【感想・ネタバレ】ドリアン・グレイの肖像のレビュー

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雑な感想ですが

nanasi 2021年11月21日

あとがきやレビューでも言われている通り、とても読みやすい翻訳。それほど平易な日本語とも思えないのに、スムーズに読めるから不思議だ。ここまで物語の内側にすっぽりくるまれるかのようにしてこの年代の海外作品を読んだことはない。

内容に関して言えば、読んでいる最中には色々な思いが去来したものの、今はた...続きを読むだ美しい…という以外に感想がない。私が感受性に乏しいからそれしか言えないのだろうが、この物語は本文の中ですでに完成し切っており、それ以上に言い足したいことがないという気持ちでもある。
解説の中で、エドガー・アラン・ポーらの作品との共通点が指摘されている。怪奇幻想的な雰囲気もさることながら、メタファや伏線がパチッときれいにハマって終わる感じも、まさに「数学的」とも評されるポー短編の巨大バージョンと感じられた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年03月03日

私の中で1.2を争うほどお気に入りの本になりました。

思いつきそうで思いつかなかったストーリーもさることながら、キャラクターがとても魅力的。
ヘンリー卿のレスバトルの強さ……
それが正しい、と思わせる自信と巧みな言葉で相手を沼に落としていく。この作品の人物、ほぼ全てが彼の被害者と言っても過言ではな...続きを読むいな……と思います。
恐ろしいのは彼に悪気や恨みがあってそうしているわけではないというところですね……
ヘンリー卿からしてみれば、己の意見を口にしているだけ、アドバイスをしているだけ、戯れているだけなんだろうな、と……

後半のドリアンもとても魅力的。思わず読む手が止まらなくなりました。
バジルとのシーン、アラン・キャンベルとのシーンがとても印象深いです。

メイクを頑張る、ボディメイクを頑張る事ももちろん大切ですが、性格は顔に出るというから、内面を磨くことの方が大切なんだなと改めて気付かされた作品です。
見た目だけ取り繕っていても、邪な心は浸み出してしまうものなのですね。


全ての元凶といえば恐らくヘンリー卿なのでしょうが、ドリアンの結末、バジルの行末を知れば心の底からひどく悲しむのだろうな…と思いました。
あとはアラン・キャンベルも好きなのでもう少し彼を詳しく知りたかった。

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Posted by ブクログ 2021年01月25日

やりたいことをやった後に初めてやらなきゃいけないことが出来る的なことを言った快楽主義のオスカーワイルド。儚くも美しい。

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Posted by ブクログ 2020年03月01日

「なんと悲しいことなんだ!僕は歳をとっていく。そして恐ろしく醜い姿になっていく。この絵は若さを失わない。…反対だったらいいのに!いつまでも若さを失わないのが僕の方で、この絵が老いていけばいいのに。…」(P56)

3月は古典に触れようと思います。
そんな矢先に、読もうと思ったのがこの本でした。

...続きを読む間、いつまでも若々しくありたいもの。しかし、鏡に映る自分は日を追うごとに歳を取って行きます。

主人公である、美少年ドリアンもそう思っていて、画家バジルが描く自分の姿を見て、冒頭の言葉を言い放った。

何気なく、情動的に出た一言。しかしこの言葉が彼の人生を大きく狂わせることとなったのでした。

絵の中の自分は、少しずつでも確実に、彼が行う悪行とともに醜く歪んでいき、その一方で「本当の」自分は全く変わらないまま…。

理想であった、絵の中のいつまでも変わらない自分の姿が、いざ、現実となってしまった今、彼の心の中の恐怖が、文面を通じて伝わってきます。

ただ、そこに絶対に起こり得ないという、共感しきれなさがあって、そこがなんとももどかしい。
気持ちはわかるんだけど、分かりきれていない…。

そんなもどかしさを味わいながら、頭を巡らせながら読み切りました。

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Posted by ブクログ 2019年12月01日

老いるのも残酷だが、自分だけ美を保ち続けるのも残酷なんだなぁと思った。
飽きさせないストーリー展開に加えて、ヘンリー卿の毒舌などでワイルドの人生観を堪能できた。

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Posted by ブクログ 2017年06月17日

THE NOVEMBERSの小林祐介さんが勧める小説と見かけたので読んでみた。第19章で私の人生を揺るがすような素晴らしい言葉を見つけた。指針になるかもしれない。そしてヘンリー卿の言葉に深い意味などないのかもしれないが、突き刺す言葉だらけで頭と心が揺れ動き続けた。

