染井為人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ひきこもりの年代も背景もバラバラな人たちが、ブラック企業のような施設に送り込まれるという設定がまず衝撃的で、「これ、現実でもありそう…」と妙にリアルに感じました…グループホームとかね。
5人が結束していくきっかけも、決して前向きなものではないけれど、そこから物語が動き出していって目が離せませんでした。
それぞれが抱えているものや弱さが少しずつ見えてきて、変化をしていく姿に引き込まれます。重たいテーマだけど、ただ暗いだけではなく、人と人との関わりの中でしか生まれないものも描かれているように感じました。
最後は思わず泣いてしまって、なんとも言えない余韻。
簡単に「良かった」と言い切れないけど -
Posted by ブクログ
染井為人さんの『鎮魂』を読んで、「舐められたくない」という歪んだプライドが、いかに大切なものを壊してしまうかを痛感しました。凶徒聯合の男たちが家庭や平穏を失っていく姿は、あまりに皮肉で虚しいものでした。死や破滅を前にしたとき、彼らが必死に守ろうとした虚勢や面目は、結局何の役にも立たなかった。
小さい頃、父にお風呂で「邪魔なプライドは捨てた方がいい」と言われたことを思い出します。大人になり、社会に出てからも、意地を張ったせいで人間関係がうまくいかないことは多々あります。もし彼らが一瞬でも自尊心を捨てて人の痛みが分かり大切な人を優先できていたら……。凄惨なエピソードの数々に、守るべきものの本当の優 -
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平凡に見える日常の裏側に潜む不穏さや、人間の弱さ・欲望をじわじわと浮き彫りにしていく作品。物語は大きな事件や派手な展開に頼るのではなく、登場人物たちの心理や関係の歪みを丁寧に積み重ねることで、読者にじっとりとした緊張感を与える。そのため、読み進めるうちに「何かがおかしい」という感覚が徐々に膨らみ、気づけば抜け出せない空気に引き込まれていく。
特に印象的なのは、人間の現実的で生々しい描写。善悪がはっきり分かれるわけではなく、誰もが少しずつ歪んでいて、その積み重ねが状況を悪化させていく過程がリアルに描かれている。この点が作品に深みを与える一方で、読後にはすっきりした解放感ではなく、重たい余韻や不 -
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ネタバレさ、さわやかなラスト…!どうやら僚太と大知(他のメンバーのその後は名言されず)は引きこもり支援の会社を立ち上げたらしい。1人殺して懲役10年未満で出てこられたのか…?という疑問はあれど、そこはフィクションなので…ということだろうか。しかし僚太は途中ミチル的な片鱗を見せていたが大丈夫なんだろうか。
前半、引きこもりの心情はよく描けているなぁと思った。だが、それだけに後半そんなに人って変わりますかね⁉︎とも。まあ大知は元々リーダーシップのある人間として描かれていたのであれだけども、なんか気の弱そうなおっさんとか、醜形恐怖のおばさんとか。ご都合主義なところは『歌舞伎町ララバイ』でも感じだが…。染井作