【感想・ネタバレ】震える天秤のレビュー

あらすじ

高齢男性の運転する軽トラックがコンビニに突っ込み、店員を轢き殺す大事故が発生。
アクセルとブレーキを踏み違えたという加害者の老人は認知症を疑われている。
事故を取材するライターの俊藤律は、加害者が住んでいた奇妙な風習の残る村・埜ヶ谷村を訪ねるが……。

「この村はおかしい。皆で何かを隠している」。

関係者や村の過去を探る取材の末に、律は衝撃の真相に辿り着く――。
横溝賞出身作家が放つ迫真の社会派ミステリ!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

良かった、と言うのが読後の正直な感想。
最初、気味の悪い村、変な因習がある村で、何かのしきたりに則って人を轢き殺してしまったのかと思ったが、そうではなくて、村のみんなが、それぞれ支え合って苦しみを分かちあった結果起きた事件だったんだなと理解した。
みんな、優しくていい人。被害者家族以外は。
本当に良かった。
完全なハッピーではないものの、考えうる限りでは最上のエンドだと思った。

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

今までの染井さんで最高評価かも。面白かった!
いつもどこかに感じる、破滅願望の感じられないミステリー。マスコミとかライターとか、個人的にはあまり好きな職種でなく、偏見ばかりだけど、人の気持ちわかるフリーのライターが主人公。
老人の運転操作ミスによる交通事故。そんな報道に「偏見」を持ち込んではいけない、実はこの作品がそれを学ばせてくれる「ルポ」風小説じゃなかったか。裁判官の奥さま、そして元を付けてよいのか飼い猫のキティもといぬこ丸に癒される。

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

audible 。認知症の老人の運転する軽トラがコンビニに飛びこみ、店長が死んだ。事故と見られるが、とんでもない真相が。
染井為人ワールド全開。
わくわくドキドキ間違いなし。

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2025年10月03日

Posted by ブクログ

オーディブル視聴。
とある高齢ドライバーが引き起こした殺人事件は、運転能力低下による不慮の事故…などという簡単な事ではなく、沢山の問題が絡み合っておきた事件だった!! 最後まで真相は何だろう…と考えさせられる小説でした。染井さんにしては終着点が優しめな気もしたけれど、この作品にはこれがいい気がします

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

申し訳ないが、結論からいうと、「ノベル向けの展開」に終始していた。
確かに、キーワード∼高齢者運転、危険運転、過疎化した限界集落・・6年前の執筆だからその後を考えると、十分に社会問題化している。

しかし、狂言回しを雑誌記者に据えて、彼が芋づるを引く都度にどんどん、視えなかった事実が引っ張り出されるのは、どうもなぁ。
社会は忙しい、こういった記者にまともに対応するとは思えないし、そうでなくとも雑誌は「マスゴミ」でも最たるものではないか?発刊数の激減を見ても。

その記者たる彼と司法のプロである妻との会話はクスッと笑わせるし、チャラけそうな筋に正論を投入してくれるけど。
私服とはいえ警官が立っている「被疑者」の病室に入り込むなんてありえないし、ましてそのあと詰問されて切り抜けるなんて・・。

2作目の染井さん、切り口も手法もちょろっとユニークで気に入ってる。
この作品描写自体、恐ろしいほど微に入り細に渡って,読み手は恰も【覗き眼鏡で場面を見ている】感覚にされてしまう。
大所高所の論理的展開の文学もいいけど、玉にこういった社会の隅っこにある、埋もれた真実を誇大化する読み物もいいかなと思えた。
まさに天秤の針が震えたのであり、律の心が揺れたとは言えない想いに共感を持てる。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

染井為人にハマって、続けて読んでいます。重い中にも、いつも、ユーモアやホッとする場面があります。この本は、謎解きで、興味が惹かれました。本当は、何があったのか?どんどん、先に先にと読み進めたくなります。ストーリーは面白いです。自分の怨恨ではなく、他の人のために、復讐したいという感情が沸き起こるものかな?それほど、深い、家族のような、家族以上な繋がりが、小さな村の中には、あるものだろうか。そんなことを思った。

