染井為人のレビュー一覧
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4.5/5.0
「復讐」と「正義」は相入れるのか。
絶対悪として描かれる「凶徒聯合」。この組織に弟の人生を壊された兄、英介が次々と組織の人間を殺害していく。
英介はこの連続殺人を弟の魂を鎮める為の行為だとして、それが人を殺す行為であってもその信念は一切揺らがない。
そして凶徒聯合のメンバーが殺されていくことに対して世間からは賛美の声が挙がるようになり、犯人である英介を神格化するような声を聞かれるようになる。
そしてこの連続殺人に誰よりも賛成の意を示すのが、聡之。個人的に一番気になったのがこの聡之だった。彼は人一倍正義感が強い。嘘を許で
ず、正義を信じて生きてきた自分が憂き目に遭い続け、悪 -
Posted by ブクログ
ネタバレカラオケであっさりマスクを取られてしまった場面や、海でのやり取りなど純と鉄平の掛け合いがどれも面白くて最高だった。
先に同じ著者の「悪い夏」を読んでいたので、もっと重い展開になるかと警戒しながら読み進めていた。なので、後半のお決まりの展開もハラハラして存分に楽しんだ。
あと、出所した栗山鉄平を、純が仮面を被って待ち2人のこれからの友情を予感させる終わりだったのもよかった。鉄平は萌花がくっつかなかったのも個人的にはすごく納得。
あとがきに書かれていたジョンのモデルのユーチューバーが気になるな〜仮面ならラファエルだけど、芸風が違う気もする。
染井為人さんの本はまだ2冊目だけど、展開が早く -
Posted by ブクログ
半グレとは、半分グレていて、指定暴力団には属さない新興の犯罪グループのこと。暴走族OBや地元の不良仲間などが主な構成員で、警察は「準暴力団」として取り締まりを強化しているとのことだ。また巷で話題になっているルフィを中心とした闇バイトも半グレの集団であるとの噂もある。
本小説は、反グレ集団の理不尽な暴力(ターゲットに間違われた)を受け、半身付随となり自殺してしまった弟のため、反グレ集団の壊滅を目指し復讐していく兄の話だ。
いろいろ調べてみると、実際に半グレ団体のターゲットに間違われて集団で暴力を受け人が死んでいる事件(六本木クラブ襲撃事件)があったり、カリスマ性を持ち半グレ団体を率いて行方を -
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『わだつみ』とは日本神話の海の神のこと。
そんなタイトルのこの小説は、東日本大震災後に実際にあった『NPO団体による復興資金横領事件』をモチーフとしているフィクション。
岩手県の架空の島・天ノ島が舞台になり、震災後の動乱につけこみ復興支援に現れた遠田と名乗る男が島民の心に入り込み、信頼を得、権力を手にして大金を動かすようになっていくさまが実に衝撃的でリアルだった。
またボランティアとして現地に滞在した女子大生の行動や体験を通じ、読者も被災地の惨憺たる有様や、被災者の感情などを追体験するが、やはり実際はもっともっと言葉には表せないものがあるはずだ。
1995年の阪神大震災、2011年の東日 -
匿名
購入済みフィクションですが、同じような被害にあった人達が実際にはいるんだろうなと感じました。それほどリアルで怖かったです。暴力をかっこいいと錯覚してる人達。怖いもの知らず。それに巻き込まれる一般人はたまったもんじゃない!関係ない人達を巻き込むのだけはやめてほしい。辛くて悲しい物語でした。
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ネタバレ自己肯定感の低さを人助けによって補おうとするメサイアコンプレックス。支援者側が救世主的・英雄的にふるまうことで、被支援者側は相対的に立ち位置が下がり支援側に盲信的にすがってしまうことを言うらしい。この連鎖で絶対的な立場の差が出来上がり、ついには支配するもの・されるものの関係に陥ってしまう。遠田と天ノ島の島民との関係はまさにこれに当てはまるだろう。遠田の横領は、島民から向けられる信頼と期待に虚栄心・承認欲求・ヒロイズム志向が満たされた結果、これだけ島民のために尽力しているんだから少しぐらいいい目を味わってもばちは当たらない、ぐらいの気持ちからエスカレートしていったものではないだろうか。
また、 -
Posted by ブクログ
オーディブルで聴きました。
聴き始めて、あれ、こんな話あったような。。と思い出しました。ググってみると、NPO法人大雪りばぁねっと事件。忘れてました。
どこまでこの事件をモデルにしているのかはわからないが、遠田の風貌はりばぁねっとの岡田元代表ぽい。これに限らず被災者につけ込んだ犯罪が後をたたないことから作者はこの小説を書いたのだという。
いやはや、面白かった。
一気に駆け抜けました。
人がこれ以上ない悲惨な状態の中で、涙も枯れて、打ちひしがれ、混乱している中、強そうな手を差し伸べられたら、その手にすがってしまうだろうな。初めの、この人が助けてくれる!という印象が強いほど、後からあれ?おか