染井為人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本一の歓楽街『歌舞伎町』。昭和終わり頃の大学入学時、「六大学野球の後はコマ劇場横の池に飛び込むのだ」と聞いた(教えられた?飛び込んだことないけど)。大学1,2年の頃の飲み会は歌舞伎町が多かった気がする。そして3年以降は徐々に高田馬場からの移動が面倒くさくなり、歌舞伎町からは足が遠のいた(馬場でそのまま飲んでしまう展開)。東京から離れた僕にとって、ゴジラヘッドのある今の歌舞伎町はもう知らない街だ。
などと自分勝手なノスタルジーに軽く浸りながら読んだ。
第一部はまあ在りがちな歌舞伎町物語?な感じ。しかし、第二部の疾走感あふれたエンタメに一気に引き込まれた。第二部は細かく語らずグイグイくるとこ -
Posted by ブクログ
★3.4
そのスポットライトは、誰のために灯るのか。
夢の舞台であると同時に、人の欲望をむき出しにする残酷な場所、芸能界。
と、書いたものの、そこまで特別なものでもないよな、とも思う。
昭和の煌びやかさは知らないが、現代は裾野が広過ぎる。
という現実もさておき、
芸能界という場所は、夢と欲望とさみしさの、さざ波みたいに揺れる光でできている。
染井為人は、エンタメ性のあるストーリーを通して人間の暗部をえぐり出すのが非常に巧い。
人の弱さと滑稽さに嫌悪して、どこか共感して。
人の業を、あくまでリアルに描き切るドライさがある。そんな苦い後味が魅力だろう。
この本には、芸能という”職業”の裏の -
Posted by ブクログ
染井さん4作目なので何かやってくるだろうと構えてましたが、良い意味で裏切られた感でした。
震災の被災者と、支えるボランティア、復興ビジネスという難しいネタでミステリーを展開する。敢えて不快なストーリー仕立てにする。
それらは全てラストのためにあるんだろうなと思います。もっというと、あとがきが真のラストなのかも。
当時TVで見て、大きな被害にも遭わず、ボランティアに行くわけでもなく、募金という偽善をはたらいたくらいの私には、染井さんが生の実態を取材してくれたというニュースな内容で学びにもつながりました。
受け取り手によっては印象がかなり変わってくる作品ではないでしょうか。