オスカー・ワイルドのレビュー一覧
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永遠の若さを手に入れた美青年ドリアン・グレイ。彼が悪徳に染まり、魂の純粋さを失ってゆくにつれ、彼自身の肉体の代わりに彼の肖像画が醜く老いてゆく…。ドリアンの美をカンバスに留めた画家バジルは彼の堕落に失望し、やがて破滅する。一方バジルの友人で人を煙に巻くような貴族ヘンリーは、ドリアンと意気投合し唯美主義的な享楽へと彼を引き込む。
ドリアン・グレイを挟んで神と悪魔が対立する構図のようにも読めるが、詳細な後書きを読むとバジルとヘンリーはオスカー・ワイルドの二つの側面とも読めるだろう。
ホラー小説のバリエーションとして楽しむことも可能だろう。思えば「ドリアン・グレイの肖像」はブラム・ストーカーの「 -
Posted by ブクログ
はい、というわけでとどめは『ドリアン・グレイの肖像』ですよん
オスカー・ワイルド唯一の長編小説です
でもってたぶん読んだことあるなこれ
はるか昔だけど
レビューどうすべ?
うーん、凄い
やっぱ凄いね
いろんな取り方ができる物語なんよね
で、それってたぶん読むたび変わったりするんだろうなって感じよ
テーマのひとつは間違いなく「善」と「悪」だと思うんよね
まぁ、この物語から「善」と「悪」みたいなことを抜き取ってる時点でとてつもなく浅いんだが、まぁいいじゃない
学者先生でもなんでもないんだから浅くたっていいじゃない
よくコントとかであるやん
財布を拾った人の前に天使と悪魔が現れてーみたいな -
Posted by ブクログ
737
428P
オスカーワイルド
オスカー・フィンガル・オフラハティ・ウィルス・ワイルド。アイルランド出身の詩人、作家、劇作家。耽美的・退廃的・懐疑的だった19世紀末文学の旗手のように語られる。多彩な文筆活動を行ったが、男色を咎められて収監され、出獄後、失意から回復しないままに没した。
ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫)
by ワイルド、仁木 めぐみ
芸術家は美しいものを創造する。 芸術に形を与え、その創造主を隠すのが芸術の意図である。 批評家とは、美しいものから受けた印象を、別の手法や新しい素材で伝えることができる者である。 自伝の形をとるのは、批評の最高の形式であり、最 -
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ネタバレいつまでも子供の頃のように純真無垢でいたい。
とびきりの美男美女じゃなくとも、魂の清廉さを求める心は誰にでもあると思う。
そして、そんな願いを叶えたのが本作の主人公ドリアングレイ。彼は自分の肖像画に我が身にふりかかる不浄の一切を引き受けてもらえるように願い、そして叶えられた。
どう考えても悲劇的な結末しか予感させない。
なによりわたしが一番恐ろしいのは、日々頽廃するドリアングレイよりも、ヘンリー卿だ。
彼が毎度唱える逆説的な台詞には、19世紀末の暇にあかした貴族の物憂げさ、噂好き、結末のない議論好きな雰囲気がよくあらわされている。
そして彼こそ、側でドリアンが侵す悪行の数々を目にしていたは -
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す、凄い良かった。
オスカーワイルドについては、経路がおかしいけど原田マハのサロメという作品を通じて知ったので、いい印象がなかった分、余計に感動しました(笑)
どの作品もアイロニックで、美しい文章で着飾られ、哲学的で、人間的で今の私が悩む諸々のことに、響くものがたくさんあります。琴線に触れるというか、オスカーワイルドがどれほど機知に富んでおり、悩み抜き、繊細な人なのかを窺い知れます。さらに、後藤貴志の挿絵がまた絶妙でビアズリーを思わせるタッチがたまらんです。
この本で取り上げられた作品が収められてるそれぞれの童話集を読んでみようと思います。 -
購入済み
あまりに美しい物語
黄金に覆われた鉛の体を持つ像は
幸福な王子と呼ばれた夭逝の王子の姿と心を継いでいる。
その王子像と、渡りの旅の道中にあるツバメの
出会いと愛の物語。
悲劇ではあるが、町の人々は王子像とツバメによって救われているのだ。
悲しいだけの話ではなく、王子とツバメの気高さが胸を打つ。
ツバメが実は主役なんだな。
ツバメは、暖かいエジプトに旅立つ事を放棄し王子が自らの体を貧しき人々に分け与える手助けをする。
「私は男が苦手なんですよ」なんて気取った事ばかり言う、多弁なツバメが王子の美しさに惹かれ
王子の外見以上に美しい心に触れ、次第に王子を誰よりも愛するようになる。
ツバメは愛を知ったのだ。
王子とツバメ -
Posted by ブクログ
昨年の『禁色』、今年の『標本作家』ときて、ようやく『ドリアン・グレイの肖像』にたどり着きました。本に関しては、読むべき時におのずと手に取ることになるという(?)運命論者なので、来るべき時が来たという感じです。
学生時代に『サロメ』にはまった時に、なぜこちらを手に取らなかったのか。福田恆存が好きだと話し合える友人がいたのに、なぜこの本を手に取らなかったのか。もう彼と話し合えることがないのに、今更彼にぴったりな本達を読むことになっているなんて、なんと残酷なのだろうと思います。でも私たちにとって、美しいものは悲劇的であるということはあまりに自明なことなので、きっとこれで良かったのだと思う自分もいます -
Posted by ブクログ
ネタバレめちゃくちゃ良かった!!
学校の図書室で借りたのだが、返却期限より圧倒的に早く読み終わってしまったくらい面白かった。
前は途中でやめちゃったけど、なんだか今回は不思議とスルスル読めた。本にも時期ってものがあるのかしらね?
純粋にストーリーが面白い。最初は少し恥ずかしがり屋で純粋な青年だったドリアンがどんどん堕落していくのにはゾクゾクした。退廃的……ってこういうことを言うのかな。
ドリアンが堕落していく様が不思議と美しくて、読者もこの青年の悲劇を見届けたい……っていう考えに駆られてしまう。
最後も良かったね。自分の罪に振り回されて破滅……。若さと美しさに執着してたのにそれも失われる案外あっけな