【感想・ネタバレ】文芸オタクの私が教える バズる文章教室のレビュー

あらすじ

『バズる文章教室』は、〝文才〟と言われる「すぐれた文章感覚」を、できるだけ平易な言葉を使って解説する本です。
主にブログやSNSなどで日常的に、自分の考えや体験などを発信している人に役立つようにと考えて作りましたが、めったに文章を書かない人にも、これから文章を書いてみようと考えている人にも、あまり知られていない「読みたくなる文章のからくり」を楽しんでもらうことをめざしています。


CHAPTER1
バズるつかみ
良心的釣りモデル しいたけの誘引力
未解決疑問モデル 星野源の未熟力
質問一般化モデル 佐々木俊尚の身近力
嵐の前モデル 村田喜代子の展開力
時制変更モデル 森鴎外の寄添力
対にしてみるモデル 北原白秋の配合力
炎上回避モデル 山﨑ナオコーラの冒険力

CHAPTER2
バズる文体
音音 ぶつ切り モデル 村上春樹の 音感力
曖昧共感 モデル かっぴーの 弱気力
会話 割り込み モデル 林真理子の 強調力
名詞止め モデル 綿矢りさの 簡潔力
過剰口語 モデル 三浦しをんの 台詞力
仮名 割 モデル 向田邦子の 柔和力
硬質筆致 モデル 井上都の 冷静力
接続詞 省略 モデル 恩田陸の 快速力
壁ドン モデル 橋本治の 豹変力
人柄調節 モデル 上橋菜穂子の 親身力
フィルター モデル 永麻里の 代弁力
ゆっくり 語り モデル 開高健の 実直力
映像記録 モデル 司馬遼太郎の 撮影力
対照的 造語 モデル 三島由紀夫の 対比力
主観バリバリモデル 谷崎潤一郎の気分力
ヨガ文 モデル 紫原明子の 息継力

CHAPTER3
バズる組み立て
妄想上昇 モデル 秋元康の 裏切力
結末省略 モデル 江戸小噺の 小粋力
同意先行 モデル 高田明の 視点力
倒叙 ミステリー モデル さくらももこの配慮力
フォロー 先行 モデル こんまりの 豪語力
主張進化 モデル 齋藤孝の 更新力
配役固定 モデル上野千鶴子の 一貫力
譲歩逆説 モデル 塩谷舞の 先読力
感情 一般化 モデル 有川浩の 共感力
長調短調 モデル 藤崎彩織の 旋律力
擬人化 代弁 モデル武田砂鉄の 錬金力
重ね 合わせ モデル 山極寿一の 置換力
永世中立 モデル 岸政彦の 中立力
段階的説明モデル 瀧本哲史の要約力

CHAPTER4
バズる言葉選び
片仮名 強調 モデル 俵万智の 合図力
共通言語 投入 モデル 松井玲奈の 国民力
意味拡大 モデル J・K・ローリングの超訳力
虚構現実 往復 モデル 阿川佐和子の 声掛け力
過剰造語 モデル 宮藤官九郎の 激化力
一文はずしモデル よしもとばななの意味深力
二人称 語りかけ モデル 山田ズーニーの一対一力
余韻増幅 モデル 岡本かの子の 言い残し力
違和感 モデル ナンシー関の 警告力
白い肌 雪の肌 モデル ビジネス書の 隠喩力
緊張と緩和モデル 又吉直樹の かぶせ力

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Posted by ブクログ

「テクニックを駆使して、一時的に大きな拡散を狙う」そういうことをするのが苦手な人のための本というのが最高に好きです。

「文章の終わりまで読もうかな」「この人いいな」「広めたいな」と思ってもらう、そんな文章を書けるようになることを目指す本。

最近のInstagramなどの、煽るような言葉や長く見させるための広告やテレビのような手法はなんだか見ていて疲れてしまった中で、この本に出てくるお手本の文章はどれもプロの素晴らしいもので、それをときほぐして解説してくれるとても本質的な価値のある本だと思いました!

