ユーザーレビュー 米中戦争前夜―――新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ グレアム・アリソン / 藤原朝子 / 船橋洋一 大局的な視点で国際政治を考え国益を守ることの重要性を考えさせられる。足元の貿易戦争をことごとく予見している。中国が世界一の大国になることが不可避の中(PPPベースGDPでは既に米国を上回る)、米国、日本はどう振る舞うべきか。数十年、数百年単位での戦略を考える中国の凄み。 ・トゥキディデスの罠。アテ...続きを読むネの台頭とスパルタの不安。新興国が覇権国に取って代わろうとした16件のうち12件が戦争になった。 ・2011〜2013年に中国が製造・使用したセメントの量は、アメリカが20世紀全体で製造・使用した量より多かった。 ・習近平の野望の中核には、中国を世界の中心と見なす中華文明の伝統的な考え方がある。中国語で中国とは、真ん中にある王国という意味だ。真ん中にあるとは、天と地の間にあるすべての中心という意味だ。 ・20世紀の初めに西半球からイギリスが撤退したように、アジアに超大国が生まれた以上、アメリカもアジアから去るべきだというのだ。 Posted by ブクログ 米中戦争前夜―――新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ グレアム・アリソン / 藤原朝子 / 船橋洋一 覇権を持つ国と新興国の間の緊張の高まりが戦争に至ってしまった事例と、戦争を回避した事例をあわせて提示。現在の米国と中国が、どうすれば衝突を回避しうるかを論じた本。一方で、衝突が起こりうるシナリオについても詳述。 アジア太平洋地域と欧州の地政学リスクを考えるためにとても参考になった。 Posted by ブクログ 米中戦争前夜―――新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ グレアム・アリソン / 藤原朝子 / 船橋洋一 【足を踏み入れないように】既存の覇権国と新興国の間に構造的ストレスが生じることを表した「トゥキディデスの罠」について解説し,米中が同じ罠に陥らないようにするための提言をまとめた作品。過去の類例を振り返りながら,超大国関係の管理の方策を探っていきます。著者は,クリントン政権では国防次官補も務めたグレア...続きを読むム・アリソン。訳者は,学習院女子大学の非常勤講師を務める藤原朝子。原題は,『Destined for War』。 戦争に至る道筋を学ぶことで,結果として戦争に陥らないための道筋を選ぶことができるというアプローチが非常に新鮮。幅広さと奥深さを備える歴史的データに裏打ちされた情報が満載で,一冊で国際政治学と歴史学の刺激的なところを両方考えられる作品になっています。 〜中国とアメリカは,受動攻撃的な「あるべき外交」や高慢な地政学的理念を振りかざすよりも,悪びれずに国益を追求したほうがうまくいくだろう。多くのことが左右される二国間関係で最も重要なのは,友好ではなく予測可能性や安定性だ。アメリカは「ごっこ遊び」をやめるべきだ。〜 タイトルがやたら仰々しいですが☆5つ Posted by ブクログ 米中戦争前夜―――新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ グレアム・アリソン / 藤原朝子 / 船橋洋一 米中戦争の発生メカニズムとその回避法を知るため、読みました。 戦争要因は、国益、不安、名誉です。台頭する新興国の夢とプライド、挑戦を受ける覇権国の恐怖と自信の揺らぎ、の間のパワーシフトがはらむ深刻なジレンマ「トゥキディデスの罠」が大きな要因になります。 以下の4つの中核概念を理解することで、米中戦争...続きを読むを回避できる可能性があります。 ・重大な利益を明確にする ・中国の行動の意図を理解する ・戦略を練る ・国内の課題を中心に据える 中国がアメリカに並び、追い抜くのは遠くない未来に実現すると思われます。両国の指導者が、大きな衝突を回避することを強く望みます。 Posted by ブクログ 米中戦争前夜―――新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ グレアム・アリソン / 藤原朝子 / 船橋洋一 2017年に現在の米中を予想している 著者の大まかなポイントをまとめると以下である。 「新興国の台頭と、覇権国の不安が衝突し、両者の間に、大きなストレスが生まれる。それにより、偶発的な衝突や経済封鎖などの、不測の事態や外交における問題が、戦争のトリガーとなる。このような事を「トゥキディデスの罠」と呼...続きを読むぶ。現代の米中は、その罠にかかる可能性は非常に高いが、避けられないことはない。」 2017年の段階で、米中の対立を見通しており、筆者の鋭い視点が伺える。 米中の対立を歴史の中の似たような事例から紐解いている。 歴史と現在と未来という流れを論理的に考察しており、歴史を学ぶことの重要性と米中の未来を考えるのに非常に興味深い。 かなり分厚い本であるが、一読の価値はある。 Posted by ブクログ グレアム・アリソンのレビューをもっと見る