三宅香帆のレビュー一覧
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この文章を書いた時期の三宅さんと今の自分が同年代で共感できる部分がいくつもあって嬉しくなった。
通っている大学も環境も全く同じではないけど、大学から地元を出て自分の中で素直に地元大好き!!と言えないところや学生時代の自分の過去に対してどこか暗い所があるのがとても共感できた。
でもこの文章を書いている時三宅さんは多忙な会社員として働きながらこのエッセイを書いているんだから自分からは遠い存在なんだよな…など我に帰ったりもした。京大に通って文芸評論家として日本の読書界に大きな貢献をしていて間違いなく並の人間じゃないのに文章は田舎の進学校から出てきた大学生の女の子でそのギャップがとても面白かった。
特に印象的だったのはロールパンナちゃんの孤独。自分と同じような孤独の感覚を持っているんだなぁと気持ちを共有できている気がした。
私と同じような本を読むことが大好きな中高生・大学生におすすめしたい一冊。 -
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◯全体像
・推し活を一時の熱狂ではなく社会に浸透した文化と捉え、源流から令和までをたどって「推しの構造」を読み解く新書である。
・現代のアイドルは「ポストフォーディズム社会の自画像」とされる。仕事の合間にも私生活を含む全人格を発信し、自己実現する姿が理想的な労働者像と重なる。
・コスパ・タイパが支配する社会だからこそ、人は損得で測れない「聖性」を推しに求める。しかし、その推しにも労働社会的な成功を求めてしまうという逆説がある。
◯歴史的展開
・第一章は戦前が舞台で、童謡少女歌手や宝塚歌劇を扱う。新中間層の夢と見栄を背景に、子どもに立身出世を託す「アマチュア・アイドル」文化の誕生を描く。
・第二章は1971年前後の一億総中流社会を扱う。テレビの茶の間と『スター誕生!』を軸に、アイドルが「学校」の生徒として育てられる構図を示す。立身出世主義の解体とともに、山口百恵が「理想の娘」像になる流れも論じる。
・第三章はネット時代を扱い、「追っかけ」から「推し活」への移行、推しの聖化、ファンの「母」化を論じる。
・第四章はディズニーやジャニーズなどアメリカ文化の影響、島国という自意識、VTuberを扱う。後半では、ファンダムの功罪と語り口の問題を論じる。
◯核心の論点
・推しとファンの関係を、子の成長を見守る母になぞらえる点が最大の特徴である。時間とお金を注いだ分だけ期待が膨らみ、裏切られると愛情が憎悪へ反転する「母性の暴走」が起こりうる。
・暴走を防ぐ鍵は、推しと家族は違うと自覚することにある。推しとの関係は、互いに知らないことがある前提で一緒にいる関係と位置づけられる。
◯結論と行動への含意
・推しは「ハレの日」だけでなく「ケの日常」も共にある存在であり、消費しない持続可能な関係を築くことが課題となる。
・実践の方向は、推しに全面的に没入せず、過激にならない語り口で、ファンダムの共同性からも半歩引くことである。 -
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ネタバレ前にPIVOTに三宅さんが出ていた際に気になっていたが、新書は普段手に取らないのでなかなか買うまでには至らなかった。
しかし、竹下さんとのPage Turnersや三宅書店のYouTubeも見るようになり、来年の仕事復帰の前に読んでおこうと思って読んでみると面白かった。
筆者も企業で働いているときに読書ができなくなったと言っていたが、私自身にも前の育休復帰後に読書が進まなくなった。
本書では時代の変編に読書がどのように関わってきたかが綴られている。
自己啓発書の流行、本の文庫化、読書と教養の関係性、内面から行動重視の時代への変化など、とても興味深かった。
本を読むことは働くことのノイズになるが、求めてきない情報が出てきづらいインターネットはできる。
アルゴリズムによって自分の興味のある情報だけが出てくることが指摘されているが、逆に考えるとそれが楽と捉えられるのかと思った。
最後に触れられていた、今の社会の問題点として著者が提起している個人が「頑張りすぎたくなってしまう」構造については、納得感があった。
様々な分野で「半身」を取り入れること、まずは自分自身に意識していきたいと思った。
特に働き方で「半身」の意識して、家事もしながら子どもとの時間と大切にし、読書の時間も取り入れていく、復職後はそんな生活を理想としたい。 -
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ネタバレ社会人になってから、勉強したいことが多いもののなかなか時間を確保できなかったところに見つけた一冊。
著者のことは以前からsns通じて知っており、動画も何本か見たことがあったため、タイトルに自分との共通点を見つけたため購入。
本書で何度か登場する、[花束のような恋をした]についても視聴済みなので記憶を振り返りながら読み進めることができた。
序盤から中盤に渡って、時代ごとの本というものの立ち位置が描かれており、こちらも予備知識として楽しむことができた。
最終章では、現代社会で謳われているワークライフバランスへと疑問を投げかけ、半身で働く働き方を当たり前にして行くことが社会人になっても本を読めるようになることの解決方法として挙げられている。今すぐにできることでは無いが、まずはそういう働き方をするにはどれぐらいのタスクに対応するのかを頭に入れておこうと思う。 -
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思い返してみると、タイトルの通りだった。
大学生で無駄に時間があるものの、なんか恋愛も勉強も就活も友達関係もよく分からなくて、グダグダとしていた時期に読んだ村上春樹さんのねじ巻き鳥クロニクル。