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2025年10月12日

Posted by ブクログ

面白かった

主人公と家族の関係
事件は、やはり心を持った人が起こしていること
他人の気持ちに寄り添うこと

結局真相はなんとなく曖昧だし、結果論な気もするけど、それ自体が「真実を真実のまま暴くことがいつも正しいとは限らない」という作品の核なのかもしれない。

石橋家、最後どうなったんだ気になる…

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2025年09月16日

Posted by ブクログ

この作品を読み、地方の現実に胸を締めつけられる思いがしました。物語はあるコンビニへ、認知症の疑いがある高齢男性が車で突っ込み死亡事故が発生したことから始まります。周囲は「ブレーキとアクセルを踏み間違えたのだろう」と言い、老人の判断力の衰えを口にします。しかし取材に訪れた記者取材を続けると、その事故は単なる操作ミスではなく、過去のある出来事と深く関係している可能性が浮かび上がってきます。

その真実は!事故なのか?事件なのか?

村という舞台にあるリアルな恐ろしさにも共感しました。人が少なく、公共交通もほとんどなく、車がなければ暮らしが成り立たない環境。高齢になれば運転は危険だけど生活するにはやめられないという葛藤が、物語の中でも重くのしかかっています。この描写はとても身近に感じられました。私の母も認知症が少しずつ進んでおり、田舎で車を運転しています。私は離れて暮らしているため日常の様子を見られず、事故を起こさないか常に不安があります。まさに今の私自身の心境と重なりました。

震える天秤は、単なる事件小説でも怪異譚でもなく、「真実ですら揺れ始める」恐ろしさを描いていました。事故なのか事件なのか、最後まで確信できないまま物語は進みます。
ただ、最後はモヤモヤが残る結末に、、、

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2025年09月12日

Posted by ブクログ

オーディブルにて。

認知症高齢者のブレーキ踏み間違いによる殺人事故。
フリーライターである主人公が取材した先に見えた真実とは。

どんでん返しではなくじわじわと真相に近づく中で、なんとなく予想はできるものの最後までストーリーとして飽きさせないのが染井為人さんのすごさ。

死んでもよい人間はいるのか

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2025年09月09日

Posted by ブクログ

確かに田舎は車がないと生活出来ないし、高齢だから免許返納しなさいって言われても、そしたら買い物とかどうするの??って話しだ。
ってところからのミステリーになっていく。
おー!ちゃんとミステリーだったな!っていう感想で、分かりやすい方だと思います。

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2025年08月28日

Posted by ブクログ

震える天秤
著者:染井 為人

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**あらすじ**
高齢ドライバーによる死亡事故、それは本当に〈老いの宿命〉だったのか?
高齢男性の運転する軽トラックがコンビニに突っ込み、店員を轢き殺す大事故が発生。アクセルとブレーキを踏み違えたという加害者の老人は、認知症の疑いがかけられる。
事故を取材するライター・俊藤律は、加害者が暮らしていた奇妙な風習が残る村・埜ヶ谷村を訪れるが、村人たちは何かを隠しているような素振りを見せる。
取材が進むにつれ、関係者の証言や村の過去が少しずつ明らかになり、律はやがて事件の裏に潜む衝撃の真実へと辿り着く――。
横溝賞出身作家が放つ、現代社会の闇を抉る社会派ミステリ!

