染井為人のレビュー一覧
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ネタバレカラオケであっさりマスクを取られてしまった場面や、海でのやり取りなど純と鉄平の掛け合いがどれも面白くて最高だった。
先に同じ著者の「悪い夏」を読んでいたので、もっと重い展開になるかと警戒しながら読み進めていた。なので、後半のお決まりの展開もハラハラして存分に楽しんだ。
あと、出所した栗山鉄平を、純が仮面を被って待ち2人のこれからの友情を予感させる終わりだったのもよかった。鉄平は萌花がくっつかなかったのも個人的にはすごく納得。
あとがきに書かれていたジョンのモデルのユーチューバーが気になるな〜仮面ならラファエルだけど、芸風が違う気もする。
染井為人さんの本はまだ2冊目だけど、展開が早く -
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半グレとは、半分グレていて、指定暴力団には属さない新興の犯罪グループのこと。暴走族OBや地元の不良仲間などが主な構成員で、警察は「準暴力団」として取り締まりを強化しているとのことだ。また巷で話題になっているルフィを中心とした闇バイトも半グレの集団であるとの噂もある。
本小説は、反グレ集団の理不尽な暴力(ターゲットに間違われた)を受け、半身付随となり自殺してしまった弟のため、反グレ集団の壊滅を目指し復讐していく兄の話だ。
いろいろ調べてみると、実際に半グレ団体のターゲットに間違われて集団で暴力を受け人が死んでいる事件(六本木クラブ襲撃事件)があったり、カリスマ性を持ち半グレ団体を率いて行方を -
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『わだつみ』とは日本神話の海の神のこと。
そんなタイトルのこの小説は、東日本大震災後に実際にあった『NPO団体による復興資金横領事件』をモチーフとしているフィクション。
岩手県の架空の島・天ノ島が舞台になり、震災後の動乱につけこみ復興支援に現れた遠田と名乗る男が島民の心に入り込み、信頼を得、権力を手にして大金を動かすようになっていくさまが実に衝撃的でリアルだった。
またボランティアとして現地に滞在した女子大生の行動や体験を通じ、読者も被災地の惨憺たる有様や、被災者の感情などを追体験するが、やはり実際はもっともっと言葉には表せないものがあるはずだ。
1995年の阪神大震災、2011年の東日 -
匿名
購入済みフィクションですが、同じような被害にあった人達が実際にはいるんだろうなと感じました。それほどリアルで怖かったです。暴力をかっこいいと錯覚してる人達。怖いもの知らず。それに巻き込まれる一般人はたまったもんじゃない!関係ない人達を巻き込むのだけはやめてほしい。辛くて悲しい物語でした。
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Posted by ブクログ
ネタバレ自己肯定感の低さを人助けによって補おうとするメサイアコンプレックス。支援者側が救世主的・英雄的にふるまうことで、被支援者側は相対的に立ち位置が下がり支援側に盲信的にすがってしまうことを言うらしい。この連鎖で絶対的な立場の差が出来上がり、ついには支配するもの・されるものの関係に陥ってしまう。遠田と天ノ島の島民との関係はまさにこれに当てはまるだろう。遠田の横領は、島民から向けられる信頼と期待に虚栄心・承認欲求・ヒロイズム志向が満たされた結果、これだけ島民のために尽力しているんだから少しぐらいいい目を味わってもばちは当たらない、ぐらいの気持ちからエスカレートしていったものではないだろうか。
また、