カンバンファのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
キム・チョヨプさんの長編です。
この作品の舞台は、宇宙から飛来した外来種である「氾濫体」に覆われた地球。人類は氾濫体に触れると錯乱症を発現するため、これを恐れて地下へ潜って生活をしています。いつか地球を自分たちの手に奪還するため、地上の探査をしており、その危険な任務を担うのが派遣者と呼ばれる選び抜かれた人たちです。物語は、派遣者になることを夢見る主人公のテリンを中心に描かれています。
この設定に惹かれて手に取りましたが、めちゃくちゃ面白くて一気読みでした。
キム・チョヨプさんの作品は、一貫して他者理解と共生がテーマにあります。今作も、人間と氾濫体がいかにして共存していくか、テリンが葛藤を抱えながらも不可能に立ち向かい、その方法を模索していく姿に感動しました。
私たちが生きているこの世界では、他の存在と関係を結ばなければ生きられないこと。すでに異質な他者と繋がりあって存在していることに気付かされた作品でした。 -
Posted by ブクログ
2024年年末、夫と喧嘩?(信頼できなくなった)時に居てもたってもいられなくなって、手に取った本。
私が私らしくあるために、必要な本だった。「これは私の性格の問題かもしれない」「こういうことを考えてしまうのは私だけだろう」そういう孤独感や自分を責める気持ちから、解放してくれた本。
本の中にたくさんの私がいた。
誰かにいつかわかってほしい、可哀想な怯えてる私がいた。
でも、読んでいると1人では無いんだと理解できた。
そして、私はありたい私で生きるべきだし、それを邪魔してくる人が居ようもんなら、逃げていいし、関わらなくていいんだと納得できた。
少しマイペースを取り戻せたような気分。
辛くなったらまたこの本を開こう。 -
Posted by ブクログ
児童小説ですが泣きながら読みました。
著者のルリ氏は2018年に地上最後のキタシロサイのオスが死亡したニュースを知り、本作を描いたそうです。
この物語にもオスのシロサイが登場します。
一人称を主人公とするなら、それはこのシロサイ・ノードンに育てられたペンギンとなるわけですが私にとっての主人公はノードンでした。
ノードンの最も古い記憶は、自分を囲むゾウ達の長い鼻。ゾウの保護施設にシロサイのノードンはいた。
ゾウ達に助けられ愛されて育ったノードンは、保護施設の人間たちによって外の世界に戻されることとなる。やがて妻となるサイと出会い最愛の娘を授かり幸せな日々を送るも、密猟者達により突然家族を失ってしまう。
生き延びたノードンは動物園に運ばれ、サイのアンガブーと出会うがー。
ここからなぜ、このノードンがペンギンを育てることになるのかは伏せておくとして。
読んでいる途中から涙をこらえるのに苦労しました。
怒り、憎しみ、諦め、慈しみ、愛、希望など我々が持ち得る様々な感情の全てがこの作品には詰め込まれており、その表現(翻訳)が秀逸。
時に鋭く、時に柔らかく読み手の心を刺激し続け心が震えるとはまさにこういうことかという思いです。
「いいか、わたしを信じろ。名前をもっていいことなど一つもない。わたしだって、名前のないころのほうがずっと幸せだった。第一、サイが育てたペンギンなんだぞ。名前なんかなぬても、おまえのにおい、話し方、歩き方だけでも、じゅうぶんに見分けられる。心配いらないよ。」
これは名前を欲しがったペンギンにノードンが向けた言葉です。
名前や所属、そんなもの(レッテル)ではなくノードンがペンギンそのものを見ていることがしっかりと伝わるこの言葉。現代を生きる私たちが胸に刻むべきものだと感じました。
本作はルリ氏が生み出したストーリーのみならず、美しいイラストも魅力の1つです。
作品の長さ、漢字の難易度からして我が子が読めるようになるのは暫く先になりそうですが、その時がきたら是非読んでほしいです。
また広く大人の方にも手に取ってほしいと思いました。
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Posted by ブクログ
これまで苦手なKポップや韓流ドラマのイメージが強くて、どうしても手が出なかった韓国の作家さんの本。初めて読んでみました。
翻訳ものでもびっくりするほど読みやすかったです。翻訳物によくある、壮大な視野からの長い長い情景描写もなく、それぞれの動物の主観的視野で、感情を丁寧に描いていて、日本文学に近いけれど、言葉には上手く表せないけれどまた違った感覚もあって…
すごく、すごく良かったです。
〜 一つの小さなたまごに すべてをかけた
生きものたちの命の物語〜
と書かれています。
◯僕には名前がない。
でも、ぼくは自分が誰なのか知っている。
名前を持つってことよりも、ずっと大切なことを教えてくれたのは、3人の父さんたちだ。
ページ毎に色々な感情が溢れてきて、上手く感想を書くことができません。大切なもののために懸命に生きた、生きものたちの想いに、ひどく心を揺さぶられました。何度も読み返したくなる、大切な場面がたくさんある、素敵な一冊でした。
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ネタバレ韓国の新鋭作家、チョ・イェウンのデビュー作で本邦初訳作品。
ホラーというより、ホラー的な要素が含まれる四つの短編。
幻想味の強い「インビテーション」。ホラー的な怖さは一番かも。
幽霊からの視点「湿地の愛」。友情もの。
表題作でゾンビもの「カクテル、ラブ、ゾンビ」。コメディ要素マシマシ。父、腐る。
デビュー短編かつドラマ化されている「オーバーラップナイフ、ナイフ」。SF。
