船橋洋一のレビュー一覧
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ネタバレ提案なくして敬意無し。
現在の政策を否定的に精査し、
オリジナルな代案を追求。
ワシントンの入り口と出口の”回転ドア”。
政治任命で4000人規模で参画。
大学より現実主義的。
逆風
トランプ政権、ポピュリスト的極論では支配者側とみなされる。
グローバルな組織内部にシンクタンク的機能。
国家の道具としての動員。
カーネギ国際平和財団
1910年設立、戦争を廃止を目的。
RAND
米空軍の委託研究から始め、核戦略論へ。
半分が軍事の外交安全保障のシンクタンク。
数量的実証主義。
CSIS
時代に即し、変化するダイナミックな保守。
アジア戦略にも強み。AMTI開設。
論をたたかわす前に証拠を示す。
営利系シンクタンク
マッキンゼーGI
C4ADS
少人数。情報と方法。仮説検証アプローチ。
中国のシンクタンク
対外発言力=話語力
好ましくない人物の政治的暗殺
フェイクニュース+サイバー攻撃+メール+窃取+SNS拡散ポピュリズム
中国マネー
政策起業家
専門性に加えて、起業家精神と新しい概念を生みだす冒険心。
日本
企業グループの傘下の総研系、ガラパゴス。
外交、安全保障政策に関するものが極端に少ない。
軍事研究のタブー。
日本国際問題研究所14位、アジア開発銀行研究所26位
防衛研究所 防衛分野世界ランク10位 予算28億円
スパーリングパートナーがいない。
霞ヶ関のキャリア官僚がシンクタンク=閉じた世界
EBPM 証拠に基づく政策形成へ。 -
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先の大戦での敗戦と福島第一原子力発電所事故への対応の病根は、
同じ性質なのではないかを論じたのが本書である。
日本の政治・官僚の責任回避、危機に際しての組織としての機能
不全、権限・指揮系統の不透明性。それは戦時中から連綿と受け
継がれた。
そして、福島第一原子力発電所事故のような国家の存亡がかかっ
た危機に直面するとそれが如実に表面化する。
国民にパニックを引き起こす可能性が大きいからと、原発事故の
際の放射能拡散のデータは隠され、官邸も専門家と呼ばれる人も
「ただちに健康に影響はない」と繰り返した。
国民のパニックを心配する、その政府中枢が一番のパニックに陥り、
これまで安全神話のプロパガンダを垂れ流して来た原子力ムラの
人々は頬かむりをし、関係官庁間では責任の押し付け合いに終始
する。
その一方で、「起こりえない」とされて来た全電源喪失が起き、
予備のディーゼル発電も使えなくなった福島第一原子力発電所
の現場では吉田所長以下の東電社員、協力会社の人たちが「玉砕」
覚悟で対応に当たっていた。
政治家や官僚の無知と無責任、事業者である東京電力本店の能力
のなさ。そのしわ寄せがすべて現場に押し付けられたのではない
だろうかと思う。
あの事故を教訓として、日本は変わったのか?私は変わっていない
と思う。福島第一原子力発電所事故以前、アメリカのスリーマイル
島、ソ連のチェルノブイリを持ち出すまでもなく、茨城県東海村の
JCO臨界事故からも学ばなかったのだから。
当時の民主党政権の事故対応は確かにグダグダだった。だが、民主
党だけに責任があるのだろうか。
2006年、共産党議員から時の安倍晋三に対し「巨大地震の発生に
伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに
関する質問主意書」が提出されていた。
スウェーデンでの二重のバックアップ電源喪失のような事故が日本で
起きる可能性、冷却系が使用不能になった復旧シナリオの有無、メル
トダウンの想定の有無、原子炉が破壊された場合の放射能拡散の被害
予測の有無等に関しての質問だった。
それに対し「海外とは原発の構造が違う。日本の原発で同様の事態が
発生するとは考えられない」「そうならないよう万全の態勢を整えて
いる」と答えるだけ。
起きたら困ることは起きないんじゃないか。起きないに決まって
いる。いや、絶対に起きないとして「最悪のシナリオ」を考える
ことを放棄して来たツケが、福島第一原子力発電所事故なのでは
ないか。
