あらすじ
世間を騒がせている半グレ集団「凶徒聯合」のメンバーが殺された。警察は暴力団や半グレ同士の抗争と見て捜査をはじめるが、それを嘲笑うかのように次々にメンバーが殺害されていく。疑心暗鬼になっていくメンバーたち。そして、犯人を持ち上げるSNSの住民たち。犯人の正体はいったい……。大ベストセラーになった『悪い夏』やドラマ化、映画化などで注目を集める『正体』の著者が「都会の闇」に斬り込む傑作社会派サスペンス。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
滅茶苦茶、悪い夏の後に。すごくちゃんと組み立てられていて、読者のもやもやも解いてくれるし上手く誘導されている。そして、純粋にエンターテイメント性が高い上に、はんぐれの人たちこんななんだろうなーとすごく解像度が高く、社会問題に対しての考えが一段深くなる。
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世間を騒がせている半グレ集団「凶徒聯合」のメンバーが次々と殺害されていく。
警察が組織間の抗争と見て捜査を進める中、それを嘲笑うかのように仲間たちが疑心暗鬼に陥っていく様子から最後まで目が離せない。
従来のヤクザ組織とは違い、SNSや個別の利害関係による「横の繋がり」で成り立っている半グレ集団。その「正体がハッキリしない」不気味さや、統率がないからこそ一度狂った歯車が止められない恐怖が実にリアルだ。
「奴らを潰すなんて本当にできるのか」というもどかしさの中、追いつめられていくメンバーたちが、外では冷酷な連中でありながら、家に戻れば「家庭人としての素顔」を覗かせるのが何とも残酷で胸を締め付ける。人を傷つけておいて自分は安寧な家庭生活を送ろうなんて虫が良すぎる。そう頭では分かっていながらも、崩壊していく彼らの姿には複雑な人間ドラマの深みがある。
また、本作は現代のネット社会の歪みをも鋭くえぐり出す。悪の世界に足を踏み入れるのも、YouTubeで視聴者を増やしたい、イイねを欲しがるといった、承認欲求なのだと思い知らされ、背筋が凍る。
さらに胸に突き刺さるのは、警察の描写だ。全般的にどんな事件でも犯人を捕まえることばかりに重点を置き、かつての被害者たちの方を向いていない組織の疲弊と限界が見えてくる。
「復讐は鎮魂の儀式か」その問いの果てに待っていた結末を静かに読み終えたとき、悪の根は結局断ち切れないのではないかという絶望感とともに、「鎮魂」というタイトルがどこまでも空しく響き渡る。
読後も重厚な余韻がいつまでも消えない、今の時代を切り取った傑作サスペンスだろう。
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染井為人さんの作品の中で1番好き
犯人がわかった時は凄く怖くなった
物語的には不思議ではないのになぜ気づけなかったのだろう、と思った
物語を多角的に書いているけど混乱することなくスラスラと読めて、続きが気になるという気持ちが止まらなかった
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染井為人さんの『鎮魂』を読んで、「舐められたくない」という歪んだプライドが、いかに大切なものを壊してしまうかを痛感しました。凶徒聯合の男たちが家庭や平穏を失っていく姿は、あまりに皮肉で虚しいものでした。死や破滅を前にしたとき、彼らが必死に守ろうとした虚勢や面目は、結局何の役にも立たなかった。
小さい頃、父にお風呂で「邪魔なプライドは捨てた方がいい」と言われたことを思い出します。大人になり、社会に出てからも、意地を張ったせいで人間関係がうまくいかないことは多々あります。もし彼らが一瞬でも自尊心を捨てて人の痛みが分かり大切な人を優先できていたら……。凄惨なエピソードの数々に、守るべきものの本当の優先順位を突きつけられた気がします。
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面白かった。染井さんの本は目を背けたくなる残酷な現実を描いているけれど、読み出すと一気読みしてしまう。読んでる最中とにかく胸のざわつきが止まらない。半グレたちの悪行の生々しいリアリティが怖かった。
暴力団と違って法をすり抜ける半グレの実態や、あんなにひどい罪を犯しても刑期が驚くほど短いという事実には、正直、言葉を失った。
被害者や家族の時間は奪われたまま。その行き場のない無念や怒りは、一体どこへぶつければいいのか。
正義が報われない社会は本当にその通りだと思う。
染井さんの本は恐ろしいけれど、いつも世の中の歪んだ裏側を知る学びがある。
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因果応報ってあるんだなと思いました。
やった方は忘れてもやられた方は必ず忘れていません。
仮に復讐しても誰も救われる事がない虚しさが感じ取れて考えさせられる作品だなと思いました。
犯人の一人称が苗字だったり名前とかで表現を代えるって他の作品にもあったと思いますが、面白くていいですよね。
ちなみに最初途中まで部下の刑事さんが犯人かなと思っちゃいました(笑)
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著者の作品は「正体」だけ読んでいたが、こちらの方が好み。こういうハードボイルド系は他の作品との差別化が難しいのではないかな、とそこまで期待していなかったが、中盤くらいから完全に引き込まれて一気読み。
ハードボイルドあり、ミステリーあり、社会派要素あり、切実な人間ドラマあり…と色んな要素がてんこ盛りなのに、そのバランスが絶妙すぎて脱帽。久しぶりに好きな小説家が増えた!と思えるような作品だった。
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とても面白かった。シンプルな復讐劇ではなくて
先が読みづらい工夫がしてあり読み応えがありました。各人物の描写がうまいんですかね。悪人にも感情移入しながら読み進めてよかったです。また染井さんの別の作品も読みたいです。
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犯罪や戦争はこうして起こるのか、と改めて気付かされた。
正しいものが損をして、悪いものが得する。それを作り出しているのもすべて人間の心である。
最後の作者のあとがきこそ、この話の本質だと思った。
この作者は毎回、裏社会についてを捉えているが、それが生まれる根源をこの作品が作り上げているような気がした。
Posted by ブクログ
この作者の本は何冊か読みました
この作品はハードボイルドサスペンスと言うのですかね?!
