三宅香帆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレずっと気になっていた本書。
私自身働いてから本を読めなくなっていて、理由を考えた時に一番最初に出てくるのは疲れているからだった。
思えば、本を読もうと思えばちょくちょく時間はある。通勤中や家で一息つく時間。
ただ、本を読み始めるには一踏ん張りいるのだ。
スマホは手軽に見れるのに…
ただ、はたして本当にそれだけなのだろうか。
本書では、明治期からの日本人の読書の歴史を振り返りながら、現在の日本でなぜ働きながら読書ができないのかの答えを提示している。
実は、労働時間だけを見てみれば昔の方が長かったりする。
ただ、その時代時代により読書の位置付けは変わっているのだ。
読書をすることが修養や教養と -
Posted by ブクログ
「読書と労働」について、読前は、「働き始めたら、読書時間が減ったなぁ」「今までと読む本のジャンルが変わって自己啓発本に偏っているなぁ」と漠然と頭に浮かんでいました。
読後は、「なぜはたらいていると本が読めなくなるのか」その理由が腹落ちした。
現代の自己啓発本は、ノイズ(歴史や他作品の文脈、想定していない展開)を排除して、労働にとって必要な情報を与える本が売れていると筆者は述べている。
→引用(「ファスト教養」はまさに【ノイズを除去した情報】としての教養のこと)P224
しかし筆者は、読書の意義を(自分から遠く離れた文脈に触れること)P234と述べていて、私も強く共感した。
新しい文脈を受け入れ -
Posted by ブクログ
【Audible+本】
自分の文章に自信がない人におすすめ。
SNSだったら、ほかの人が既に発信していたら私が投稿する意味ないよな…と私も思っていた。
この本では、あなたの考えや経験が知りたい・自分の言葉でまとめることで、自分の価値観や人生を認識できると説いている。
好き/嫌いな文章を挙げて、その理由を考える。
自分は、この考えることがどうしても苦手だから、無意識に避けていると思う。
だけど、好きな読書で自分の好き嫌いを深く考えることは苦はないかもしれないと思った。
現に、考えることが苦手と自己分析できたもの。
とてもいい本だけど、情報量が多くキャパシティーの狭い私には1回で知識を十分吸 -
Posted by ブクログ
「他者から求められるキャラを演じることに慣れすぎて、そこに過剰に最適化し続け、自分の欲望がわからなくなっている」(本書より)
個人がその場に合わせて最適化したキャラとして振る舞い、最適化できない自分を恐れる。それとAIが示すとりあえずの「正しさ」との相性がいいのだという。
文芸評論家三宅香帆、現代の若者の姿を的確に切り取っており、まさに慧眼だ。ナンバー1からオンリー1、そしてついに分数になってしまったのが現代の若者たちだ。分数とは書かれていなかったか。小説家村田沙耶香は「多面体」と表現したけれど、とにかく1人を1人とも数えられない時代になっているということだ。
若者は正解に群がる。報酬を得るた -
Posted by ブクログ
普段なかなか読まないジャンルの本でしたが、タイトルに惹かれたのと、好きな作家さんが推薦していたので読んでみました。想像していた内容とは違ったけど、おもしろかったです!!
本の流行を歴史的背景から分析していて、なるほど!と思う点が多かった。会社で自己啓発と散々言われて、その結果「⚪︎⚪︎を簡単に実現する」みたいな本(ファスト教養)を買って、自分は出版社の思惑通りだな…と思ってしまいました。
最近はAIに質問すればすぐに答えが出てくることが多い。自分(仕事や家庭)にすぐに役立たなさそうなこと(ノイズ)を取り入れる余裕がない(でもゲームやスマホいじりはしてしまう…)けれど。今の自分には関係ないけ -
Posted by ブクログ
夫婦間のディスコミュニケーションを解消させるためには、労働に奪われない「私」的な時間を大切にして夫婦間の親密性から生じる傷と向き合うことだ。
傷と向き合い、癒すためには時間がかかる。
その傷を癒すためには、親密ではない第三者の介入も時には必要である。
ということの根拠を、村上春樹作品を軸にしながら、家父長制からの父性の不在、現代社会における母と子のつながり、女性の役割の変化などを語っている。
村上春樹の作品「眠り」は私も好きな作品だが、著者との解釈との違いに驚き、そんな解釈もあるのかと目を開かされた。
「眠り」は、眠れなくなった主人公が、自分の殻にこもり家族との向き合いを遮断したことがあ