船橋洋一のレビュー一覧
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内的なリスク回避を追求した積み重ねが、開戦という最もリスクが大きい選択となった
危機の際に求められる人間は空気を読む人間ではない。危機の時には優先順位を峻厳につけるしなない
安井正也 言い切ってします
危機の時、一方でなになに、他方でなになにという両刀遣い的プレゼンはあまり役にたたない
分化と統合という相反する関係にある状態を同時に極大化している組織が環境適応に優れる
松下忠洋 12/9/12 自殺 彼ほど自治体にせっせと通い、親身になって相談にのった政治家を私は知らない
現場にいる人間が究極の権限を持つべき
楽観的バイアス 危機下ではその状況が一刻でも早く終わって欲しいと願うあまりに、人々は最も楽観的なシナリオを信じようとする
マッカーサー 戦争におけるほとんどの失敗は遅すぎるという一言に集約できる
増田尚宏 福島第2 チーム増田
インシデントコマンドシステム 災害現場事件現場における標準されたマネジメント・システム 人間は人間なんだからロテーションで休息や睡眠をとりながら対応する 日本人はぶったおれるまでやる
危機の時には、所見、知見を明確に言い切る専門家が必要
全体最適解、部分最適解
新渡戸稲造 すべての国家は戦争に養われ、教えられ、鍛えられ、平和に荒らされ、欺かれ、裏切れられる
戦争には美徳、悪徳がすべて凝縮されていて、そこで人は育つ -
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地政学の視点で、世界情勢から考える日本の課題についての連載記事(文藝春秋、2020年〜2023年)をまとめたもの。
日本に脅威を与えうる周辺国の中国、北朝鮮、ロシアは専制主義であり、個人独裁体制を特徴としている。政策決定過程は不透明であり、意図は予測し難い。そのため意図よりも能力を中心に把握し、同時にこちらの能力を的確に把握させることが重要と説く。
勢力を均衡させ、力によって現状を一方的に変更できると相手に思わせないようにしなければならない。経済を守り、育て、必要な時にはそれを提示する経済安全保障政策(具体的にはエネルギーや金融にかかる経済制裁か)が求められている。
地政学と地経学の視点を駆使し、見えないところに潜む意味を考える「リテラシー」を磨くことを大切にしたい。ちょっと理解しきれないとこもあったので、勉強して再読必要。
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コロナ以降の世界を読み解く本を立て続けに読んでいる。今度は日本人のもの。トッドさんのものより少しだけ古いので、本書にある予測や分析は少し外れているが、「思慮深い政治指導者を欠いた国家の悲劇」というのは間違いない。逆にいうと、そういう人をリーダーにしてはいけないということだろう。また、今後目指す方向性の一つとして、自国のモデル(民主主義や自由主義も、その他も)を他国に拡散しようとするのではなく、国内での定着や実施を通じて国力を蓄えることも必要というのは納得。さらに本書では、プーチンの政治・外交手腕を(悪であるが)賢く手強いと評価する。これが最もよく出ているのが、習近平に対して、ロシアのウクリナ侵攻を中国が憂慮しているのは理解しているとへりくだってみせたこと。中国はロシアの侵攻を容認しているのではなく、けしからんと思っていることを私たちは知っています、ご心配をおかけしてます、と、世界に宣言してみせることで中国の立場を高めたのである。これくらいの腹芸ができないと世渡りできないんだろうなあ。
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読みやすかったのだが、やーっと読み終わった、と言うのがまずの感想。上下巻、これは長い。
安倍政権とはなんであったかの、割に、公平な検証。元朝日新聞記者でところどころおい、と思うところはあっても、必要以上に角度をつけたところに持って行こうとしている感じはしなかった。
安倍政権とはなんであったか。
戦後、みんなが目を瞑って来た歪みに、一気に手を突っ込もうとした。全てをやろうとした。
その一歩で、どこまでもリアリズムに徹した政権。
すごい時にすごい人が、チームが残ってくれたもんだ。
改めてこうやってみると、モリカケサクラ、くだらないことで必死に恥も外聞もなく日本に抱きついて沈めようとしたあの辺、しかも何の責任も痛痒も感じないあの辺、あの辺の醜悪さが浮き上がる。
後半特にコロナのあたりに、安倍元首相が本当に疲れ切ってこられてれる感じも、見えてとれた。
この後、日本は、本当に、得体の知れないくらいの、カスカスばかりが残った。
この検証から、何が生まれてくるのか。