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Posted by ブクログ 2015年05月28日

自己愛と堕落に溺れたドリアンの、醜さを描く作品。
快楽主義者による快楽主義者のための本かと思ったが、ここまで堕落し醜くなっていく人間を描き爽快感がある。
ストーリー自体は予想ができるような内容で、そこを重視すると少し退屈だと思うが文一つ一つにワイルドの考えが込められているような気がして、重厚だった。

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Posted by ブクログ 2017年12月06日

19世紀アイルランド出身の作家・劇作家、
童話も名高いオスカー・ワイルドの小説。

高校生の頃、旧訳を古本屋で買って
積読しっ放しだったことを思い出しつつ、
あまりに有名なため、
読まずしてオチを知ってしまっていたので避けていたが(笑)
まあまあ気に入っている光文社古典新訳文庫にて
第2刷が出たのを...続きを読む機に購入。
予想を遥かに上回る面白さに驚いた。
老若・美醜の問題に囚われるあまり
言動が常軌を逸していく主人公の混乱っぷりは他人事でもなく、
意外に感情移入して世界観にとっぷりハマることが出来た。
男性三人が同性愛の関係にあるのは明白なのだが、
それが罰せられる世の中だったため、
極めて婉曲かつ控え目に描かれているところが
個人的に好ましく思えるのだった。
この新訳は現代的な言い回しで綴られ、
読みやすく、お薦めしやすいが、
解説で紹介されている1950年発表の平井呈一訳の冒頭部分が
うっとりするほど色香が匂い立つような文体なので、
機会があったら読んでみたい。

尚、本書第10章以降で言及される、
ドリアン・グレイがヘンリー卿から贈られて耽読する
「悪書」はユイスマンス『さかしま』である。

[備忘]
岩田美喜「世紀末の夜の子供たち――『ドラキュラ』におけるアブジェクシオンの作用」
(東北大学英語文化比較研究会機関誌《川内レビュー》№3〈2004年〉)
ワイルドと同時代の同郷人ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』と
『ドリアン・グレイの肖像』のテーマ、モチーフの近似性を論じている。

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Posted by ブクログ 2014年10月14日

あらためてオスカー・ワイルド半端ないと思った。筋は戯曲・舞台調で陳腐と言えば陳腐でドラマチックと言えばドラマチックでとにかく飽きさせない。しかし一番の見どころ(読みどころは)ヘンリー卿とドリアンやその他貴族との洒落た軽妙な会話の数々。頭に浮かぶアイテムをつなぎ合わせたら「サロメ」のにおいぷんぷんなん...続きを読むですが、小説だけの言葉、戯曲だけの言葉の使い分けが徹底的だから筋が舞台調でも読み手がしらけずにいられるんだろうなぁ。セリフだけ書き出してトイレにでも貼っておきたい。

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Posted by ブクログ 2014年08月15日

自分が美しい事を解っている人間がその事を利用して欲望のままに生きていくって、凡人からしたらとても羨ましい。
本当に恐ろしいものは美しい。最後の最後までまでとても魅力的な一冊です。

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Posted by ブクログ 2014年05月19日

大学で絵画を専攻しているのですが、人物画のモデルには、知り合いか他人かに関わらず、特別な感情が湧きます。
私はモデル本人に打ち明けたことはありませんが、ドリアン・グレイの画家がドリアンに打ち明けたのはすごい事だなと思い、それが印象深かったです。

制作中は実際会ってる時と違う気持ちにもなり、長く描い...続きを読むてると、絵の中のモデルとの付き合いが長くなり、妙な親密さを持ち、「私の知っている絵の中のモデルとは」を考えることがあります。
それは自分の見たかったモデルの姿とか、理想像であったり、一瞬の人間らしさを感じるたたずまいなどです。

だから自分が描いた絵画の中のドリアンが変貌していくなんて知ったら、とても悲しむことだなと感じます。

結構人物画は、モデルの一瞬の美しさを絵の中に閉じ込めたいから描くイメージだったのが、これを読んで少し変化したように思います。ドリアン・グレイの肖像を読んだら人物画を描きたくなりました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年05月04日

