染井為人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
521ページ。読み応えあり。一気読み必至なのは染井為人さんだから、当たり前。
震災の被災地の状況が、
かなり細かく描写されており、
想像をこえた現状を知ることができた。
それは、震災の現実が過酷すぎて
染井さん自身も
「途中で筆を折ってしまった」ほど。
時間軸と
語り手が
あっちこっちと
変わっていくので、
悲惨さに自分が取り込まれすぎず
最後まで社会派ミステリーとして
読むことができた。
海で発見された金塊。
小さな島の復興支援と言う名の
横領事件。
遠田にマインドコントロールされてしまった島民たち。
必死に真実を暴こうとする記者。
純粋ゆえに
翻弄されるヒメ。
島民それぞれの
関係性 -
Posted by ブクログ
3.11の震災後、『こういう人たちは一定数いたんだろうな』
と思える設定の人物がこの島に凝縮されて話しは進む。
何もかも失い復興中も失い続けた小さな島で、
失っていた人間性を取り戻した青年がいる事が、
本人の罪や謝罪の意識も含めてひと筋の光なのか。
当時も今も東京に住んでいる自分は
震災で失った知人もなく、
当日の交通機関の麻痺くらいしか実害がなかったので、
その分軽々しく震災の何ごとも口にしてはいけないと思っていたしそうしてきた。
なので正直この小説は読んでてキツかった。
でも作者が最後に言っているように、
震災の何もかもを忘れない事が鎮魂であり慰霊なんだなと。
現在の能登が、被災した -
Posted by ブクログ
染井為人さん著「海神」
著者の作品はこれで4作品目になる。
購入するまでタイトルの読みは「かいじん」だと思っていたが、購入時に表紙に小さく「わだつみ」と書いてあるのを見て、また読み間違えていた事に気付いた。
物語は「3.11 東日本大震災」の復興が主軸になっている作品。実際に岩手県山田町でおきた復興支援金を私用化して横領していた「NPO法人大雪りばぁねっと」の事件が思い起こされる。きっと作者はこの事件を元に本作品を描かれたに違いない。
どんなに人が死のうが苦しもうが平然と私欲を募らせる輩はこの作品の様に悲しい話だがどこにでもいる。
私欲を募らせるのは大いに結構だが、他所でそういう輩同士で取 -
Posted by ブクログ
3人を殺害した未成年死刑囚の脱獄と逃亡の物語。
600頁超えの大容量でありながらも、円を描くように短編を連鎖させて関連付ける趣向は見事で、時系列がわかりやすく、サクサク読めた。
言葉や表現も難しいとまでは行かず、万人受けする小説だと思った。
実際に起きた相似事件や現代の社会問題を随所に物語に盛り込んでいるのは作者の意図した問題提起なのではないかと感じた。
途中からなんとなく推理小説然とした過程にハラハラドキドキ感がじわじわ高まっていったけれども、、、個人的には衝撃を受けるとまではいかない結末だったかな。でも映画も観てみたいという気にはなった。