カンバンファのレビュー一覧

  • 惑星語書店

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    普段SFと呼ばれるものはあまり読まないのだけれど、キム・チョヨプさんの本はよく手に取る。表紙の絵と、余韻を残すタイトルがたまらなくて。
    この「惑星語書店」という短編集は、スカッとした読後感があるわけではなく、仄かに物寂しいような気持ちになる。
    多分、普段は「面白い動画を」「もっと効率よく」「もっと有益な情報を」というモードなので、それと対極の寂しい、静かな感じが良いのではないかな。

    「互いに触れないよう気をつけながら」と「ほかの生き方もあることを」という二つのセクションに、8編と6編の掌編小説。

    前者は、「痛みを与えないことが愛なのか、はたまた痛みに耐えることが愛なのか」というフレーズに導

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    2026年06月02日
  • 惑星語書店

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    読み始め数篇は、設定を理解して世界観に入ったと思ったらすぐ出なくてはいけない短さに困惑ともったいなさを感じたけれど、徐々に慣れてきた。とりあえず受け入れて眺めて心にしまったり手放したり。
    いちばん心に残ったのは「沼地の少年」かな。関連して「汚染区域」もよかった。表題の「惑星語書店」や「シモンをあとにしながら」も素敵でした。

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    2026年06月02日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    すごく優しいSF短編集で読みやすかった。
    何回か繰り返し読みたいそんな本でした。しばらくしたらまた読み返そう。

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    2026年05月25日
  • この世界からは出ていくけれど

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    同著者の作品は2作目。今回もとても良かった。中でも古の協約がすきだったな。SFに限らずこれまであまり短編は読んでこなかったのだけれど、難しいことは分からなくても国籍が違っても人が人に感じる想いは変わらないんだなぁ。清水玲子のMAGICのような、銀河鉄道999のような切なさの余韻に浸ってしまう。翻訳も読みやすい。またこの作者の文庫が出たら買うと思う。

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    2026年05月19日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    ネタバレ

    SFの短編集で設定もライトで読みやすかった。
    何よりSFでありながらも、誰かを待つ、誰かの過去を知ろうとする主人公達の探究心がとても面白かった。特にスペクトラムと館内紛失の話が優しくて私は好きだった。

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    2026年05月05日
  • この世界からは出ていくけれど

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    SF?かな何やら難しい文章だったところもありました。読めない漢字や理解出来ないところもありましたが全体的には面白かった。私としては7日間で読み終わったのは早い方で、
    すなわち面白かったと言う事です。
    探してこの人の本をまた読んでみたくなりました。
    翻訳がもう少し上手ければ良かったと思う。

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    2026年04月12日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    ネタバレ

    『この世界からは出ていくけれど』に次いで著者を読んだのは2冊目かな。
    この本がデビュー作なので、順番としては逆転してしまったけど、テーマを考えると『この世界からは出ていくけれど』から読むのもそんなに間違ってなかったのかな、とか思ったり。

    『この世界からは出ていくけれど』は、他者との間にあるどうしようもない断絶を(どちらかと言えば)悲劇的に書かれていることが多かった印象。
    対して『わたしたちが光の速さで進めないなら』は、この理解できない他者がそれでも「愛すべき誰か」であった、という部分に善性が感じられて非常に良い。
    時が変わっても場所が変わっても、何かを愛する人間性というものは共通しているはず

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    2026年04月02日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    透明感のあるSF小説であった。
    ワクワクしながら、自分の中の歴史の中の既視感を撫でられる、そんな物語たちであった。

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    2026年03月24日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    不思議な世界観で入り込むのに若干時間かかったけど描いているのは現実世界に通ずるものが多いから少しは共感できる。

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    2026年03月19日
  • 本と偶然

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    アイデアはランダムな行動から湧いてくるものだ、というようなことを森博嗣が書いていたのを思い出した。
    無数の本に触れられることがいかに心強いか。これからも自由に読んでいこうと思う。

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    2026年03月16日
  • 本と偶然

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    SFだとか、ホラーだとかにどこかずっと偏見があったように思う。読者をびっくりさせることで読ませようとする感じが、インパクトのあるサムネで再生数を稼ごうとするYouTuberのように思えていたのかもしれない。それすらも偏見なのかもしれないが。

    著者のSF作家としての生き残りをかけた奮闘記のようなものだと思って読み始めた本書だが、最初の数ページでそのイメージは覆された。非人間に真摯な向き合うこと、それがSFというジャンルと合わさったときに、面白かったで終わらない、とてつもないエンタメが生まれるのかもしれない。
    「SFは人間中心主義という長きにわたる天動説を覆すものなのかもしれない」これはもしかし

