染井為人のレビュー一覧

  • 悪い夏

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    本作の内容を、何だかなぁ〜、違う世界だなぁ
    と思える時点で幸せなのかもしれない
    現実にはどこかで起こってるかもしれないな
    作者によるあとがきが良かった
    モヤモヤする読後感が、なるほどね、に変わる

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    2025年12月11日
  • 悪い夏

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    ネタバレ

    全体的に面白かったけど、最後に、あ〜そうくるよな〜という感じで少しガッカリした。
    守の気持ちはわかるし、一生懸命な人のほうが報われないことが多いよね、と思ってしまったぶん、救いが欲しかったな。

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    2025年12月11日
  • 正体

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    ネタバレ

    鏑木慶一は、一家三人を殺害した罪で死刑判決を受けた。
    彼は、勾留中の拘置所から脱走した。名を変え、肩書きを変え、逃亡を続ける鏑木。逃亡中に出会った人々の視点から、彼の目的に迫っていく。

    非常に読みやすい。
    600頁を超える肉厚な作品であるにも関わらず、3日で読破した。土木作業員、ライター、元弁護士、パン工場のパート主婦、介護士…章ごとに様々な立場の主人公が据えられているのだが、どの章も完成度が高くてするっと読めてしまう。ふと気がつくと100頁くらい読んでしまっているし、無意識の内に一時間経っているような感じ。もりもり読める本。

    オチがなぁ…。
    鏑木慶一が死んでからの無罪判決って何か意味があ

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    2025年12月09日
  • 正体

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    物語の大半は脱獄囚の逃亡生活を描いているだけではあるのだけど、それがリアリティがあって面白かった。
    文章も上手で読みやすい

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    2025年12月08日
  • 正体

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    死刑囚の逃走劇と、その間に出会った人々との人間関係を描いた作品です。

    ラストは賛否両論ありますが、個人的にはこれでいいと思っています。
    現実はもっと残酷なこともあるので。
    ただ、否定したくなる人が多々いるのも理解できます。
    作品の中の青年が好青年すぎて、彼に恋した2人の女性の気持ちがわかってしまうくらいだから。

    600ページ近くあって読む前は気合を入れないと読めませんでしたが、読み始めたらサクサクと読み進めることができました。

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    2025年12月08日
  • 正体

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    ネタバレ

    ハッピーエンドは望まないこと
    世の中がいかに理不尽で不条理であるかを思い知らさせた。一方で、矛盾を孕むが、人こそが、人を助くということが感じられる、もしかすると、心温まる物語なのかと、不思議な気持ちになる。いかにせよ、素敵な作品。

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    2025年12月06日
  • ひきこもり家族

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    引きこもりの子どもを抱えた家族。焦ってはいけないと思いつつもいつ終わるともしれない先の見えない不安に絶望的になり、藁にもすがる思いでこんな悪徳ブラック支援企業を信用してしまう。以前読んだ「日没」を思い出した。
    収容されていた5人のひきこもり家族が社会復帰の一歩を踏み出せたのはよかったが、罪は罪だからね。
    それでも明るいエンディングにホッ。暴力や脅しでは何も解決しない。

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    2025年12月05日
  • 滅茶苦茶

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    ネタバレ

    ついこの間と思っていたが、作中の「クラスター」「三密」などの当時を象徴する言葉に懐かしさを感じた。
    コロナ禍での孤独や不安というあの時代に誰もが味あった共通言語が根底にあり、自分自身には無縁のはずの不正ビジネス、非行、詐欺などだが、より共感を呼び、物語に引き込まれた。
    未婚のキャリアウーマンも挫折しかかっている優等生も業績不振の経営者も負のスパイラルに陥り、転落したり崖っぷちに追い込まれる。絶望感を通り超えて笑ってしまうくらい見事に…
    普通の生活がいかに簡単に崩壊するのか?とか被害者と加害者の境界線の曖昧さにゾッとする。
    三者が交錯する後半からはラストまでジェットコースタームービー(ちょっとス

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    2025年12月05日
  • 鎮魂

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    警察はどんなに悪い奴でも守らないといけない。理不尽を感じながら復讐する者を許さない。石神はどうしてあんなに非道な人間になったのか?不思議だ。子供の時に誰一人として本気で関わる人がいなかったのか?病気だったのか?それでも病気を治すことを誰かが取り組んだら。
    誰も幸せでない話。
    でも考えさせられる話。

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    2025年12月04日
  • みずいらず

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    8組の夫婦の話が繋がれていく。どれもHAPPYENDで心が温まる感じで良かった!
    最後の独身貴族の作家はなんとなく中途半端な気もする。
    ひょっとしてノンフィクションなのか?