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**感想**
染井為人さんの作品は「正体」以来ずっと追いかけています。社会問題を的確に取り入れながらも、物語としての面白さを失わないバランス感覚にはいつも感心させられます。
今回は「高齢者の運転問題」という一見シンプルに見えるテーマから始まりながら、舞台が村へ移ることで一気に物語の奥行きが増していきます。閉鎖的な人間関係や、どこか現代から取り残されたような村の空気感が、ミステリーとしての緊張感を高めており、ただの事故の取材では終わらない展開に引き込まれました。
村人たちの「何かを隠している」様子にゾクリとしつつも、その背景にある価値観や風習には、どこかノスタルジックな一面も感じられ、単純な善悪では語れない人間模様が浮かび上がります。
都市部で暮らす人たちにはなかなか実感しづらい「地域社会の闇」と「世代間の価値観のズレ」が、物語を通じてリアルに迫ってきました。
今回も読み応えのある一冊で、次回作にも大いに期待しています。

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

結末について賛否両論ある気はしますが、私はとても好きです。
人間臭い律くん、別の作品でまたお会いしてみたいです。

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2025年08月20日

Posted by ブクログ

読みやすくて一気読みした。死んよい人なんていないなんて綺麗事で、それほどな人間はやっぱりいる。だからといって、この記者の判断が正しかったのか、老人の本当のところもどうだったのか。答えが出ないな、これこそが天秤だなと思った。

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2025年08月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

Audibleにて。
コンビニに老人が運転する軽トラックが突っ込んで人が一人亡くなった。その事件を取材するために、福井に訪れることになったフリーのライターが主人公。当人は昔、徹底した取材で政治家の児童虐待をスクープしたことがあり、そのスクープが政治家を自殺に追い込んでしまったという過去を引きずっている。そんな中、件の取材を進めるため、加害者が住む村に訪れたとき、村全体がなにかを隠していることを漠然と感じる。土地固有の風習が色濃く残り、非常に閉鎖的な村文化もあいまって、主人公は再度徹底的な取材を始める。
事実が明らかになったとき、主人公は過去のスクープを振り返り、自身の身の振り方に苦悩する。真実を明らかにすべきというライターとしての矜持と、真実を明らかにすることによって引き起こされる不幸との間でせめぎ合い、まさに震える天秤と化す。
このときの主人公の選択は、私個人としては納得のいくものではなかった。しかし、それは過去の経験あればこそなんだろうと感じた。
一方で、この書籍ではライターという立場で描かれていたが、もし裁判官だったら?警察官だったら?被害者遺族だったら?それぞれに異なる天秤があり、異なる結論になることは想像に固くない。それらもふまえて考えるか、あくまでも自分個人の意志に従うか。。。このような正解のない問いに対し決断し責任を取ることが、人間の役割の中で占める割合が高まっていくことは想像に難くない。

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どんどん読みたくなる。ストーリー展開が知りたくて仕方なくなる1冊でした。
最後の終わりはかなり好みが分かれますね。
もやもやしますが、それもまた人間の複雑な心なんですね。

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2025年07月14日

匿名

購入済み

高齢者による悲惨な運転事故が起き、そこから関係者に取材をしてゆくが、信じられない闇があった。
人と人との絆があり葛藤があり考えさせられる話しでした。

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2024年08月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

認知症の高齢者が引き起こした事故だと思いきや、そこには憎悪のかたまりが起こした殺人事件だったという話

村人達数人が共謀して一人の余所者の殺害計画を企てる

東京から来た一人の新聞記事がその真相を暴いていくのだが、その憎悪の根拠に少し無理があると感じ、最後まで読んだが、非現実過ぎて残念だった

高齢者ドライバーの事故は後を経たないが、これを犯罪の道具に仕立てる発想は稀有である

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2025年10月21日

Posted by ブクログ

面白かった!
まさかそこまで繋がるんか。 
でも、真相はどうだったか。 
それが不明だったのが残念。
まあ店長は死んでも良かった人間か。 残酷だけど、いい人間ではない。

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

記者が謎解きをするというミステリー。なぞの村の結束が時代錯誤だけどちょっと泣けた。殺人を正当化するためか、悪者キャラが悪すぎたが、人を殺すということをやっていいと思うところが、異常だとおもった。

