染井為人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレついこの間と思っていたが、作中の「クラスター」「三密」などの当時を象徴する言葉に懐かしさを感じた。
コロナ禍での孤独や不安というあの時代に誰もが味あった共通言語が根底にあり、自分自身には無縁のはずの不正ビジネス、非行、詐欺などだが、より共感を呼び、物語に引き込まれた。
未婚のキャリアウーマンも挫折しかかっている優等生も業績不振の経営者も負のスパイラルに陥り、転落したり崖っぷちに追い込まれる。絶望感を通り超えて笑ってしまうくらい見事に…
普通の生活がいかに簡単に崩壊するのか?とか被害者と加害者の境界線の曖昧さにゾッとする。
三者が交錯する後半からはラストまでジェットコースタームービー(ちょっとスプラッタホラー)のようで、息つく間のない展開の末に… -
Posted by ブクログ
◾️サマリー
・3.11に東北地方天乃島を襲った悲劇
・復興支援金の横領と悪人の可哀な末路
・天災による被害を忘れるな
◾️感想
震災復興に真面目に取り組む方からは、石が投げ込まれそうな本物語。
天乃島の人々が、復興支援金を横領され、いいようにこき使われたのに全く救われないことが、本書の一番辛いなぁと思うところである。
椎名姫乃という一人の女性は、東京で暮らす普通の女子大生であったが、3.11の地震により天乃島の復興支援に携わる。これが彼女の悲劇の始まり。
人生、いいことを積み上げても良い結果に結び付くとは限らない。
非常に難しいが、どんな状況でも、何が最適なのか、目の前にいる人の発言の真意を図らねばならない。
今の自分にはまだまだ道半ばである。
◾️学び
悪いことばかりではない。
その中に光もある。 貸 -
Posted by ブクログ
★4.1
復讐の連鎖が暴くのは、正義か、狂気か。
静かな町に忍び寄る影が、人間の本性を炙り出す。
半グレ集団「凶徒聯合」のメンバーが次々と命を落としていく。警察は暴力団や半グレ同士の抗争と見て捜査を進めるが、それを嘲笑うかのように続く殺害。疑心暗鬼に陥るメンバーたち、そして犯人を英雄視するSNSの住民たち。物語は、加害者、被害者、警察の三者の視点から進行し、それぞれの立場や感情が交錯する。
単なる復讐劇ではない。復讐というテーマの中に潜む、赦しや償いの難しさが巧妙に描かれており、暴力と破壊を超えた心の葛藤に引き込まれる。
登場人物たちの行動はどこから来るのか、何を求めているのか。その源泉を丁寧に描き出している。
ふと、昔誰かに冗談めかして言ったことを思い出した。
「俺が誰かに殺されても、ちゃんと法律に頼るんだよ。でもたとえば誰かに君が殺されたら、刺し違えてでも自分の手で終わらせる」と。
復讐の先に待つのは、赦しか、破滅か。 -
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521ページ。読み応えあり。一気読み必至なのは染井為人さんだから、当たり前。
震災の被災地の状況が、
かなり細かく描写されており、
想像をこえた現状を知ることができた。
それは、震災の現実が過酷すぎて
染井さん自身も
「途中で筆を折ってしまった」ほど。
時間軸と
語り手が
あっちこっちと
変わっていくので、
悲惨さに自分が取り込まれすぎず
最後まで社会派ミステリーとして
読むことができた。
海で発見された金塊。
小さな島の復興支援と言う名の
横領事件。
遠田にマインドコントロールされてしまった島民たち。
必死に真実を暴こうとする記者。
純粋ゆえに
翻弄されるヒメ。
島民それぞれの
関係性。
ふりかかった震災の爪痕。
ラストに向かい
グイグイと引き込まれてしまった。
染井さんの震災への
想いが伝わるミステリーだった。 -
Posted by ブクログ
3.11の震災後、『こういう人たちは一定数いたんだろうな』
と思える設定の人物がこの島に凝縮されて話しは進む。
何もかも失い復興中も失い続けた小さな島で、
失っていた人間性を取り戻した青年がいる事が、
本人の罪や謝罪の意識も含めてひと筋の光なのか。
当時も今も東京に住んでいる自分は
震災で失った知人もなく、
当日の交通機関の麻痺くらいしか実害がなかったので、
その分軽々しく震災の何ごとも口にしてはいけないと思っていたしそうしてきた。
なので正直この小説は読んでてキツかった。
でも作者が最後に言っているように、
震災の何もかもを忘れない事が鎮魂であり慰霊なんだなと。
現在の能登が、被災した1年前と
ほぼ変わらない状況であることに
絶望と怒りを感じてます。
311より確実に遅い。