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

これは文芸オタク本!
最近のYouTubeでもオタク度マシマシな動画がアップされていてホクホクですが、これは書いてるご本人が一番楽しそうに書いてるんだろうなと思える本。
AKB48のあの曲にそんな技があるとは…笑

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2025年08月16日

Posted by ブクログ

noteの方に読んだ本の感想を書くということをやっているのですが、何をすれば読みやすい文章になるのかが分かったと思う。一度だけサッカー観戦のnoteがプチバズしたことがあり、なんでそうなったのか?ということも本を読んだことで、なんとなく理解できた。これから文章を書くときの辞書みたいな感じで今後も読ませて頂きたいと思いました。

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2025年02月10日

Posted by ブクログ

「自分の」文章で人に「楽しんでもらう」には?
例文とそこに使われているテクニックが1セットとなっている構成で、初めから最後までそのセットが繰り返される。
1セットが6ページほどなのでセットごとにじっくり読み進めやすい本でした。

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2025年01月10日

Posted by ブクログ

文章とは、言葉とは、書くこととはについて三宅さんの情熱がたっぷり詰まった作品。
少しばかりマニアックな内容も分かりやすい例えがあったから、凡人の私でも理解することができた。

文章を書いていく上で、これが正しい、あれが正しいなんてないんだなと感じさせられた。

その人に個性があるように文章にも個性があるから、自分らしい表現ができるようになりたいなと思った!

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2024年02月11日

Posted by ブクログ

読み物としてもとっても面白い、更に文章における表現方法をかみ砕いてわかりやすく解説している実用的な本でした。
作者がいかに文章というものを多面的にとらえ、個性に着目しているのかがわかりました。
バズりたい人も、バズりに興味がない人も一度読んでみてほしい!文章ってやっぱり面白いよな~と再確認できる本でした。

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2023年10月09日

Posted by ブクログ

三宅さんの文体が好きで、同じように書きたいって思って読んだ。
なので、三宅さん自身の文章のテクニックが紹介されると思いきや、全然違った!
「バズるつかみ」とか「バズる組み立て」とかのテーマごとに、作家、タレントなどいろんな人の文章が紹介されて、解説されていた。

読みやすい文章や、つい読んでしまう文章って、ふわっとした感覚でやってるものかと思っていたけど、説明できる技術があるんだ。

どうすれば実践できるかも最後に「まとめ」で書いてくれているので、「やってみたい!」ってなる。
でも、しいたけさんの、「最初に意味不明な言葉を放り込む」とかやりたいのになかなか浮かばない!やっぱり文章書くのが上手な人ってすごいんだなあ。

技術を使わない場合の文章も見せてくれて、「え!なんか普通だ…読みとばすな…」って文章に変わるのも面白かった。

今までは本で、「何が書かれているか」しか興味持てなかったんだけど、「どう書かれているか」が気になるようになったし、
自分も文章を書くのを楽しめるようになった。

「読んだふりしたけどぶっちゃけ〜」の時もそうだったけど、三宅さんの興味にいつも取り込まれるから、すごいな〜って思う。読んでよかった!

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2023年05月30日

Posted by ブクログ

バズる文章術を、さまざまな作家さんを例に分かりやすく述べられている


●しいたけ
 最初に何か、ひっかかり があると、どうしても続きを読みたくなる
先にあえて、刺激的かつ意味不明な言葉を放り込む

●佐々木俊尚
 何と無く自分でも答えを知ってそうな問いを投げかけられるも、心の壁を作れない

●森鴎
 最初にしつこく これは記憶だ と、伝える
文章を書く人は全員過去型と、未来型の二つに分かれる
つまり書き方が、過去に向きがちな人と、未来に向きがちな人が存在する
夏目漱石は未来型
森鴎外は過去型

 (ex)森鴎外➡︎古い話である。僕は偶然それが明治13年の出来事だと言うことを記憶している。


●北原白秋
 2つのものを並べて始める
 (ex)桐の花とカステラの時期となった


●村上春樹
 読みたくなるリズムを使う
 文章とはリズムだ
•同じ語尾を3回繰り返す
•長い文章を二文、3文に切ってみる


●林真理子(コラムニスト)
カギカッコの中でお芝居をする
(ex)私はこの年になってやっと分かった事がある。他人の恋愛にむやみに興味を持ちたがる女と言うのは決して主人公にはなれないのだ。『あの人とあの人はデキているらしい』…