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    2025年12月03日
  • 黒い糸

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    今作も、様々な社会問題をベースに敷きながら、遺伝を中心に話を展開し、先の読めないミステリーを展開しつつ、最後にはエンターテイメントに着地させるという、染井為人らしさ満載の作品だった。つまり、話は重く、嫌な人も結構登場するものの、スルスル読めていく。怪しい登場人物だらけで先が気になる先のぶっ飛んだ展開は、出た出た!と笑っちゃうくらい、最後にはすっきり……はしてなかった。とても面白く、楽しい話でした。

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    2025年12月01日
  • みずいらず

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    夫婦関係に関する珠玉の連作短編集。私にとって、「薄情者」が身に沁みた。
    この作者は今までの作品とは打って変わって、人間の心の持ちようを余すことなく描き、ほろりとさせる。40代以上の方に是非読んでいただきたい。

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    2025年11月27日
  • 滅茶苦茶

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    こんな風になんだかわからないうちに事件に巻き込まれることがあるのかと思うと恐ろしい。
    極端だと思うけどあり得る話でもあり、自分の身に置き換えてリアルに感じました。

    ちょっとした心の隙間にスッと入り込む何か。
    魔が刺す時には自分の中でアラート音が鳴っているはず。
    そんな弱っている時の自分が指標とする何かが必要なのかも。
    そんなことを考えるきっかけにもなりました。

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    2025年11月26日
  • 歌舞伎町ララバイ

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    東横キッズのことはうっすらとしか聞いたことない。田舎に住んでると本当なのかな?と思うようなことばかり。なのでこの物語にあるようなことも実際あるんじゃないか?と思わせる。薬物で死んでしまったり、悪い大人に騙されたりとか。さすがに都知事や首相が絡んだりはないとは信じたい。15才で歌舞伎町に流れ着いた七瀬。友人の死、ヤクザとの関係、大人の事情でひどい目に遭う。颯太の存在に助けられた。そして数年後、七瀬の復讐は始まった。そこからは気持ちよく爽快感がある。新藤冬樹的なイメージだけどそれよりは弱いエンタメかな。

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    2025年11月22日
  • ひきこもり家族

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    読みやすく、ぐいぐい惹き込まれて、一気に読んでしまいました。特に後半はハラハラドキドキでした。
    ひきこもる当人側の気持ち、親の思い、社会の反応、などあらゆる方向からの視点が盛り込まれていました。
    ちょっとしたことがきっかけで外に出られなくなってしまう、ということに、なんとなく共感できました。

    参考図書の「中高年ひきこもり」というワードがとてもインパクトありました。親の介護が必要になった時はどうなるのか、気になります。参考図書も読んでみたくなりました。

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    2025年11月22日
  • みずいらず

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    良い意味で染井先生らしくない作品。
    既婚者の自分にはだいぶ刺さる内容。色々と考え直すきっかけにもなる。独身の人にも読んでほしい。
    最後の話は遊び心も感じつつ、それまでの話を踏まえての内容としても良かったと思う。

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    2025年11月21日
  • 悪い夏

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    読み終わって最初に感じたのは、「なんだこれ…」という戸惑いだった。生活保護やシングルマザーを扱う物語であれば、制度の矛盾や現場の葛藤を掘り下げる社会派小説を期待する。しかし本作『悪い夏』は、まさに本作の謳い文句の通り「クズとワル」ばかりが跋扈するブラックコメディの様相を呈していた。

    最初は“まともな人間”だと思って読み進めていた主人公・佐々木は、ひょんなことから破滅に向けて転がり落ちる。まさに闇堕ち。そして彼の周囲にいるのも、生活保護の不正受給者、子供を愛せないシングルマザー、地方に飛ばされたヤクザ、不正を働く同僚、不倫相手に恨みを抱く先輩など、一筋縄ではいかない人物ばかりである。共感できる

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    2025年11月21日
  • 震える天秤

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    申し訳ないが、結論からいうと、「ノベル向けの展開」に終始していた。
    確かに、キーワード∼高齢者運転、危険運転、過疎化した限界集落・・6年前の執筆だからその後を考えると、十分に社会問題化している。

    しかし、狂言回しを雑誌記者に据えて、彼が芋づるを引く都度にどんどん、視えなかった事実が引っ張り出されるのは、どうもなぁ。
    社会は忙しい、こういった記者にまともに対応するとは思えないし、そうでなくとも雑誌は「マスゴミ」でも最たるものではないか?発刊数の激減を見ても。

    その記者たる彼と司法のプロである妻との会話はクスッと笑わせるし、チャラけそうな筋に正論を投入してくれるけど。
    私服とはいえ警官が立って

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    2025年11月18日
  • みずいらず

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    長く続く夫婦生活の中で、信頼からなのか慣れからなのか、相手に甘えてしまうことは多々あります。
    そうしている内に、自分の本心を相手に伝えることも、相手の気持ちを慮ろうとすることも、つい蔑ろにしがちだと思い当たる節が…
    お互いに一歩ずつ歩み寄れたら、最初のように、むしろそれ以上にいい関係性が築けると思い出させてくれる作品でした。

    夫婦ですれ違ったり、喧嘩してしまった時にまた読みたいです。

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    2025年11月17日
  • 正義の申し子

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    ジョンの視点、鉄平の視点、萌花の視点から繰り広げられるストーリーがひとつになった時、何が起こるのか。
    テンポよく最後まで読み進める事ができる内容でした。
    最初の方に鉄平を売ったクズ『MJ』がまさか最後にまた登場するとは、、

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    2025年11月10日