それが一番の関心事である。 -
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自身、シンクタンクを率いる筆者が、米国(対外政策、安全保障に的を絞っている)と日本のシンクタンクの現状を伝え、日本での課題を提言する。
よく耳にはする言葉だったが、そういえば「シンクタンクって何だ?」と改めて思った。国によっても成り立ちや位置付けが異なる。国の政策に対して各種分析をして提言を行う機関、といったところか。非営利かビジネスかによって立ち位置がかなり変わってくる。
ちょうどこれを読んでいる最中に日経新聞で「日本の政策コンサルは特定企業に偏り、コスト検証が甘い」という記事が載っていた。まず結論ありきの政策で、それを国民にうまく説明するための肉付け、あるいはアリバイ作りなのだろうか。その道に精通している人・組織がしっかりしていないと「偉い人にはわからんのです」となりかねない。
日本の政府はもっとシンクタンクを活用すべきである、と海外からも言われているらしい。シンクタンクの使い方をコンサルしてもらう所から始めるべきなのかもしれない。 -
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上巻が刻一刻と過酷になっていくのに対して、下巻はアメリカからの視点も混じり、客観的で収束の見られる展開。
まあ、後からならば何とでも言えるけれど。
菅元首相に対して、筆者は不幸であり僥倖であったと述べている。自民党政権下であれば、きっと出来なかった決断があるだろう、と。
しかし、現在の民主党の状況を見る限り、福島第一原発をめぐる、このトラウマは非常に強く国民の心に根付いているのではないかと思う。
冷静さを失ったリーダーと、傍らで淡々と演説をぶつ枝野さんの姿が今も残っている。
あの時、福島から遠く離れた地にいる私でさえも、スマホを手放せず、新たな情報が流れてくることを固唾を飲んで待っていた。
日本は終わってしまうんじゃないか、と真夜中、考えた人はきっと少なくないはずだ。
だからこそ、原発という一企業の明暗に、これからも信頼を置くつもりである「多数」の方々の思いが分からないでいる。
もう一つ。吉田所長のことも、忘れられない。
彼を安易にヒーロー化するべきではないにせよ、彼の存在は非常に大きかったことが分かる。
吉田所長にそこまでの忍耐力と、正義感、判断力がなければ、それこそ、日本は終わっていた。
同時に、増田所長の存在も。決して楽観視出来ない状況であったことが書かれているが、当時のニュースはほとんどがF1のことばかりであった。
フクシマ関係の書籍を、定期的に読むべきだ。
原子力がある以上、100パーセントの安全はないのだから。 -
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3.11に付随して起こった福島第一原発事故。その当時の政府、東電、自衛隊、地方自治体といった動きが整理されているノンフィクション。
以前、別の著者の『メルトダウン』というノンフィクションも読んだけれど、随分前だったこともあり、こちらの方がより詳細に描かれているように感じた。
中でも、政府と東電のやり取りは、情報伝達不足がハッキリ伺えて、こんな最中で国民の前に立たなくてはならなかった政府の心情も分かるなあ……というか、ここまで骨抜きな一流企業が存在することにただただ恐怖する。
人間力として、原子力を持つレベルに達していないという記述があったけれど、本当にそう。
有事の際に守るべきものが人間ではなく、体裁であるような面々が扱って良い技術ではないのだと思う。そのために技術力が後退したって、私個人は構わないとさえ考える。 -
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ネタバレ東日本大震災で発生した原発事故で最前線にたっていた方々の話を軸に、あの時に何があったのかということを「敗戦」というキーワードをもとに再構成したノンフィクション。
現場で何があったのか・・ということをあらためて知ると言う意味においてはよかったのだけれど、あの出来事を太平洋戦争と並べて「敗戦」というキーワードで語ろうとするのはちょっとな・・・というのが正直な感想。
ある出来事を取り上げて国民性や何かしらの(勝ち負け)の原因を探ると言うのは、歴史家の営みの中でスタンダードなものでは有ると思うけど、今回は「日本は変わっていなかった」ということをまず言いたくてトピックを選んでいるような気がしてならなかった。言いたいことが先にあって、トピックを選んでいるのはわかるのだけれど。
・・・個人的には、正誤を語りがちな今はまだ、あの震災とそれに伴う出来事を「歴史」の観点から見るのは早いと思うんだよね。