社会人になって、石の上にも三年。という言葉を盲信して心身ズタボロで帰宅して、コタツでぬくぬくしながら現実から離れて没頭した東野圭吾さんの小説。
そして30代になってからはもはや心身ともに本を手に取る余裕はない。が、疲れ切った心身に「これでもか!」と食い込んでくるスマホからの情報。
安定や将来を棒に振っただろうが、会社員を辞めたことで、また本を手に取る時間と少しの余裕が生まれたことで、「面白い作品を!」「何か新しい発見のある本を」を渇望するようになって、この著書を読んだ。
きっかけは三宅香帆さんのYouTube動画で辻村深月さんの凍りのくじらをお勧めしていたので、試しに読んでドハマりしてからはもはや三宅香帆さんが勧める本は面白いに違いない…!との思いが生まれてきたので、今回は動画でなく、著書からはお勧め作品やどんなときに読むのが効くか。をポイントに本紹介がされているのが分かりやすいし、ただ面白いって言うからでなく、「今の自分が欲しているかも?」という視点から読みたい本を選べるのも良かった。
個人的には、この著書の頃の文章の方が動画でテンションが上がって生き生きと好きな作品について語っているときの三宅香帆さんに雰囲気が近くて、これはこれで難しい本への苦手意識が高めの私には楽しくて親近感があった。少し昔の作品が多めに紹介されているので、ここ数年や新しい作品が読みたいときには少し気分が違うかな。と。
でも本の括りの中で漫画も紹介しているところも好きだった。特に凍りのくじらをきっかけに、改めて漫画ドラえもんの面白さや気付きがあったので、年齢を重ねてからの漫画もまたいいな。と思ったので、小説だけでなく漫画も併せて楽しんでいきたいと思えた。
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Naotyさんのレビューを拝見して即購入。この手のブックガイドはいつの間にか絶版になるので、買える時に買う。
孤島を舞台としたミステリが全66島。6人の書評家が11島ずつレビュー。内訳は国内51島、海外15島。国内だと古きは江戸川乱歩から新しきは夕木春央まで、およそ一世紀に渡る古今東西の孤島ミステリがラインナップ。
ジャンルはクローズドサークルを活かした本格ミステリ中心だがデスゲームや群像劇も含む。ドラフト会議と称して選書から参加している書評家6人も錚々たる顔ぶれで、有名どころからマニアックな島まで抜かりない。書評家の政宗九さんや大矢博子さんは2000年代初頭(※)、ネット上に数多く存在したWEB書評家の中でも著名な方々で、私も「政宗九の視点」や「なまもの」には大変お世話になっていた。
(※)90年代後半から2000年代初頭はインターネット上にミステリ書評系個人ホームページが雨後春筍していた時代。
私の既読は18島。再読したくなる名作が多い。読み落としていた作品や孤島ものと認識してなかった作品もあり、読みたい島が増えて嬉しい。Naotyさんありがとうございます。
祥伝社の「400円文庫」なつかしい!お手頃値段なので当時買い集めたっけなー。本書に紹介されている2冊以外にも秀作が多かった記憶。中でも若竹七海『クール•キャンデー』は秀逸だった。
ブックガイドとして不満なのは、紹介されてる本の索引が無いこととMRC会員に宛てたアンケートがどうでも良いこと。 -
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村上春樹作品を中心に、日本における縦方向(親子)のコミュニケーションと、横方向(夫婦間)コミュニケーションを探る、って感じの本。(合ってるのかな?)
途中村上春樹作品を読んでない私からすると理解が少し難しい部分があった!(村上春樹ちゃんと読んでみたいと思った)
日本の作品で縦方向を取り上げるものはあっても横方向を取り上げるものは少なくて、それは日本においてこれまで夫が不在だった(精神的にも実際も?)みたいな内容だと理解したけど、なんかもう一回読まないと難しいな…
日本では母子の結びつきが強い?相談するときに友達と母親が代表的な相談先だけど母親の割合が近年上昇している?みたいな話もあったと記憶してるけど、
この本の内容について夫と話してるときに、そういやワンピースに母親が出てこないのはなんでかな?と2人でなって、調べたらどうも尾田先生が「冒険の対義語が母親だから」とおっしゃってるらしくちょっと母親としては(何がとは明確に言えないものの)刺さった…
夫の不在…もう少し考えたくなった。 -
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あまり普段新書は読まないが……面白かった!こんな面白いんだったらもっと新書読んでみようかな!とおもった!
本書は近代〜現代までの働き方と読書のあり方を論じながら、両立するにはどうすれば良いのか?を語るもの。
現代の情報社会はノイズを嫌い、自己責任論を根底にした資本主義社会は全ての時間を何らかに捧げることを強要してくる。私が普段感じているいい知れぬストレス、不安感の正体が言語化され大変納得感があった。
解決法として「半身で働く」ことを推奨していたが…なかなかこれは難しいだろうなぁと思う。私は別に既に半身みたいな働き方しているが。
自己責任論が、かなり厄介だと思う。半身で働いて、何か失敗したら…競争において行かれて職を失い、路頭に迷ってしまったら…自己責任論がある限り、そうなってもどうにかなるだろうという確信は持てない。というかおそらく大丈夫ではない。あの時全身全霊で働いていればまだ違ったかもしれない!と私は必ず思ってしまう。
いやしかし人間は文化的な生き物のため、せっかく受けた生を全て仕事に使うなどというのは……違うだろうと間違いなく思う。
日本経済のセーフティネットがきちんと機能するという確信さえ持てればなぁ。だれか、「今から半身が正解とします!よーいスタート!!」って号令かけてくんないかな。