染井為人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ一気に読んでしまった。面白い!
事件が起こらないという平和なマンションで、既婚男性に騙された保育士、旦那のDVに悩む主婦、旦那のモラハラに悩む主婦の3人が、最終的には全員彼氏や旦那を殺害。3人で手を組んで殺人を隠蔽しようとする。
最初の方はワイドショーを見ているような軽い気持ちで読んでいたものが、だんだんハラハラする展開に。
素人目(?)にみても、そんなことしたら何かあった時疑われるでしょ!周りにバレれるでしょ!というような行動のオンパレード。
うっかり殺人者側の立場にたってアドバイスしたくなってしまった。
管理人さん、ことが落ち着いたらこの3人に退去してもらってもよいのでは。
面白かったのでこの人の作品をもっと読んでみよう。 -
Posted by ブクログ
結構面白かったです
ひきこもりをテーマにした作品って全体的に陰鬱で救いのない話が多いと思いますが、本作は起承転結がハッキリしていてわかりやすくテンポの良い物語になっていました
読後感も爽やかで良いです
あくまでもフィクションだと思って読めば野暮なツッコミを入れずに最後まで楽しめます
ひきこもりになってしまった人達が悪徳業者に無理やり家から引きずり出され、九州の僻地で強制的に集団生活をさせられるお話です
途中からサスペンス調になったりハートフルな交流が描かれたり、人との付き合い方や自分との向き合い方について考えさせられたりするなど、読みやすく分かりやすい物語の中で道徳的な気づきも得られるエンタメ作品でした -
Posted by ブクログ
YouTuberのオンとオフの違いを二重人格としてわかりやすく描かれている。でもこれはYouTuber特有ではなく、僕らはみな、場所によって人格が大きく変わる。そしてその人格にもはや自分が乗っ取られるようにして、極端な行動に出てしまい、後悔をする。
やらない後悔もあるけれど、行き過ぎてしまった後悔をすることも多くある。というか、ああしなければよかったの繰り返しで、どんどん人生は予想しなかった方向に進む。たくさん失敗するし、それもすごく些細なものも多いし、恥ずかしいものも多い。自分の責任じゃない理不尽なこともあるし、大事だと思ってたものにあっさりと裏切られることもある。それで人生が終わったと感じる瞬間もあるし、ずっと同じままの環境にはいられず、元の世界には戻れなくなっていく。そうやって人生が変わっていく中で、思いがけない形で、新たに大切なものを手に入れることもあるし、それが人生だとも思える。
そして多くの恥や悲しみは少し時間が経つと忘れていく。だから、楽しいことの間に挟まる恥や後悔を解決する必要はなくて、どうせ時間が経つと忘れていく。でも楽しいことだけを思い出せるわけではない、じゃあ、たくさんのことがある人生の中で、どう楽しさを感じ、今に没頭するのか。この瞬間もそう。過去の恥や悲しみを集めるのではなく、新たな今を大切に生きていきたい。
正義と悪とか、それは明確に分けられるものじゃない。視点が変わると、正義も変わる。でも同時に、その環境によって、正義にもなるし、悪になるということ。極端なものを繰り返しながら、お互いに矛盾しながら、生きていくのだと思う。
世の中は、シンプルではない。一つの視点から見えた本質は、世界の本質ではない。ただその切り口から見える世界は面白い -
Posted by ブクログ
結婚アドバイザーの亜紀と教師の裕介の視点が入れ替わりながら話が進んでいきます。
最初は嫌がらせかと思っていたことも、どんどんエスカレートしていきハラハラドキドキしました!とっても好みのサスペンス!
亜紀に執着するクレーマーの江頭や亜紀の元夫、亜紀の職場の上司と同僚、行方不明になった生徒の保護者、裕介のクラスの生徒とその保護者など…登場人物のそれぞれに隠された秘密や思惑が少しずつ明らかになっていくのはとても面白かったです。
後半は気になって一気読み、読ませる力もすごい…!
伏線が回収されたり、色々な出来事や登場人物が繋がったりするので興奮しながら読みました!
染井さんの他の作品も気になります。
ラストは驚き!これは予想できない!
風介の遺伝についての話はとても面白かったです。 -
Posted by ブクログ
半日で読み終えた。
人怖モノ。
同じマンションに住み、2階、3階、4階の縦続きに暮らす、3人の女性の話。
3人の章が、それぞれ短くコンパクトおさまり、コロコロと展開していくので読みやすい。
彼氏に裏切られた 凛
旦那のDVに悩まさせる遥香
旦那のモラハラに悩まさせる 奈津子
それぞれ3人は殺害という犯罪に手を染めていく、お互いの犯罪がバレないように結託していく。
最後の方では、山に死体を2体埋めてたのに、なくなってたという 怖さ。誰が掘り返して持っていった?
