カンバンファのレビュー一覧
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ネタバレ所属している読者会の「ゾンビ回」で紹介された作品のひとつ。
短編集のうち、ゾンビテーマの表題作を取り上げてくださり、大層盛り上がりました。
初読みの作家さんですが、面白かった〜。他の作品も読みたいです。
表題作は、「結末は本編でお確かめください!」みたいなご紹介でしたが、こうきたか!と思いました。ウイルスでなく、呪い。韓流サスペンスで韓国の祭祀については想像できるので、あれか…と思うなどしました。
社会派な作品でとっても良かった。
他の、「インビテーション」「湿地の愛」「オーバーラップナイフ、ナイフ」も根底にあるのは愛な気がします。
それが悲劇的な結末になったものもありますが。
オーバーラ -
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ネタバレ『罰と罪(下)』を読み終えて、まず残った感覚は「しまった!」という悔しさだった。物語の中盤、ある証言の食い違いを前にして、私は何も引っかからずに読み進めていた。伏線回収がすでに始まっていたことに、気づかなかったのだ。
ミステリーを読んでいるとき、私はたいてい何かしらの引っかかりを持ちながら読み進めている。違和感や伏線らしきものを、完全に言語化できなくても、感覚としては掴んでいるつもりでいる。ところがこの作品では、それがすっぽり抜け落ちていた。
奇数章では犯人キム・サンウンの独白が続き、そこでは啓蒙主義やドストエフスキーといった、いかにも「考えている」ように見える言葉が大量に投下される。私は -
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ネタバレこの本を手に取ったきっかけは、正直に言えば軽いものだった。タイトルがドストエフスキーの『罪と罰』を思わせ、ページをぱらぱらとめくると、作中にもドストエフスキー作品への言及が散りばめられている。殺人事件とドストエフスキー。少しひねったエンタメミステリーとして楽しめそうだ、という期待があった。
けど、読み進めるにつれて、その期待は良い意味で裏切られる。これは、気軽に消費できるタイプのエンタメじゃない!むしろ「ちゃんと本と向き合え」と要求してくる、負荷の高い読書…。
物語は、22年前に起きた未解決の女子学生殺害事件を軸に進む。現在パートでは、女性警察官ジヘが、被害者の同級生たちに話を聞きながら事 -
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SFは普段ほとんど読まないから新鮮だった。どの短編にも宇宙や科学にまつわる非現実的な(かつリアルな)できごとが描かれているけど、そのなかには手のひらで触れそうな愛情だったり、私もよく知っている寂しさだったりが含まれていた。私の住む場所とはかけ離れた、想像もつかない世界の話なのに、そこにある感情は想像がつく、その感覚が心地よかった。
【読んだ目的・理由】読書会で紹介されて気になったから
【入手経路】買った
【詳細評価】☆4.2
【一番好きな表現】何より、時折ルイがヒジンに向かって口を横に広げながら顔をゆがめるとき、それはヒジンの真似をして微笑んでいるということなのか知りたかった。それがわかれば -
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とても新鮮な読後感だった。ここには、まだ知らなかった価値観と日常が描かれている。
全部で十四の短編が収録されているが、それらは大きく二つのカテゴリに分けられていた。
『互いに触れないよう気を付けながら』と銘打ったものが八つ。『ほかの生き方もあることを』と冠されたものが六つである。
最初のカテゴリにはさまざまな存在同士のコミュニケーションが描かれていた。人とロボットの時もあるし、隣の次元の人間同士の場合もある。
表題の「惑星語書店」はすべての言語が翻訳できるモジュールが当たり前に使われている宇宙の話。そこでは人々は別の星の言葉を何の苦労もなく読めるし、話せるし、理解できる。ただ一軒、翻訳モジュ -
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本屋に並ぶ背表紙にこのタイトルを見つけたとき、すぐにキム・チョヨプさんの作品だとわかった。棚から抜取りレジに向かう。タイトルの勝利だ。
