カンバンファのレビュー一覧

  • 派遣者たち

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    今年のK-BOOKフェスティバルで行われたファンミーティングでは、この小説の結末が賛否両論を呼び起こすかもしれない、と編集者らには言われていた。なぜだろうか。読んでみれば、キム・チョヨプは"平常運転"しかしていない。他者との共存をテーマにしている点で、キム・チョヨプが追究しているテーマの範疇にあると言える。彼女の作品はSFミステリーというよりはSF倫理学だ。SFの想像力をもって、宇宙から飛来し、人類の歴史を超えた他者を作り出す。それとの共存さえ模索すべきであることを示唆するので、極めて倫理的なのである。

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    2024年12月27日
  • 誤解されても放っておく

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    怒ったり、ムカついたり、イライラしたり。そんな時に一歩立ち止まってこの本を開いてみると、心が穏やかになる。

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    2024年12月27日
  • +1cmLOVE たった1cmの差があなたの愛をがらりと変える

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    かなり前に読みましたが、、

    恋人の存在の大切さがよくわかる。

    付き合ってる人がいる人もいない人も一度読んでみて欲しい。

    心に響く言葉があったりなるほどって納得できる言葉があったり、、

    絵も可愛くてすごくいい本でした。

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    2024年12月26日
  • 長い長い夜

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    児童小説ですが泣きながら読みました。
    著者のルリ氏は2018年に地上最後のキタシロサイのオスが死亡したニュースを知り、本作を描いたそうです。

    この物語にもオスのシロサイが登場します。
    一人称を主人公とするなら、それはこのシロサイ・ノードンに育てられたペンギンとなるわけですが私にとっての主人公はノードンでした。

    ノードンの最も古い記憶は、自分を囲むゾウ達の長い鼻。ゾウの保護施設にシロサイのノードンはいた。
    ゾウ達に助けられ愛されて育ったノードンは、保護施設の人間たちによって外の世界に戻されることとなる。やがて妻となるサイと出会い最愛の娘を授かり幸せな日々を送るも、密猟者達により突然家族を失っ

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    2024年12月18日
  • 地球の果ての温室で

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    面白かった!続きが気になって一気に読んでしまった。
    「この世界からは出ていくけれど」ではSF短編集といっても強いメッセージングの方がメインなのかな?と思っていたが、SFとしての設定やストーリーも好きだったので、今回の長編もSFとしてすごく面白く読めた。

    他の国の訳書と違って、韓国語は日本語と文法が似ているからかすごく読みやすい。

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    2024年10月27日
  • 実は、内向的な人間です

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    内向的なのは自分だけかと思っていたが、異性で異国に内向的な人がいたとしれて安心した。細かい内向さんの心理描写は共感できるものが多かったです。

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    2024年10月09日
  • 長い長い夜

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     これまで苦手なKポップや韓流ドラマのイメージが強くて、どうしても手が出なかった韓国の作家さんの本。初めて読んでみました。

     翻訳ものでもびっくりするほど読みやすかったです。翻訳物によくある、壮大な視野からの長い長い情景描写もなく、それぞれの動物の主観的視野で、感情を丁寧に描いていて、日本文学に近いけれど、言葉には上手く表せないけれどまた違った感覚もあって…
    すごく、すごく良かったです。

    〜 一つの小さなたまごに すべてをかけた 
    生きものたちの命の物語〜

    と書かれています。

    ◯僕には名前がない。
    でも、ぼくは自分が誰なのか知っている。
    名前を持つってことよりも、ずっと大切なことを教え

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    2024年09月17日
  • カクテル、ラブ、ゾンビ

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    ネタバレ

    韓国の新鋭作家、チョ・イェウンのデビュー作で本邦初訳作品。

    ホラーというより、ホラー的な要素が含まれる四つの短編。
    幻想味の強い「インビテーション」。ホラー的な怖さは一番かも。
    幽霊からの視点「湿地の愛」。友情もの。
    表題作でゾンビもの「カクテル、ラブ、ゾンビ」。コメディ要素マシマシ。父、腐る。
    デビュー短編かつドラマ化されている「オーバーラップナイフ、ナイフ」。SF。

    特に最後の「オーバーラップナイフ、ナイフ」は本当に傑作。この短さに、あるジャンルの全てが入っている。
    他の作品も読みやすく、ホラーといって嫌厭せず読んでもらいたい作品集。

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    2024年09月15日
  • 実は、内向的な人間です

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    ネタバレ

     自身を内向的な性格であるとする著者。著者が感じてきたことをもとに、「内向的」を掘り下げて言語化してくれます。読後、我ながら取り扱いが難しいと思っていた自分自身の輪郭が、少しだけ、見えた気がしました。
     
     タイトルの「実は」もポイントです。外向的だと思っていたあの人も、実は内向的な人間なのかもしれません。外向性には、相手を思う気持ちが隠されているのかもしれません。外向的な方に羨ましさを感じていたものの、元々の性格が異なるのだと結論づけていた私には、目から鱗の発見でした。

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    2024年08月31日
  • 長い長い夜

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    これは、長い長い夜のお話。
    シロサイが、ペンギンたちが過ごしたいくつもの長い長い夜。
    彼らには名前があった。
    ノードン、チク、ウィンボ。
    一頭と二羽の「お父さん」が繋いだ、いのち。
    そう、その、いのち。「ぼく」と「お父さん」たちのお話。
    「ぼく」は動物園のペンギン舎で見捨てられた卵だった。
    ペンギンたちも飼育員たちも遠巻きに見ていた。
    そこに、ふたりの「お父さん」チクとウィンボがやってきて、代わる代わる「ぼく
    」を温めはじめた。
    「ぼく」はチクとウィンボの愛情を受け止めて卵の中ですくすくと育った。
    そこに「戦争」がやってくる───そして、「ぼく」は、シロサイのノードンと出会う───。