●綿矢りさ
 語尾をぶった斬る
体言止め

(ex)さかきちゃんは美人。でも亜美ちゃんはもぁと美人。明白な事実


●三浦しをん
口語をより口語らしくする


●上橋菜穂子
読点でテンポを操る
読点を増やすことで、まるで生身の人間が直接語りかけてくれる様に感じる
(ex)この道を、よいしょ、よいしょと登っています

●さくらももこ
 オチを先に書いてしまう


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2023年02月16日

Posted by ブクログ

とても具体的に文章の書き方を伝える本だと思います。内容は、50個ほどの文章や詩、歌詞、ブログ記事をモデルとしてそれぞれに使われてる工夫を分析しながら、三宅先生が自作の例文を添削して表現や構成の効果を味わうという形で成り立っています。知らない作家さんの文章を知るきっかけにもなりますし、実際に添削する前と後をみて学ぶことができるので実用的です。文章書きさんにはもちろん、三宅先生の読書が気になる方にもおすすめです。

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2023年01月15日

Posted by ブクログ

1.文章を書く仕事が増えてきたのでいつもとは違う切り口で読んでみたいと思って読みました。


2.文章オタクの著者が語るバズるための文章術です。一般的にこの本の魅力はハウツー本に分類されてしまいますが、著者自身が楽しみながら書くというところが大前提となっています。
それをふまえて、文章を書くことについてどれだけのテクニックが詰まっているのかをさまざまな著書を例に挙げながら書かれています。太宰治だったり、松井玲奈だったりジャンルを問わず例に挙げているので読み応えがある一冊となっています。各著者達の魅力はなんなのか、核となる部分はどこなのかをわかりやすく示しているのがとても良いです。

3.いつもなら固い文章ばかり読んでいましたが、本書はゆるく名作を紹介しつつ読み手がすぐに実践できるテクニックを紹介してくれてる印象を持ちました。わかりやすかったので、すぐに試せるところばかりです。まずは「全てを説明しない」「オチのコントロール」をテーマにやっていきたいと思います。

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2022年10月14日

Posted by ブクログ

「せっかくいい文章を書けた(と思う)のに、誰にも見てもらえない。いいねが付かない」
そんな経験ありませんか? 自分はそんなことだらけです。

 これまでさまざまな文章読本を読んだ中で、この本は自分に最も合う、納得できそれでいてわかりやすく真似しやすい。こんなにもさまざまなジャンルの文章を分析し、解説し、口語で説明できる著者に惚れた。
論文になるくらいの勉強量と調査と解釈。二十歳そこそこの若者とは驚きである。

 一般の文章指南の本は、高名な文豪の文を並べこれがスゴイと言う。
この本の場合はそれをさらに令和の時代にまで広げ、たくさんの現代文やドラマ脚本・コラム・ブログ文章・スピーチにまで言及している。
 文学通で読書好きの限られた人向けでなく、普段あまり文章を読まない「今」の人々の心をも鷲掴みにする方法を解説している。

 バズるというのは、パワーワードで最大瞬間風速を出しトレンドに乗るという意味であろうが、この本では ”もしバズらせることができたとしても、中身を伴わなければ一過性のもので終わりやすい” と斬る。
 ”「また会いたい」と思ってもらえる人になれればいいように、「また読みたい」と思ってもらえる文章が書ければいい” というのが著者の本心である。

 例文・名文の上に、堂々とかわいい赤字で添削するように細かく「ここがポイント」と書いてくれている所が親しみやすくわかりやすい。

 一章の『バずるつかみ』というのが非常にためになる。
 書きたいことはある。だがうまく書けないという人は、ここを読んで序文を真似するとよい。よりよりヒントがたくさんのパターンで紹介されている。それ以外でもこれなら自分も書けそう。こうすれば読んでもらえるのかという発見がたくさんある。これを読んで読書がさらに楽しくなった

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2022年03月12日

Posted by ブクログ

普段何気なく読んでいるエッセイやブログにも、こんなに色々なテクニックが詰め込まれている……と、分かりやすく教えてくれる本でした。

主にエッセイやブログを書く人向けですが、興味深く読めました。小説に応用できそうなポイントもいくつかあります。

軽い読み物としておすすめです。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

この文章「なんで」こんなに読んじゃうんだろう??
という疑問をわかりやすくひも解いてくれる、文章を書く人は参考になる本。

小説からエッセイ、脚本に歌詞まであらゆる解説してくれるからわかりやすい。

三宅香帆さんの文章の観察力に驚く一冊。

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2025年11月14日

Posted by ブクログ

「文章で的確に伝える」ではなく、「文章を楽しんでもらう」という点にポイントを置き、さまざまな作家の書き方を分析・解説する。
SNSでの一行二行の短文というよりは、ブログなどのある程度まとまった量の文章を書くときに役立つような


