三宅香帆のレビュー一覧
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〇なんと葵の上だけは、一度も光源氏と和歌のやりとりがないのです!(124p)
〇頭中将にしろ六条御息所にしろ『源氏物語』を読んでいると、「プライドが高い方が負ける」というこの世の真理を噛み締めます。(254p)
〇光源氏という非の打ち所がない貴族の美青年が、女性たちとの出会いを通して、その内側に罪悪感を抱えて生きることになる(322p)
〇光源氏へのコンプレックスを、薫は匂宮に投影していたのではないか。(361p)
★素晴らしくわかりやすい解説本。源氏物語や紫式部への愛を感じる!
★有名なエピソードのない、中盤以降の楽しみ方も教えてくれます。
★長大な源氏物語をわずか数行で総括して -
Posted by ブクログ
今をときめく書評家、三宅香帆さん。この本は大学院生時代に書かれたものだということなんですが、いや既にすごい!
自分も結構いろんな本読む方だわ!なんて思ってたけど、軽く上を行かれてる気がしてひれ伏しました。日本と海外の古典・現代小説はもちろん、エッセイも文学評論、現代社会評論などの学術書も対談本も比較社会学も詩集・歌集も、漫画までが守備範囲。さすが、書評家なんて今までになかったジャンルの仕事で無双してるだけある。
50冊の本+「この本を読んだ方におすすめする次の本」3冊まであり、もう読みたい本が増えすぎて困る!と思って、途中でメモするのをやめたほど。
ブーリン家の姉妹、王妃の離婚、オリガ・モリ -
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初めて三宅香帆さんの本を読んだ。
タイトルとまえがきを読んで、「わかるー!!」
と、心の中で何度も頷きながら共感。
"悩みなんか抱えたことがなくて、
苦しみなんか味わったことがなくて、
人生がずっとずっと、幸せだったなら
もしかして私は、本を読まなかったかもしれない。"
本が大好きだから、
子どもの頃からずっと読んでいたのもあるけど、
それだけじゃない。
悩んで苦しんで、
相談しても欲しい答えが得られなくて、
ほかの人の頭を借りたいときにも読んでいた。
それは、(自分だけじゃなかったんだ。)
と、なんだかホッとしたし、
ライトな文章でするする読み進められる
読みや -
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読みたい本が激増しました。
「本のことが書かれた本」にはデメリットも多くて。
まっさらな気持ちで読み始められないし、期待値も高くなりがち。
でもでも、漠然とした読みたいかんじがどの本にあたるのか、やはり何等かのガイドが必要で。同じ作者を続けて読んだり、文庫の後ろ表紙やオビを参考にするのも、読みたい本を読みたいから。そんで、自分にとって全く未開拓な、未知な分野とか著者に触れるきっかけになる。たとえ、そのせいで人生が狂うことになっても。
そんなかんじで、「読みたい」への登録が増えました。
そして、この著者の勧めをもってしても食指の動かない本もあり。
恩田陸
一時期、好んで読んでいたのになぁ。 -
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「『源氏物語』読んだ気になりたい!できればお手軽に!」
そうなのです
たいへん申し訳ないが、わたくしの望みはこの一点のみであります
果たして三宅香帆さんはわたくしの望みに応えられたのか?!(いや本人そんなつもりで書いてないよ!)
結論を言おう
100点
本書は書評家・三宅香帆さんが、大好きな『源氏物語』に「人に薦められる入門書がなかなかないな〜」と思い、「なければ自分で書けばいーじゃん!」という素敵な発案によって生まれました
ナイスです
いやもうとてつもなく面白かった
これ、『源氏物語』の魅力を余すところなく伝え切っているのではなかろうか
いや『源氏物語』読んだことないんだけどね -
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最近、言語化に関する本がよく目に入るので買ってみた。(三宅さんの本は読みやすく勉強になるって言うのもある)
SNSをほぼやってないので推しを文面で語る機会は他の人に比べて少ないけど、感情や考えを細分化して表現するという具体的な方法は色んなシーンで使えると思う。
その瞬間に味わった感動を言語化して保存しておくことは、「好き」が色褪せてしまった時に当時の自分の気持ちを俯瞰的に見返すためにも大切なことだなぁとしみじみ。
自分は10年以上日記を書いてるので、大学生の頃や社会人になりたての頃の(とても人様には見せることのできない)考えや感情はそこに残されてるし、その実体験からも言語化して保存するこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の三宅香帆さんが大学院生のときに出版した本。
本を勧められるのが好きだ。思いもしなかった場所に連れて行ってくれるから。
この本で紹介される50作+150作(次にこれを読むと良いという本も紹介されている)の中で、私が読んだことがあるのは5冊程度だった。まるで読書傾向の違う人。しかし、それが良い。読書では、知らない土地にたびに行くよりも気軽に知らないところに行ける。今まで読んだことがない、むしろ若干避けていた名作、女流作家、ライトノベルから漫画まで熱量高く解説している。また、構成が面白い。すべての本に対して、どんな人におすすめなのか、テーマや本の予備知識をま