編が多くて少しピリッとした、星新一を思わせるお話もあったのですが、表題作がやはり印象的でした。自動翻訳やAIが普及して「自分でものを考えない、学習しない」ことがスタンダードになっているのはすでに始まっていることかもしれない。そんな世の中で、もっと進んだ宇宙で「自ら学ぶこと」の大切さを柔らかく、でもシニカルにSFで描くなんて、すごくスマートだな、と思いました。
    いくつかそうした少し世の中を皮肉った作品もあって楽しかったです。

    0
    2026年07月23日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

    Posted by ブクログ

    初SF作品です。小難しさもなく気軽に楽しめる作品です。中盤の作品群はセンスオブワンダーに満ちていて、想像しながら読みすすめることができました。
    宇宙は好きなのでもっとSFでもいいかなって!

    あとがきもなるほどーと思えて面白かったです。

    0
    2026年06月15日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

    Posted by ブクログ

    スペクタクルでも、深刻に考えさせるでもなく、ただ穏やかな声が聞こえてくるような、そんな静かなSFでした

    0
    2026年06月12日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

    Posted by ブクログ

    SF短編集。
    重厚な内容というわけで無く、どの短編も人に寄り添うような人情味のある物語でした。
    SFらしさを期待すると肩透かしを食らいますが、これはこれで好き。
    韓国語からの翻訳ですが、文章にクセがなく待ち時間などでサラサラ読めます。

    0
    2026年06月09日
  • この世界からは出ていくけれど

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読書ノート

    作品:『キャビン方程式』

    ⸻

    P116

    「ローラ。あなたがいなくなったら、私はとても悲しいと思う。あなたを愛することは、私にとって幸せなことだから。でも、だからといって、自分らしくなることを諦めるわけにはいかないの。自分らしくあることは、人生をかけた冒険だから。」

    感じたこと

    この言葉が心に残ったのは、誰かを愛することと、自分自身でいることは両立できると感じたから。

    大切な人がいると、相手のために自分を変えたり、我慢したりすることもある。でも本当の意味で相手を大切にするには、自分自身の人生も大切にする必要があるのかもしれない。

    「自分らしくあることは、人生をかけた冒険」という言葉から、自分を探し続けることの難しさと、それでも進んでいく強さを感じた。

    ⸻

    『プレスシャドー』P147

    「どうして私を蘇生したの?」

    感じたこと

    生き返ったことへの喜びではなく、最初に出た疑問が「なぜ?」だったことが印象に残った。

    出来事そのものよりも、その裏側にある「なぜそうなったのか」「自分はどう存在するのか」という葛藤が感じられた。

    人の心の奥にある迷いや切実さに心を動かされた場面。

    ⸻

    『キャビン方程式』P283

    「また、同じ時間を記録はできなくても。一緒に生きていくことはできそうだった。」

    感じたこと

    主人公の切実な思いを感じた。

    過去と同じものを取り戻すことはできなくても、それでも一緒に生きていく道を選ぼうとする気持ちが伝わってきた。

    「同じ時間」ではなく「一緒に生きる」という言葉に、失ったものを受け入れながら、それでも相手を大切にする覚悟を感じた。

    ⸻

    『キャビン方程式』P306

    「そうだった。姉さんはこの方程式を見たかったんだよね。私たちが今、全く違う風景を見ているんだということも。姉さんを解き放ってあげるべき時が来たのだった。私たちの世界はある時別々に別れてしまったのだと認める時が。」

    感じたこと

    大切な人との関係が変わってしまうことを、受け入れる瞬間が描かれているように感じた。

    嫌いになったから離れるのではなく、相手を大切に思ったまま、別々の道を認める。

    「解き放つ」という言葉から、愛情とはそばに置いておくことだけではなく、相手の人生を尊重することでもあるのだと思った。

    ⸻

    全体を通して感じたテーマ

    この本で心に残ったのは、

    「大切な人を愛しながら、自分自身の人生も生きること」

    というテーマ。

    人との関係や時間は変化する。
    ずっと同じ形で続くものばかりではない。

    それでも、過去の大切さを否定する必要はなく、変化した関係を受け入れながら前に進むことができる。

    この本は、愛すること・失うこと・自分らしく生きることについて考えさせられた。

    0
    2026年06月28日
  • 種の起源

    Posted by ブクログ

    この手の本は読んでて飽きない。過去の回想が多くて少し飛ばしながら読んだが、後半から面白くて一気読みした。最大の敵は自分。

    0
    2026年05月10日
  • この世界からは出ていくけれど

    Posted by ブクログ

    去る人と、それを見送る、見届ける人との物語
    また他者との感覚の違いについて深く考えさせられる話が多かった

    SFなので、認知感覚を補い、発展させる器官やデバイスが数多く出てくる
    けれどそうした事物を通じて主人公たちが物思う悩みの根底には、現代の我々にも充分通じるさびしさや愛情、希望がある
    キム・チョヨプの作品には、そうした「繋がりを求める人間への祈り」のようなものを感じる

    マリのダンス、認知空間が特に好きだった

    0
    2026年05月07日
  • 惑星語書店

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    SF掌編集。掌編ならではの突飛さが良かったです。いきなり始まっていきなり終わる。「サボテンを抱く」「惑星語書店」「願いコレクター」「とらえられない風景」が好きでした。とくに惑星語書店がお気に入りかも、知らない言語を会得してまで本を読みたいと思うのはすばらしい異文化コミュニケーション。心が躍った。
    後半パート「ほかの生き方もあることを」は、同じ設定なんですね。宇宙からやってきた外来種に侵されつつある地球。いっそ異生物に侵食された方が生きられるんじゃないかと思っても、決断するのは簡単じゃないだろうな。

