染井為人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
3.11の震災後、『こういう人たちは一定数いたんだろうな』
と思える設定の人物がこの島に凝縮されて話しは進む。
何もかも失い復興中も失い続けた小さな島で、
失っていた人間性を取り戻した青年がいる事が、
本人の罪や謝罪の意識も含めてひと筋の光なのか。
当時も今も東京に住んでいる自分は
震災で失った知人もなく、
当日の交通機関の麻痺くらいしか実害がなかったので、
その分軽々しく震災の何ごとも口にしてはいけないと思っていたしそうしてきた。
なので正直この小説は読んでてキツかった。
でも作者が最後に言っているように、
震災の何もかもを忘れない事が鎮魂であり慰霊なんだなと。
現在の能登が、被災した -
Posted by ブクログ
染井為人さん著「海神」
著者の作品はこれで4作品目になる。
購入するまでタイトルの読みは「かいじん」だと思っていたが、購入時に表紙に小さく「わだつみ」と書いてあるのを見て、また読み間違えていた事に気付いた。
物語は「3.11 東日本大震災」の復興が主軸になっている作品。実際に岩手県山田町でおきた復興支援金を私用化して横領していた「NPO法人大雪りばぁねっと」の事件が思い起こされる。きっと作者はこの事件を元に本作品を描かれたに違いない。
どんなに人が死のうが苦しもうが平然と私欲を募らせる輩はこの作品の様に悲しい話だがどこにでもいる。
私欲を募らせるのは大いに結構だが、他所でそういう輩同士で取 -
Posted by ブクログ
本作の肝は、引きこもりの青年・純が、仮面を被った瞬間に世直しユーチューバー「ジョン」へとガラリと変身してしまう、その「切り替わりのシステム」一点に尽きるように思う。
現実では部屋から一歩も出られない臆病な男が、仮面という免罪符を得ただけで180度違う人格へとスイッチする。解離性人格障害の疑いさえ頭をよぎるほどの劇的な変化だが、完全に病気とも言い切れないその微妙な境界線。その極端な変貌ぶりを、どこまでも客観的に、滑稽なものとして淡々と描き出していく。
この純のスイッチングに巻き込まれる悪徳業者の鉄平もまた、別の歪さを抱えた存在だ。子供の頃からいつも一人で、正しいことを何一つ教えられてこなかっ