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    2024年08月27日
  • 千個の青

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    安楽死寸前の競走馬トゥデイ。
    トゥデイ乗っていた廃棄寸前の騎手ヒューマノイドのコリーを直すことにしたヨンジェ。
    なんとかトゥデイを救いたいと願う人たちが奮闘する。

    ヒューマノイドのコリーは感情はないれど誰よりも人間の不思議さを知っていて、家族の事情で諦念を抱いていたヨンジェに新たな風を吹かせてくれのが爽やかだ。
    コリーに言葉にしないと相手の本音が分からないと気付かされ、ジスとの友情のために距離を縮める努力をするのも良かった。

    哀しみも切なさもあってホロリときたが素敵な奇跡に感動。

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    2024年08月17日
  • 地球の果ての温室で

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    ネタバレ

    めちゃくちゃ面白い小説だった……!!!
    翻訳小説は独特の文体があると思うのだけど、韓国語は文法が似ているからかこの作品ではその感じもおぼえず、本当に読みやすい文体でするする読めた。

    するする読み進めたのはもちろん内容がめちゃくちゃよかったのもあって、SFって謎が解けたり時空を超えて何かが繋がったときに自分の脳内で小爆発が起きて面白さが加速する瞬間が好きなんだけど、そういう瞬間を1回だけでなく味わえた作品だった。

    植物がキーとなるディストピアの舞台も魅力的だったけど、個人的に魅力的だったのはキャラクターの描き方で、アヨンの周りの人間関係もよかったし、後半核心に迫って描かれたジスとレイチェルが

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    2024年06月10日
  • 地球の果ての温室で

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    SF特有のマッチョな感じがなく、その時代、その環境にサラリと飛び込めるような文章や登場人物の設定が好き。SFらしくなく、しかしSFじゃないと書き得ない物語。描かれているものは普遍の苦さや焦がれる想い。

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    2024年05月27日
  • 千個の青

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    ネタバレ

    感涙必須。
    まず、人間、動物の生きている・幸せであることをその振動で感じるヒューマノイドというのが自分にとって新しい見方で興味をひかれて。
    そのコリーの素直な質問や意表をつく切返し、空を見上げるシーンや馬のトゥデイを想っての行動、すべてが愛しく感じられ、最期は彼らしいと思うぐらい優しい存在。
    止まった時間・止められてしまいそうな時間を流れさせるためにはどうすればいい?
    "ゆっくり走る練習が必要だ"
    馬のことだけでなく登場人物すべてにかかることで、劇的ではないけれど停滞していた状態から動き出す様に、きらきら輝くもの(コリー風にいうと振動があるってことかな)を感じました。

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    2024年01月18日
  • 千個の青

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    安楽死させられる競走馬を救おうとする話。ただそれを実行しようとした時の主人公たちの取捨選択が心に響く。心が疲れた時、何かを諦めかけている時に読み直したい。

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    2023年10月30日
  • 地球の果ての温室で

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    ダストフォールという地球規模での災害が発生した後の世界。ドームに逃げ込むことができた人と、耐性を持っていた人が生き残って、世界を再建した。ダストの時期に、地球を覆っていた植物、モスバナが、今頃になって再発生したことから始まった調査だが、主人公アヨンの思い出につながる点があり詳しく調べていく中で、ダスト時代の人々の行動が明らかになっていく。
    序文で作者本人が書いているのだが、この本の執筆時期がCOVID-19が最も深刻だった時期に重なっていたとのこと。小説の中のダストフォールが、現実のパンデミックと重なる部分もある。
    とても面白かった。おすすめです。

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    2023年06月14日
  • 実は、内向的な人間です

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    自分は内向的な人間だと思っていたけど、やっぱりそうだった。
    本の最初にある内向的チェックで10個以上チェックがはいった。
    家にいる事が好きだし、パーティー等ざわざわする場所も苦手。
    大勢でいるよりも一人の方が楽しい。
    等々、完全なる内向的人間のようだ。

    本に登場する旅行が苦手問題、、、。これは私も一緒で。
    (他人は喜ばしいことがストレスだったりする)
    精神的負荷が結構かかる。
    毎日をルーティンで過ごすことが心地いいので、イレギュラーな事(それが例え旅行等、他人が羨ましがるような事でも)がものすごくストレスになるのです。
    「旅行が好きじゃない」とか、外ではあまり言えないよなぁ。
    他人に言いずら

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    2023年05月30日
  • 実は、内向的な人間です

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    感想
    人といると疲れる。やっぱり家が一番安心できる。それでも外の世界を拒絶するわけではない。自分の中に新しい風を入れるために。爽やかにいたい。

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    2023年01月01日
  • 千個の青

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    とても良かった。
    訳文とは思えないほどに、美文がそこかしこに。
    素晴らしい翻訳になんかもうありがとう…と思いつつ読んだ。

    SFだけど純文学的で、でもSFだから成り立つ物語。
    そのバランスがとてもよかった。

    他の作品も読んでみたいな。

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    2022年10月26日
  • 千個の青

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    本を読んで泣いたのは久しぶりで、本当にいい本に出会えてよかった。
    障がい者を「弱く支援が必要な人」と決めつけるのではなく、すでに強く自由であり、その人たちがより自由に生きられるように社会側が変わるべきだというメッセージをしっかりと受け止めて忘れずにいたい。

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    2022年10月15日