犯人はわからなかったけど、わかった時は、えーと思う暇もない程
それ所じゃない!やる事いっぱい、
スピード感満点
これはまずい!私も車で高速道路を全力で運転している気持ちになりながら
どうなるか気になって夢中で読んだ。
面白かった。
Posted by ブクログ
正体や悪い夏は映像作品で観ていて、作者の名前は認識しているくらい
その後普段は読まない文芸誌で惹かれた文章の作者を見ると、正体のひとか!と興奮
これはせっかくだし何か読もうと選んだのがこれ
面白い本って最終章にはいると早く読み進めたい気持ちと、まだこの世界から出たくない気持ちとがせめぎ合って、何回も本を閉じて終わらないようにしてしまう
Posted by ブクログ
色んな人の人生が詰まっていて、それぞれの立場から感情移入してしまいました。
徹夜本だと思います。読みやすくて普通の生活をしている私ですが半グレの世界を覗かせてもらった感じになりました。
染井さんの本、今の所ハズレ無しで全部面白いです。
Posted by ブクログ
素直に読んで作者のミスリードに気持ちよく騙されました!なんなら、犯人わかったしぃ!くらいにドヤりながら読んでたら、そっちー!てなりました。
三連休だったのでイッキ読み。
映像化は難しいだろな。小説ならではの犯人わからなくする感じ。
Posted by ブクログ
想像以上にハードボイルドかつミステリな一冊でした。様々な伏線もしっかり回収されて非常に面白かったです。ラストに改めて鎮魂というタイトルが繋がるのもよかった。
Posted by ブクログ
こういった小説では、最後の「取り返しのつかない事」が起こる前に犯人が逮捕され、周りの誰かに心に響くセリフを言われ、泣きながら果たさずに終わるという展開があるあるだと思います。
しかしながらこのお話しは、事件自体は考えうる最悪の形で幕を下ろしていますよね。
社会的にはこれは圧倒的に良くないことで、警察は無能だとたたかれるでしょう。
しかしながら、この展開で終着したことで、『鎮魂』という物語自体も完了したのだと考えています。
偉そうなことを述べましたが、天野=英介であることに全く気づかず、「天野英介」の文字列が出てきた瞬間には目玉が飛び出しました。
匿名
フィクションですが、同じような被害にあった人達が実際にはいるんだろうなと感じました。それほどリアルで怖かったです。暴力をかっこいいと錯覚してる人達。怖いもの知らず。それに巻き込まれる一般人はたまったもんじゃない!関係ない人達を巻き込むのだけはやめてほしい。辛くて悲しい物語でした。
Posted by ブクログ
私刑は許されていない。だけど大事な家族が人違いで重傷を負ったら?そして重い障害を負ったら、復讐を考えないでいられるのか。社会派染井先生の疾走感溢れる鎮魂の物語。
暴力、復讐、半グレとテーマは重苦しいですが、さすがの文体でさくさく読めます。いくつかの仕掛けもあり、ミステリ要素も面白い。
葉真中顕先生や薬丸岳先生を好む方におすすめ。
Posted by ブクログ
ひきこまれて、あっという間に読み終わった。
犯人が誰か?という点は一応隠されているが、多くの読者が察していたのではないか。
サスペンス要素より、ストーリーが魅力だと感じた。
Posted by ブクログ
染井為人さんの本なので、裏社会の怖い感じ…と覚悟して読み始めたが、闇堕ち話でもなくて面白かった。
作戦は成功するのか、犯人は誰なのか、この人物はどう関わってくるのか、伏線と答え合わせもできて納得!
ラストスパートは英介を応援する私がいて、ドキドキとハラハラがいっぱいで一気読み!
