染井為人のレビュー一覧
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染井為人さんの『鎮魂』を読んで、「舐められたくない」という歪んだプライドが、いかに大切なものを壊してしまうかを痛感しました。凶徒聯合の男たちが家庭や平穏を失っていく姿は、あまりに皮肉で虚しいものでした。死や破滅を前にしたとき、彼らが必死に守ろうとした虚勢や面目は、結局何の役にも立たなかった。
小さい頃、父にお風呂で「邪魔なプライドは捨てた方がいい」と言われたことを思い出します。大人になり、社会に出てからも、意地を張ったせいで人間関係がうまくいかないことは多々あります。もし彼らが一瞬でも自尊心を捨てて人の痛みが分かり大切な人を優先できていたら……。凄惨なエピソードの数々に、守るべきものの本当の優 -
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染井さん、元芸能マネージャーであり、舞台などのプロデュースもしていたことから、めちゃくちゃリアリティがあった。短編7本。どれも面白い!!
落ちぶれて25年在籍した事務所を退所する俳優が事務所を通さずにギャラ500万円の映画のオファーを受けて葛藤する姿を描いた『クランクアップ』、 50歳にしてインスタにハマったベテラン女優の浮き沈みを描いた『いいね』が特にお気に入り。
『相方』もめっちゃリアリティあった。容姿をイジるネタで30年笑いをとってきた漫才師の葛藤と、本当に自分を支えていたのは何だったのか、最後に明かされる真実にグッときた。あながちあり得る話かもしれない。 -
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ネタバレ本作は、元ヤン詐欺業者と過激系配信者という対照的な二人の物語だが、読み進めるうちに「善と悪は単純に分けられない」ということを強く感じた。
正義を掲げるジョンは感情を制御できず周囲を傷つけてしまう一方で、悪人とされる鉄平にはふとした瞬間に優しさが見える。どちらも完璧ではなく、良い面と悪い面を併せ持っているからこそ人間らしく、物語に深みがあった。
序盤では対立していた二人が、終盤では同じ目的のために協力する展開も印象的だった。軽妙な掛け合いの裏にある信頼や葛藤が、物語をより面白くしていたと思う。
また、ジョンの「ネット上の自分」と「内向的な現実の自分」という二重性は、現代社会における自己の在 -
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さまざまな夫婦の物語が描かれている。
それぞれ個々の物語かと思いきや、意外なところで繋がっていて、誰かの心に響いている。
夫婦という小さな社会から少しずつ綻びが生じ、それらが他の小さな社会(夫婦)に絡んでいき、結果として繋がって、周り回って自身の綻びを修復していく。人は人と、社会と、繋がり無くしては生きていけないのだと無意識のうちに知らしめされる。
文中に描かれる夫婦間の綻びやほつれが、自身と重なり、時に苦しく、時に清々しく、また懐かしくもあり涙が出た。
私は私の小さな社会で、生涯共に過ごすであろう人と、きちんと向き合って、受け止めて生きていこうと思わされた作品。