穢れを知らぬ、青年の悲劇。
彼は「鵜呑みにする」ゆえに、
悲劇を自ら生み出してしまいます。

もしも、彼に多少の分別があれば
恐らく、若さがすべてであったり、
衰えがマイナス一方ではないことが
わかったことでしょう。

だけれども、目の前にいる完膚なき【悪魔】の
前では彼は抗うことができませんでした...続きを読む
悪であればあるほど、それは離れがたいものだから。

だけれども、自分を見なかった彼は、
最後の最後で付けを払わされます。
あのような形で…

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Posted by ブクログ 2013年07月10日

想像以上におもしろく、引き込まれながら、気になるフレーズのあちこちに線を引きながら読んだ。あらすじは随分昔から知ってはいたけれども、そうした筋よりも、ヘンリー卿の皮肉で逆説に満ちた、でも知性的で魅力ある警句の数々、並べ立てられる芸術的な美への賛辞などなど、言葉をたどることが興味深く、おもしろかった。...続きを読む悲劇的なドリアンの最期は、それでも救いがあったのか。ヘンリー卿にいわせると、はじめから救われるべきものなんてないのかもしれないけど。

線を引いたフレーズのひとつ。もちろんヘンリー卿の言葉。
「ものごとを外見で判断しないのは底の浅い人間だけだよ。世界の本当の神秘は目に見えないものではない。目に見えるものなのだ。」(pg.49)

実は近々、マシュー・ボーン演出のバレエ「ドリアン・グレイの肖像」を見に行くので予習のために読んだんだけど、もっと早くに、もっと若い時に読んでおくべきだったかも。とはいえ、今からでも読んで良かった。バレエも楽しみ!

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Posted by ブクログ 2013年05月28日

何も知らないということは、
人間が失ってしまった
全てのものを持っている
ということだ。
これには本当に納得した。
何も知らない、無垢な状態とは
知恵の実を食べてしまう前の
楽園のイブだ。
ヘビであるヘンリー卿がそそのかし、
ドリアンは罪を知ってしまった。
この時点でドリアンは
神から見放され、
...続きを読む生を追放されたのだと思う。
また、バジルの描いた絵も、
美しくありながら、
怪しいヘビであったのではないかと
感じた。
ドリアンの美しさを崇拝しながら
一方では、彼の美しさを
自覚させてしまうエゴに悩む。
だからバジルはあんなに苦しみ
絵に罪を感じていたのではないか。
けれど罪というものは美しく
魅力的だ。
絵が老いていき、
代わりにドリアン自体が美しき
罪になった。
秘密、支配、誘惑、抵抗
このワードに印をつけた。

結末で、全ての罪が戻り
死んだことで、
ドリアンはどんな感覚を得たのか。
それにより魂は浄化されたのか?

また、この時代は、同性愛について
描くのが難しかったということで
もしオスカーが現代に生きていたら
描写はまた変わるのか気になった。

美しきドリアンを崇拝する
Mなバジル。
美しきドリアンを
支配することで快楽を覚える
Sなヘンリー。

人は、持っているものが
貴重であるほど、
エゴイストになる。

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Posted by ブクログ 2012年01月18日

前情報で、同性愛、しかも男同士のという要素があるぞ。と分かっていたので、ちょっと大丈夫かなと、おそるおそる思って読み始めましたが、大丈夫でした。
女の子同士の依存のような友情っぽいなあと。

ヘンリー卿が反発するように言う思想がとても印象に残っています。
よくもまあそれだけの事を・・・と、思うほどに...続きを読む、揶揄が恐ろしく秀逸で、特に、女性を定義してみてください。という言葉に対し、秘密なきスィンクスと答えた時、少し固まって考えてしまいました。すごい。
こういう不思議な事がぽんっ、と放り投げられたような本好きです。

若さ、若さこそが全て!若さを見くびるな馬鹿もの!というような本。
これを読んでいると、将来への不安がある。社会的な不安もあるなかで、肉体的不安も持って今を生きろ。という、ちょっと残酷ではあるけれど、若さとはお金ですら買えないかけがえのない財産なのだと訴えかけられたように思えます。

