船橋洋一のレビュー一覧

  • 石橋湛山との対話―「危機の時代」を歴史洞察する

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    2026/10/01「石橋湛山との対話: 『危機の時代』を歴史洞察する」
    船橋洋一
    日本単独の日本史はない 「世界の中の日本史」を痛感する。日本史と世界史を一体で学ぶ必要がある。
    戦前の日本も、対米・対欧、対中華、対アジアの関係の中で、日本の行動を迫られ、実行に移していたのが実情。後世になって、日本が独自の判断で歴史を切り拓いたような歴史の書きぶりは大きな誤りであり、禍根を残す。
    ex 近衛文麿「英米本位を排す」「今後蒋介石政府を相手にせず」
      国を滅ぼすスタンドプレイ 

    「小日本主義」世界の流れをどう読むか 民族自決 反植民地主義 反帝国主義
     さらに植民地経営は経済的にペイしているのか、リアリスティックな検証も必要
    100年後の現代、再び人類は同じような課題に直面している
    次の時代の新しい理念の取り込みに今度は成功するだろうか?
    石橋湛山への質問が残る

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    2026年10月02日
  • 宿命の子 上 安倍晋三政権クロニクル

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    2026/08/20「宿命の子(上)」船橋洋一☆☆
    安部晋三政権を軽んじていた表層的な見方を反省。マスコミ、特に新聞の作るイメージ像は短絡的であり恣意的に誤認させがち。
    安部総理は真剣に国家課題に向き合い、国益の拡大を図っていた。また自分一人の個人プレイではなく、組織を活用したマネジメントも巧みであった。それにしても著者の船橋洋一氏の情報ソースとその分析・アレンジ力は桁違い、「神の領域」。朝日新聞のバックアップは?
    構成は、安部政権が取り組んだ個々の政治課題に各章が割り振られ、それぞれに歴史的・政治的経緯と論点がコンパクトにまとめられており、大変勉強になった。ここでも内外の取材相手とその内容が桁違いのインパクト。特に外国の要人発言は出色。

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    2026年08月20日
  • 戦後敗戦

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    著者の船橋洋一氏は元朝日新聞主筆。日米通貨交渉を描いた『通貨烈烈』でも示された、長年の取材に裏打ちされた分析力は、本書にも生かされています。本書は、石油危機(1973〜74年)、プラザ合意(1985年)、半導体敗戦(1986年〜)、湾岸戦争(1990〜91年)、ネット敗戦(1990年代〜)、尖閣ショック(2010〜12年)、福島原発危機(2011年〜)という、戦後日本が経験した七つの挫折を時系列で取り上げています。
    著者の立場は明快です。戦後日本の失敗は、個々の事件が独立して起きたのではなく、共通の構造的欠陥──戦略の不在と、有事における意思決定・資源配分のガバナンスの弱さ──から繰り返し生まれてきた、というものです。そのうえで著者は、「国民安全保障国家」と「起業家国家」という二つの国家像の構築を処方箋として提示します。

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    2026年07月29日
  • 戦後敗戦

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    日本を代表するジャーナリストが、戦後日本が喫した「致命的な敗戦」の構造を、コンパクトでありながら重厚な筆致で描き出した圧巻の一冊である。

    提示される分析の詳細については触れないが、本書が照射する教訓は、すべての国政政治家が真摯に向き合い、深く腹に落とすべき至高の知見と言える。国家のリーダーシップや危機管理の不全を冷徹に浮き彫りにする本書の記述は、単なる歴史の記録にとどまらず、現代の統治構造に対する強力な警鐘として機能している。

    著者がこれまで言論の最前線で対峙してきた歴史的経験と知見は、まさに現代日本における貴重な知恵の集積だ。船橋氏には、今後もその卓越した洞察を著作という形で世に残し続け、日本の知的な財産として継承していくことを深く切望する。

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    2026年07月23日
  • こども地政学 なぜ地政学が必要なのかがわかる本