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

audible127冊目。

途中から大体、先が読めました。
終わり方が、本当にこれで良かったのか!?となりました。
ここまで閉鎖的な集落、まだ存在するのかなあ…

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

本来の目的から逸脱して、誰のためかわからない正義を振りかざし、姑息な手段まで使って真実を追求しようとする主人公には共感できず、モヤモヤしながら、時には怒りを覚えながら読み進めたが、最後の結末は少しホッとしたかな。
賛否両論あるとは思うんだけど、何だかスッキリしなかったというのが正直な感想でした。

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2025年09月06日

Posted by ブクログ

主人公である雑誌記者の男性が、ある村で起きた高齢者が車でコンビニに突っ込んだ事故の取材を通し、次第にこの事故の真相に近づいていく。
ストーリー的にはあまり広がりがなく、スケール感は小さく感じましたが、各登場人物の描写は細やかに描かれていてストーリーに没入できました。

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

超高齢者の免許返納問題をきっかけに、ある閉鎖された村の事件へと発展する物語。3分の2くらいまではどうなるんだろうとすごくわくわくした。最後はなるほどな〜という感じ。小説のエンディングを考えるのって本当に難しいんだなと感じる。

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

高齢ドライバーが起こしたコンビニへの衝突事故。よくあるアクセルブレーキ踏み間違えと思いきや、取材を進めるうちに隠された真相が明らかになってくる。後半色々と繋がってきて先が気になったが、最後の律の決断には正義感を盾に強引な取材をしていたことと相容れず、うーんと感じた。救急車のサイレンと本当の動機もなんだったのだろうか。

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2025年08月23日

Posted by ブクログ

オーディブルにて。

個人的には律に共感できるし、好きなラストだった。
けど、律はこの時の決断を一生抱えて生きていくんだろうなと思うと少し重たい気持ちになる。
この事件に関わり真実を追い始めた時点で、苦しい未来しか待ってなかった。
途中で引き返したとしても、しこりが残る…。

やり切れない物語でした

重いシーンが多いですが、元奥さんとの会話部分は軽妙で楽しかったです。

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2025年08月21日

Posted by ブクログ

母が絶賛していたので読んでみましたが、私てきには終わり方がいまいち…。
個人的にはその終わり方だったら、もう少し踏み込んで終わって欲しかったな。
(救急車の行き先や、七海たちのその後の行動とか…)

それでも、今までになかった展開で最後まで飽きずに読み進めることができました。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

最後の決断が正しいのか、間違っているのか、それはとても難しいこと。主人公も後々、自分の選んだ道を後悔することもあるだろう。
その人の存在が周りの色んな人を苦しめ、害しか与えないような人間も世の中にはいるのだろう。けれど、そんな人間にも、それでも生きていて欲しいと願う人がいることを忘れてはいけないというのも事実。
こんなに難しい天秤が人にはそれぞれあるのかも。

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

内容はその他作品同様で、退屈しない。



けど



結末ゆるさんわー。。

ダメダメ!♪♪待て待てー♪♪
ここらで暴れちゃっていいかにゃー

あーおこるぜ!♪♪

やん。

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

染井為人さん、3作目。
高齢者の交通事故、そこに不穏な慣習を持つ村が関わってくる。今作に登場する人物や物語が実際起きてる気がするくらいリアリティがあります。文章もそうですが緊張と緩みが程よく、読みやすさバツグン。伏線回収要素もあり、読み応えもありました。

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2025年05月31日

Posted by ブクログ

限界集落と現代のギャップが入り乱れる中での復讐話。
色々な登場人物がギリギリのラインで繋がっていて、何度かページを戻しつつ一気読みできる作品でした。
限界集落のルールを用いる作品は夢オチみたいに何でもありな形で使われがちだけど、そんなありきたりではない感じなので、楽しく読めました。

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2025年05月29日

Posted by ブクログ

高齢者のアクセルとブレーキの踏み間違い交通事故から因習村まで、まあ様々な要素を取り込んだ作品だなと感じました。
要素がてんこ盛りすぎて個々の人物に感情移入しきれないまま終わってしまった印象です。「絶対的な悪」は居るのですが、それに対する人々に同情しきれないな〜といった感じです。

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2025年05月18日

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