三宅香帆のレビュー一覧
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本文では文章を書くコツについてもいくらか触れられているが、個人的にささったのは、自分の好きや嫌いを言語化することの重要性について。現代はSNSなどネットから世界中の人と繋がることができ、昔よりも影響が強い言葉に触れる機会が多くなった。それによって、他人の考えがさも自分の考えかのように思考が上書きされいく。そして、自分を言語化できなくなり、自分がどういう人間か分からなくなる。私も映画を見たりして、言語化できなかったときは、人の感想でぴったりくるものがあれば自分の意見を代弁してくれたと安心していた。
受験勉強では答えを見ることは良しとされていたし、むしろ分からない問題を時間をかけて答えを出す -
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「読書と労働」の歴史を紐解くもの。様々な著作を引用して読書史、特に働く人にとっての読書・労働者が読書に何を求めていたのかを探求していく。
本は「ノイズ」の多いメディアだという。目当ての情報にすぐにたどり着けるネット社会では、それ以外はノイズである。本はむしろノイズを楽しむ余裕が必要なメディアなのだ。
本書はかなりの部分引用で成り立っているが、そもそも本書を手に取らなかったらまず読まないジャンルからの引用が多い。まさに本書の存在が読書のノイズの多さを立証している。そして、そのノイズの部分が面白い。
実際、私も本がかなり好きなのにYouTubeやライブ配信・スポーツ観戦をしている時間が長い。 -
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自分もまさに考察を求める若者の1人だった。昔から抽象的な作品が苦手だった。答えや心情が明確な作品が面白いと思えた。そんなことからこの本を手にとってみた。
読んでみて確かに自分は「報われる」ことを求めていることに気づかされた。第9章で指摘されていたことが印象に残る。アルゴリズムによって自分で選ぶ必要がなくなる=「自分らしさ」がどうでもよくなる。確かにこんな時代で個性を見つけるのは大変だと思った。自分は特に昔から本を読む習慣がなく、何かの感想なんて書いたことなかったからか、「自分の感想」というのに無縁で、作品に対する言語化が苦手だった。だから最適化された感想=「考察」を見ていたんだと思う。
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考察には正解がある、批評には正解がない。正解を当てて「報われること」を望む人が多いため考察が流行っている、正解の無い批評は好まれない。
推し=好き+理想に向かう行動。自身の憧れも含まれるため応援して推しが報われることで自身も報われる。
努力が報われないことが親ガチャを筆頭に遺伝的要素の強さなどによって判明する中で、そもそものスペック自体を変える転生ものが流行るようになった。
現代は1を100にするよりもマイナス100を0にする方が好まれる、社会の変化による価値観の変化によって。そのためバリバリ働くよりも適当に最低限こなすやり方が支持され、ひろゆきが好まれる。自分も公務員だから最低限しか働く気が -
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前から話題になっている三宅先生の本を遂に手に取ってみました。表紙とタイトルに目と耳がチカチカしてしまい大丈夫かちょっと心配でしたが杞憂でした。面白いしタメになる!!
読む対象が文章書くの苦手な人、SNSやってる人のようなので、わたし自身は著者先生の対象とする層からは外れてましたがそれでも面白い。冒頭の「読書感想文」信仰の話は思わず笑ってしまいました。先生のいう「共感と驚き」の共感の方にピタっとはまりました。
SNSで発信するしないに関わらず、自分の言葉を持つことは大切なことだと思うので、推しのいる人いない人どちらにも読んでもらいたい一冊です。 -
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万葉集の面白さが感じられる本でした!
三宅さんの、関西弁でポップに付けられた現代語訳を見ているだけで楽しく、すらすらと読むことができました。
現代の私たちと何ら変わりのない感性で詠まれている和歌が多く紹介されており、今と1300年も前では文化や人々が置かれている状況の何もかもが違うのに、心は変わらないなんて、人間って不思議だ〜と思いました。
昔の人も同じことで悲しんでいたんだなと思ったら心が楽になる感じがしたので、辛いことがあったら、昔の歌人たちに慰めて貰うのもいいな、と思いました。
あと、古典全般に言えることかもしれませんが、「作者未詳」ってかっこよくないですか!?誰が詠んだかわから -
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p.145 というのも私はものすごく運動が苦手なのだが、その理由のひとつに「身体的な恐怖心がとても強い」というものがある。いや、運動神経が悪くて体のコントロールがきかないから恐怖心が強いのか、恐怖心が強いから体のコントロールがきかないのかは、よくわからないけれど…・・・・。。それにしたって、私は普通にみんなが遊んでいる遊具すらこわかった思い出がある。
p.147 おかざき真里さんとひうらさとるさんの対談で昔「ブレーキをかけることは編集者に3<発見>書かれていないものを見つける
できるけど、ブレーキを外すことは作家本人にしかできない」とおっしゃっていたことがあって、至言だなあと思った。本当 -
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辞書にはこう書いてある。
【文体】ぶんたい
1.文章の様式。和文体、漢文体、あるいは書簡体など。
2.筆者の個性的特色が見られる、文章のスタイル。
んー、イマイチ、よくわからんな。
とういのが、これまでの”文体”という言葉に対する印象だったのだけど、この本を読んでやっと、理解出来るようになりました。
文体って、文章のリズムだったり、テンポ、構成、常体(だ、である)・敬体(です、ます)、ひらがなやカタカナの使い方、話し言葉の使い方などなど、その文章を書いた作家独特のスタイルを文体と言うのね。
何かの文章を書く上で、どうすれば読む人を惹きつけられるのか?はたまた、説得力を高められるのか、 -