染井為人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
至極普通の生活を送っていたはずの人生がコロナ禍によって、思わぬ転落人生に陥っていく。
マッチングアプリで出逢った外国人男性に暗号資産が絡んだロマンス詐欺に合うキャリアウーマン。
老朽化したラブホテル経営者男性が、持続化給付金を貰えず、自暴自棄になり、ついつい持続化給付金詐欺に手を染める。
中学では優等生だったが、高校ではそれが通用せず、悪友に誘われて、あれよあれよと揉め事に巻き込まれ、資材泥棒などヤクザ関係の犯罪に加担していき、殺人事件にまで発展する。
この決して交わらないであろう3人が、思わぬところで、同じ場所で事故に遭う。
3人が交わるのには現実的に無理があるが、このご時世ならではの、コロ -
Posted by ブクログ
★3.4
そのスポットライトは、誰のために灯るのか。
夢の舞台であると同時に、人の欲望をむき出しにする残酷な場所、芸能界。
と、書いたものの、そこまで特別なものでもないよな、とも思う。
昭和の煌びやかさは知らないが、現代は裾野が広過ぎる。
という現実もさておき、
芸能界という場所は、夢と欲望とさみしさの、さざ波みたいに揺れる光でできている。
染井為人は、エンタメ性のあるストーリーを通して人間の暗部をえぐり出すのが非常に巧い。
人の弱さと滑稽さに嫌悪して、どこか共感して。
人の業を、あくまでリアルに描き切るドライさがある。そんな苦い後味が魅力だろう。
この本には、芸能という”職業”の裏の -
Posted by ブクログ
染井さん4作目なので何かやってくるだろうと構えてましたが、良い意味で裏切られた感でした。
震災の被災者と、支えるボランティア、復興ビジネスという難しいネタでミステリーを展開する。敢えて不快なストーリー仕立てにする。
それらは全てラストのためにあるんだろうなと思います。もっというと、あとがきが真のラストなのかも。
当時TVで見て、大きな被害にも遭わず、ボランティアに行くわけでもなく、募金という偽善をはたらいたくらいの私には、染井さんが生の実態を取材してくれたというニュースな内容で学びにもつながりました。
受け取り手によっては印象がかなり変わってくる作品ではないでしょうか。 -
Posted by ブクログ
黒い噂で業界から見放され、長年在籍したプロダクションを退所しようとしている俳優。人気女優を10年かけて育て上げ、今度はピン芸人と新人アイドルグループを担当する辣腕マネージャー。新しいファンを獲得しようと、Instagramにハマったベテラン女優。容姿端麗な若い男たちをキャストにミュージカルを運営する女性プロデューサー。容姿を弄るネタで30年笑いをとってきた漫才コンビ。誹謗中傷や家族の問題に悩まされているアイドル俳優。震災の町で芸能界の仕事をする娘を苦々しく思う父親。元芸能マネージャーの経験を活かした著者が、きらびやかな世界の光と影を描く、七つのエンターティンメント!
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