ちょいズレの中尾聡介に−⭐︎1
Posted by ブクログ
半グレ集団「凶徒聯合」への復讐を決行した英介。英介の弟陽介は人違いで暴行を受け半身不随になってしまう。街で出会った京子と英介はデートする時は必ず陽介と3人だった。陽介はリハビリで動くようになった左手で首をナイフで刺し自殺した。
「凶徒聯合」解体する伝記を出版するにあたり、担当している編集者天野の軽薄な態度に怒り心頭の聡之。正義感爆発の聡之も親友を襲われていた。
天野と英介がリンクすることはまぁわかりやすい。
復讐の話としては面白く、生半可な正義感で半グレたちも更生するという綺麗事を駆逐する感じは良い。
Posted by ブクログ
玉石混淆の社会を思うと気が遠くなる
(あとがきより)
まさにこの通りと感じました
今もなお生まれ続ける被害者の心を思うとき
自分の中の悪魔の存在に気が付きます
Posted by ブクログ
元になった実際の事件を知ってるだけに、ストーリーにリアリティがあり犯人により共感できました。
刑事も人間で感情がありただ機械的に犯人を捕まえているのではないことが伝わってくる。
本当の悪とは何なのかを考えさせられる話でした。
Posted by ブクログ
【4.2】
犯人、キョウレン、刑事、色々な角度から話が進んでいく。半グレ集団に復讐する
犯人に少しずつ近づいていく訳ではなく、一気に物語は進む。
一人一人に人生があり、キョウレンについての気持ちなども言及されていて感情移入ができる。悪いやつではあるが遺族を思うと辛い気持ちにもなる
ただ奴らは復讐されるだけのことをしてきたのだ
野放しにしていては死んでも死にきれない
お母さんとそして弟。2人のために
主人公のエゴでしかないとは思う
恨んではいるだろうが、お母さんと弟がそれを望んでるかは分からない
それでも自分の魂を鎮めるために
Posted by ブクログ
半グレ系大好物なので基礎点高いけど、それを差し引いてもとてもよかった。勧善懲悪風なんだけど、悪にも色々な背景があって、人間描写があまりにもリアルで、なんだか登場するひと皆に感情移入してしまった。あと、何よりこの「鎮魂」ってタイトル、最初なんだろうと思ってたけど、すごくこの世界観に合っていてこれ以外に合うものはないですね。
Posted by ブクログ
終わり方があっさり感もあったけど楽しめた。
僕自身日常的に、「世の中ってルールを守ってる人が損するようにできてるよな」って思うことがよくあります。そんな思いに対する問題提起を世間にしてみたいという欲が少し芽生えている中でこの作品を読めたのは良かったです。こういった形もありますね。
ちなみに僕は英介を圧倒的に支持してしまう。
Posted by ブクログ
警察はどんなに悪い奴でも守らないといけない。理不尽を感じながら復讐する者を許さない。石神はどうしてあんなに非道な人間になったのか?不思議だ。子供の時に誰一人として本気で関わる人がいなかったのか?病気だったのか?それでも病気を治すことを誰かが取り組んだら。
誰も幸せでない話。
でも考えさせられる話。
Posted by ブクログ
不条理な暴行が原因で自殺した弟の鎮魂のための復讐
半グレ集団の主要メンバーは40代前後のはずなのに、まるで不良少年がそのまま大きくなったかのような理不尽さや獰猛さにゾッとしてしまった
プロローグの自分勝手な正義感は、ネットでの私刑のようで、これまたいい意味?で嫌〜な感じでした
Posted by ブクログ
弟が亡くなった原因である半グレ集団に復讐をし、弟の魂を鎮めようとする兄。倒叙ミステリーですが、それだけではないのが、さすが、染井先生。
悲しい話のようなのに、面白いと感じてしまう。途中途中、読む手を止めるのが躊躇われました。
Posted by ブクログ
★4.1
復讐の連鎖が暴くのは、正義か、狂気か。
静かな町に忍び寄る影が、人間の本性を炙り出す。
半グレ集団「凶徒聯合」のメンバーが次々と命を落としていく。警察は暴力団や半グレ同士の抗争と見て捜査を進めるが、それを嘲笑うかのように続く殺害。疑心暗鬼に陥るメンバーたち、そして犯人を英雄視するSNSの住民たち。物語は、加害者、被害者、警察の三者の視点から進行し、それぞれの立場や感情が交錯する。
単なる復讐劇ではない。復讐というテーマの中に潜む、赦しや償いの難しさが巧妙に描かれており、暴力と破壊を超えた心の葛藤に引き込まれる。
登場人物たちの行動はどこから来るのか、何を求めているのか。その源泉を丁寧に描き出している。
ふと、昔誰かに冗談めかして言ったことを思い出した。
「俺が誰かに殺されても、ちゃんと法律に頼るんだよ。でもたとえば誰かに君が殺されたら、刺し違えてでも自分の手で終わらせる」と。
復讐の先に待つのは、赦しか、破滅か。