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    新聞で世界のニュースに触れるようになり、購入。
    まさに、ホルムズ海峡がチョークポイントということを日毎に実感している。遠い場所の話ではなく自分ごととして、世界のニュースを身近に感じられるようになった。

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    2026年07月19日
  • 戦後敗戦

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    船橋洋一氏は朝日新聞が創った「知の巨人」&「Global」
    これだけ国際ネットワークを持っている人はいない
    読み進めるほどに元気がなくなるが、日本の足元は米国の中国戦略の転換に乗って流れは良い
    1.バブル敗戦は必然
    ①プラザ合意②半導体協定③BIS規制の三位一体で攻められたが、日本は局地戦の対応に追われて終始狼狽
    「国家戦略」としてまとめ上げる組織・人材は居なかった
    2.デジタル敗戦
    ①失敗の許容vs官僚無謬のフィクション
    ②原則自由vs業法による官の縛り(1940年体制)
    ③制度改正のスピードvs時間音痴・先送り・調整優先
    戦時体制の韓国・台湾に劣後した
    3.尖閣ショック
    日本と中国の立場は逆転した→認識するリアリズム
    「台湾有事」日本は国運を賭ける覚悟があるのか?
    →Eccentricなナショナリズムの暴走が恐い

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    2026年06月17日
  • フクシマ戦記 下 10年後の「カウントダウン・メルトダウン」

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    「フクシマ戦記(下)」
    1.天皇の理解と行動
    3月15日午前 田中俊一前原子力委員会委員長代理がご進講
    ①炉心が溶融している「メルトダウン」
    ②事故はスリーマイル・アイランドのスケールをはるか超えている
    ③3月16日ビデオ収録・放映
    厳しい状況の認識と国民への激励 
    →「天皇が東京に残っている」との驚きと感嘆の声
    「自衛隊・警察・消防・海上保安庁らの努力に感謝」
    仙台松島航空基地で昼食 制服自衛官と初めて
     
    2.マイケル・マレン統合参謀本部議長
    ①日米間の情報共有が不十分
    ②日本政府は資源を活用できていない
    ③戦略的・長期的取組になっていない
    →日本側は反発 最後は自衛隊の覚悟ある

    3.米国の疑問
    ①どこで情報を聞けば良いのか
    ②誰が意思決定しているのか
    ⇒「原発事故をめぐる日米調整会合」を設置 
      内閣府に置き 40回以上開催

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    2026年06月11日
  • フクシマ戦記 上 10年後の「カウントダウン・メルトダウン」

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    2026/06/09「フクシマ戦記上」船橋洋一
    「カウントダウン・メルトダウン」の10年後に書き改めたモノ。
    1.福島第一原発の1,2,3号機が次々とメルトダウンを起こし、4号機が火災を起こした「並行連鎖原災」だが、本質は「人災」
    ①絶対安全神話の罠
    ②安全規制ガバナンスの不全
    ③安全規制のガラパゴス化
    ④国策民営化の曖昧さ
    ⑤国家的危機での危機管理とリーダーシップの欠如
    2.官僚機構の劣化こそが問題
    福島第一の危機管理は
    ①炉の冷却安定
    ②放射能封じ込め
    ③住民避難
    3.自衛隊の二正面作戦 「①地震・津波」「②原発事故」
    折木統合幕僚長へワシントンより電話17日07:00
    国家の存亡の危機において、最後は軍隊がやるしかない
    それを決断できるのは「統幕長のみ」
    But米国統合参謀本部議長 マイケル・マレン
    「へりからの投与水ぐらいでは効果は望めない」・・・戦略的ではないというリアルな評価

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    2026年06月11日
  • 原発敗戦 危機のリーダーシップとは

