染井為人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ今、読み終わって言葉もなく…心が放心状態になっている。
一家3人を、それも幼い2歳の子どもまでをも惨殺した犯人として、現行犯逮捕された、犯人鏑木慶一。
その後刑が確定し、死刑囚となった彼は、拘置所から脱獄し、逃亡を続ける。
顔を変え、名前を変えて
その様々な場所での彼の行動は、どれも立派で他人に親切で、心優しい、人の痛みのわかる好青年。読んでいるうちにどんどん彼が好きになっていく。「この人は犯人じゃない」と思えてくる。逃げ続けて!と応援したくなってくる。
そして、彼が逃亡を続ける理由と、事の真相が彼の口から明らかにされた直後、唐突に終わる結末。あとがきで作者が触れているように、あの結末は悲し -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白すぎて★6をつけたいくらい。
1章を途中まで読んだあたりでこの本にとてつもない面白さを感じ、p615という長さながら、そのまま夢中で暇な時間に読み、3日ほどで読み終えた。
章ごとに舞台となる職場と人間が様変わりし、ブラックな土木での共生関係、男運のなかったビジネスウーマンとの共同生活、スキー場旅館での一期一会な仲間、パン工場や新興宗教での中高年女性達のリアルな話と井尾由子との繋がり、グループホームでの井尾由子との接触と完結。
鏑木慶一という知的で気配りができ、しかし事件絡みで繕うのが難しいところはおや?と思うところもある、でもこんな優しい人が本当に人を殺したのだろうか?という、良心的なキ -
Posted by ブクログ
他の読者の方の感想を読んで面白そう、と思い手に取った作品です。しかし、本棚登録をしてから気がついたのですが、前回読んだ『悪い夏』と同じ作者さんだったので驚きました(°o°*)
物語は、一家惨殺をして死刑判決を受けた鏑木慶一くんが脱獄し、様々な場所で身を隠しながら働きます。
職場では怪我を負ったのに労災が出なかったり、やってもいない痴漢容疑をかけられてしまったなどの悩みを抱える方がいて、その悩みに鏑木くん(名前は毎回変わります)がどう対処するかが展開されます。
読み進めていくたびに鏑木くんの「正体」が読者の頭の中に構成されていきます。
615ページもあり大変分厚いのですが、彼がどんな人間なのか -
Posted by ブクログ
これは2歳の子供を含む一家三人を惨殺した死刑囚が脱獄し、1年半近く逃走し続ける話である
はずなんだけれど、警察との駆け引きでハラハラドキドキする展開はほとんどない。
そもそも死刑囚鏑木慶一の視点で描かれていない。
逃走中に出会った5人の視点で、その人たちの生活の中に鏑木が入り込み、どのように影響を与えたのか。
その話を通して鏑木慶一という人間性を知っていく、逃走中はもちろん名前を変え、顔も少しずつ変わっていくのだけれども、内面から出てくる彼の本性を、まさに「正体」を知っていく話なんだと思う。
600ページにも及ぶ超大作だけど、本当にあっという間だった。もしこれが警察からの逃亡一辺倒だったら、