三宅香帆のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルでは本のことを例示しているがもっと根本的な働き方と文化との構造、時間の使い方に関することについて論じられた本みたい。興味深く読書
メモ
•どういう働き方であれば人間らしく、労働と文化を両立できるのか
•修養が労働者階級の教育概念となった一方、エリート階級では教養が広まる。
修養は労働者としての自己研鑽、教養はエリートとしてのアイデンティティを保つための自己研鑽
•自己啓発書はノイズを除去する姿勢を重視する
•2000年代ごろから個性を重視、個々人の発信力を伸ばそうという思想の教育、時代に
•情報と読書の最も大きな差異は知識のノイズ性
•2010年半ばのビジネス書の行動重視傾向
⭐ -
Posted by ブクログ
労働の変遷とともに読書がどのような位置付けとして変化していったのかが書かれていて興味深かった。
ノイズの話は実感としてもよくわかる。
インターネット的情報と自己啓発本の類が同列なのも納得。ノイズを楽しめる余裕がないことが読書を遠ざけている理由だったのか。
最終的には今後の働き方への提言のようなまとめになっていたけど、まさに今育児と仕事の両立に加え新しいことを勉強したい私にはグサッと来た。
確かに「全身」はある意味でとても楽。でも一方で思考停止になりかねない。
思考し続けて充実した「半身」状態であり続けたいし、そうありたいと思うことを肯定されたようでとても嬉しい。 -
Posted by ブクログ
労働と読書の歴史、楽しかったな〜
明治以降、時代や社会情勢に合わせて、これまで「読書」という行為は、姿や役割を柔軟に変化させてきた。
政府主導による読書啓発。立身出世の手段としての修養読書。エリートの教養としての読書。出世のための読書。娯楽としての読書。ノイズを除去した自己啓発読書。
これからもインターネットの波に飲まれ続け、読書はさらに姿や役割を変化させていくのだろう。これは止めようがない。
自分の読書観についても、ついついオリジナルでいるような気持ちになりがちだが、それだって世界の大きな枠組みの中の一つでしかない。
社会情勢に影響されない思考はないように思う。令和の時代の読書はこうだっ -
Posted by ブクログ
2025/12/06
「好き」を言語化する技術の新書本から読み追っている方の本で、最近色々と立て続けにこの人の本が出版されています。
タイトルにある内容というよりも、「色々な作品に対するこの人の書評や感想」がまとまっている本と捉えた方がいいのかなと思いました。
特段の会話術やノウハウが載っている…というよりも、普段あんまり意識しないで本を読んだり作品を見たりしているなら、そこにプラスしてこんな観点で読んだりみたりしてみるとあの自分の幅が広がるんじゃないですか?ということを著者が実際に色々な作品について語ってくれることで実例を示してくれているように感じました。
どの内容もヒット作品や文学作品に対 -
Posted by ブクログ
好きを言語化する技術-推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい」しか出てこない
私の悩みは、主に仕事において、人前での発表が苦手で伝わりづらかったり、相手の意図が汲めておらずコミニュケーションエラーを生じることがある。書かなくてはいけない論文も全く筆が進まない。この本は推しの布教活動をする人がターゲットになるタイトルであるが、他人にわかりやすく伝える(しゃべる、発信する、文章を書く)技術を教えてくれるので、仕事での悩みのヒントになる本でもあった。
細分化により言語化した自分の言葉(核)を、相手に伝わりやすい工夫で包んであげる。情報に対する自分と相手との情報格差を知った上で、伝えたいことを決め -
Posted by ブクログ
本の構成として、文字がギッシリと詰められているわけではなく、要点にはマーカーが引かれていて、そこを読み進めるだけでも、この章の大事な部分はここなんだなと認識でき分かりやすかった。また、それぞれの章の最後にまとめがあることで、大事なポイントがはっきりして、読み返す際の役にたった。
文書を書く際、どうしてもありがちな言葉(クリシュ)に頼ってまとめてしまうことが多く、それらの言葉を使うことで何となくちゃんとまとまった感じになっていることがよくあった。本書では、それを「あなたの言葉を奪う敵」と表現し、自分の感情を自分の言葉で語ることの大切さを改めて認識させられた。
また、言語化に必要なことは語彙力 -
Posted by ブクログ
■本書のねらい
『源氏物語』をおおかた理解できるようにする
■書籍の構成(目次)
はじめに
1日目人物がわかれば物語がわかる
2恋愛は三角関係でよむ
3人は身分が9割?
4平安の恋は恋にあらず
5実際あったゴシップネタも物語に
6平安時代と令和の恋愛はちょっと似ている
7和歌を見ればキャラがわかる
8紫式部の筆力が冴える描写
9貴族社会のうわさ拡大速度はSNS並み
10怨霊は男の罪悪感
11「結婚=幸せ」幻想をほどく
12人物のキャラはぶれない
13一途な人は幸せに
14自己肯定感も関係性のカギ
15女性の運命に容赦なし
16人物の読み方から、千年前の読者が見える
17デリカシーの感覚はだいた