特に最後の「オーバーラップナイフ、ナイフ」は本当に傑作。この短さに、あるジャンルの全てが入っている。
他の作品も読みやすく、ホラーといって嫌厭せず読んでもらいたい作品集。
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Posted by ブクログ
これは、長い長い夜のお話。
シロサイが、ペンギンたちが過ごしたいくつもの長い長い夜。
彼らには名前があった。
ノードン、チク、ウィンボ。
一頭と二羽の「お父さん」が繋いだ、いのち。
そう、その、いのち。「ぼく」と「お父さん」たちのお話。
「ぼく」は動物園のペンギン舎で見捨てられた卵だった。
ペンギンたちも飼育員たちも遠巻きに見ていた。
そこに、ふたりの「お父さん」チクとウィンボがやってきて、代わる代わる「ぼく
」を温めはじめた。
「ぼく」はチクとウィンボの愛情を受け止めて卵の中ですくすくと育った。
そこに「戦争」がやってくる───そして、「ぼく」は、シロサイのノードンと出会う───。
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これはもう、泣いてしまう。
今、レビューを書いていてもあのシーン、このシーンと思い出し、胸と目頭が熱くなってくる。
こういう話に弱いんだよ。
作者のメッセージ性が強く、それが、弱点にも、強みにもなる気がするが、圧倒的なものがたりの力で一気に読ませる。
作者自身が描いたうつくしいイラストも、ものがたりには欠かせない魅力となっている。
イラストが構図といい、色使いといい、素敵なんよ。
最後に守りたいものを守れたら、その生き方は、幸福なのかもしれない。
そんなことを思った。
字の多い絵本のような、映画のような、そんな本だった。
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Posted by ブクログ
ネタバレめちゃくちゃ面白い小説だった……!!!
翻訳小説は独特の文体があると思うのだけど、韓国語は文法が似ているからかこの作品ではその感じもおぼえず、本当に読みやすい文体でするする読めた。
するする読み進めたのはもちろん内容がめちゃくちゃよかったのもあって、SFって謎が解けたり時空を超えて何かが繋がったときに自分の脳内で小爆発が起きて面白さが加速する瞬間が好きなんだけど、そういう瞬間を1回だけでなく味わえた作品だった。
植物がキーとなるディストピアの舞台も魅力的だったけど、個人的に魅力的だったのはキャラクターの描き方で、アヨンの周りの人間関係もよかったし、後半核心に迫って描かれたジスとレイチェルが本当に……切なくて切なくて……胸がずっとギュッと掴まれてた……。
時系列や視点が入れ替わりながら進むのであとからじわじわあの人は……あの二人は……と想わされることも多かった気がする。
大人と子供の描き方も魅力的でよかった、ナオミ視点は児童書を読んでるみたいなワクワク感があったなあ。
ナオミとジス、アヨンとヒス(ジス)の交流の場面好きでした。
あとアマラとナオミがいっとき緩い連帯を持っていた女性たちもよかった。
絶望だらけで、人間がいかに脆いかを描きながらも希望の欠片を積み重ねて前向きな終わり方をしているのが素晴らしかった。勇気とか努力とか忍耐をもって希望の欠片を積み重ねているのが素晴らしかった……。
でもやっぱり一番はジスとレイチェルのことがしばらく心に残りそうだ〜。。。 -
Posted by ブクログ
ダストフォールという地球規模での災害が発生した後の世界。ドームに逃げ込むことができた人と、耐性を持っていた人が生き残って、世界を再建した。ダストの時期に、地球を覆っていた植物、モスバナが、今頃になって再発生したことから始まった調査だが、主人公アヨンの思い出につながる点があり詳しく調べていく中で、ダスト時代の人々の行動が明らかになっていく。
序文で作者本人が書いているのだが、この本の執筆時期がCOVID-19が最も深刻だった時期に重なっていたとのこと。小説の中のダストフォールが、現実のパンデミックと重なる部分もある。
とても面白かった。おすすめです。 -
Posted by ブクログ
自分は内向的な人間だと思っていたけど、やっぱりそうだった。
本の最初にある内向的チェックで10個以上チェックがはいった。
家にいる事が好きだし、パーティー等ざわざわする場所も苦手。
大勢でいるよりも一人の方が楽しい。
等々、完全なる内向的人間のようだ。
本に登場する旅行が苦手問題、、、。これは私も一緒で。
(他人は喜ばしいことがストレスだったりする)
精神的負荷が結構かかる。
毎日をルーティンで過ごすことが心地いいので、イレギュラーな事(それが例え旅行等、他人が羨ましがるような事でも)がものすごくストレスになるのです。
「旅行が好きじゃない」とか、外ではあまり言えないよなぁ。
他人に言いずらいエピソードが赤裸々に書かれているので、同類がいたことに感動した!
この本からの一番の学びは、「無理して外交的にならなくてもいい」という事。
外交的の方が他人から何考えてるか分かりやすいせいか、得するように見えるけど、内向的でもそれなりに得することがある。長い目で見ると、内向的でも外交的でも同じ分だけ得も損もしているように思える。
内向的には内向的の戦い方がある。
その戦い方のヒント(考え方)が非常に参考になった。
自分は内向的と思える方は是非(^_-)-☆ -
購入済み
めちゃくちゃ良い本
+1cmシリーズを2冊も読みましたが、どちらも心動かされました。私の中の固定概念が崩され、そういう考え方もあるんだという新しい発見に繋がる本だと思います。後1冊読んでないのでまた読もうと思います。