「この本の目的は、
1、(文章の終りまで読もうかな)と思ってもらう。
2、(この人いいな)と思ってもらう。
3、(広めたいな)と思ってもらう。
そんな文章を書けるようになることです。」
(p.8 Prologueより)

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

各作品の構成や書き方に関して解説した書籍
自分では気が付かない視点で面白かった
作者の熱量が感じられる作品

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

ビジネス文書やSNSというよりは、ある程度のボリュームの読みものや、読ませる系のブログ記事を書く機会のある人向け。まえがきにあるように文字通りそのままの「バズる」の意味ではなく、長くてじわじわ読まれて印象に残る文章を書くための指南書といえる。三宅さん自身の、引用されている作品への想いも伝わってきて、読みものとしても楽しめる本。

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

ブクロガー必読の書

まぁ「バズる」って言っちゃうとなんだかショボい感じに聞こえるのは、わいの偏見だけど、要するに伝わる文章を書く技術のはなしやね

レビューを書くときに、ものすこく参考になると思うけど、7割くらいはすでになんとなく知ってたことかな
いや実践できてるとは言うてないからな!

や、だってそんなに力入れてないもの

これは「大した事ないないレビューやな」って言われたときの予防線とかじゃなくて、ほんとにそうなの
誤字脱字のチェックもせずに世に出してます
なんかすみません

それでも、なんかいいわ〜と思ってくれたのだとしたら、それはもうただただセンスです
わいの天才的センスのなせる技です

謙遜してると思われた方にはお詫びしたい
謙遜は好きになれない
陸遜も好きになれない

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2025年03月27日

Posted by ブクログ

三宅香帆さんの著書1冊目

文の書き方についてじっくり考えたことは今までなかったのでとても勉強になりました

紹介されていた本も読んでみたくなりました

自分で何か書くときにも真似してみたいですね

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2024年12月21日

Posted by ブクログ

面白かったぁ。多種多様の文献を的確に引用・分析し、こんなにポップ且つカジュアルに1冊にまとめてしまう筆者の文芸オタクっぷりに感嘆しまくり。実際に数々のバズを引き起こしているのもその力量に裏打ちされたものなんだな、と大いに納得。

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2024年08月19日

Posted by ブクログ

人気作家のエッセイやブログをもとに、文章について事細かに解説している。ご本人もさすが語るだけあって読みやすい文章だった。

今回は一気読みしたけど恐らく一気読みには向かない本。また文章を書く機会ができたときに、改めて読み返したい。

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

正直に言う。『バズりたい』
カッコ悪くてもいい、注目を集めたいのだ。
そんな訳で、ちゃんと勉強をしようと思って手に取ったのが本書である。

「文芸オタク」と枕詞に書いてあるように、色々な文章を例にとり、注目すべき観点を丁寧に解説してくれている。
表紙はちょっとゆるキャラがエッチな格好をしているけれど、内容は非常に濃厚な実技になっている。

本書を読みながら取ったメモを参考にしつつ、今後のブログやXライフを送っていきたいと思う。

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

ポップな表紙とイラスト、そしてバズる文章教室という題名等、従来の文章読本とは様相の違う本書は、読んで楽しいエッセーだった。
文豪たちが書いた文章読本とは違い、各方面から選ばれた文章、そのどこが面白いのか、どういう文章が読みやすいのか、読者を引きつけるのかなど、人に読んでもらう文章の書き方のエッセンスが著者のセンスで分析されていて興味深かった。

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2023年11月05日

Posted by ブクログ

実に読みやすかった!
私自身、自分の語彙力の無さを日々痛感しているので…少しでも学びになればと思い手に取った一冊。

眠くても、読みたくなる。続きが気になる。そんな本に久しぶりに出会いました。昨日買って、あっという間に読み終わってしまった。この感覚久しぶり。

読後は、役に立ったな〜よりもこの作者さんの語彙力、文章力に圧倒される…もっと他の本も読みたくなりました。明日、書店に寄って帰ろう。

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2023年10月02日

Posted by ブクログ

頭脳明晰な文芸評論家であり文芸オタクの京大生による著名な作家の文体や文章構造の分析を基にして文章を学べる本。(というか教科書レベルによく分析されています。文章教室でテキストにしてる人絶対いるはず。)

