三宅香帆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書では、近年の「考察」が正解を求める行為として機能し、その背景にコスパやタイパを重視する価値観があると指摘されており、近年のヒット作に共通する傾向として納得できる内容だった。
一方で、自分の考察はどちらかといえば正解を当てることよりも、「自分はこう考えるがどうか」といったやり取りそのものを楽しむ側面が強く、本書でいうところの「批評」に近い感覚だと感じた。また、提示される具体例についても説得力はあるものの、主張に沿う形で選ばれている可能性もあるのではないかと、やや距離を置いて読む部分もあった。
本書を通じて、自分は考察において正解そのものよりも、考える過程や他者とのやり取りに価値を感じているの -
Posted by ブクログ
言語化するのが昨今トレンドのように言われています。以前よりも、何かに詳しく語ったり、上手い言葉で共感を得る話は、話題になり物凄い勢いで広まってると感じます。
そうした中で、好きについて語る事について、語る技術として書かれている本書は、好きを語る以外にも仕事にも使えそうなところがあり、メモをしながら読みました。
それに、ただ語る技術を書いてるのではなく、著者が他人の感想を読むのが好きという事がかなり伝わりました。
「多くの人の感想をたくさん読みたいから、好きを語る技術を教えます。そして、たくさん発信して下さい」
そのようなメッセージを感じました。 -
Posted by ブクログ
良書
タイトルのキャッチーさにいい意味で裏切られた、読み応えのある本だった。
表題通り表面的な「なぜ」のメカニズムを分析しているだけのものかと思いきや、労働というものの認識の変遷と、読書という営みの位置付け(人が特定の環境のもとで読書に何を求めるか)の変遷など構造的なところまでちょくちょく切り込んでいて唸らされる。
著者本人が気を抜くとワーカホリック気味になってしまう側の人間であり、自戒的に書いた側面もある、という最後の吐露で親近感が湧き説得力というか、身に迫る切実さを感じた。
随所で他の書籍、文献からの引用が行われており引用先もきっちり書かれているので、これも読んでみようなどと興味の先が広が -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった。
“言語化=細分化”というように、推しの何が最高だったのか、なんでこのライブが良かったのか、いわゆる常套句(クリシェ)の脱却こそが言語化であると強く感じた。
今回のライブ最高だった、自分の気持ちを言葉にしたい!けれど難しいな。とSNSやブログで誰かの感想を見て『そうそう!これが言いたかったんだよ!』と納得し満足し、自分の感想は書かない、書けないままその日を終える…
そんなことが多々あったし、自分の文章よりも上手い人の文章を使えば間違いないという気持ちは物凄くあった。『常套句(クリシェ)を使えば、見る人聞く人にはある程度伝わる』と思っていたが、ズレた価値観であったと気付 -
Posted by ブクログ
なるほど〜という方法ばかり!とてもおもしろかった。読ませる文章にはリズムがあることくらいしか知らなかったけれど、改めてこうやって分析されたものを見ていると本当にそうで、他にもいろんな技を見られた気がした。なかなか習得は難しいと思うけど、一朝一夕で身につくものではないので、よく読んでよく書く練習をするべきなんだろうな。
・綿谷りさ、語尾をぶった斬る▶︎いらない語尾は切って仕舞えば良い。印象深い体言止めの数々。
・北原白秋、二つのものを並べて始める
・しいたけ、最初に意味不明な言葉を放り込む
・江戸小噺、あえて皆まで言わない
・高田明、あるあるから話し始める
・さくらももこと古畑任三郎、結末を先 -