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    2026年03月16日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    しっかりと練られたSF世界が舞台でいながら、そこに暮らす人々への眼差しは公平で優しい
    作者の作品は2冊目だけれど、人間の弱さを静かに愛おしむ姿勢がとても好き
    どちらも短編集だったので、今度は長編も読んでみたい

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    2026年03月14日
  • この世界からは出ていくけれど

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    ネタバレ

    新しい技術、進化した人類、でもいまだ埋まらぬ他者との溝。

    相手を理解しようとしてもうまくいかない時もある。
    それでも歩み寄る努力、相手のことを思う時間は、相手への愛情の深さだと。

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    2026年03月14日
  • この世界からは出ていくけれど

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    初めて読んだ著者の作品は『私たちが光の速さで進めないなら』でした。それも良かったけど、本著もとてもよかった……俺の大好きな悲壮感溢れててなんか好きなんですよね。なんというか、「同じ場所では生きられないけど、それでも互いを想っているのは同じだよね」と言っているみたいな感じというか。

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    2026年03月10日
  • この世界からは出ていくけれど

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    前作『わたしたちが光の速さで進めないなら』が大変良かったのでこちらも。旅立つ者と、見送る者の7つの短編集。

    広大な宇宙にある無数の星々、多様な外見、テクノロジー、死生観、多数派と少数派…それぞれの理解と無理解。家族であれ恋人であれ友人であれ、お互い譲らない(譲れない)一線があり、愛していても理解、許容できないこともある。
    互いに分かり合えなくても相手を愛すること、相手を思いやることはできる。

    どの話も良いのだけど個人的なお気に入りは「キャビン方程式」
    文字を追いながら静かに揺さぶられるような感覚。繊細な翻訳も素晴らしい。
    寂しさの中に一滴の優しさがふわりと溶け込んだような読後感の一冊。

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    2026年02月27日
  • わたしたちが光の速さで進めないなら

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    設定からはSFのエッセンスを十分に感じるのに、謳い文句にある通り、包容力のある優しさを感じる作品だった。ハヤカワ文庫SFではなくNVに分類されているのも頷ける。
    「スペクトラム」で描かれた異星人との心の繋がりと、「共生仮説」のSF的でありながらもハートフルでありどこか寂しさも感じる文章が特に印象に残った。

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    2026年02月23日
  • 種の起源

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    ネタバレ

    ハン・ユジンの悪の種はこうして育っていった。よく練られた、サイコミステリ。
    重い軽いはあっても心に善と悪のふたつを持っているのが人間だろう。物心ついた時にはそれが混然一体になった人間性が出来上がっている。生きるために。
    それは一面、他人を理解し人生の深みを感じ取る大きな要素になっていると思う。
    その二つがよりよく折り合っているなら人としてなんの不具合もない。

    主人公のハン・ユジンの中では病的に偏った悪の芽が育っていった、残虐に。自分に都合が悪い人間を消していく。本来なら愛情に包まれ暖かい暮らしを作り上げるつながりが、冷めたまま、自己保身の殺人に向かう。

    仲のいい聡明な兄弟のいる家庭。だがス

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    2026年02月05日
  • 本と偶然

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    だいすきなSF作家キム・チョヨプさんのお仕事エッセイ。独特の抒情性とやわらかな筆致から、文系で感性派の方かと勝手に思っていたら、バリバリの理系(化学科卒)でとてつもない勉強家だった!

    とにかく「ここまで手の内をさらしていいの!?」というほど、ことこまかに創作の過程を明かしてくれている。アイデアの泉などないから、とにかく自分の外にある材料を集め、世界を拡張する、と。

    影響を受けた本についても、作法書や現行韓国SFまで挙げていて、すごくまじめで正直な方だなぁとますます好きになった。最初はオンラインギルドやボードゲームサークルの仲間と書き始めた、というサブカル文脈もすごくいい。

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    2026年02月04日
  • 惑星語書店

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    “ネタ帳”感覚のSFショートショート
    未来のほんの一コマの風景を、登場人物たちの会話で柔らかく包んだ、甘くて苦いチョコ詰め合わせ

    この作家独特な面白さで、スッと物語に入っていける。

    頭の中ではどれをとっても長編へ飛躍できる、が、一瞬で刺激の来る超短編だから、これもいい。

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    2026年01月28日
  • 惑星語書店

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    世界観を作り込まなきゃいけないSFにおいて、こんなに短い文章でその世界の想像ができることがすごいなと思った。
    チョヨプさんは堅苦しくないけど現実すぎない、自分にとって心地よいSFを描いてくれるので好き。

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    2026年01月22日