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    2026/06/01「原発敗戦」船橋洋一
    2011.3.11の東北大震災は①地震②津波③原発の3つの災害をもたらしたが、最大のモノは「原発」である。しかし直接の死亡者が限定的なためか、あるいはその後の国家経済に直結するためか、原発の被害意識は少しずつ矮小化されてきている。
    本書はそのような日本的な幕引きに「No!」を迫るものである。「危機を直視しない国家は滅びる」
    そのために「先の敗戦」と重ねて「原発敗戦」を見る。まさに現代版「失敗の本質」であり、第2部では、野中郁次郎先生、半藤一利氏との対談が用意されている。
    1.危機の備え無き組織運営は、「兵站」無く、「玉砕」を強いる。
    2.情報軽視・インテリジェンスなき組織は机上のプラン・空論。
    3.中枢に危機のリーダーは不在、業務チェックの大声が錯綜する。
    4.組織は内向き=役所・同業向け、企画・財務・人事・資材調達が優位。世界のグローバルスタンダードには背を向けて、無視。
    5.組織は硬直化、トップダウン・前例踏襲・儀式化による劣化。
     それにしても「原発敗戦の教訓」は継承されているのだろうか。
    再び「地震・津波・原発」が揃ったとき、日本は適切に対応できる?

    船橋洋一氏の著作に嵌まっている。①内外ネットワークの取材②国家経営を見据えた視野の広さ③朝日新聞主筆としての明解な文体。

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    2026年06月01日
  • 宿命の子 上 安倍晋三政権クロニクル

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    平和安全法制、オバマ大統領の広島訪問、消費税増税、戦後70年談話など、それぞれのイシューについて、与党重鎮や官僚をどのように動かし(根回し、人事配置を含め)、米国大統領・ホワイトハウス、中韓首脳とどのように対峙してきたか、安倍元総理の行動記録がよくわかる本。関係者への多数のインタビューを通じ事実ベースで語られており、高い解像度で安倍元総理の考えや行動を理解することができる。
    上巻だけでも、安倍元総理がいかにして本来の意味で「戦後」を取り戻したかったのか、それをどのように実現しようとしていたのか、が如実に伝わってくる。安倍元総理の理念を継ぐとされる高市現総理の政権下の今後を卜う意味でも参考になると思われる。
    また、表にはなかなか出てこない政務秘書官や主要省庁幹部、与党重鎮の動きを窺い知ることができる点でも、面白い。

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    2026年01月05日
  • こども地政学 なぜ地政学が必要なのかがわかる本

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    世界の動きや日本の立ち位置等々分かりやすく述べられています。
    子ども向けということもあって読みやすかったです(ルビ付きとは言え専門用語あれこれ出てくるので、社会大好きな5・6年〜中学生向きですかね…)。
    中国との関係が不安定な今のタイミングでこの本を読めて、勉強になりました。理解が深まりました。

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    2025年12月01日
  • 宿命の子 上 安倍晋三政権クロニクル

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    2022年の参院選の遊説中に奈良の駅前で暗殺された安倍元首相の年代記。

    上巻はトピック毎に経緯がまとめられている。

    章立てに沿って、再登場、アベノミクス、靖国神社、尖閣諸島、TPP、慰安婦、戦後70年首相談話、平和安全法制、ヒロシマ/パールハーバー、消費税増税。
    所謂リベラルからすれば国粋主義の巨頭なのだろうが、筋の通った国家観や国家運営の原則に則って司られた7年半の実績の重さを実感する。

    著者は「通貨烈々」などを著した船橋洋一。
    経済、安全保障などの外交交渉の裏側を掘り下げた著作に定評があり、本書も公開情報やインタビューなどを通じ、項目毎に米大統領から本邦各省庁職員に至る交渉関係者の言動や思いまで汲み上げ、冷静、客観的な筆致ながら読者に深い感銘を残す。
    もう八十歳を越えたとは思えない徹底した取材ぶりと臨場感溢れる描写に驚かされる。

    「安倍晋三 回顧録」とともに21世紀のわが国の歩みを俯瞰的に顧みるのに絶好の書。
    大学であれば各章が1-2ヶ月分の講義資料となるだろう。

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    2025年08月18日
  • 宿命の子 下 安倍晋三政権クロニクル