きっとまた、国家的危機に直面したらこの国は同じことを繰り返す
はずだ。 -
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東日本大震災による福島第一原発危機への対応を詳しくたどった本。国家の危機管理運営がどうなっているのか、想像を超える問題と責任を前にして人と組織がどう動くのか、そのためにどういった準備が必要であったのか、手に余る問題の前で想像力が停止してしまうとはどういうことなのか、など様々なことを考えさせる。保安院上層部の面々や清水社長をはじめとする東電上層部の事態に対する反応は事の重大さを思うと目を覆うばかりだ。しかし、そのことを無遠慮に批判することができる人が果たしてどれだけいるだろうか。保安院の中村幸一郎を更迭したこと、菅首相が原発訪問したこと、SPEEDIのデータを出せなかったこと、など初期時点での後知恵でのミスも見られるが、そのことを単に批判することは誠実ではないだろう。
本書の内容は、時系列の通りに記述されているわけではなく、その点では非常に読みにくい。少なくとも事故にまつわる大きなトピック、水素爆発、注水対応、住民避難などについての全体像をある程度知っていることが前提になっている。複数のトピックをそれぞれ詳しく追うとなるとこの形式しかなかったのかもしれない。読む側としては、事前にタイムラインを押さえておくべきだろう。
最後に書かれた、管首相への評価、吉田所長への評価は読むべきものがある。あのとき民主党が政権を取り、菅直人が首相であったことは日本にとって不幸だったのか。必ずしも不幸ということではなかったというのが著者の見解だ。「イラ管」と言われ、「聞いたことだけに答えろ」という管に対して、報告が遅くなるのは当然の帰結であった。「怒られる」ということで報告や意に沿わない行動を取らなくなるものが出てくる状況は致命的だ。事故を統括する首相としての評価は、「個別の事故管理(アクシデントマネジメント)にのめり込み、全体の危機管理(クライシスマネジメント)に十分に注意を向けることがおろそかになったことは否めない」と民間事故調で報告された通りだろう。「国家的危機に際して、国民の胸に響く言葉を発することがついぞなかった」と言わしめるのは一国のリーダー、政権党首としては間違いなく失格であろう。ただ、東電に対して人命最優先ではなく撤退の選択肢がないことをわからしめたことは危機対応時の指揮官としては評価できるのではないのだろうか。言葉を選ばずに言うと、東電の作業員は死んでもいいと言ったのだ。そのときに彼自身も責任を取る覚悟もできていたのではないかと信じたい。民主党が政権にいたことが不幸であると言われたが、著者の言うように必ずしもそう言うこともできないだろう。危機対応をした官邸政治家は、あの危機の時、リーダーが管でよかった、と心底、信じているという。
また覚悟と言えば目立ったのは吉田所長以下の原発に残った東電社員および関連会社職員と自衛隊のことを避けることはできない。「総理。どう思うかと聞くのはやめてください。行け!と言ってください。命令されてやるのが自衛隊です。相談されても困るんです」という折木幕僚長の覚悟。関わった多くの人は、いずれ死ぬのだからという思いを持ったことだろう。
吉田所長については、事故初動対応に問題があったことも指摘されている。津波対策をはじめとする事故予防策に責任を持つ立場にあったが、十分な備えを取らなかったことも批判されるところである。それでも、吉田所長でなければ、あの事故の統率はほとんど不可能だったというのは衆目の一致したところだ。吉田所長は、体調を悪くし、事故の2年4ヵ月後の2013年7月に亡くなった。放射能の影響ではないとされたが、原発対応の心労が彼の健康に影響を与えることになったのは疑いようはないだろう。
一方、実際の危機管理の点では、福島第二の増田所長が「本当のヒーロー」だと米原子力規制委員会幹部であったカスト―氏は評価する。福島第二は単に運がよく深刻な事故にならなかったのではなく、その可能性は十分あったところを適切で大胆な処置によりその危機を免れたことを知って本当によかったのだと思う。
