染井為人のレビュー一覧

  • 滅茶苦茶

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    こんな風になんだかわからないうちに事件に巻き込まれることがあるのかと思うと恐ろしい。
    極端だと思うけどあり得る話でもあり、自分の身に置き換えてリアルに感じました。

    ちょっとした心の隙間にスッと入り込む何か。
    魔が刺す時には自分の中でアラート音が鳴っているはず。
    そんな弱っている時の自分が指標とする何かが必要なのかも。
    そんなことを考えるきっかけにもなりました。

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    2025年11月26日
  • 歌舞伎町ララバイ

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    東横キッズのことはうっすらとしか聞いたことない。田舎に住んでると本当なのかな?と思うようなことばかり。なのでこの物語にあるようなことも実際あるんじゃないか?と思わせる。薬物で死んでしまったり、悪い大人に騙されたりとか。さすがに都知事や首相が絡んだりはないとは信じたい。15才で歌舞伎町に流れ着いた七瀬。友人の死、ヤクザとの関係、大人の事情でひどい目に遭う。颯太の存在に助けられた。そして数年後、七瀬の復讐は始まった。そこからは気持ちよく爽快感がある。新藤冬樹的なイメージだけどそれよりは弱いエンタメかな。

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    2025年11月22日
  • ひきこもり家族

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    読みやすく、ぐいぐい惹き込まれて、一気に読んでしまいました。特に後半はハラハラドキドキでした。
    ひきこもる当人側の気持ち、親の思い、社会の反応、などあらゆる方向からの視点が盛り込まれていました。
    ちょっとしたことがきっかけで外に出られなくなってしまう、ということに、なんとなく共感できました。

    参考図書の「中高年ひきこもり」というワードがとてもインパクトありました。親の介護が必要になった時はどうなるのか、気になります。参考図書も読んでみたくなりました。

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    2025年11月22日
  • みずいらず

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    良い意味で染井先生らしくない作品。
    既婚者の自分にはだいぶ刺さる内容。色々と考え直すきっかけにもなる。独身の人にも読んでほしい。
    最後の話は遊び心も感じつつ、それまでの話を踏まえての内容としても良かったと思う。

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    2025年11月21日
  • 悪い夏

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    読み終わって最初に感じたのは、「なんだこれ…」という戸惑いだった。生活保護やシングルマザーを扱う物語であれば、制度の矛盾や現場の葛藤を掘り下げる社会派小説を期待する。しかし本作『悪い夏』は、まさに本作の謳い文句の通り「クズとワル」ばかりが跋扈するブラックコメディの様相を呈していた。

    最初は“まともな人間”だと思って読み進めていた主人公・佐々木は、ひょんなことから破滅に向けて転がり落ちる。まさに闇堕ち。そして彼の周囲にいるのも、生活保護の不正受給者、子供を愛せないシングルマザー、地方に飛ばされたヤクザ、不正を働く同僚、不倫相手に恨みを抱く先輩など、一筋縄ではいかない人物ばかりである。共感できる

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    2025年11月21日
  • 震える天秤

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    申し訳ないが、結論からいうと、「ノベル向けの展開」に終始していた。
    確かに、キーワード∼高齢者運転、危険運転、過疎化した限界集落・・6年前の執筆だからその後を考えると、十分に社会問題化している。

    しかし、狂言回しを雑誌記者に据えて、彼が芋づるを引く都度にどんどん、視えなかった事実が引っ張り出されるのは、どうもなぁ。
    社会は忙しい、こういった記者にまともに対応するとは思えないし、そうでなくとも雑誌は「マスゴミ」でも最たるものではないか?発刊数の激減を見ても。

    その記者たる彼と司法のプロである妻との会話はクスッと笑わせるし、チャラけそうな筋に正論を投入してくれるけど。
    私服とはいえ警官が立って

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    2025年11月18日
  • みずいらず

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    長く続く夫婦生活の中で、信頼からなのか慣れからなのか、相手に甘えてしまうことは多々あります。
    そうしている内に、自分の本心を相手に伝えることも、相手の気持ちを慮ろうとすることも、つい蔑ろにしがちだと思い当たる節が…
    お互いに一歩ずつ歩み寄れたら、最初のように、むしろそれ以上にいい関係性が築けると思い出させてくれる作品でした。

    夫婦ですれ違ったり、喧嘩してしまった時にまた読みたいです。

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    2025年11月17日
  • 正体

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    映画も見たけど、原作の方が救いがない分、考えさせられた…私的には原作派かな。
    ただやるせないよーーーー、無実と証明できる事件が一刻でも増えますように

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    2025年11月16日
  • 正体

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    ネタバレ

    自分の声が誰にも届かない、誰にも信じてもらえない時に人はどう生きていけばいいのか。正体を偽りながらも、どこに行っても周りに好意をもたれる主人公。あの時あの場所にいなければ明るい未来があったのに…
    冤罪という悲しい事件が起きない世の中になってほしい。

