染井為人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
染井為人さん著「海神」
著者の作品はこれで4作品目になる。
購入するまでタイトルの読みは「かいじん」だと思っていたが、購入時に表紙に小さく「わだつみ」と書いてあるのを見て、また読み間違えていた事に気付いた。
物語は「3.11 東日本大震災」の復興が主軸になっている作品。実際に岩手県山田町でおきた復興支援金を私用化して横領していた「NPO法人大雪りばぁねっと」の事件が思い起こされる。きっと作者はこの事件を元に本作品を描かれたに違いない。
どんなに人が死のうが苦しもうが平然と私欲を募らせる輩はこの作品の様に悲しい話だがどこにでもいる。
私欲を募らせるのは大いに結構だが、他所でそういう輩同士で取った取られたとやっとけと思う。その土俵内で相撲をとれ、その土俵に一般人を、特に被災者を巻き込むな。
ましてや復興支援金とはどういうお金なのか?知っていながら手をつけている。
人々の悲しみを乗り越えて復興に向けてと思いの詰まったお金を軽々しく私利私欲の為に懐に納めるその輩達の神経を本当に疑う。
「人道的」な側面からしてみれば同じ人間、同じ日本人として自分は認めない。
獣の類いの生き物なのだろう。ならば折に入れて見せ物にして丁度よい。一生折の中で見せ物として暮らしていけばいいだろうと思う。
そこらの石でも投げつけられながら一生を終えてほしい。
過激な発言になってしまったが凄く胸糞悪い作品だった。この作品を読んでいて「大雪りばぁねっと」の事も思い出し、余計に腹がたってきている。
そういう意味では感情移入させられる良い作品だったに違いない。
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Posted by ブクログ
いつもの裏社会染井さんとはインパクトには欠けるが、どの話も面白かった。
染井さんご本人はどうやら、最後の短編がお気に入りのようだが、私も同じかな。「娘は女優」最後のシーンなんて素敵すぎて、泣きそうになった。
どの短編もきっと氷山の一角だよな。とも思った。
芸能界にいた染井さんだから、きっとここまでリアルに描けるんだろうな、説得力がある。
あとがきもしっかりそれぞれの短編に対してコメントを残してくれている。ちゃんとモデルがいる。
この話はある俳優女優を思い起こさせるなぁ、と考えながら読めたのも面白かった。
染井さんファンとしては、この作品は物足りないかも。ただ、面白く読めたので、3で。 -
Posted by ブクログ
今まで一度も事故やトラブルが起こったことのない「平和」なマンション、『ベルドゥムール板橋』。
住人たちもみんな幸せそうに見えるけれど……。
なんてことのない日常から起こる恐ろしい出来事。
今回も、まるでミステリーの教科書に載っていそうな、よくまとまったお話でした。
主婦仲間で罪を共有するミステリーといえば、ずいぶん昔に桐野夏生さんの『OUT』を読んだことがあります。
普通の主婦たちが抑制の限界を迎えて突発的に事件を起こし、互いに協力しながら共犯関係の泥沼へと向かっていく構図は、どうしても『OUT』を思い出しました。
もちろん刺激の強さでいえば、『OUT』のほうが上。夫をバ◯バ◯にするような描写もあって、なかなかエグいです。
本作品は、どこにでもいるような女性たちが、日常の裏側で犯罪に手を染めていくハラハラ感と、そこに至るまでの心理描写がお上手でした。
ただ、これまでの作品では、物語全体の安定感に加えて、登場人物の個性の強さが印象に残るものが多かったように思います。
今回はそのあたりが少し弱く、良くも悪くも「こういうことをしそうだな」と想像できる人物が多かったかな。
そして最後も、前半から散りばめられた伏線を見ながら、
「この作家さん、無駄なことは書かないからな……」
と考えて読んでいたら、やっぱりそういうことね、と。
安定した筆致で最後まで読みやすい一方、その安定感ゆえに、今回はオチが少し見えやすかった印象です。 -
Posted by ブクログ
彼氏と遠距離恋愛中の保育士、DV夫と暮らす二児の母、旦那からの支配に屈する主婦、同じマンションに暮らす3人はそれぞれ問題を抱えていたが、あることをキッカケに繋がりが生まれ…
短いインターバルで視点が入れ替わる構成。視点切り替え直前にフック(引きになるフレーズ)を入れており、続きが気になってとめどなく読んでしまう。染井さんの作品を読むのは『正体』に続いて2作目だが、リーダビリティの高い作家さんだなーという印象。
一件普通に見える女性が結託して犯罪に手を染めて後戻りできなくなっていく展開は、桐野夏生『OUT』を思い起こさせた。『OUT』を読んだのは四半世紀前なので詳細は覚えてないが、大筋は似てるはず。
「こんなに上手くいかないよ!」とツッコミたくなる行き当たりばったりな局面が多いが、証拠隠滅を図る彼女達を不思議と応援したくなる。“あの人“の行動にはもう少し伏線が欲しかったし、“あの人“視点で着地しても良かったような。 -
Posted by ブクログ
ブランチの王様で紹介されていたので気になって読んでみました。メインの登場人物3人の視点から話が進んでいくのですが、その視点がコロコロ変わっていくので個人的にはちょっと読みにくかったです。でも、視点がコロコロ変わるのでテンポ良く話は進んでいるなぁと思います。
てっきり管理人さんがもっと関わってくるのかと思っていたのですが、3人の視点でのみ物語が進んでいくのでどれくらい関わったかがわからず…読者のご想像にお任せしますみたいな終わり方が個人的にはあまり好きではないので、ラストにモヤっとしました。(たぶん、中牟田さんの不気味さを演出したいのかな?)管理人さんの視点が最後にあったら中牟田さんの考えとか思いがわかってスッキリするのになぁと思いました。