染井為人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレこういった小説では、最後の「取り返しのつかない事」が起こる前に犯人が逮捕され、周りの誰かに心に響くセリフを言われ、泣きながら果たさずに終わるという展開があるあるだと思います。
しかしながらこのお話しは、事件自体は考えうる最悪の形で幕を下ろしていますよね。
社会的にはこれは圧倒的に良くないことで、警察は無能だとたたかれるでしょう。
しかしながら、この展開で終着したことで、『鎮魂』という物語自体も完了したのだと考えています。
偉そうなことを述べましたが、天野=英介であることに全く気づかず、「天野英介」の文字列が出てきた瞬間には目玉が飛び出しました。 -
Posted by ブクログ
染井さんの本、山から取り出してと〜
半グレって怖いな。
別に貧困とかもなく、普通に育てられてるヤツが暴力とかヤバい事ばかりやる。
暴力団やないから、暴力団に対する法律も使えんし。
魂を鎮めるためか…
確かに、何もやってない弟、半殺しにされたらなるか…
もう復讐の鬼というか、修羅に堕ちてるからか、弟をやった半グレに憎しみながら、殺すって感じやなく、淡々と殺すのが逆に怖い。
もう儀式になってるんかな。鎮魂の。
怖いけど、あかん事やけど、やはり半グレが1人ずつやられていくのは、スキッとはする。
最後ら辺に、色んな事実が明らかになるんやけど、頭の中は鎮魂だけ…
唯一、許した半グレの一員もおるけど -
Posted by ブクログ
2011年3月11日の東日本大震災を舞台に、生き残った人々と彼らを助けにきた「復興のカリスマ」との10年を何人かの目でつづる。
大震災の日に島で生まれた千田来未、新聞記者の菊池一朗、災害ボランティアの椎名姫乃、来未を出産で取り上げた堤佳代、時系列が行ったり来たりしながら復興支援金横領事件を物語る。
私たちも報道で目撃した凄まじい自然災害の中、この物語のような事件は大なり小なりあったのだろう。
そして本当の悪人以外にも、生き残るために良心を捨てた人もいたのではないか?
そういう人たちを私は糾弾出来るのか?
そんな時に良心を持ち続けるためにはどうしたらよいよかあ?
色々考えさせられました。
残念な -
Posted by ブクログ
4.5/5.0
「復讐」と「正義」は相入れるのか。
絶対悪として描かれる「凶徒聯合」。この組織に弟の人生を壊された兄、英介が次々と組織の人間を殺害していく。
英介はこの連続殺人を弟の魂を鎮める為の行為だとして、それが人を殺す行為であってもその信念は一切揺らがない。
そして凶徒聯合のメンバーが殺されていくことに対して世間からは賛美の声が挙がるようになり、犯人である英介を神格化するような声を聞かれるようになる。
そしてこの連続殺人に誰よりも賛成の意を示すのが、聡之。個人的に一番気になったのがこの聡之だった。彼は人一倍正義感が強い。嘘を許で
ず、正義を信じて生きてきた自分が憂き目に遭い続け、悪 -
Posted by ブクログ
ネタバレカラオケであっさりマスクを取られてしまった場面や、海でのやり取りなど純と鉄平の掛け合いがどれも面白くて最高だった。
先に同じ著者の「悪い夏」を読んでいたので、もっと重い展開になるかと警戒しながら読み進めていた。なので、後半のお決まりの展開もハラハラして存分に楽しんだ。
あと、出所した栗山鉄平を、純が仮面を被って待ち2人のこれからの友情を予感させる終わりだったのもよかった。鉄平は萌花がくっつかなかったのも個人的にはすごく納得。
あとがきに書かれていたジョンのモデルのユーチューバーが気になるな〜仮面ならラファエルだけど、芸風が違う気もする。
染井為人さんの本はまだ2冊目だけど、展開が早く -
Posted by ブクログ
『わだつみ』とは日本神話の海の神のこと。
そんなタイトルのこの小説は、東日本大震災後に実際にあった『NPO団体による復興資金横領事件』をモチーフとしているフィクション。
岩手県の架空の島・天ノ島が舞台になり、震災後の動乱につけこみ復興支援に現れた遠田と名乗る男が島民の心に入り込み、信頼を得、権力を手にして大金を動かすようになっていくさまが実に衝撃的でリアルだった。
またボランティアとして現地に滞在した女子大生の行動や体験を通じ、読者も被災地の惨憺たる有様や、被災者の感情などを追体験するが、やはり実際はもっともっと言葉には表せないものがあるはずだ。
1995年の阪神大震災、2011年の東日 -
匿名
購入済みフィクションですが、同じような被害にあった人達が実際にはいるんだろうなと感じました。それほどリアルで怖かったです。暴力をかっこいいと錯覚してる人達。怖いもの知らず。それに巻き込まれる一般人はたまったもんじゃない!関係ない人達を巻き込むのだけはやめてほしい。辛くて悲しい物語でした。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ自己肯定感の低さを人助けによって補おうとするメサイアコンプレックス。支援者側が救世主的・英雄的にふるまうことで、被支援者側は相対的に立ち位置が下がり支援側に盲信的にすがってしまうことを言うらしい。この連鎖で絶対的な立場の差が出来上がり、ついには支配するもの・されるものの関係に陥ってしまう。遠田と天ノ島の島民との関係はまさにこれに当てはまるだろう。遠田の横領は、島民から向けられる信頼と期待に虚栄心・承認欲求・ヒロイズム志向が満たされた結果、これだけ島民のために尽力しているんだから少しぐらいいい目を味わってもばちは当たらない、ぐらいの気持ちからエスカレートしていったものではないだろうか。
また、