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Posted by ブクログ 2011年05月31日

講談社版より、話し言葉になっているせいか、読みやすいバージョンのドリアン・グレイ。初めて読んでみようと思う方はこちらがいいのではないかと思います。

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Posted by ブクログ 2011年02月23日

村上春樹の『スプートニクの恋人』を思わせるような、ドリアン=グレイとヘンリー卿の出会い。唐突で、そして衝撃的。それを契機にドリアンは”堕落”していく。

ヘンリー卿は捉えようのない人である。彼の言動は一つ一つが優雅であるけれど、だからといって僕には一貫性があるようには思えなかった。しかし、それでも彼...続きを読むは十分に魅力的で、そしてそれはとりわけドリアンを引きつけた。そして、その価値観には、恐らく多分に作者ワイルドの価値観が反映されている(フェミニストや”正しい”価値観を持つ人からは大いに反感を買うであろうが)。それだけでなく、19世紀末のイギリスの状況も反映されているのだろう。

最後の場面で、ドリアンがなぜ死んでしまったのか、を考えるのは非常に面白いと個人的に思う。裁きが下されたのか。だとしたらそこには、ワイルドの無意識的な恐れといったものもあるのではないか。

総括として非常に面白い作品である。機知に富み、そしてエレガントな文体と台詞。色濃く反映されるワイルドの世界観。何度も読み返したいと思える作品である。

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Posted by ブクログ 2010年12月01日

素晴らしい。
ワイルドの哲学がハリーの詭弁がドリアンの美貌が狂気があらゆる芸術が心の奥に根を張って一瞬で虜にされた。
そもそも物語が単純に面白い。世界中で愛される理由がよく分かる。

この小説そのものが完成された芸術作品!
そして、“芸術とはみな、きわめて役に立たないものだ。(序文より)”
完璧過ぎ...続きを読むる作品。
死ぬまでに必ず原文を読む。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年09月26日

オスカー・ワイルドの代表作。モチーフは肖像画と自分の関係であるため、いわゆるドッペルゲンガー物とは少し異なるのだが、肖像画が自分の心のありようを反映して徐々に変化し、あたかも生きているかのようであり、自分のコントロールが効かず、またそれに怯えるようにもなる点で、ドッペルゲンガーのような存在であり、ポ...続きを読むーの「ウィリアム・ウィルソン」を思い出しながら読んでいた。最後は神経症的に自分で自分を追い詰めるようになるあたり類似していると思う。同じような作品が作られるあたり、当時の風潮も反映しているのだろうか。19世紀末という近代の一つの円熟期でもあり、豊かさとアジアからの異文化がロンドンという大都市の中で融合する時代の雰囲気が色濃く反映されていると思う。また、ダンディズム思想に彩られたヘンリー卿とドリアン・グレイの警句が全編にわたって展開されるあたり、また同時代のドイルも描いているアヘン窟の様子など、まさに世紀末のロンドンといえるのかとも。そういえば、最近フィラデルフィアのキングストンという街でのドラッグ中毒者がゾンビのように徘徊する動画が話題になったが、当時のアヘン窟もこんな感じだったのだろうか。ホームズのドラマなどの印象からは19世紀の方がもっと暗いイメージはあり、もっとやばいという感じもする。
いずれにしても、当時の雰囲気や、ワイルド一流の耽美的世界観を満喫できる作品である。

“ものごとを外見で判断しないのは底の浅い人間だけだよ。世界の本当の神秘は目に見えない物ではない。目に見えるものなのだ“(P.50)
“ヘンリー卿はまだ入ってきていない。遅刻するのが彼の主義なのだ。時間に正確であることは時を盗むものだという主義なのだ“(P.91)
“一生に一度しか恋をしない人間こそ浅薄なんだよ。彼らが一途さとか貞節とか呼んでいるものは、習慣による惰性か想像力の欠如だ。感情生活において誠実であるということは、知的生活において変化がないのと同じだ“(P.102)
“結婚の本当のデメリットは人を利己的でなくすることだ。利己的でない人間はつまらない。個性を欠いているんだよ“(P.148)
“まずい演技を観るのは、道徳に反する“(P.167)
“本当に魅力的な人間は二種類しかいない。本当にすべてを知っている人間か、何を知らない人間だ“(PP.167-168)
“情熱的な経験を排除するような思想や体系は、どんな形にせよ決して受け入れてはいけない。この快楽主義の目的とするところは、その経験自体であり、その経験から何かの成果を得ることではない。たとえその成果が甘いものであろうと、苦いものであろうとも、快楽主義は、感覚を押し殺してしまう禁欲とも、感覚を鈍らせる放蕩とも相容れない。それは、ただの瞬間にすぎない人生の一瞬一瞬に意識を集中して生きるよう、人間に教えてくれるものなのだ“(P.251)