    0
    2026年04月26日
  • 本と偶然

    Posted by ブクログ

    キム・チョヨプさんの読書エッセイ。
    気軽に読み始めたら難解で哲学的。
    キム・チョヨプさんの創作のルーツや、試行錯誤にも触れられていてSF世界の拡がりになるほどなるほどと思いながら読んでみたい本がどんどん増える。
    ある分野で科学的で論理的な立場にある人も別分野においては差別的だったり非科学的な主張をしている、という指摘に、何故この人はこの分野ではこうなんだろうと疑問に思っていたことが腑に落ちた
    キム・チョヨプさんのSF小説には切なさやノスタルジーを感じるけれど、彼女自身がテクノロジーの中での存在や普遍的な人間性を見続けていたい人なのかなと感じた

    0
    2026年04月18日
  • 惑星語書店

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『サボテンを抱く』『惑星語書店』『外から来た居住者たち』が特に好き。

    『サボテンを抱く』
    胸が痛んだ。パピラの「もういない」という言葉がとても苦しいし寂しい。

    『惑星語書店』惑星語って文字は、音韻はどんなのだろう。異国の地にて母国語で話しかけられたために心を開く人というのを動画でよく見かけるが、その時のまるで友人に再会した時のような嬉しそうな顔が頭をよぎった。

    『外から来た居住者たち』おいしいと感じられない、という感覚の理由が地球外星人だからという設定が面白い。ダヒョンと店長が美味しさを分かち合えた瞬間をこうやって見せてもらえて嬉しい。

    0
    2026年04月12日
  • 惑星語書店

    Posted by ブクログ

    「私たちが光の速さで進めないなら」で話題のキムチョヨプの短編集。不思議な話。SFと呼ばれる類いの本を読んだのは久しぶりだなぁ。やっぱり翻訳文学特有の読みにくさはあった。でも薄いから1日で読み終えた。「派遣者たち」も楽しみ!

    0
    2026年04月12日
  • 惑星語書店

    Posted by ブクログ

    よくわからない話も多かったけど、
    「メロン売りとバイオリン弾き」
    「惑星語書店」
    「切ないラブソングはそれぐらいに」
    「みんなのココ」
    「外から来た居住者たち」
    がよかった。

    装丁がとてもオシャレ。

    0
    2026年03月28日
  • この世界からは出ていくけれど

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    韓国SFの新星、というよりも代表格と言って差し支えないぐらいの貫禄が出てきたキム・チョヨプ氏の本邦第二短編集。
    一読しての印象は、第一短編集「わたしたちが光の速さで歩めないなら」と同様の、淡々としながらもしっかりとそこにある切なさ、それを乗り越えようとするほんの少しの勇気です。本短編集は、タイトルでも端的に表現されている通り、”この世界”に対するちょっとした疎外感と、そこから抜け出そうとする女性たちの姿を描いている作品が収められています。

    この、「女性性と社会との関係性」というテーマに触れて、鴨がふと想起したのは、ジェイムズ・ティプトリー・Jr。本名アリス・シェルドンという、聡明で社会的にも恵まれた立場にあった彼女が、敢えて男性名のペンネームで綴った数々のSF作品は、21世紀の今読んでも相当に衝撃的な、性と社会との軋轢/衝突を強い筆致で描写しています。特に、女性が社会に感じる強烈なまでの違和感を描き出す筆致は、悲壮感すら漂わせています。
    他方、キム・チョヨプ作品での女性キャラは、そこまでの「強さ」は感じません。むしろ、社会に対する爽やかなまでの「諦観」「疎外感」を感じさせます。アメリカ社会と韓国社会の土台の違いが大きな要素なのだろうとは思いますが、この差異に注目すると、SFというフォーマットを通して提議しうる課題とその表現方法の多様性に興味を惹かれますね。

    0
    2026年03月25日
  • 惑星語書店

    Posted by ブクログ

    2026 03/06
    掌編小説。初めての韓国文学。『沼地の少年』『汚染区域』『最果ての向こうに』が好み。地球外植物に汚染されていく地球。人類なんて儚くて頼りない存在だな、としみじみ思う。植物の逞しさにはとうてい敵わない。なすすべもなく滅んでしまうのだろうか。
    『みんなのココ』は一見無害そうに見える地球外植物ココに人類が魅了される。全人類が愛してやまない伴侶種ココ。静かな侵略って感じで恐い。

    物悲しさと切なさに彩られた世界観に入り込みました。ノスタルジックな気持ちが湧き上がってくる話もあり、軽やかな文章とSFがとても相性が良いと思いました。
    この著者の他の作品も読んでみたくなりました。

    0
    2026年03月06日
  • 惑星語書店

    Posted by ブクログ

    地球外生物に侵されつつある地球が舞台。切なさもありながら、ふんわりと優しいSFショートショート。
    1話ずつが短いから最初のあたりはあまり入り込めなかったけど、終盤には世界観に没入できた。

    0
    2026年03月04日
  • 本と偶然

    Posted by ブクログ

    チョヨプさんのSFが好きなので、いつもどんなふうに物語を書いているのか、どういう過程で書くことになったのか、などを知れて面白かった。
    ただ難しい言葉が続いたりして読むのが大変な部分もあった。

    0
    2026年02月10日
  • +1cmLOVE たった1cmの差があなたの愛をがらりと変える

    Posted by ブクログ

    普段テキストで情報処理しすぎていて、こんなにわかりやすいイラスト付きで表現されるとこんなにもダイレクトに胸に迫るものがあるんだなと新触感。

    0
    2026年02月09日