少なくとも政権交代がなったおかげで当時の様子がありのままに出てきているということもきっとあるだろう。歴史にたらればはないが、自民党が政権についていたとしても同じように問題になり、場合によってはよりひどいこととなった可能性もある。事故の経験と個々の失敗については、しっかりと認識をして改善につなげてほしい。それは単純な原発反対を言うことだけではない。
映画『シン・ゴジラ』と合わせて改めて読むとよいかもしれない。 -
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ネタバレ日本が過小評価されているし、翻訳ものなので読みづらいという点もあるし、星を3つにしようか4つにしようか迷ったが、日本のマスコミが取り上げない視点で書かれていることが多いという点で、やはり参考になる本だと思う。
日本のマスコミが取り上げないのは、この本の考え方が的外れだからだ・・・という反論は十分に成り立つと思う。が、日本の中にいれば、この本は日本のことを過小評価しすぎていると思えることであっても、やはり欧米からは、さらには新興国勢力からでさえも、日本の存在感がそのように見えてしまう、というのはあるのだと思う。そしてそのことを肝に銘じて、これからの日本のあるべき姿を考えていくことが大事だし、それができれば、この本の最後に書いてあったように「日本が没落していくという予測は外れる」のだと思う。
また、日本とは経済的、政治的関係が希薄なためにやはり日本のニュースなどではあまり取り上げられないような国や地域も、これから2050年までに存在感を増して、日本を凌駕するような国際的地位を確立する、という可能性を意識させられたという意味でもやはり有益だったと思う。
とにかく、2050年、そしてその先も、今までの常識に基づいて行動していれば安泰という世界ではなくなっている、特に日本はまさにそうなのだ、ということを肝に銘じておきたいと思った。そのためにも、P476の、高齢化問題のスペシャリスト、ポール・ウォレス氏の言葉を常に意識しておきたいと思う。
「今後、世界に先駆けて高齢化社会に突入していく日本にとっては教育が最重要課題となるはずです。何も若い人ばかりではありません。この世の中が変化していく限り、どの年齢であっても、教育を受け続けられ、社会の変化に対応し続けられる社会を作るべきです」 -
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ネタバレ福島原発事故時、政府・東京電力が失敗した原因を追究したノンフィクション。リスク意識・組織ガバナンス・リーダーシップの欠如という日本人の国民性は、先の大戦の時から進歩が無いのだということを主張しており、自分たちの仕事においても反面教師にすべき点は多いと感じた。
一番興味深かったのは、当時の福島第2原発の所長へのインタビューでの、メルトダウンした第1原発と、正常に停止できた第2原発との違いについて。
一番の原因は、中央制御室が第1は停電し第2はしなかったこと。更に、第1はプラント1-6号機で型が3種類あって状況把握が難しかったのに対し、第2は1-4号機まで同型だったとのこと。
第1原発は、古く多様な設備を使い続けていたツケが来たということなのだろう。 -
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福島第一原発での事故対応に関して、危機に際してのリーダーシップのあり方、組織のあり方にスポットをあてたノンフィクション。「事故対応で有効に機能したのは自衛隊だけで、それは自衛隊がそもそも何が起こるかわからない状況を常に想定して普段から訓練しているからである」との記述には納得。企業が事故を起こした後で「マニュアルが無い事が事故の原因」という論評をマスコミがする事があります。確かに、いろんな場面を想定してマニュアルを準備するのは大事だと思います。しかし事故って「そんなレアな状況はめったに無いで」みたいに人間の想像力のちょっと及ばない所で発生する事が多々ありますし、そういう状況に陥った時にいかに冷静に論理的に行動できるかという部分が組織の危機対応力につながると思います。
危機に際して情報欠乏状態になった時「断片的な情報、最初に入ってきた情報の真偽をきちんと確認することなく飛びついて行動を起こし、状況を悪化させるな。まず情報の真偽を確認せよ」という自衛隊指揮官の言葉も管理職として日ごろから心がけたい姿勢だと思います。