今回の作品は差別的に分断された集団同士でも、個人の単位で向き合えば、わかりあえる、愛することができると言えば大きく括りすぎだろうか。
建付けはSFだが、描かれているのは人の心だ。星間ロケットが飛ぼうが、脳の外に記憶装置を持とうが、他の惑星で亜種に進化していようが、寿命ある生物である限り、切なさはなくならない。社会を形成する動物である限り他者を想う心はなくならないと信じたい。本作品を読めばそれが良くわかる。対立する集団同士でも、身近で会話をすれば信じあ -
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キム・チョヨプさん初読です。93年生まれ、韓国SF界新進気鋭の作家は、バリバリのリケジョでした。でも、全く堅苦しさのない、むしろ優しさが感じられる筆致でした。在学中の文学賞受賞作を含む著者のデビュー作で、 7篇の短編集です。
どこか遠い場所や未知な存在への憧れがあるという著者は、豊富な理系知識とそのアイディアを駆使し未来世界を描きます。巧みなのは、明るいはずの未来世界で、こぼれ落ち孤独な人に目を向けた構成で、希望を示している点だろうと思います。
私たちが今暮らす社会の差別や抑圧・孤独が、未来でも見られるのは悲しいですが、著者は人間の本質に迫り、私たち個々の価値を認識して人との距離を大 -
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韓国人著者のSFを読むと独特な気分になる。その世界の中に入り込むような没入感がありつつも、描かれる世界とは距離を少し置くような感じ。世界観には引き込まれるが、その中の当事者になる事はない。幽霊みたいにプカプカしている。この感じが好きだ。
これまで読んできたものは短編が多く、世界を移ろうさすらいの幽霊感があったが、こちらは長編。ひとつの世界に長く留まる地縛霊の気分になった。
読んでいてヒントや手がかりは散りばめられているのに、この本が提示する謎が解けない。幽霊でも分からないことがあるんだな。
ありそうでなさそうでありそうな世界の傍観者、として楽しむことが出来た -
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視点の切り取り方の目新しさや、特に女性同士が築く関係性の描き方の豊かさが特徴的なように感じている作者の新刊。こちらもこれまでの作品同様の温かさと新鮮さが感じられた短編集でした。すべてSF作品ではあるんですが、血の通ったSFというか、必ず人の感情が影響して物語が成り立っているので、目新しい設定でもすんなりと入り込めるように思います。
他のだれもが読めない本を並べる書店にやがて読める人が訪れる奇蹟を描いた表題作で運命的な邂逅に心を躍らされる一方、「サボテンを抱く」では物理的な感覚と内からの感情に乱される哀れさをただ切なく受け止める。
この本のお話では「外から来た居住者たち」が一番好きです。不可思 -
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ネタバレダガー賞読書会のために読んだ本その2。
韓国ミステリ小説は初めて読みました。ミステリというより、サスペンスやスリラーかな。
裏表紙のあらすじでかなりネタバレされているとはいえ、ハラハラしました。
旅行先で、災害ツアーを保つために、人為的な災害を引き起こそうとする企みに巻き込まれてしまう。
旅行企画会社の社員でも、「ワニ75」を与えられてしまう…「自分は読者じゃなく、読まれている側」だと思い知ってしまうのはかなり怖いです。
一人一人にはドラマがあっても、大きな災害となると個人は見えなくなってしまう。
番号で描かれていく終盤の災害描写、あまり読んだことがない形式で、ほんとに台本みたいでした。こ -
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『私たちが光の速さで進めないなら』が良かったので期待してこちらも購入。文庫化たすかる。
たとえ同じ人間という種族であっても違う個体であれば本当に理解し合えない部分というものは存在する。様々な理由からどうしたって一緒にはいられないけれど、あなたはかけがえのない存在で互いの芯の部分に触れ合えたような気がした瞬間や一緒に居れた時間をギュッと抱きしめて、あなたの幸福を祈りつつ私は自分の人生を生きていくよ、といったような寂しさを描くのが本当に上手だなと思う。
好きだったお話は『ブレスシャドー』と『古の協約』。
『ブレスシャドー』は全然馴染めなかった故郷と、そんな中でも仲良くしてくれた数少ない友人を思