どうして私はこの文体に引き込まれてしまうのか、私はどうしてこの文体が好きなのか、と疑問に思っていた点を明確な分析と考察により、解き明かしてくれる。この筆者、めちゃくちゃ賢いなぁ。(って当たり前だけど。私よりは当然数百倍賢いはず)

バズる=注目を浴びる。
人生に1度くらい私もバズってみたい、とは思うけど、まだそこまでの情熱が持てない..。

もっとバズる文章を勉強したいと思った時に書き込みと付箋でいっぱいにさせてください。

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2023年04月14日

Posted by ブクログ

あなたの書きたいことを自由に書きなさい。そう言われても何を書いたらいいかわからない。
書きたいことがあったとしてもどうやって書いたらいいかわからない。
起承転結はわかるけど「うまく書けないなあ」と思う。先生に聞くと言葉の使い方や読み手のことを考えてと言われる。
わかるけどわからない。
そんな時にこの本は心強い。

文章を書くことにはいろいろな方法があるのに、それを知らないまま「さあ、思ったことを書きなさい」と言われても困るし、「となりの人と読み合ってアドバイスしあいましょう」とか言われてもどう読んでなにを話したらいいかわからない。
学校の中で起きていることはだいたいこんな感じで、作法としての文章を学ぶのは大学以降のレポートや論文くらい。大人になってから仕事や生活に必要な文章をなんとなく身につけたという人がたくさんいるんじゃないだろうか。

でも、本当はもっと文章でいろいろなことを表現したい、コミュニケーションしたいという人は多いんじゃないだろうか。
知らない言葉を調べるように、いま自分が欲しい文章のテクニックを調べられる、しかも肩ひじ張らずに「あ、こんな書き方いいな」と真似したくなる親近感。

いま、これを書いている自分もそうだが、「ちょっと文章書いてみるか」という気にさせてくれる一冊。

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2022年09月04日

Posted by ブクログ

”バズる”ってことは、やっぱりネット向け?と思って読み始めた私。
作者の思惑は「そうではないよ」って。「テクニックを駆使して一時的に大きな拡散を狙う」ことが苦手な人向けに、書いた本であり、目の前の人の心をつかむ文章の書き方を伝えたいそう。(自分が思っていたことを作者も予想していたかのような言葉)

多種多様な作者、作品の一部を取り上げながら、人の心に刺さるような、” もっと読みたい”と思わせるような文章の書き方を教えてくれる本、作者の個人的見解も交えながら文章の書き方、表現のしかたを知ることができるのでとても勉強になる。
私は、この本で得たことを少しだけ実践している最中。

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2022年08月07日

購入済み

短くまとまり読みやすい

 内容自体は他の文章読本でも見たことがあるようなことばかりで、特に目新しいことが書いてあるわけではないが、読みやすさ、わかりやすさは頭一つ抜けている印象。

 ある界隈の常識を別の界隈にわかりやすく伝えるメッセージがバズることがあるが、まさにそれを体現しているように思う。『文章を書くのが大好き』界隈の常識を、『SNSでつながりあいたい』界隈に伝える。そんな感じの書籍だ。

 文章読本として目新しいことがないからと言って、読んでつまらないわけではない。著名人の文章の書き方を主題にしたエッセイとしても十分に面白い。
 いろんな作家、エッセイスト、アイドル等々の文章が広範囲に集められていて、それぞれを書評家の著者が「この部分がこんな風にいい」と解説してくれているのだ。「なるほど、そこでそう思うんだな」と納得したり、「思う、思う」と共感したり、「ええ、そこをそんな風に受け止めるんだ」と心の中でツッコミを入れたりと、読んでいて楽しい。

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2020年05月30日

Posted by ブクログ

三宅さんの文章は軽いのに薄っぺらい感じがなくて、すっと頭に入ってくるので好き。ただ、本書は三宅さんがあらゆる人物の評論やエッセイ、小説などを拾い、どういうテクニックを使って文章を書いているのかを丁寧に情熱を持って書いており、正直ちょっと読んでて疲れた。使ってみたいと思わせる文章術と、いやいやそれはちょっと…な文章術それぞれ面白いんだけどな。

