染井為人のレビュー一覧
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ネタバレ本作の最後のお話のように、染井さんはミステリーを書かれる方だと思っていたので
読み進めて、あれ?これ染井さんのお話だっけ?と表紙を見返してしまいました。
老若男女の家族のあり方。
側から見ると順風満帆に見えても、
子供ができない、夫が実子だけを大事にしているのではないか、妻が認知症なのかもしれない。妻に離婚したいと言われたなどなど。
あの家族はいいなあと思っても、その家族はその家族でなにかに悩んでいる。
家族ごとにそれぞれいろんな悩みがあるのだなと考えさせられました。
どんな人が手に取っても、ハッと何かを考えさせられる作品ではないかと思います。
全ての作品を読んだわけではないのですが、
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Posted by ブクログ
ネタバレ◎
小1の前夫のADHD息子と0歳の今夫の子供。
体験塾でも落ち着きがないから拒否され小学校も特別支援をすすめられ、夫は前夫の子だからか無関心に思えたけど自分の子だと言って泣いた。
◎
その、年子姉の夫。妊活するもダメで、病院でも射精できなくなり。可愛い妻にろくでもない自分。負い目を感じる。
◎
その、同僚。モテるので浮気しまくってたら、嫁が幼馴染と結婚するから離婚してと。プライドが高く、良いよとしか言えない。ゴルフ場で老父を見て決心して幼馴染に土下座して妻を返して。娘の仕組んだ茶番で大団円。
◎
老父。妻とは会話ない。妻は別れようとして、金をポンジに入れかける。商社マンの老父が説明会場 -
Posted by ブクログ
この小説のような一つの物語を主軸として色々な視点から描き出される話は嫌いではない。特定の主人公がいない分、読者は客観的なスタンスを崩さず俯瞰できるのでこのような重い内容でも割とスラスラ読めるようになっている。というか最後のドタバタ劇があまりにも急ピッチすぎて面白くすら感じるが、これはチャップリンの(人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見ると喜劇だ)という言葉から着想を得た作者の意図したことらしい。まあ確かにそうなのかもしれないが、最後の方は登場人物が生きているというより操られている感じが強く、衝撃よりも(何やってんだこいつら)と若干引いてしまった感は否めない。ただ、話の構成としては面白かったの
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Posted by ブクログ
最近「新宿鮫」もなかなか出てこないしちょっと新宿ネタに惹かれて読んでみた。
自分は新宿で仕事をしていた時代や、もっと遡ると学生時代に乗り換え駅だったので良く歌舞伎町で飲んだなぁ。
ここに書いてあるような「トー横キッズ」はいなかったような気がするが、今は年齢層が下がっているのか、はたまた見えないところにヤクザ屋さんが闊歩しているのか、昔以上に危険な街なのでしょうか。
「不夜城」では中国人が危なく描かれていたけど、まぁドラマになりやすい街なんでしょう。
主人公の女の子は埋められそうな状況からうまく逃げ出して数年後に復讐を成し遂げる。この小説の内容は映画にもできないような危険な話が多いので、仮想的に -
Posted by ブクログ
ネタバレ結婚相談所に勤める亜紀は、得体の知れない嫌がらせに悩まされていた。一方で、1人息子の小太郎が通う小学校ではクラスメイトの誘拐、さらには殺人未遂など不穏な事件が続いていた。
一見、無関係に見える亜紀への嫌がらせと、小太郎の担任教師・長谷川の視点を通じて見えてくる学校での事件。これらがどう繋がるのかと読み進めていたが、終盤で一切の理解しがたい理屈たでの犯行、そしてめちゃくちゃな展開で驚いた。
解説まで読んでみると、これこそが作者の狙いであったと書かれていた。散々に語られていた「遺伝」の話がこのめちゃくちゃな結末の伏線だったわけだが、「ありえない!」という読者の声を無理に正当化しているように感じてし