染井為人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
映画化されている作品ということくらいしか知らずに読み始めたけれど、とにかく読んでいてつらかった。
ページをめくるたびに、夏のじめじめした湿気が体にまとわりついてくるような不快感。生活保護の不正受給を通して、制度のほころびや、人が少しずつ追い詰められていく怖さが描かれているように感じた。
終盤はもはや地獄絵図。それなのに、あまりにも地獄すぎて、やや滑稽にさえ見えてくる。この絶妙なバランスがすごい。
それでも最後に小さな救いを感じたのは、主人公のもとへ届き続ける一枚一枚の絵。きっとあの女の子は、今も彼のことを思いながら描いているのだろう。あの絵だけが、この物語の湿った空気の中で差し込む、ほん -
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ネタバレ引きこもりの長期化と、「引き出し屋」と呼ばれる自立支援センターの闇を描いた社会派エンターテインメント小説。
自立支援という美名のもとに当事者を力ずくで連れ去る「引き出し屋」の実態。ニュースの文字面だけでは決して伝わらないその生々しい恐怖に、息を呑む。
本作は、当事者の若者と中年ひきこもりの母親という二つの視点から、同じ施設での物語が語られる構成だ。双方に深く感情移入させられる一方で、物語は「施設長殺害の隠蔽」を巡る息詰まるクライムサスペンスへと変貌。善意が悪意へと反転し、事態が泥沼化していく展開には暗澹たる気持ちにさせられる。
しかし、その泥沼の中で描かれるのは、悪に手を染めて初めて「自 -
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「クズとワルしか出てこない」
パワーワードに吸い寄せられて手に取った「悪い夏」
不快指数100%の夏を味わってしまった…
真面目に生きていた人間が、
あれよあれよと一線を越え、
気づけば戻れなくなる。
生活保護費ビジネス、薬物、暴力…
転げ落ちるように闇堕ちしていく様子は
救いがなさすぎてやりきれない…
終盤にかけて、もう地獄と地獄がぶつかり
訳のわからないカオスに突入していったあたりはもう笑えてきました。
この人たちだいぶ愚かで歪んでいるけど、
この社会だって相当歪んでいるよな…
とささくれだった気持ちになりながら…
うん、やっぱりクズとワルしか出てこなかった。
でも、一気読みでし -
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このマンションで、人を殺さないでください――気づけば自分も共犯者になっていた。
築30年のマンション「ベルドゥムール板橋」に暮らす20代・30代・40代の三人の女性。遠距離恋愛の悩み、休職中の夫と子育て、モラハラ夫との生活と、それぞれが問題を抱えている。ある事件をきっかけに三人の関係は共犯へと変わり、事態はどんどんこじれていく――。
好きな作家さんの一人、染井さんの作品です。一つのマンションの中で、さまざまな問題を抱えた人たちの問題がどんどん大きくなり、こじれて共犯関係になっていくという設定が秀逸です。『ナオミとカナコ』の雰囲気に一部似ていると感じるところもありますが、まるで自分が犯罪計画 -
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期待値を遥かに超えてくる面白さ!!
今回もじわじわと 神経を逆なでするような
極上のサスペンスに
身も心もすっかり狂わされてしまいました……!
やっぱり染井さんの作品は最高です♡
この物語の一番の面白さは…
まるで他人のプライベートを
こっそり「覗き見」しているかのような
ゾクゾクするところ!笑
どこにでもある普通のマンションだけど…
住人たちがそれぞれ誰にも言えない秘密や
じわじわと膨らんでいく悪意を抱えています
染井さんは本当に…人間のドロドロとした
エゴや脆さを描くのが上手だな〜!!
怖いくせにページをめくる手が
止まらないほど面白い!
そしてある事件 -
Posted by ブクログ
あの「いつもの語調」のまま、こんなにも温かい家族小説を差し出されたことに嬉しい戸惑いを隠せない。それにしても全編通して、染井さんは本当に女心をよく分かっていらっしゃる。
本作は、様々な夫婦問題をリレー形式で描いた群像劇(連作短編)だ。
第一章の滑り出しから涙腺が崩壊した。バツイチ子連れの主人公・綾子の張り詰めた心を、丸ごと包み込む夫・健太の一言がズルすぎる。
その後も、新婚のすれ違い、怪しい投資セミナーの罠に騙されそうになる奥さん、あみちゃんの涙など、ハラハラと号泣の連続だ。
特に圧倒されたのは「思い出の抽斗」の章。
認知症になっていくのを視る家族側の目ではなく、携帯番号が思い出せない、勘