染井為人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これまで読んできた染井為人作品とは少し雰囲気が違い、新鮮に感じた。事件やどんでん返しではなく、それぞれの家族が抱える問題を丁寧に描いた物語だった。
読んでいて一番感じたのは、当たり前の日常は決して当たり前ではないということ。「いつまでもあると思うな妻と金」という言葉が自然と頭に浮かんだ。
特に印象に残ったのは、妻の認知症を疑い、周りに知られないよう夫がさりげなく支える姿だった。その様子を見て、自分の父も母の認知症を周りに気づかれないよう支えていたんだなと思い、胸が締めつけられた。
しんどさや人間の闇を描く”為人ワールド”も好きだけど、こんな温かく家族に寄り添う作品もいいなと感じた。 -
Posted by ブクログ
一体何を読まされてるんだこれは、という結末だった。主要な登場人物は皆余さず問題児。好感や共感を覚えられる人物は皆無。嵌められて転落して行く主人公は気の毒だが、そもそもチョロすぎる…。同僚の不祥事の渦中の人物なんだから接し方には気をつけないとダメでしょうよ。特段魅力のある人物でもなし、何で好きになっちゃうかなと呆れたか気分になった。それでもまあ家族ごっこが出来ていた間は微笑ましい気持ちにはなれたのだけど、やっぱり相手が悪すぎたんだろうなと。言っても詮無いことだけどなんだかな…
後書きには他人事なら笑えるがといった記載があるが他人事でも笑える要素は一切無かった。強いて言うなら不倫の同僚がコントやっ -
Posted by ブクログ
本作の肝は、引きこもりの青年・純が、仮面を被った瞬間に世直しユーチューバー「ジョン」へとガラリと変身してしまう、その「切り替わりのシステム」一点に尽きるように思う。
現実では部屋から一歩も出られない臆病な男が、仮面という免罪符を得ただけで180度違う人格へとスイッチする。解離性人格障害の疑いさえ頭をよぎるほどの劇的な変化だが、完全に病気とも言い切れないその微妙な境界線。その極端な変貌ぶりを、どこまでも客観的に、滑稽なものとして淡々と描き出していく。
この純のスイッチングに巻き込まれる悪徳業者の鉄平もまた、別の歪さを抱えた存在だ。子供の頃からいつも一人で、正しいことを何一つ教えられてこなかっ