船橋洋一のレビュー一覧
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新型コロナの流行、ロシアのウクライナへの侵攻、そしてイスラエルによるパレスチナへの報復等、国際情勢は日々目まぐるしく変わり、少し先の未来ですら何が起こるか予測のつかない状況になっている。何より習近平体制で年々力を強め、今や世界第2位のGDPを誇る中国の動き方が世界の最大の注目ポイントである事は間違いない。民主的な国家と違い、先制主義的な体制は瞬く間に国家を一定の方向へと導き、その政策スピードには日本のそれは愚か、米国ですら追随するのは難しい。諸外国は中国の出方を窺い、その発言や行動に振り回される。残念ながら日本をはじめかつての先進国は中国のプレゼンスには遥かに及ばない状況が続く。一方でこの中国
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2019.4に読んだが、日本の営利型シンクタンクが「政策起業」にどのように関与していくべきかを考えなくてはと思い、再読。
営利型シンクタンクの一番わかりやすい強みは、アイディアをDo(実装)に繋げていきやすいことだと思われるが、その前提となるアジェンダ設定を泥臭く企画することがより重要かと感じた。
アジェンダ設定を主導するためには、まず前提として政策コミュニティとの繋がりが必要で、政策現場がリアルタイムで抱えている課題を可視化する必要がある。次に、アカデミアや組織内などのあらゆる知的リソースを動員し(Doの知見を素早く動員できることに、営利型の強みがあるかもしれない)、アジェンダ案を政策コ -
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米中戦争の発生メカニズムとその回避法を知るため、読みました。
戦争要因は、国益、不安、名誉です。台頭する新興国の夢とプライド、挑戦を受ける覇権国の恐怖と自信の揺らぎ、の間のパワーシフトがはらむ深刻なジレンマ「トゥキディデスの罠」が大きな要因になります。
以下の4つの中核概念を理解することで、米中戦争を回避できる可能性があります。
・重大な利益を明確にする
・中国の行動の意図を理解する
・戦略を練る
・国内の課題を中心に据える
中国がアメリカに並び、追い抜くのは遠くない未来に実現すると思われます。両国の指導者が、大きな衝突を回避することを強く望みます。 -
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2017年に現在の米中を予想している
著者の大まかなポイントをまとめると以下である。
「新興国の台頭と、覇権国の不安が衝突し、両者の間に、大きなストレスが生まれる。それにより、偶発的な衝突や経済封鎖などの、不測の事態や外交における問題が、戦争のトリガーとなる。このような事を「トゥキディデスの罠」と呼ぶ。現代の米中は、その罠にかかる可能性は非常に高いが、避けられないことはない。」
2017年の段階で、米中の対立を見通しており、筆者の鋭い視点が伺える。
米中の対立を歴史の中の似たような事例から紐解いている。
歴史と現在と未来という流れを論理的に考察しており、歴史を学ぶことの重要性と米中の未来を -
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ネタバレ提案なくして敬意無し。
現在の政策を否定的に精査し、
オリジナルな代案を追求。
ワシントンの入り口と出口の”回転ドア”。
政治任命で4000人規模で参画。
大学より現実主義的。
逆風
トランプ政権、ポピュリスト的極論では支配者側とみなされる。
グローバルな組織内部にシンクタンク的機能。
国家の道具としての動員。
カーネギ国際平和財団
1910年設立、戦争を廃止を目的。
RAND
米空軍の委託研究から始め、核戦略論へ。
半分が軍事の外交安全保障のシンクタンク。
数量的実証主義。
CSIS
時代に即し、変化するダイナミックな保守。
アジア戦略にも強み。AMTI開