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    下巻は外交、天皇退位と改元、コロナ、そして退陣について。
    北方領土問題の難しさがよく伝わった。日ソ共同宣言で二島返還を合意してしまった以上、二島返還で動くというのも政治決断としてはあり得るとは感じた。ロシアのウクライナ侵攻により、当分は北方領土問題の進展は難しいだろう。
    そして、本書のタイトルの『宿命の子』の意味が最終章で説明されていた。安倍晋三は東条内閣の閣僚、国論を二分する安保改定を行った総理大臣岸信介の孫として生まれ、普通の家庭とは異なる環境で育っている。生まれながらにして歴史の当事者として、歴史に向き合うことを余儀なくされた人生だったのだろう。
    また、安倍晋三は卓越した外交実績を残したが、それを受け継ぐ後継者がいない。吉田茂は軽武装・経済重視という吉田ドクトリンと同時に、それらを受け継ぐ吉田学校の人材たちも残した。「安倍ドクトリン」を受け継ぐ者がいないと、安倍の外交実績は吉田ドクトリンほど長く続かないだろう。岸田内閣までは明確に受け継がれているようだが、現石破内閣は受け継いでいるのかどうか不明確のように見える。安倍晋三が後世にどう評価されるのかはまだ分からない。

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    2025年08月11日
  • 宿命の子 上 安倍晋三政権クロニクル

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    第二次安倍政権発足から、アベノミクス、靖国参拝、尖閣問題、TPP、戦後70年首相談話、平和安全法制、消費税増税などについて。参院選までに上下読もうと思っていたが、結局この時期になってしまった。
    印象深かったのは戦後70年首相談話と平和安全法制の章である。
    終戦の節目のたびに首相談話が中国の歴史戦の道具にされては敵わない。安倍は70年談話を最後の談話と位置付け、村山談話を踏襲しつつも「謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」との文言を盛り込み、国内でも中韓でも一応それなりに理解を得られた。
    自身で言うように保守派の安倍晋三だからこそ、リベラル派からの期待値は低いし、保守派からの理解も得やすかった。今日は2025.7.27だが、石破首相は80年談話を出すとも出さないとも、まだ明言していない。本日時点ではリベラル派が参院選に負けた石破に「石破辞めるな」という声をあげている意味不明な状況であり、リベラル派からの期待値が高まっている一方、保守派は石破に反発している。このような状況で80年談話を出すことはリスクが高いと読みながら感じた。例え閣議決定を経ない「総理の談話」だとしても、中国は日米韓の離間策として、再び東アジアの歴史問題を再燃させてくる恐れがある。
    また、国家安全保障会議(NSC)の設置は外交と軍事を統括し調整する司令塔の設置という意味で画期的であった。しかし、平和安全法制の審議の際、集団的自衛権の行使要件である「存立危機事態」は台湾有事を想定して議論をするべきであったが、それでは外交的にも内政的にも大きな反発が予想された。そのためにペルシャ湾、ホルムズ湾の議論に逃げてしまったのは残念なことであった。
    下巻の目次を見ると、各国首脳の名前が章題として並んでいる。安倍による首脳たちの人物評が読めるのだろうか。下巻も楽しみである。

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    2025年07月27日
  • 宿命の子 下 安倍晋三政権クロニクル

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    2025.07.21
    人の真の評価は棺に蓋をしてからしかする事ができないのだということを痛感させられた一冊。
    アベ政権には毀誉褒貶がつきまとうが、本人は国論を二分する議論ができるのが民主国家だという趣旨のことを述べていたと知り、懐の深さに想いをいたし、マスコミのアベ批判の浅薄さを振り返る。
    また、昨日.2025.07.20の参議院選にも大敗し、明日をも知れぬ石破政権をみていて確実にいえる安倍政権の功績というか強みを2つだけ指摘する。
    ひとつは長期政権は外交力を生み出すということ。
    もうひとつは、国家的な課題に対処するには長期政権、力のある政権にしかなしえないということ。
    いわゆるリベラルの人には安倍晋三は今も受け入れ難いのかもしれないが、強さこそが優しさを生むという信念を貫いた安倍晋三という存在には頭を垂れるしかないと思う。

