染井為人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレすぐ読み終わった。
この本を読み始めた時、数年前に見ていたyoutubeを思い出し、調べたら、ひきこもり支援を行う会社の社長が実際に逮捕されていた。そういった社会情勢を反映したような話。
ひきこもりする側も、そうでない人も紙一重であること。りょーちんがひきこもり側の弱者と、管理側をいじめる強者の両側面を見せ始めた時、なんとなく納得してしまった。環境や状況によって、人はいくらでも変化し、今まで異なる側面、ひいては対極になることもある。
読んでいると、ついつい施設側の人間が悪いように感じるが、実際はひきこもり側にも問題があり、実情はもっと複雑になりそうだなと読みながら思った。
YouTubeで見ていた時は、人ごとというか、失礼だがエンタメごととして見ていたが、親になってからこの本を読むと、親として自分だったら向き合えるだろうか、と恐怖や不安を感じた。 -
Posted by ブクログ
染井為人さんの『鎮魂』を読んで、「舐められたくない」という歪んだプライドが、いかに大切なものを壊してしまうかを痛感しました。凶徒聯合の男たちが家庭や平穏を失っていく姿は、あまりに皮肉で虚しいものでした。死や破滅を前にしたとき、彼らが必死に守ろうとした虚勢や面目は、結局何の役にも立たなかった。
小さい頃、父にお風呂で「邪魔なプライドは捨てた方がいい」と言われたことを思い出します。大人になり、社会に出てからも、意地を張ったせいで人間関係がうまくいかないことは多々あります。もし彼らが一瞬でも自尊心を捨てて人の痛みが分かり大切な人を優先できていたら……。凄惨なエピソードの数々に、守るべきものの本当の優先順位を突きつけられた気がします。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本作は、元ヤン詐欺業者と過激系配信者という対照的な二人の物語だが、読み進めるうちに「善と悪は単純に分けられない」ということを強く感じた。
正義を掲げるジョンは感情を制御できず周囲を傷つけてしまう一方で、悪人とされる鉄平にはふとした瞬間に優しさが見える。どちらも完璧ではなく、良い面と悪い面を併せ持っているからこそ人間らしく、物語に深みがあった。
序盤では対立していた二人が、終盤では同じ目的のために協力する展開も印象的だった。軽妙な掛け合いの裏にある信頼や葛藤が、物語をより面白くしていたと思う。
また、ジョンの「ネット上の自分」と「内向的な現実の自分」という二重性は、現代社会における自己の在り方を象徴しているように感じた。解離性同一性障害というテーマを通して、誰もが抱える“もう一人の自分”について考えさせられる作品だった。
笑えるやり取りの中にも孤独や葛藤が滲んでいて、エンタメ性と社会性の両方を持った一冊だった。