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Posted by ブクログ 2021年05月18日

周りにいる人物や友人によって、人は大きく変わってしまうことがある。
でも、誰とどのような付き合いをするのかを選ぶのもまた自分。

自分を止める事ができなくなったドリアン。

排他的な持論を並べるヘンリー卿。

自分の思いを上手く言葉にできないバジル。

3人の間に垣間見える好意と嫌悪、嫉妬。
全ての...続きを読む感情が同時に存在する人間の心って難しい。

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Posted by ブクログ 2018年12月24日

なんか聞いたことあるタイトルと思ったが、昔「プルシアンブルーの肖像」と言う映画を観に行ったのを思い出したわ。検索したらリアル青髭がいた。


本編→肖像画を描かれて「ふーん」ってな感じだったドリアン。新しいお友達に「絵は美しいままだが、君は老いて醜くなっていく」と言われ、本能的に「いやや!歳とるのは...続きを読む絵の方で自分はずっと変わりたくない」と願いその通りになってしまう。内容は短編で収まると思うが、世の中の自分か好きな物の羅列と会話で増量。文章は素晴らしいが物語とあんまり絡んでないという。スリラーなのかね。

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Posted by ブクログ 2017年07月16日

名著中の名著ですね、この作品。
とにかくヘンリー卿の名ゼリフのオンパレードです。
名ゼリフすぎて、この著者どれだけ世間に恨みつらみ持ってんだよ、と思ってしまいます。
で、実際に著者オスカー・ワイルドさんの事を調べたらなるほど納得という感じでした、気になる方はぜひ読んでみて下さい。
僕の中でのヘンリー...続きを読む卿名ゼリフベスト5を残しておきます(ベスト5では全然足りない)。

第5位
若さが消え去れば、一緒に美も失われる。
そして君は自分にはもうなんの勝利も残されていないことを知るんだ。
あるいは過去の記憶と比べれば、敗北よりも惨めになるようなつまらない勝利で自分を満足させなければならなくなったのをね。

第4位
アメリカの女性たちは親を隠すのが得意です。ちょうどイギリス女性たちが過去を隠すのがうまいみたいに。

第3位
何の関心もない相手には、人はいつも優しくなれるものだから。

第2位
そもそも結婚などやめておけ、ドリアン。
男は疲れたから結婚する。女は好奇心から結婚する。そして両方ともがっかりするんだ。

第1位
若さを取り戻すためなら、この世でできることはなんでもするよ。
運動とか早起きとか、きちんとした生活をするとかいうこと以外ならね。

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Posted by ブクログ 2016年09月28日

難しいところもあったけど、基本的に読みやすかった。
暗い部屋の雰囲気、晩餐会の雰囲気、劇場の雰囲気、イメージしやすかった。
ぞわぞわするところは夜に思い出してはいけない。(笑)

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Posted by ブクログ 2016年02月03日

この小説は、言うまでもなく、何度か日本語の新訳が出され、3度映画化されるなど100年もの時と地域を超えて愛され続けている。

その普遍性はどこにあるのか。僕が思うに、ひとつは「美」に溺れ、若さを失わないドリアン・グレイへの憧れがあるように思う。人間は必ず老い、死ぬ。その老いや死を超越したドリアン・グ...続きを読むレイに、私たちは憧れを抱くのではないか。

もうひとつは、「魂」を売る、ということ。この小説にはたびたび「魂」という言葉が出てくる。この「魂」の穢れが、物語のひとつのキーになっている。ドリアン・グレイは「魂」を売り渡し堕落しながらも、美しさを失わず、報いを受けることがない。だとすると、「魂」とは果して何なのか・・・。「魂=内面」と「身体=外面」が、つながっているのか否かは、古来から哲学的な論争となってきた。哲学的でなくとも、「心の美しさは顔に出る」という話は、あちこちで聞くだろう。

この人間の内面と外面の関係について、究極的に突き詰めたのがドリアン・グレイという存在ではないか。「内面」を切り離した「外面」を持つドリアン、という形で。人間の内面と外面の関係という普遍的な問いに、極端なかたちではあるが答えを与えられたドリアンという存在に、読み手は魅力を感じるのではないだろうか。