それはちょっと…と思ったのが、読点を多用する文章。目で追っていても一つひとつの単語で一旦止まってしまうので個人的には読むペースを妨げられていると感じてしまう。
あえて読点を多用することによってゆっくり読んでもらうことが狙いということだ。それは分かるし、何だか隣にいて語りかけられているような気にもなるのだけど、私にはどうにも合わなかった。ひらがな多用の文も同様、柔らかい感じで良いんだけど、やっぱり読みにくい。一方、カタカナで注意をひくという文章術は面白いし、納得。「缶チューハイ」と「カンチューハイ」でこうも違うとは。

全く洗練されていない文章も魅力がある。例えば、同じようなことを言い換えながら繰り返し使っている文章。不器用ながらも読み手に伝えたいと思っているんだろう。(あくまでプロの方は、あえて洗練されていない文章を使っているのだと思うが。)
また、みなまで言わない書き方もくどくなくて好き。読み手の想像力に任せるスタイルは、読み手が自力で書き手の言わんとしていることにたどり着いたとき、より文章のインパクトが残るように思う。

いろいろな作品の引用も読めたし満足したが、実践にいかすとなるともう4,5回は読み直さないと頭に入らなさそうだ。

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2025年04月20日

Posted by ブクログ

するすると読みやすい文章で、色んな著名人の良い文章そのものを例文にして、分かりやすく文章そのものの面白さや、良い文章のコツを教えてくれる。というか、読んでいると自然と身につく気持ちにさせてくれる。

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2024年10月08日

Posted by ブクログ

いや、面白いよ、コレ!
文章をこんな風に解説するのは、読んでいて面白い。
ただただ、感じたいだけの人には余計に思えるかもなぁ。
何だろうなぁ〜。
どんな世界にも解説とか考察みたいなのはあるじゃない?
ルフィの仲間力とか、そういう漫画を解説したものとか、関ジャムで音楽の解説をしたりとか。
そういうのを余分に思う人もいると思うのよ。そういう目線で見たくない。みたいな。
そういう人には向いてないかなぁ。
そういう目線で見始めて、単純に楽しめなくなったりすることもあると思う。
それは好みだと思うな。

僕自身は割と面白く読めたけれど、果たしてそれが、本当に解説された著者が考えてやったことかどうかはわからない。
感じるままに書いたらそうなっただけなのかもしれない。それを紐解かれても…という気持ちもあると思う。
変にこれを意識し過ぎて書くとおかしくなるかもしれないし、そこら辺が難しいかなと。

僕は一歩引いて、こんな目線もあるんだ〜程度に読ませて頂いた感じです。

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2024年02月04日

Posted by ブクログ

教科書のようでいて、実のところ、形を変えた文体ウォッチング本。
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僕は食べるのが好きだし、料理をするのも好きだ。
読むのと書くのは、同じような関係なのだろうか?

…と、これは本書でいう「星野源の未熟力 未解決問題モデル」にあたる書き方、だろうか。
古今のさまざまな書き手の書き方を研究して、それぞれの「まとめ」をした本である。
「文章で的確に伝える」という技術ではなく、「文章で楽しんでもらう」という文芸的な目線で書こうよ、と呼びかける。

興味を引きそうな見出しをいくつか挙げてみると、

・会話割り込みモデル 林真理子の強調力
・主観バリバリモデル 谷崎潤一郎の気分力
・妄想上昇モデル 秋元康の裏切力
・配役固定モデル 上野千鶴子の一貫力

など。それぞれの文章をあげ、ポイントに線をひいて、まとめてくれてある。永らく触れていない学校の参考書のようだ。
それでは、これが参考書となって文章の勉強になるのだろうか。

否、この本は文章教室の形をとった、著者の「ねえねえ聞いて聞いて」という読者とのコミュニケーションだ。
モノマネの強調力に似ている、といってもいいかもしれない。
こうすればうまくかける、と教えるのではなくて、このひとってこうだよね〜、という、見つけちゃった的楽しさの共有。

『もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら』の逆のアプローチと言うか、とにかく、たしかに文芸的目線で読んだら面白かったよ!

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2022年06月01日

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