染井為人のレビュー一覧
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どうしてこんなにも
落ちぶれていってしまったのか。
いつからこんなに。
どこかで踏み止まれなかったのか?
どこかで気付けなかったのか?
止めることはできなかったのか。
もっと、自分のことを大事にできなかったのか。
映画とはまた違った、ドロドロの内容でとても面白かった。
人間の怖さ、弱さがぎゅっと詰まっていて、こんな世界もあるのかと思うと怖くてたまらない。
とことん落ちぶれていく姿は見ていて苦しかったけれど、目が離せなかった。
生活が苦しくて本当に生活保護が必要な人、働きたくなくて不正受給をする人。
あの親子を思い返すと胸が痛い。
本当に必要としている人に、どうか、救いの手を出せるような世の -
Posted by ブクログ
覆面を被って活動する大人気ユーチューバー「ジョン」。
正義執行として架空請求業者にイタズラ電話をかけて再生数を稼いでいたが、ある日「森口」と名乗る架空請求業者の恨みを買ってしまう。
「森口」は「ジョン」を探し出すため大阪から上京。いっぽう「ジョン」は「森口」を使ってさらなる再生数を得るため、直接対決の場を設けようと画策するがーー。
いわゆる過激系のようなユーチューバーと架空請求業者の追いかけ合いや対決……だけかと思いきや、「ジョン」の妹とその友人や、「森口」の組織の人間が様々な動きを見せ、物語が絡み合い、交錯し、思わぬ方向に展開していく。
登場人物のキャラが立っていて、掛け合いが小 -
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ネタバレ脱獄犯だということがわかっていても、
鏑木慶一という人物に嫌悪感を感じなかった。
むしろ好印象を抱いていた。
ミステリアスで、秀才で、人が良くて義理深く、魅力がある。
脱獄してからの短いようで長い月日の中で、
友情、恋愛、仕事、、、自分を偽らずとも経験できたであろう人生を、彼は全うしていた。鏑木慶一という人の尊さは深く関わっていた人たちの様子からしっかりと伝わっていた。
姿は違えど彼のブレない生き様が、
結果として彼を守った。自分で自分を救った。
だからこそ、結末が悔しかった。
信じてもらいたかった人たちに信じてもらえず、
疑いの目を向けられて、悲しく辛かったろう。
読み手のエゴになってし -
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染井為人さんと言えば社会派ミステリー!
なのに家族小説なんて、めっちゃ珍しい!!
これは是非読まなくては〜♪と
興味津々で読み進めた。
『みずいらず』
どうやら今回は9つの連作短編集
前の作品で主人公の脇役としてチラッと出てきた人が、次の作品の主人公となる設定は、バトンのようでテンポがよく読みやすい。
以下、目次
「おかしいのはどっち」
「なぜ出ない」
「プライドは富士山」
「夫婦の再開」
「薄情者」
「交換日記」
「いつまでもあると思うな。妻と金」
「思い出の抽斗」
「シングル」
どのお話も登場人物のキャラがハッキリしていて、身近にいそうな人物像が描かれているので、ついつい感情移入して -
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ブラックな引きこもり支援施設に送られた者たちの生活に転機が訪れる。
話の展開がスムーズであっという間に引き込まれ一気に読み切りました。これは面白かった。
引きこもることによって社会の居場所を失う恐怖がそうさせなかっただけで、行きたくない学校や会社に行き続けた自分を振り返り、共感するなあという感覚と、「だからってドロップアウトするとか結局甘ったれなことには違いない」という社会人側の冷徹な傲慢さが交互に去来したのですが、なにしろ一線を越えてからの”ひきこもり家族”のさまがなんなら楽しくさえ感じられ、それもまたまんまと作者に乗せられてるなあ(いい意味で)と思いました。彼らが形はどうあれ「生き -
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素敵な夫婦の物語の連作短編集。
どのお話も始めはかわいそうなくらいすれ違っている二人。けれど、最後にはほっこりするお話ばかり。
様々な年代や立場の人達が出てくるので、誰もが誰かに感情移入できるのではないでしょうか?
それにしても、どのお話も何故私はこんな人と結婚してしまったんだろう‥‥と思っている主人公ばかり。
でも、その気持ちが分かってしまうのだから困ってしまいますねぇ(^^;;
現実はこんなにハッピーにエンドするかしら?なんて思ってしまう自分もいますが、やっぱり読んでいて幸せな気持ちになりました。だって誰もが幸せになるために結婚したんですもんね。そんな気持ちを思い出させてくれる一冊でした。