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Posted by ブクログ 2012年12月13日

ドリアン・グレイという青年と、彼を描いた肖像画が招く破滅への道。というこの物語の本筋にはもちろん惹かれるのですが、それ以上に登場人物からオスカー・ワイルド本人が透けて見えてくるような気がして、そこに面白さを感じました。ドリアン、バジル、ヘンリーの3人の言葉には創作されたキャラクターが口にするものとは...続きを読む思えない、書き手本人から発せられた吐露のようなものを感じました。特に、ヘンリー・ウォットンにはかなり自分自身を投影し、普段思っていた事を存分に吐き出させているように思えます。

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Posted by ブクログ 2012年05月17日

意外とホラー/サスペンスなんだね。オチもちゃんとある。
新訳で読みやすかったけど、ウィットききすぎてわけわかんないところも多々。

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Posted by ブクログ 2011年07月11日

とても美しい小説だった。

ヘンリー卿の説く快楽への考えが、なんとも狡猾で、思わず納得してしまう。少し言葉は違うが、道徳観に惑わされて若さを無駄遣いしてはいけないと。若い時にしか快楽におぼれることはできないし、自堕落になることはできない。それこそ若者の特権なのかもしれない。

しかし、全ての行為は自...続きを読む分の身に跳ね返ってくる。「30過ぎたら自分の顔に責任を持て」とよく言われる。悪い行為をすれば悪い顔に、自堕落な生活をすればだらしない顔に、幸せであれば幸せな顔になっていくというのだ。

ドリアンは、悪徳を重ねるが、それは彼の顔に表れない。全ては肖像画が受け止めてくれる。そのためか、ドリアンは自分の行為の恐ろしさを直視することなくさらに悪徳を重ねていく。もし、倫理的悪といわれることが、自分の身になんらかの形で跳ね返ってこないのであれば、人間は悪を行ってしまうのだろうか?つまり、人間は、利己的な理由のみで悪行をくいとめているのだろうか?それが人間の本性なのだろうか?

読みながら、谷崎の作品を思い出したけれど、後で調べると、やはり、オスカーワイルドは、谷崎潤一郎や芥川龍之介なんかに多大なる影響を及ぼしている。そして、想像通り、ゲイだったよ。(男性から男性に対する思いの描写が美しすぎるので)

ところで・・・余談だけれど、「快楽主義」を実践して・・・と本のカバーにも書かれている。でも、この本で使われている「快楽主義」とは、いわゆる快楽主義(エピクロス) とは異なる。エピクロスの説く快楽とは、短絡的な肉体的快楽のことではない。精神的に幸福な状態に導くような行為をすべきであるということで、それは、肉体的な快楽をむさぼることではない。健全な生活と正しい行いが快楽をもたらすということだったはず。詳しく知っているわけではないので、えらそうなことは言えないけれど、快楽主義という言葉があまりにも間違って使われているので、気になる・・・。ウェブでも、快楽主義と検索すると、セックス、酒、薬やり放題みたいな使われ方ばっかりだなぁ・・・。

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Posted by ブクログ 2015年05月01日

英文学に興味があって、オスカーワイルドの名作ということで読んでおくかと思って読んだのですがやはり現代小説を読み慣れていると少し退屈に感じてしまいました。ただ最後のオチはなるほどなぁ、と驚きました。多少読みにくさはありましたが休憩を挟めば読めないことはありまさん。

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Posted by ブクログ 2012年10月27日

久しぶりの文学作品。
翻訳物は苦手だけど、これは読みやすかった!
性格というか自分の行いは顔にあらわれる…

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Posted by ブクログ 2012年02月11日

罪に対する罰とは、正義の勝利や罪の歯止めという意味だけでなく、罪人に対する救済という意味も持つ。
ヘンリー卿の比喩や警句が空虚な言葉遊びにしか思えなかったのは私が未熟なんだろうか。

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Posted by ブクログ 2011年11月01日

――じゃあきっと幻想だ。人が完全に確信していることというのは決して真実ではない。これが『信仰』の致命的な欠陥であり、『ロマンス』の教訓なのだ。

柳広司「ロマンス」で清彬が万里子に言ったセリフは、この中のヘンリー卿のセリフの引用だったんだな。

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