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    2025年07月21日
  • 宿命の子 下 安倍晋三政権クロニクル

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    重厚な取材に裏打ちされた記述。
    紹介される話のネタがイチイチ面白い。安倍本人がエピソードトークが上手いというのが頷ける。それを丹念な取材で掘り起こして紡いでいるものだから、本の分厚さとは裏腹に読みやすいというかグイグイ引き込まれる。
    (是非はさておき) 構想・理念を掲げて国内外の重要な政策課題にあたった政権だったのだなと再認識させられた。だがそれ以上に、リアリズム、実務主義、戦略的な歴史観、「開かれた保守」のように表現される、柔らかな立ち居振る舞いの数々が新鮮で印象に残った。

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    自己啓発的トリビア・備忘として
    「反省ノート」(p574)
    ・政策が正しくても優先順位が正しくないと、結果として国民の支持を失ってしまう
    ・人事においては情に流されない
    ・人の話を最後まで丁寧に聞く
    ・チームをつくるには、仕事以外の"無駄かもしれない時間"を仲間と一緒に過ごすこと
    ・リーダーは、自分でやるべきこと、人に任せることをわきまえなければならない。人に任せた仕事であっても、最終的な責任は自分が引き受ける。一度、信頼し仕事を任せたら、結果が出なくても批評・批判はしない
    (注19 田崎史郎『安倍官邸の正体』p130、『文藝春秋』2022年4月号 独占インタビューなど)

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    2025年07月20日
  • 宿命の子 下 安倍晋三政権クロニクル

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    稀代の政治家も最初から出来上がっていたわけでなく、失敗から成長、進化を遂げたことがわかる。成功には地道な努力が必要だということを知らされる。

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    2025年06月28日
  • 宿命の子 上 安倍晋三政権クロニクル

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    政治のリアルを体感できる著作。船橋洋一氏の著作となれば失敗はない。普段テレビで見る政治ニュースがいかに表層的で、断面的なものかがよくわかる。戦後70年の首相談話や消費増税をめぐる攻防は凄まじい。政治家を見る目が変わる著作だ。

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    2025年04月27日
  • 宿命の子 下 安倍晋三政権クロニクル

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    森友学園問題での文書改竄は、佐川理財局長の強引な答弁に対して官僚の無謬性を確保するために財務省が組織ぐるみで行った行為。それがなぜか世間では安倍晋三が自分の不正を隠すために行わせた、みたいな報道のされかたをしている。首相への利益供与が目的なら、こんなめんどくさい案件を使わないだろう。普通に考えると。

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    2025年04月13日
  • 宿命の子 上 安倍晋三政権クロニクル

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    デフレ経済下で金利を下げて金融緩和するのはマクロ経済の観点からは当然の政策で、これによって派遣切り、ブラックバイトみたいな困窮が解消されたのは事実。日本のリベラル界隈は安倍晋三の右寄りの政治姿勢嫌いを拗らせて緩和的、反緊縮的な財政政策すら敵視し、マスコミを巻き込んで反安倍晋三キャンペーンを展開、一般にも悪者という印象を与えてしまったのは日本にとって不幸だと思う。某政党に至っては堂々と減税に反対する有様だ。
    本書ラスト近くで消費増税に関する記述があるが、今や財務省ベッタリの自民党政調会長が安倍晋三によって財務省の影響力を抑えるために抜擢されていたというのは非常に驚いた。また消費増税のような国民生活への影響が大きな政策の決定に対して、政権内部の担当者の顔を立てる立てないのレベルの話が大きな要因になっていることに、組織というものの構造的な問題を再認識した。インパール作戦も某将軍の顔を立てるために実行されたというではないか。こんなのは周りにとっても、そして本人にとっても不幸だと思う。

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    2025年04月13日