染井為人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ステップファミリーの妻、不妊治療をする歳の差夫婦の夫、離婚危機に直面したやり手営業マン、夫の定年後の妻、新婚夫婦、夫が早期退職者となったカウンセラー、妻が更年期障害となったサラリーマン、70代の夫が終活を始めた主婦、独身生活を謳歌する小説家が紡ぐ家族愛の短編集。
「正体」や「悪い夏」などでお馴染みの染井為人さんの作品。
この作品を作者を知らずに読んだ方は、どうしようもなくやりきれないものが多い染井さんの作品と知ったら驚くと思う。
人は死なないし、目を瞑りたくなる場面もない。読後に残るのは家族を配偶者を改めて大切にしようという思い。
特に、結婚生活四半世紀を過ぎた夫婦が、それぞれこの本を -
Posted by ブクログ
染井為人さんの作品と言えば、、、
社会派小説、ドロドロした人間ドラマ、クズが出てくるミステリーなどなど
それを楽しみに読んでいる読者も多いのではないでしょうか
それが一転、こんな作品も書くの!?
いや、書けるんですか!?
って思いました
夫婦をテーマにした物語
どれも心を温かくしてくれ、涙を流させられる物語もあり
本作は染井さんの中でも異色の作品になるのではないでしょうか
夫婦の数だけ物語があります
嬉しいことも、楽しいことも、悲しいことも、辛いことも、寂しいことも、ぜーんぶその夫婦の物語なのです
もちろん、鬼嫁を持つ夫婦、会話がない夫婦、奥様の尻に敷かれている夫婦、それも夫婦の -
Posted by ブクログ
はじめての染井為人さん。面白かった。
ひきこもり。昔よりも確実に増えていると思う。
不登校なんかも、ワタシが子どもの頃にはほとんどいなかった。
今は、ムスメの学校でも、毎年毎年普通に何人かいる感じ。
ワタシは昔風の人間なので、そういう生き方も尊重とかお気持ち尊重とか、しすぎてるからじゃないのかなぁと感じてしまうので、
話の部屋から無理やり奪取していくところとか、そういうやり方もあるのかなぁと。
そして話は、思っていた方向とは違う方に進んでいき・・・、面白かったです。
どういう罪になるのかなぁ。殺されちゃった人には悪いけれど、執行猶予とかついて欲しいけどなぁ -
Posted by ブクログ
先が気になってドキドキしながら次のページをめくる手が止まらない、そんな作品に久しぶりに出会えた。
もちろんこれがすべてではないが、歌舞伎町のリアルとその背景を端的に捉えた作品なのではないかと思う。漠然とネガティブなイメージだけを持っていた歌舞伎町という街に少し違うイメージを持つことができた。
騙し騙され、昨日の敵は今日という任侠の世界。安全な居所を失って集うトー横キッズたち。ホストと、それに貢ぐことによって危ない世界で稼がざるを得ない女性たち。
そのような様々な人たちが集う街では、良くも悪くも他人に興味も執着もないことが多く、その場の流れで人間同士もくっついたり離れたりを繰り返している。本 -
Posted by ブクログ
大好きな染井先生の最新作。
今までの作品とは違う夫婦の愛のかたちを読みやすくサラッと描いた作品でとても面白かったです。
染井先生の作品はどれも大好きで大切にしていますが、本作は自分が年齢を重ねてもふとした時に読み続けていたいと感じる愛の本だと思います。
「おかしいのはどっち」、「薄情者」、「いつまでもあると思うな。妻と金」が特に好きです。
結婚をしなくてもいい現代で性格も、生きてきた環境も違う男女が生涯一緒に生きていこうと誓うことだけで凄いことなのだと改めて感じるきっかけをくれました。長く共に生きているとお互い色々なことがあって、相談しあい、考えあうと思いますが、夫婦生活は相手のほんの一部