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    2025年11月12日
  • 正義の申し子

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    ジョンの視点、鉄平の視点、萌花の視点から繰り広げられるストーリーがひとつになった時、何が起こるのか。
    テンポよく最後まで読み進める事ができる内容でした。
    最初の方に鉄平を売ったクズ『MJ』がまさか最後にまた登場するとは、、

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    2025年11月10日
  • ひきこもり家族

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    今回も後半に向けての疾走感があり、引きこもりを取り扱ってかなりリアル感に描かれていた感じ。実際に悪どい福祉業者はありそうで、怖くもあった。エピローグの爽快さは滅茶苦茶にも似た感じがする。引きこもりを悪とする現代社会をズバッと切り取ったお話で面白かったです。エピローグのその後が気になる笑

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    2025年11月08日
  • みずいらず

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    染井為人さんの最新連作短編集。
    面白かったです。

    どの短編も非常に読みやすい内容で、共感できました。最後がどうなるのか?気になりましたが、まさかの内容で良かったです。こういう終わり方もあるんだなぁと、凄く新鮮な感じがして、おもわず笑みがこぼれました。

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    2025年11月08日
  • 正体

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    ネタバレ

    死刑は法律の名の下に行われる野蛮行為であるっていう話。

    鏑木慶一に関わった人たちの細かい日々を語ることで、鏑木慶一に愛着も湧き、間接的に指名手配犯として隠れて生きる日々を知るのに必要な長さだろうと思うけど、それでも長く感じてしまう部分もあった。

    とはいえ、読み切ってしまえる文体の軽快さと、改めて死刑制度の野蛮さを感じれる読んで良かったと思える作品。

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    2025年11月08日
  • 黒い糸

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    ヒトコワ好きは是非読んでほしい一冊。
    100%の善を惜しみなく提出したあと、地獄へ引きづり下ろすのが悪人の技術。
    いい人だなー思える人間にもしっかり警戒して生きていきたいものです。

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    2025年11月08日
  • 悪い夏

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    善悪の是が問われる作品。ケースワーカーとして働く中で貧困や生活苦で追い詰められている実態に気付く。そこの弱みにつけ込み悪事を働く人達に関わってしまうことで人生が百八十度変わってしまう。最後は立ち直ってほしいとエールしたい気持ちになった。
    夏に起きた一大事。面白かった。

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    2025年11月08日
  • 悪い夏

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    ネタバレ

    あれよあれよと悪い方向にしか進んでいかないそれぞれの登場人物があまりに悲惨。

    ただ、それと同時に佐々木くんのほんの少しの気遣いが美空に笑顔をもたらし、愛美にも変化が現れ始める。どうしようもない山田が美空にラーメンを子供用のお茶碗とフォークで食べさせてあげたり、クズでワルしか出てこないとは言え、そんなに悪い人ばっかりではない様な気もする。

    あとがきで著書が述べている様に、他人が取るに足らない事で思い悩みもがいている姿は滑稽で愚かに映るのにいざ自分の身に降りかかると同じ様に悩む。ほんの小さな出来事や誰かの些細な一言でボタンを掛け違い、物事の歯車が狂っていくと思うと明日は我が身と静かに怖くなる。

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    2025年11月07日
  • 悪い夏

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    多少無理はあるものの、読み進めやすく面白かった。
    受給審査は差が出ないように、今後はAI使った方が良さそう。

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    2025年11月04日
  • ひきこもり家族

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    ひきこもりのスタンドバイミー…とでも言いましょうか、色々爽やかなエンディングだった。
    ひきこもりを悪とみなして普通であることを求める社会。本人たちの苦しみや気持ちを今まで考えたことがなかったけれど、フィクションとはいえ、こういう気持ちの人もいるんだよなと考えさせられる。
    生産性の面を問うならば、ひきこもりでもできる仕事、あるんじゃないのか?とも思う。
    間違った環境に身を投じればその世界の中での正義と悪があり、簡単に変わってしまう可能性も。
    良くも悪くもどんな人達と関わるかということが人の判断を、生き方を変えるのかもしれない。

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    2025年11月03日
  • 悪い夏

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    「クズとワルしか出てこない」のとおり、悪の連鎖が続いて、どいつもこいつも哀れだった。
    生活保護不正受給という重めの題材なのに、エンタメ感があってはちゃめちゃなストーリーで読みやすかった。

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    2025年11月01日
  • ひきこもり家族

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    続きが気になりどんどん読み進めてしまった。
    ものすごくリアリティがあって、実際にどこかで同じようなことがあってるのではないかと思うほど。
    ただ最後はそううまくいかない気もするけど、と疑問に思うエピローグだった。なんというかハッピーエンドみたいになったけど、事情があっても殺人を犯した人たちが経営する会社に我が子を託したいと思うんだろうか?と最後が納得いかなかった。

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    2025年10月31日