バレる要素があるのに、警察からは疑われない、なぜ?
いつもにこやかな好々爺の管理人がなんか怪しく怖いなぁと思ってた。
3人の女性も、管理人が色々と処理してるのでは?と、彼女達はその結論に至っていく。
最後まで憶測で終わるが、
最後は管理人の章があってもよかったかも。
裏で全てを把握し、マンションの問題を後処理していく様を。
「手のかかる住民には困ったものです。
世話の焼ける子(住民)には、親(管理人)がちゃと責任(処理)をとっていかないとですね」「今日も私のおかげでマンションの平和が保たれるのですよ これからもずっとね」
みたいな終わり方だったらよかった。
それぞれあるあるの悩みで他人事とは思えないから、のめり込んで読めた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレひきこもりという社会問題を題材に、本人たちの苦悩だけでなく、どうにか救いたいと願う家族の葛藤や、弱者の気持ちにつけ込む悪質な支援業者の闇まで描いた物語。
自立支援施設での過酷な生活をきっかけに、事態が思いもよらない方向へ転がっていく展開に引き込まれた。
立場も年齢も異なる五人が極限状態の中で結びついていく姿も印象的。
テンポのよいストーリーに加え、視点が変わることで見えてくるそれぞれの事情や心情も興味深い。
ひきこもりは本人の問題なのか、家族の問題なのか、それとも社会全体の問題なのか。
単純な正解を出せないからこそ、他人事ではない現実を突きつけられる。
重いテーマを扱いながらも、先の読めない展開で最後まで一気に読ませる、エンタメ性と社会性を兼ね備えた一冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ様々な形の夫婦について描かれた短編集。
夫婦とは、実に様々な物語をまとう関係性である。
夫婦と一言にいってもいろんなフェーズがあるし、関係性もそれぞれ。
側から見たら順風満帆・幸せいっぱいのようだが、内実は悩みを抱えているんだなぁとしみじみ思った。
個人的には、夫婦というのは不思議で素敵な関係性だと思っている。
くっついた事情は様々あると思うが、赤の他人が人生を共にする決断というのはなかなかなもの。
多くの夫婦は少なくとも一度は相手を愛したことがあるというのは素敵だし、それが今も続いているかは夫婦ごとに変わるというのが不思議だし面白い。
好きじゃなくても情が湧くことだってあるし、今すぐ別れたいが子供のために別れないでいる夫婦もいるものね。
とはいえ、人生を共にする以上、そこにまつわるストーリーは味わい深いものになる。
仮に旦那が仕事人間だった定年後の老夫婦で2人が薄い関係性だったとしても、人間同士のストーリーとしては逆に味わい深かったり。
そんな濃縮された人生のストーリーが描かれている本作。
かなり読みやすくスルスル読めてしまったが、内容はとても味わい深いものだった。
登場人物が重なり合っていたり、最後に本作を書いた小説家が描かれていて、大きなひとつの物語ともいえる。
最後の小説家はシングルで、家の清掃を頼んだ女性とは夫婦未満で終わってしまう部分もよかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレトー横キッズの一人である七瀬が、希望のない人生の中で生きる価値を見出したのが、憎しみや殺意だったという設定が面白い。
何より主人公の七瀬というキャラクターが魅力的だった。肝の据わった性格や鋭い洞察力、圧倒的な行動力など、主人公としての存在感が際立っていた。
善悪の境界が曖昧な物語でありながら、七瀬が敵対する相手を追い詰めていく展開は、アウトロー版の『半沢直樹』のような痛快さがあった。七瀬自身も決して正義とは言えないのに、いつの間にか七瀬の行動を正義のように感じてしまうところも、この作品の魅力だと思う。
一方で、七瀬が人生に希望を持てなくなった背景や、愛衣利にそこまで強い思いを抱く理由については、もう少し深く描いてほしかった。特に、敵対する相手に殺意を覚えるほどの憎しみを抱くまでの過程には、少し納得しきれない部分があった。相手側の悪行や七瀬の感情の変化がもう少し丁寧に描かれていれば、さらに物語に没頭できたと思う。
それでも、魅力的な主人公と展開に引き込まれ、最後まで楽しめた作品だった。
いつか実写化されそうな気もするが、そのとき七瀬を誰が演じるのか、今から気になる。